スーパーロボット大戦N   作:黒百合蜂

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とりあえず言える事としては、色々と配分が難しいなってところですかな…

まあ、とにかく書くだけですね


第十一話 覚醒する鬼と死を告げる天使

〜???〜

ジョー「……」

 

どこかも分からぬ暗い部屋……そこへ、ジョーが入ってくる。

 

沢渡「よォ、ご苦労だったな」

 

ジョー「……見ていたのか」

 

沢渡「ああ。お前が陸を殺したトコロもな」

 

加藤「手間かけさせたな、ジョー」

 

ジョー「……俺はただ、奴が気に入らなかっただけだ」

 

お前達のためではない……と暗に示すジョー。

 

加藤「まァ何でもいいさ……それより、『ヤツ』を見てきたんだろう?」

 

ジョー「ラインバレルの事か? ファクターも色も、分からん事が増えたが……」

 

ジョーがそうぼやく……が、加藤はそれを無視し、指令を下した。

 

加藤「日を跨ぐとはいえ、連戦続きにはなるが……今からお前にはJUDAまで行き、ヤツにちょっかい出して来てもらおうと思ってな」

 

ジョー「構わん。俺もあいつや旋風寺舞人には因縁があるからな……だが、何故だ?」

 

加藤「眠った鬼を目覚めさせるのは早い方がいい。後は沢渡とデミトリー、マサキにも行ってもらう」

 

今度は質問に答える加藤。そこへ、新たに何者かが入ってきた。

 

???「面白そうな話じゃねえか。そんじゃ、俺らも1つ噛ませてもらえねえか?」

 

白髪のモヒカン姿で、背には鉈のような刀を背負っている男……ジョット・ライは、入るなり話を持ちかける。

 

加藤「……隠者か」

 

沢渡「誰かと思えばテメェかよ……ビックリさせやがって」

 

ジョット「あァ〜……そりゃあ悪かったな……で、どうだ? あんたらにとっても悪い話じゃねえだろ?」

 

加藤「フッ……いいだろう。だが、あくまでも我々の指示で動いてもらうぞ」

 

ジョット「いいぜ……ただよ、こっちには作戦があってな……」

 

そう言うと彼らは、暗い部屋で話を始めた……

 

〜JUDA・玄関口〜

あの戦いから一夜が明けた。保護されていた少女の1人……サリーは舞人に付き添われ、JUDAの玄関へと来ていた。

 

サリー「……じゃあ、私はここで。舞人さん、本当にありがとうございました」

 

舞人「気にする事じゃないさ。それよりも、サリーちゃんが無事でよかったよ」

 

サリー「はい……あの、舞人さん」

 

舞人「どうしたんだい?」

 

サリーの言葉に耳を傾ける舞人。当の彼女は、神妙そうに言葉を発した。

 

サリー「……あの人……本当は悪い人じゃないと思うんです。確かに、あの誘拐犯の仲間だったけど……その前にも私達を助けてくれたし、囚われてる間にも気遣ってくれた事もあったし……」

 

舞人「サリーちゃん……」

 

サリーの訴えに、閉口する舞人。しかしすぐに口を開いた。

 

舞人「……その言葉は受け止めるよ。だが、あいつは今、悪の道を進んでいる……そして、仲間であるはずの人間にまで手をかけたんだ」

 

サリー「舞人さん……でも……」

 

舞人「……ただ、サリーちゃんがそう感じた事、蔑ろにするつもりはないさ。またあいつに会った時、手は尽くしてみるよ」

 

サリー「! ありがとうございます!」

 

先程とは一転、ぱっと顔が明るくなる。

 

舞人「いいさ、これも勇者特急隊としての務めだからね。それじゃあサリーちゃん、気をつけて帰るんだよ」

 

サリー「はい! 舞人さんもお気をつけて!」

 

別れの挨拶を交わした後、颯爽と舞人はJUDAへと戻って行った。

 

〜JUDA・社長室〜

同じ頃……社長室に集まるJUDAの面々。全体の雰囲気は暗く、静かであった。

 

シズナ「しっかし……絵美ちゃんがラインバレルを動かせたなんてなァ……」

 

宗美「2人乗りのマキナと言えば、ディスィーブがそうですが……」

 

石神「ソレなんだケド、ディスィーブの2人乗りは後から造ったシステムなんだよねェ」

 

山下「じゃあ、ファクターが2人いるってのは、おかしいコトなんスか?」

 

辰也「そうじゃねえのか? 『ファクターが2人存在するマキナは今まで報告されていない』って前に聞いたからよ」

 

森次「瀧城の言う通りだ。2人乗りと2人のファクターが存在するとでは、意味が全く異なる」

 

浩一「そんなコト、どうでもいいんですよ……!!」

 

議論の最中、浩一が声を荒げる。場の空気も一層、張り詰めるものとなった。

 

浩一「色の変化も、戦い方も……オレはラインバレルについて、知らなかったコトがあった……」

 

城崎「……」

 

浩一「なぁ、城崎……」

 

声をかけられ、びくりと反応する城崎。

 

浩一「お前が巧くラインバレルを動かせるなら、オレはいらねェよな」

 

ジゼラ「なっ……どうしてそんな事を……!」

 

辰也「今まで一緒に戦ってきたじゃねえか……!」

 

緒川「そうよ……それに、彼女だって……」

 

上がった声を無視して、浩一が話を続ける。

 

浩一「キミがオレを監視してたコトは怒らない……でも、ラインバレルのファクターだったコトを黙ってたのは許せない」

 

浩一の声に、段々と怒気が孕む。拳にも力が入り、震えていた。

 

浩一「……でも1番許せないのは……オレが死んだ時、城崎がラインバレルに乗っていたコトだ!! それなら城崎がオレを殺したのと同じコトじゃないか!!!」

 

城崎「!!」

 

自身が死んだ時の光景を思い出しながら、浩一が叫ぶ。その言葉に、愕然とし何も返せない城崎。

 

浩一「キミは……最低だ」

 

城崎「……」

 

石神「どこに行くつもりだ、早瀬クン」

 

がちゃり、とドアを開け、浩一が外へ出ようとする……が、石神がそれを止めた。

 

浩一「……城崎だってラインバレルに乗れるんだ……それも、オレより巧く……だったら、オレがここにいる理由はもう無いでしょ?」

 

ドモン「……本当に、その道を選ぶのか?」

 

浩一「は……?」

 

唐突に呟かれたドモンの問い、それに浩一は思わず反応した。

 

ドモン「お前があの時……自分の意思でラインバレルに乗った時、何になりたいと願っていた」

 

浩一「……」

 

ドモン「今のお前の姿……亡き友が見たらどう思うだろうな」

 

浩一「……言っていいコトと悪いコトがあるだろうが!」

 

亡き友……矢島を指しているその言葉にカッとなる浩一……を、道明寺が抑える。

 

道明寺「落ち着けよ……なぁ浩一、カッコつけてもっともらしいコト言ってるが……要はお前の本音ってのはアレだろ?」

 

浩一「……何だよ、道明寺」

 

自分を抑える道明寺に、苛立ちながらも聞き返す。

 

道明寺「お前はさ……自分のモノだと思ってたラインバレルが、他の奴のモノでもあった……で、そいつがよりにもよって女の城崎……ってのが気に入らねェだけだろ。違うか?」

 

竜馬「ケッ、つまりはガキが自分のオモチャ取られて駄々こねてるだけかよ……バカらしくて笑えてくるぜ」

 

隼人「おい、竜……」

 

道明寺の言葉と竜馬の煽り……それを受け、浩一は遂に我慢の限界を迎えた。

 

浩一「テメェら、いい加減にしやがれ!!」

 

凱「待て、浩一!!」

 

石神「そこまでだ、君達!!!」

 

石神の怒号……今まで温厚な姿が印象的だったからこそか、周りはただ黙る事しかできなかった。

 

石神「城崎クン……少しの間、席を外してもらえないか」

 

城崎「……はい」

 

ジゼラ「わ、私も……」

 

緒川「いいわよ。友達が心配なのよね?」

 

城崎に緒川、ジゼラが退出する。それを確認した後、石神が口を開いた。

 

石神「……早瀬クン、キミが怒るのも無理はない……だから、私の知っているコトを話そう。その代わり……今から話すコトは、城崎クンには秘密にしてもらいたい」

 

〜JUDA・とある一室〜

別室へと移った城崎とジゼラ。窓辺で俯いている事しかできない城崎を、ジゼラは心配しつつも見守っていた。

 

城崎「……私も最低か……確かに、最低よね……」

 

ジゼラ「そ、そんな事ありませんよ!」

 

先程言われた言葉を受け、自らを卑下する城崎。それを聞いてすぐ、ジゼラが声を上げた。

 

城崎「ジゼラさん……」

 

ジゼラ「城崎さんは城崎さんのやれる事をやっただけ……私だって、同じなんですから……! それに早瀬さんだって本当は……」

 

城崎「え?」

 

城崎の頭に疑問符がつく……が、コンコンというノック音が、それを掻き消した。

 

舞人「やあ、絵美ちゃん……話は緒川さんから聞かせてもらったよ。元気がないのはそのせいかな?」

 

ドアが開くと、そこには食事を持ってきた緒川と、舞人の姿が。

 

ジゼラ「舞人さん? どうして……」

 

緒川「私達が社長室から出てきたの、見つかってたみたいでね……それより、舞人クンの言う通りよ。昨日の今日で色々あって、あんまり食べれてなかったみたいだから……」

 

城崎「……ありがとうございます……でも、今は食欲が……」

 

緒川「ダメよォ。ファクターっていっても栄養は取らなきゃ」

 

ホラ! と手作りのパスタを差し出す緒川。城崎を椅子に座らせると、懇々と語り始めた。

 

緒川「……社長も、過去には色々あるみたいでね……周りに知られたら、危ない橋を渡るコトになるみたいなの……で、ある時、もし知られたらってコト聞いてみたら……こう言ってたわ」

 

例えどんなコトになっても、真摯な態度で向き合っていくしかない……って。

 

城崎「!」

 

その言葉に思う所があったのか、城崎が顔を上げる。

 

緒川「だから絵美ちゃんも、向き合う準備をしておくのよ」

 

城崎「向き合う準備……ですか?」

 

緒川「そう。アナタの本心を打ち明け、早瀬クンと真剣に向き合う準備をね」

 

城崎「……」

 

ジゼラ「……私も、エレミタだった事とか、自分の過去とかが分かった時、不安だったけど……辰也さんは受け入れてくれた……だから、絶対……とは言い切れないけど、大丈夫だと思います」

 

舞人「だな。それにあいつ、君が攫われたって聞いた時、責任を感じてたよ……自分が背中を押したから、危ない目に遭ったんじゃないかってね」

 

城崎「!」

 

舞人「もちろん、だから許してやれ……なんて言うつもりはないさ。けど、それくらい君の事を心配してたんだ」

 

緒川「だからそろそろいいんじゃない? 彼に甘えちゃっても」

 

彼らの言葉に耳を傾けていた城崎。何かを決意したのか、自らの手をギュッと握った。

 

城崎「あの……緒川さん」

 

緒川「何?」

 

城崎「ひとつ、お願いがあります」

 

〜JUDA・社長室〜

所変わって社長室……そこでは、城崎とラインバレルについて、石神と牧が説明をしていた。

 

浩一「……じゃあ……城崎は、ラインバレルに長時間乗れないってコトですか?」

 

石神「そうだ。彼女自身は自分の体に問題があると思っているが……私と牧が調べた結果、ラインバレルが彼女を拒絶している───いや、正確に言えば、彼女を戦わせないようにしているといった感じだな」

 

牧「未だに原因は全く分からないんだけどね」

 

イズナ「じゃあ、戦闘の最中で黒くなったのが戻ったのも……」

 

牧「あれ以上は、彼女が危険だとラインバレルが判断してのコトだろう」

 

浩一「……」

 

説明を受け、先程投げかけた言葉を後悔しているのか、浩一が俯く。

 

石神「それから早瀬クン……彼女はキミを殺した張本人ではないよ」

 

その言葉に、俯いていた浩一が顔を上げ、驚いている表情を見せた。

 

石神「確かに彼女は、キミが死んだ時ラインバレルに乗っていた。だがそれは、彼女の意思とは無関係だったんだよ」

 

浩一「どういうコトですか!?」

 

石神「彼女はずっと眠っていたんだよ……ラインバレルが落ちた瞬間までね」

 

浩一「ずっと眠ってた……?」

 

石神「そう。そして目覚めた彼女は……それ以前の記憶をほとんど失っていた」

 

宗美(そうか……彼女もまた、僕と同じ……)

 

石神「だが……城崎クンは泣きながら、キミを助けるよう、ラインバレルに何度も頼んでいた……自分の置かれた状況も理解できていないのにだ」

石神「その結果、キミはファクターとして蘇った」

 

浩一「……」

 

城崎は自分を殺していなかった……それどころか、命を救おうとしていた事、そんな相手に、暴言をぶつけてしまった自分に対して、浩一は複雑な心境でいた。

 

浩一「……なんだよ……散々大事なコト黙っておきながら、本当に1番大事なコトまで黙っていやがって……」

 

道明寺「……まぁともかく、アレだな……正義の味方を目指すお前にとっては、ナイスな展開ってコトだな」

 

浩一「……なんでそうなるんだよ……!?」

 

道明寺「だってよ、今聞いた話からするとだ……お前がラインバレルと命を共有してんなら、同じマキナのファクターである城崎とも命を共有してるってコトだろ?」

道明寺「なら、お前がラインバレルに乗って戦い続ければ、結果的に城崎の命を守り続けるってコトになるんじゃないの?」

 

あれ、ちがいます? と石神に問いかける道明寺。浩一ははっとした表情を浮かべ、道明寺と石神の方を向いた。

 

石神「彼の言う通りだ、早瀬クン……故にキミはファクターになった瞬間から、もう1つの命───つまり、城崎クンの命も背負っていたのだよ」

 

浩一「……オレが、城崎の命を……」

 

ドクン……と心臓の鼓動が鳴る……そんな中、社長室の扉が開き、緒川と舞人が現れた。

 

緒川「早瀬クン……もう話がすんだのなら屋上に来て」

 

舞人「何しろ、お前にとって大切な人が待ってるからな」

 

呼ばれた浩一の顔は凛としており、決意を漲らせていた……

 

〜JUDA・屋上〜

屋上に辿り着いた浩一。目の前にはただ1人、城崎の姿。

 

城崎「……」

 

浩一「大体の話は社長から聞いたよ」

 

目を逸らしつつも、城崎の方へと歩いていく浩一。

 

浩一「その、さっきは酷いコト言ってゴメン……城崎だってあんな目に遭って辛かったのに、最低だなんて……」

 

城崎「私の都合で黙っていたコトです……だから、あなたが謝る必要はありません。それに舞人さんから聞きました……私を助けようと必死になっていたコトも」

 

浩一「でも、結局オレは城崎を傷つけちゃったし……それに、知らずとはいえ城崎の命を背負っていながら何度も……」

 

城崎「……それでも……あなたが謝る必要はありません」

 

浩一「……城崎……」

 

城崎「私……怖かったんです。全てを話し、あなたに拒絶されたら……短い時間しかラインバレルに乗れない私が、この戦いの中を1人で生きていくコトは出来ません……」

城崎「それなのに私は、あなたを疑いの目で見続けてきました。自分の命を託せる相手かどうか判断するために……」

 

顔を背けていた城崎が、浩一の方を見る。

 

城崎「本当に……ごめんなさい」

 

その目からは、涙が流れていた。

 

城崎「だって……それは、私の我儘で身勝手な都合を、ただあなたに押し付けてるだけだった……本当はそんなコト出来る立場じゃないのに……」

 

涙を浮かべながら、地べたへとへたり込む城崎。

 

城崎「なのに……そんな酷いコトしたのに……それでも私は……あなたしか……」

 

浩一「城崎……」

 

2人の間には静寂が残る……ただ、吹き荒ぶ風の音だけが、響いていた───

 

 

 

 

 

───JUDAのどこかで、爆発が起こるまでは。

 

浩一「あれは……!!?」

 

轟音の方へと、浩一が向く。そこには、無数のアルマや犯罪者のロボット……そして、エレミタの機体の姿があった。

 

ジョット「よぉ! 来てやったぜぇ……JUDAァ!!」

 

沢渡「おい……あんまイキがんなよ、隠者」

 

ジョー「フン……」

 

先陣を切っている黄色い機体……フェルミニの両翼には、イダテンと飛龍……そしてその背後には、重武装のアルマ……カグツチが立っていた。

 

デミトリー「隠者……分かっているな? お前達の作戦も組み込んでいるとはいえ、この場では我々に従ってもらう」

デミトリー「それと沢渡、ジョー……お前達は分かっているだろうが、今日はマサキの仕切りだ。勝手な行動は慎め」

 

沢渡「心配すんな、デミトリーの旦那ァ。ちゃんと分かってるよ……しっかりきっちりとさァ」

 

ジョー「お前こそ分かっているだろうな? 早瀬浩一は譲ってやるが……旋風寺舞人と獅子王凱は俺の獲物だ」

 

デミトリー「無論だ……口数の多いエースよ」

 

ジョット「チッ……まあ仕方ねえ。俺も俺で、てめぇらに従えって言われてんだからよ」

 

……突如現れた無数の機体群を、浩一は見下ろす。

 

浩一「バカみたいな数で攻めてきやがって……」

 

城崎「……お願いです、早瀬クン……」

 

そんな中、城崎が声をかける。

 

城崎「私を、守ってください」

 

涙で濡れた顔、そして、真っ直ぐと向けられた瞳……それを見た浩一は、声を振り絞り出した。

 

浩一「……オレは2度と、城崎をラインバレルに乗らせる気は無い! その代わり、オレは必ず……城崎より巧くラインバレルを使えるようになってみせる!! だから───」

 

 

 

 

 

浩一「───オレが城崎を、守ってやる!!!」

 

城崎を立たせ、自身の方へと寄せる……城崎は呆然としていたが、すぐに安堵の表情を浮かべた。

 

城崎「……はい」

 

道明寺「……え〜〜〜、お取り込み中のトコ悪いが……ご覧の通りかなりヤバイ状況だ」

 

2人の空間に、道明寺が入る。浩一達は顔を赤らめ、パッと離れた。

 

浩一「あ……ああ。みたいだな」

 

道明寺「でだ! どうする早瀬……って言っても、その感じじゃもう分かってるみたいだな……お前が今、どうすればいいか」

 

浩一「……道明寺、分かっているのはどうすればいいかじゃない───」

 

 

 

 

 

浩一「───オレが今、どうしたいかだ!!」

 

その言葉と共に、白き鉄の巨人……ラインバレルが降り立った。

 

 

 

第十一話 覚醒する鬼と死を告げる天使

 

 

 

〜JUDA〜

アルマ達の目の前に現れたラインバレル。浩一は迷わず、それに乗り込んだ。

 

石神「早瀬クン、どうやらもう大丈夫なようだな」

 

石神から通信が入る。

 

浩一「ええ、オレはもう迷わないですよ……なんたって、全て分かったんですからね」

 

石神「ほぅ〜〜〜、それは結構だ……で、いったい何が分かったんだね?」

 

石神の問いかけに、真っ直ぐ前を向き、浩一が答える。

 

浩一「オレは正義を成すためにラインバレルに乗るんじゃない。オレがラインバレルに乗るコトこそが、正義だってコトにですよ!」

 

石神「上等だ! 早瀬クン! さて……皆も出撃だ。正義の味方に加勢してやってくれ」

 

森次「了解です」

 

凱「ああ、行くぜ!」

 

ラインバレルの後ろに、機体が出撃した。

 

石神「……とにかく、良かったじゃないか、城崎クン」

 

城崎「……はい」

 

安堵の笑みを浮かべる城崎……一方で、外ではヴァーダントが、ラインバレルに武器を手渡していた。

 

森次「受け取れ、早瀬。プラントで修復中のスタビライザーから直接外して来た」

 

浩一「森次さん……」

 

ラインバレルがスタビライザーを受け取る……と、城崎から通信が入った。

 

城崎『早瀬クン! そのスタビライザーはエグゼキューター……前に早瀬クンが刃状に使った武器が使えます!』

 

森次「付け加えておくが、それは本来、銃器のように使うモノだ」

 

浩一「そ、そうなんですか!?」

 

城崎『はい……威力は早瀬クンが前に使った時と変わらないので、気をつけてください……それと今は、予備カートリッジを使っているので、数回の射撃が限度です』

 

浩一「……分かった。威力が変わらないなら2〜3発撃てれば充分だよ」

 

城崎『あ……あと……』

 

浩一「なんだよ、まだ何かあるの!?」

 

城崎『……その……頑張ってください』

 

浩一「……おう!」

 

城崎の声援を受け、一層体に力が入る浩一。

 

ジゼラ「城崎さん……早瀬さん……」

 

辰也「へぇ……いいじゃねえか、浩一! で、サトルにも……」

 

山下「そう、ハインドの新しい武器……長距離砲だ! 安心してよ、早瀬、瀧城!」

 

浩一「ナイスな武器じゃないか、山下クン!」

 

辰也「ああ、俺も同意だぜ!」

 

ジゼラ「……」

 

新調されたハインドの武器に目を輝かせる辰也達。ジゼラはいつものように呆れつつ、それを見ていた。

 

ドモン「……早瀬浩一、先程はすまなかった」

 

そんな中、ドモンが浩一に通信を開き、謝罪する。

 

浩一「ドモンさん……」

 

ドモン「お前が自棄になっている姿を見て、発破をかけたつもりだったが……確かに、言葉を選ぶ必要があったな」

 

浩一「……もういいですよ。さっきまでのオレがガキだっただけです……ソレに、今のオレの姿なら、矢島にも見せられるって、そう思いますから」

 

ドモン「フッ……変わったな、浩一」

 

竜馬「俺も悪かったぜ、浩一……お前があまりにもギャーギャーうるせえから、ついイラっとしちまった……けどよ、今はもう違えな」

 

浩一「竜馬さん……ええ、その通り! 今のオレは……『正義の味方』ですからね!!」

 

竜馬「ヘッ、上等! んじゃ浩一、あいつらに味わわせてやれよ……ラインバレルの……お前の正義って奴をな!!」

 

浩一「はい! ……行くぞ、ラインバレル!!」

 

ラインバレルを……「正義の味方」を先頭に、ロボット達は大群へと突っ込んでいった。

 

〜戦闘開始〜

浩一(初戦闘時)

浩一(そうだ……ラインバレルに乗るコトが、オレの正義……そして、城崎のためにも……オレが戦うんだ!!)

浩一「オレは城崎を守る! だから……力を貸せ、ラインバレル!!」

 

 

宗美(初戦闘時)

宗美(城崎さんも……僕と同じような境遇みたいですね)

宗美「……そして、早瀬クンは大切な人を守ろうとしている……だから僕も、僕の守れるモノを……早瀬クン達を守るんだ! そのために行こう、タリスマン!!」

 

 

舞人(初戦闘時)

マイトガイン「新たな勇者……正義の味方の誕生だな、舞人!」

 

舞人「ああ……あいつは今、改めて自分の道を……正義を行こうとしている。嵐を呼ぶ勇者として、俺も負けていられない!」

 

マイトガイン「その意気だ、舞人! 我々も勇者の先達として、戦う姿を見せなくてはな!」

 

 

凱(初戦闘時)

凱(命を背負って戦う、新たな勇者……正義の味方の物語が、今始まる……って所か)

凱「俺もお前に見せてやるぜ、浩一! 勇者の……正義の味方の戦う背中って奴をな!」

 

 

ドモン(初戦闘時)

ドモン「浩一……お前は今、真にその機体を動かす資格を得た……また一歩、成長したな」

ドモン「……俺も負けてはいられん! 奴を叱咤した俺が、こんな所で倒れてなるものかぁっ!!」

 

 

竜馬(初戦闘時)

隼人「全く……下らん茶々を入れやがって……少しは黙っていられんのか」

 

竜馬「そりゃ悪かったな、隼人……けどよ、あいつはもう、俺に言われっぱなしのガキじゃねえ」

 

弁慶「うむ……それにしても、お前の口から正義と出るとはな……今から槍かビームでも降るのか?」

 

隼人「フッ……違いない。その言葉はお前に……俺達には似合わんだろう」

 

竜馬「う、うるせえぞ、てめえら! ごちゃごちゃ言ってねえで、奴らを片付けるぜ!」

 

 

アキト(初戦闘時)

アキト(ラインバレルに乗る事が、自分にとっての正義……か。浩一は今、正義の味方になりつつあるんだな……)

アキト「……俺も負けていられねぇ! あいつが自分の正義を見つけたように、俺も俺自身の正義を見つけるんだ!」

 

 

辰也(初戦闘時)

ジゼラ「城崎さんに早瀬さん……本当によかったぁ……」

 

辰也「そうだな……一時はどうなるかと思ったけど、何とかなってよかったぜ」

 

ジゼラ「……私も、城崎さんに負けてられないな」

 

辰也「? 何をだよ?」

 

ジゼラ「! な、何でもありません!! そんな事よりも、あいつらをやっつけますよ!!」

 

 

〜〜〜

浩一「今のオレなら……こいつを使える!」

 

ラインバレルがエグゼキューターを放ち、アルマを一掃する。

 

舞人「浩一に続くぞ! ガイン、動輪剣を使う!」

 

ドモン「浩一の……俺達の邪魔をするな!」

 

山下「ハインドの新兵器、食らえっ!」

 

他の機体も、敵軍を蹴散らしていった。

 

ジョット「ヒャハァッ! やるじゃねえかよ、あいつら!」

 

ジョー「それでこそ俺のターゲット……むしろ、この程度でやられるようなら、たかが知れている」

 

沢渡「だがな……これだけじゃねェんだわ」

 

沢渡がそう言った瞬間……空に1機の巨大なマキナが現れた。

 

浩一「なっ……マジかよ……!」

 

巨大なマキナは、ラインバレルを見下ろすかのように、静かに宙へと佇んでいた。

 

マサキ「加藤機関一番隊隊長、菅原マサキ。今から私のマキナ……グラン・ネイドルが、貴様らの相手をしてやる」

 

オルガ「おいおい……マキナってのはあんなデカブツもいるのかよ……?」

 

オリファー「あのサイズ……モビルアーマー級か……!」

 

三日月「まあ、俺達もデカいモビルスーツと戦った事あるしね……それに、どんなにデカくても関係ない」

 

剣児「上等じゃねえか! どんな野郎でもかかってこいってんだよ!」

 

マサキ「有象無象どもめ……まあいい、始めるとしよう」

 

新たに投入されたグラン・ネイドル……それを見上げ、また戦闘は行われた。

 

〜戦闘再開〜

浩一(対マサキ)

マサキ「貴様の相手は私のマキナ、グラン・ネイドルが引き受ける」

 

浩一「あれが……加藤機関のマキナ……!!!」

 

マサキ「そのマキナ、ラインバレルと言ったな……ここまで辿りついてみせろ」

 

浩一「上等だ……このデカブツ野郎が!!」

 

 

浩一(対沢渡orデミトリー)

デミトリー「貴様が早瀬浩一か……私は加藤機関三番隊隊長、デミトリー・マガロフである」

 

浩一「随分とまぁ大所帯で来たもんだな……とはいえ、所詮はアルマ……今のオレにとって不足はねェ!」

 

沢渡「舐めてくれんじゃねェかよ、二本角……何があったかは知らねェが、その減らず口が利けねェようにしてやるぜ!」

 

浩一「かかって来いよ……オレは自分のだけじゃねェ……城崎の命も背負ってるんだからな!!」

 

 

浩一(対ジョー)

浩一「アンタには、城崎達が色々世話になったな……もちろん、悪い意味でじゃねェケドよ」

 

ジョー「勘違いするなよ、早瀬浩一……俺は獲物以外を狙うつもりはない……それに、豚野郎の事も単純に気に入らなかっただけだ」

 

浩一「そうかよ……まぁいいさ。これで貸し借り無しってコトで、アンタを倒させてもらう!」

 

ジョー「いいだろう……譲ってやるとは言ったが、俺の獲物がお前である事に変わりはない! 任務の手前、殺すまではいかんが……落とさせてもらう!」

 

 

浩一(対ジョット)

ジョット「マキナ殺し……随分とやる気じゃねえの」

 

浩一「ああ……オレは城崎の命も背負ってるんだ! そう簡単に負けられねェんだよ!」

 

ジョット「じゃあお前を殺せば、2人分ブチ殺した事になんのか? いいじゃねえか……楽しくなってきたぜぇっ!!」

 

浩一「イカれたスピード野郎が……さっきも言ったろ! オレはそう簡単に負けられねェってな!!」

 

 

森次(対沢渡orデミトリー)

沢渡「チッ、青いのが相手か……」

 

デミトリー「警戒しているようだな、沢渡……それもそうだろう、奴は相当の手練だからな」

 

森次「アルマ……マキナの模造品(コピー)ごときで私に勝てると思うな」

 

デミトリー「……模造(コピー)で富を築いた国の人間が言うコトか!!」

 

沢渡「面白いじゃねェかよ!! 行くぞ旦那ァ!!!」

 

 

舞人(対ジョー)

ジョー「来たか、旋風寺舞人……お前は俺の手で倒す!」

 

舞人「ジョー……お前はこのままでいいのか?」

 

ジョー「何?」

 

舞人「サリーちゃんが言ってたぜ……お前は本当は、悪い奴らと連むような人間じゃないんじゃないかってな」

 

ジョー「……あの女、知った風な口を……俺は俺の目的のため、奴らと組んでいるだけだ。そのためなら手段は問わん!」

 

舞人「一応話してはみたが、無駄だったか……なら、改めて俺はお前を倒す! 勇者として、悪党には容赦はしない!」

 

 

剣児(対マサキ)

剣児「てめぇ……鏡みたいにスカした面しやがって! そいつがどこまで続くか見ものだぜ!」

 

マサキ「……今のジーグはこの程度の馬鹿か……だが、油断するつもりはない……躊躇なく叩き潰してやる」

 

 

九郎(対ジョット)

ジョット「! お前……魔を断つ剣、デモンベインか」

 

九郎「なっ、お前……デモンベインと何かあるのかよ……?」

 

ジョット「まあな……ま、今はんな事話してる場合じゃねえ……とりあえず、てめえも捕獲対象だぜ、デモンベイン!」

 

アル「何を感じ取ったかは聞かんでおいてやる……だが、妾達の邪魔をするのならば、容赦はしない!」

 

九郎「だな……行くぜ、エレミタ!」

 

 

辰也(対マサキ)

マサキ「隠者の太陽か……だが、今の貴様では、このグラン・ネイドルを落とせはしまい」

 

辰也「言ってくれんじゃねえかよ……デカマキナのファクター! 俺だって伊達にこの機体に乗ってねえんだ、甘く見た事を後悔させてやるぜ!!」

 

 

辰也(対ジョー)

ジゼラ「あ、あの……」

 

ジョー「何だ?」

 

ジゼラ「あの時は言えなかったけど……私達を助けてくれて、ありがとうございます……!」

 

辰也「俺からも言わせてもらうぜ……あんたがいなかったら、ジゼラはもっとひでぇ目にあってただろうからな」

 

ジョー「……お前達に礼を言われる筋合いはない。俺は自分の意思に従った……それだけだ」

 

辰也「ああ、そうかよ……ま、こっちも礼は伝えたんだ、後はあんたを倒すだけだぜ!」

 

 

辰也(対ジョット)

ジョット「久しぶりだな、瀧城辰也ァ! イールソウルとジゼラ・ジェノは返してもらうが……その前に俺と殺し合おうぜ!!」

 

辰也「前にも言ったろ! お前らなんざにジゼラとイールソウルは渡さねえ! とっとと帰りやがれ、スピード馬鹿!!」

 

ジゼラ「私も辰也さんと一緒に戦います……貴方達なんかに、何もせず捕まってたまるもんか!!」

 

辰也「だな……んじゃあ行くぞ、ジゼラ!!」

 

 

〜〜〜

森次「その程度で勝てると思うな」

 

デミトリーの指揮するアルマ達を一網打尽にするヴァーダント。

 

山下「森次さん! 援護するっス!」

 

ハインドも長距離砲で応戦する。

 

デミトリー「さすがはオリジナルマキナ……と言ったところか」

 

沢渡「悠長に言ってる場合かよ、旦那!」

 

残す所はイダテンとカグツチのみ。

 

舞人「マイティスライサーだ!」

 

凱「ブロウクン・マグナムッ!」

 

マイトガインとガオガイガーも、飛龍や犯罪者のロボット達に攻撃を続けている。

 

ジョー「フ……それでこそ俺の獲物……旋風寺舞人と獅子王凱だ!」

 

犯罪者のロボットは悉く撃墜され、こちらも残るは飛龍。

 

ジゼラ「辰也さん! ここはアルア・タリアーリで!」

 

辰也「ああ! この翼で全員、切り裂いてやるぜ!」

 

エレミタの量産機体……ロスクリータも、イールソウルの攻撃で殲滅された。

 

ジョット「いいねぇ……やっぱブチ殺し甲斐がありそうだ!」

 

イールソウルの前には、フェルミニだけが立っていた。

 

浩一「……クソッ」

 

ラインバレルも、グラン・ネイドルの指揮下にあるアルマ達と交戦し、蹴散らしていた。

 

マサキ「どうしたラインバレル……貴様の力はその程度か?」

 

浩一「あのデカブツに近づくには、アルマ共が邪魔だ……!」

 

マサキ「……ラインバレルのファクター、殺さずの戦いをやめるんだな」

 

浩一「!」

 

マサキ「気付いていないとでも思っていたか? 貴様は常に相手の操縦席を外した戦いをしている……ラインバレルの機体性能なら、この程度のアルマを散らすコトぐらい造作もないハズだ」

 

浩一「黙れ!! オレは正義の味方になるんだ!! 人殺しになるつもりはない!!」

 

マサキ「しかし、そんな戦いをしてラインバレルを破壊されれば、やはり貴様は人殺しになるのとは違うか?」

 

浩一「……!!! アンタ……なんでそのコトを知ってるんだよ!」

 

舞人「飲まれるな、浩一!」

 

アキト「敵の言う事に惑わされるなよ……お前が正しいと思った事をやればいい! それが正義の味方……ヒーローだろ!」

 

マサキの言葉に動揺する浩一……を、舞人とアキトが支える。

 

浩一「舞人……アキトさん……そうだな! おい、デカブツ野郎! 高いトコロから分かった風なコト言いやがって! 今、そこから引き摺り下ろしてやるよ!!!」

 

その言葉と共にラインバレルがスタビライザーを構え、エグゼキューターを放つ───

 

 

 

 

 

───が、そのビームはグラン・ネイドルの装甲によって弾かれた。

 

浩一「! 弾かれた!? まさか……」

 

マサキ「斉射」

 

その言葉を合図に、グラン・ネイドルがラインバレルに向かって一斉射撃を始める。

 

マサキ「ビーム兵器を持つマキナは、ラインバレルだけではない……故にビームに対しての防御も、この機体は備えている」

 

三日月「へぇ……俺達と同じようなもんか」

 

フォント「ビームを弾くマキナがあるなんてな……まさかとは思っていたけど……!」

 

ルリ「ですが、ナノラミネート装甲などの前例からして、おそらく防げるのはビームのみ……物理的な攻撃であれば、あるいは……」

 

森次「ああ……ホシノオペレーターの言う通りだ。早瀬、私の合図でこのアルマを撃て」

 

浩一「撃てって……どうするつもりですか!?」

 

森次「いいから撃て、パイロットも既に脱出している」

 

そう言うと同時に、ヴァーダントがアルマを投げつける。アルマはグラン・ネイドルへと近づいていった。

 

森次「今だ、撃て!!」

 

森次の合図で、ラインバレルがエグゼキューターを放つ。投擲されたアルマは爆発し、破片がグラン・ネイドルへと当たった。

 

浩一「効いた……ダメージ受けてますよ、森次さん!!」

 

森次「防げるのはビームだけか……やはり物理的なダメージなら有効のようだな」

 

物理攻撃が効く事に対し、活気付く自軍部隊。

 

オルガ「そうか……だったらもう、怖いもんはねえな!」

 

山下「そのための長距離砲っスもんね!」

 

トロワ「こちらにはミサイルもある」

 

竜馬「それによ、こっちにゃ空飛べる奴もいるんだ!」

 

浩一「残念だったな、デカブツ!」

 

……だが、マサキはこの状況においても冷静であった。

 

マサキ「……馬鹿共が……その程度のリスク、『想像』していなかったとでも思っていたのか?」

 

浩一「何だと!?」

 

デミトリー「今だ、隠者」

 

ジョット「やっとかよ……待ちくたびれたぜ!」

 

ジョットがそう言うと、自軍を取り囲むようにロスクリータが出現した。

 

辰也「なっ……まだこんなにいたのかよ!?」

 

剣児「……んで、どうするつもりだ? まさか、囲い込んでボコボコにするってかよ?」

 

仁「だったら何度でもやっつけてやるぜ!」

 

ドモン「その通りだ……数頼みの相手など、恐るるに足らん!」

 

ジョット「んな単純な事、する訳ねえだろ〜? あいつらはただの部品……最後のトリガーは、俺なんだからよ!」

 

そう叫ぶと、ジョットのフェルミニが、掌から電撃を出し、ロスクリータの1機に触れる、と───

 

 

 

 

 

───自軍の機体が、地面に縛られたかのように、動けなくなった。

 

浩一「!?」

 

昭弘「んだよ、こりゃあ……グシオンが動かねぇ……っ!?」

 

メグミ「ナデシコ、強制着艦します!」

 

ユリカ「ナデシコも……飛べなくなってる!?」

 

剣児「ジーグも……くそっ、バラバラになっちまいそうだぜ……!」

 

シロー「イチナナ式も……飛べねえ……!」

 

空を飛ぶ機体も戦艦も、地面へと押し付けられる。

 

ハロロ『ご主人様! 何か、すごい力で引っ張られています!』

 

フォント「わかってる! 引っ張られている……電気……そうか!」

 

ウッソ「これ……電磁石かっ!」

 

ジョット「分かった奴もいるみてぇだな……そうさ、今お前らがいる場所に、超強力な電磁場フィールドを広げてやったぜ! せいぜい指くらいしか動かせねえだろうし、おまけに飛び道具も無駄なんだよ!」

 

マサキ「我々には磁場を無効化する装置が取り付けられている……故に、こちらが動くコトは可能だ」

 

ジョー「ウォルフガングのジジイも喜んで手を貸していたが……これほどとはな」

 

ジョットが得意げに語る。ロスクリータ同士が電線で繋がっており、そこから磁場が発生しているようだ。

 

沢渡「ケケッ、無様だなァ……ファクター共ォ!」

 

デミトリー「ここからは我々が巻き返させてもらう」

 

それを皮切りに、敵の反撃が始まった。

 

マサキ「次は蜂の巣にする」

 

浩一「ぐっ!」

 

シズナ「アカン!」

 

グラン・ネイドルがビームの雨を降らせる。

 

沢渡「いいザマじゃねェか! 青いのォ!!」

 

デミトリー「こちらからの射撃は可能だ、とにかく撃て」

 

森次「チッ……厄介なコトになったな……!」

 

山下「これ……マズいっスよ!」

 

イダテンやカグツチ、アルマ達の射撃が繰り広げられる。

 

ジョー「無抵抗な奴を殺っても、面白くはないが……」

 

舞人「ジョー……!」

 

凱「ガオガイガーの装甲も……いつまで持つか……!」

 

飛龍も攻撃し、マイトガインやガオガイガー達を傷つけていく。

 

ジョット「ちょいと離れて攻撃するくらいなら、俺のスピードで十分殺せるぜ!」

 

辰也「てめぇ……っ!」

 

ジゼラ「辰也さん……このままじゃ……!」

 

フェルミニも動いてはロスクリータの元へ向かい……の繰り返しで、イールソウルやその他の機体を嬲っていく。

 

城崎「このままでは……早瀬クンが……皆が……!」

 

石神「困ったねェ……JUDAが直接狙われているワケではないから、防衛本能も働くコトはないし……」

 

道明寺「悠長に語ってる場合ですかよ、社長さん……!」

 

道明寺が焦る。しかし石神は、平然と構えているようだった。

 

石神「ああ……そのコトなんだケド……ついさっき、ちょっとした連絡があってね……もうそろそろ着く頃かな」

 

……石神がそう話す一方、加藤機関の蹂躙は続いていた。

 

ジョット「……しっかし、つまんねえな……動けねぇ相手を一方的に……ってのは、性に合わねぇ」

 

辰也「だったら……やめりゃあいいだろうが……!」

 

ジョット「悪いが、これも作戦なんでな……不本意ながら従うしか……」

 

ふと、ジョットが脇見をする。天使の羽根のようなものが、ひらひらと舞っていた。

 

ジョット「……あ? 羽根……?」

 

そう呟くや否や───

 

 

 

 

 

───フェルミニの元に、ビームが降り注いだ。

 

ジョット「!!?」

 

間一髪、避けるフェルミニ。しかし、ロスクリータはモロに直撃し、爆発した。

 

ジョット「なっ……おい、菅原マサキ! てめぇ誤射ってんじゃ……」

 

マサキ「違う……」

 

ジョット「ああ!?」

 

マサキ「今のは、私ではない……!」

 

マサキがビームの元を辿る。そこには、翼の生えたガンダムが、悠然と空を飛んでいた。

 

???「ターゲット、ロックオン」

 

ガンダムのパイロットはそう呟くと、数体のロスクリータをビームで撃ち抜く。

 

ウッソ「磁場が……弱まった!?」

 

オリファー「あのガンダムが敵機を撃墜したからか……!」

 

???「……そろそろか、後はこいつで……!」

 

ガンダムが陸へと降りる……と、ライフルを両側に構え、ビームを放つ。ガンダムが軸となり、ぐるぐるとビームが回転し、ロスクリータは全て落とされた。

 

デミトリー「あのガンダムは……!」

 

デュオ「おいおいマジかよ……ここで再会するなんてな……!」

 

トロワ「来たか……ヒイロ!」

 

ヒイロと呼ばれたガンダムパイロットは、目線をデスサイズヘル達に向ける。

 

ヒイロ「ああ……久しぶりだな」

 

フォント「ヒイロ・ユイ……それと、ウイングガンダムゼロか!」

 

石神「来てくれたね……ヒイロ君」

 

ヒイロ「リリーナからの頼みでな……JUDA、お前達を助けに来た」

 

そう言うとヒイロは……ウイングガンダムゼロは、敵へと顔を向けた。

 

ヒイロ「加藤機関、エレミタ……お前達を倒す」

 

カトル「ヒイロに続きますよ!」

 

五飛「ああ……行くぞ!」

 

デミトリー「新手か……だが、迎え撃つだけだ」

 

マサキ「ここまで手を打っていたとはな……だが、我々も退くワケには行かない」

 

ジョット「楽しくなってきたぜ……羽の生えたガンダムをブッ殺す!」

 

ウイングガンダムゼロが飛ぶ。それを契機に、また戦いがはじまった。

 

〜戦闘再開〜

ヒイロ(初戦闘時)

デュオ「ヒイロ! 久しぶりじゃねえかよ! どこで何やってたんだ?」

 

カトル「デュオ……話したい気持ちは分かりますが、今はそれどころでは……」

 

ヒイロ「リリーナの警護と、世界を回って色々と……な」

 

トロワ「話すのか……」

 

五飛「貴様が何をしていたのかは分かった……だが、今は戦いの最中だ」

 

ヒイロ「分かっている……行くぞ、ゼロ!」

 

 

ヒイロ(対マサキ)

マサキ「オペレーション・メテオのガンダム……貴様のビームは厄介だが、グラン・ネイドルの相手ではない」

 

ヒイロ「関係ない……こちらにはビーム以外の手段もある……そして、いかなる状況であろうと、任務を完了する方法もな」

 

マサキ「ゼロシステムとやらか……それで対抗できるか、やってみろ」

 

ヒイロ「言われなくても、そのつもりだ……!」

 

 

ヒイロ(対ジョー)

ジョー「まさかお前が来るとはな、オペレーション・メテオの告死天使」

 

ヒイロ「裏社会の傭兵、雷張ジョーか……加藤機関と組んでいたとはな」

 

ジョー「知っていたか……フッ、お前に名を知られているとは光栄だな」

 

ヒイロ「世界を回っていれば、嫌でも裏の人間の名前は聞く……さて、これ以上話をしている暇はないな」

 

ジョー「ああ……ヒイロ・ユイ、お前を殺す!」

 

 

ヒイロ(対ジョット)

ヒイロ「隠者……OZやマリーメイア軍に関わっていた連中か。リリーナもお前達を警戒していたぞ」

 

ジョー「オペレーション・メテオのガンダムにして、ドーリアンの守護天使か……殺してみろよ、俺をな!」

 

ヒイロ「……あえて挑発に乗ってやろう。エレミタ……お前を殺す」

 

ジョー「ハハァ! 一度直に言われてみたかったんだよなぁ! んじゃ俺も、てめぇのその羽をもぎ取ってブチ殺してやるぜ!」

 

 

浩一(対マサキ)

浩一「形勢逆転のナイスな展開だよ! アンタに返してやるぜ、作戦が失敗するコト、『想像』してなかったのかってなァ!!」

 

マサキ「……いい気になるなよ、ラインバレルのファクター……一瞬の油断も躊躇も隙も……お前にとっては命取りになるぞ」

 

 

浩一(対ジョー)

ジョー「早瀬浩一にラインバレル……今度は、正々堂々と勝負だ!」

 

浩一「悪党が正々堂々ねェ……それならそれで、オレが勝たしてもらうぜ!」

 

ジョー「その減らず口がいつまで続くか見ものだな……『正義の味方』とやらを名乗ってるんだ、完膚なきまでに叩きのめしてやる!」

 

 

森次(対マサキ)

森次「いかに策を練ろうと、ビーム兵器があろうと……マキナ同士の戦闘で優劣を分けるのは、そんなモノではない」

 

マサキ「言ってくれるな……いいだろう、相手になってやる、ヴァーダントのファクター」

 

 

森次(対沢渡orデミトリー)

森次「貴様らにしては稚拙な策だったな、その程度で勝てると思われるとは……舐められたモノだな、私も」

 

沢渡「ほざけや、青いの……邪魔が入ったが仕方ねェ、今度こそテメェをブッ殺す!」

 

デミトリー「追い詰められた獣は恐ろしい……こちらも、油断せず行かせてもらう!」

 

 

舞人or凱(対ジョー)

ジョー「やはり……お前達を一方的に嬲り殺すのは性に合わん! 対等な条件での戦闘で勝つ事……それが、ハンターとしての俺の矜持だ!」

 

凱「悪に染まった貴様の矜持など、俺の勇気で打ち砕いてやるぜ!」

 

舞人「お前に教えてやるぜ、ジョー! たとえどんな手を使おうとも、この世に悪は栄えないって事をな!」

 

 

剣児(対ジョット)

ジョット「マグネパワーのジーグなら、電磁場食らって結構効いたろ? 今どんな気分だ?」

 

剣児「ああ……おかげで肩のコリが取れて身軽になったぜ! ありがとうな、わざわざ俺のために用意してくれてよ!」

 

ジョット「言うねぇ……そんじゃあ、その減らず口が利けねえように、バラバラどころかみじん切りにしてやるぜ!」

 

 

竜馬or隼人(対ジョット)

隼人「策士策に溺れる……使う頭のない奴が、策を使えば尚更だ」

 

ジョット「おいおい、言ってくれるじゃねえの……俺、言われるほど頭悪くねえし、何より……あんな作戦に従うよりも、結局スピード決着が性に合ってるって事だよ!」

 

隼人「スピードか……貴様のスピードなぞ、ゲッター2に比べれば!」

 

竜馬「お前らだけでごちゃごちゃ話してんじゃねえ! 俺もやらせてもらうぜ!」

 

 

辰也(対ジョット)

辰也「ウイングゼロに策破られて、形勢逆転ってとこか? そんじゃ、とっととやらせてもらうぜ!」

 

ジョット「羽つき野郎が来なきゃ、やられてたくせにイキがんなよ! それにな、やってみて分かったが……俺に作戦なんざ似合わねえ! スピードで真っ向勝負して潰す……この戦い方が俺に1番合ってるぜ!」

 

辰也「悪いけどよ、運も実力のうちって言うだろ? それに、こっちはお前のスピードにも慣れてきたんだ……返り討ちにしてやるぜ!」

 

 

〜〜〜

ヒイロ「ツインバスターライフル、最大出力……!」

 

ウイングゼロから放たれるビームが、直線上のアルマを一層する。

 

デュオ「ヒイロにゃ負けてられねえな!」

 

カトル「ええ……行きますよ!」

 

トロワ「敵を殲滅する」

 

五飛「散るがいい、悪よ!」

 

4機のガンダムも、鎌やヒートショーテル、ミサイルやドラゴンハングで、敵機を蹴散らしていった。

 

マサキ「……わざわざ策を破られてやったんだ、持てる力を全て投入しろ」

 

グラン・ネイドルも脚を生やして地上へと降り立ち、ビームだけでなく刀や巨大な腕を利用し立ち回る。

 

浩一「動きが重いって思ったケド……速い!!」

 

マサキ「───貴様は、正義の味方になると言ったな……ならばJUDAに付くより我々の方に付くべきだ」

 

浩一「ハッ……関係ない人達を殺すような連中が正義だって!?」

 

マサキ「正義の意味を知りたければ、加藤機関に来い」

 

ジョー「……!」

 

五飛「悪が正義を語るとは……笑止千万!」

 

隼人「テロリスト風情が、よくもそんな口を利けるな」

 

浩一「そうだよ……誰がアンタらみたいな悪党の仲間なんかに……」

 

話している最中、グラン・ネイドルの刀が、ラインバレルの片腕を切り裂く。

 

浩一「!! 腕が!!」

 

マサキ「本当に稚拙でつまらんヤツだ……貴様は」

 

マサキがそう吐き捨てると、グラン・ネイドルのアームで、ラインバレルを殴りつけた。

 

浩一「うあああああっ!!」

 

圧倒的な力量差に、背をつくラインバレル。

 

森次「……」

 

山下「あのマキナ……圧倒的過ぎるっスよ!!」

 

沢渡「おっと、よそ見してんじゃねェってよ!!」

 

手を止めるヴァーダントに、槍をぶつけるイダテン。間一髪、刀でそれを止めた。

 

森次「さっきの磁場が、まだ響いているか……だが、この程度なら……」

 

沢渡「見え見えだぜ? 磁場の影響がまだキてるってよォ……違うかァ!? 青いのォ!!!」

 

後続のアルマも、自軍へ向けて銃を放つ。

 

山下「く……ハインドの出力が上がり切らない……!」

 

シズナ「完全な状態なら、こんな奴らァ……!」

 

ジョット「馬鹿が! 殺し合いに完全も不完全もねえよ!」

 

ジョー(……加藤機関に正義……だと?)

 

加藤機関やエレミタの攻撃も激しくなる。

 

マサキ「貴様が守ろうとしたモノ全て、もろとも消し去ってやろう」

 

仰向けになったラインバレルに、重量のある足音を立て近づくグラン・ネイドル。至近距離で、ビームを放とうとする……

 

浩一「チクショウ……やられてたまるか……こんな所でやられてたまるかよ」

 

オレは約束したんだ……城崎を必ず守るって……

 

浩一「……おい、ラインバレル……お前はいいのかよ!? オレ達がここでやられたら、城崎まで死んじまうんだぞ!! オレはそんなの……絶対にイヤだ!!!」

 

お前は城崎を守れなくていいのかよ!!!

 

……お願い……

 

それがイヤなら力を貸せ!!!

 

浩一「……応えろ、ラインバレル!!」

 

城崎(お願い、ラインバレル!!)

 

オレに城崎を守る力を!!!

 

早瀬クンを、守って!!!

 

……浩一の叫びと城崎の祈りが混ざり合う……それに応えるかのように、ラインバレルの眼が光る───

 

 

 

 

 

───そして、ラインバレルを中心に爆風が広がると、両陣営の機体の動きが鈍った。

 

沢渡「!! なんだ!? 何が起きやがったァ!? イダテンが急に動かなくなったぞ!」

 

デミトリー「……こ……これは……!? あの白いマキナが引き起こしているのか!?」

 

ジョー「……飛龍の動きに違和感があるな」

 

ジョット「ちょいとだけ……スピードが落ちちまったか……?」

 

レイン「モビルトレースシステム、出力低下……!」

 

ドモン「またも恐れを感じているか……ガンダムが……俺自身が!」

 

ヒイロ「ゼロが……未来を見れない……!?」

 

三日月「バルバトス……ぐっ……!」

 

昭弘「阿頼耶識から直接……来やがった……!」

 

ハロロ『ご主人様……体の震えが……!』

 

フォント「ハロロ!? これは……ラインバレルの力がっ!?」

 

ルリ「オモイカネに……急激なストレス反応……!」

 

マイトガイン「何だ……この感情は……!?」

 

ゴルドラン「駄目だ……震えが……っ!」

 

舞人「ラインバレルから放たれる力が、超AIに影響しているのか!?」

 

タクヤ「どうしちゃったの、ゴルドラン!」

 

カズキ「意思を持つロボットが、恐怖を感じているのか……!?」

 

凱「ラインバレルの叫びが……俺の体に直接響いてくるっ!?」

 

竜馬「何だよ……ゲッター……あいつがどうかしたのか!?」

 

アル「デモンベインが、震えておる……?」

 

九郎「な、何だって!?」

 

辰也「ジゼラがいるから多少は軽い……けど……!」

 

ジゼラ「この圧力は……っ!」

 

山下「森次さん、これって……」

 

森次「ああ、早瀬が暴走した時と同じだ」

 

山下「アルマの方は完全に動けないし……マキナやアルマ以外も、動きが鈍ってるみたいっスね……!」

 

森次「コピーであるアルマは直接干渉を受けてしまうのだろう……他機体にも、わずかながら何らかの影響はあるようだ」

 

森次がそう推測する一方では、グラン・ネイドルも例に漏れず、動きを鈍らせていた。

 

マサキ「グラン・ネイドルが怯えている……機械のくせに恐怖を感じるとは……」

 

その最中、浩一の目線はラインバレルの右掌へと向けられる。そこには、一点に光が集中していた。

 

浩一「ラインバレル……そうか……それを使えばいいんだな!?」

 

何かを理解したのか、ラインバレルをグラン・ネイドルの方へと走らせる。

 

マサキ「……!」

 

グラン・ネイドルもアームを動かし、妨害しようとする……

 

森次「やらせはしない……行け、早瀬!」

 

山下「こっちは……任せてよ!」

 

宗美「その力で守ってください……キミの守るべきモノを!」

 

ヒイロ「……邪魔はさせん」

 

舞人「見せてやれ、浩一……正義の一撃を!」

 

……が、ヴァーダントやハインド、タリスマンやウイングゼロ、マイトガインがそれを防ぐ。

 

浩一「ああ……ありがとう、みんな!」

 

勢いよく応える浩一。苦し紛れにグラン・ネイドルがビームを放つが、今のラインバレルには無駄弾であった。

 

マサキ「ならば……!」

 

グラン・ネイドルから一回り小さい人形のマキナ……ネイキッドが現れ、迎え撃つ───

 

 

 

 

 

浩一「───奪い取れ、ラインバレル!」

 

 

 

 

 

───ぶつかり合う2機。ラインバレルが掌から「何か」を発生させ、広げる……と、2機の間にある空間が爆ぜ、共に半壊状態となった。

 

石神「あれは……城崎クン、何か分かるかね?」

 

城崎「わ……私にも分かりません……!」

 

ルリ「あの反応……恐らくは、超圧縮した転送フィールド……それを掌から発生させた……と見る事ができます」

 

アキト「そんな事……いや、できるんだろうな……ラインバレルなら、浩一なら……!」

 

話している間にも、ラインバレルとグラン・ネイドルは……浩一とマサキは睨み合っている。

 

浩一「ハァ……ハァ……!」

 

マサキ「……どうやら、目的は果たせたみたいだな。沢渡、デミトリー、ジョー……帰るぞ」

 

マサキの命令を受け、帰還する加藤機関の部隊。

 

ジョー「……」

 

ジョーは何かを思っていたが、JUDAから背を向けると、飛龍を飛行形態へと変え、消えていった。

 

門子「あいつ……途中から変じゃなかったか?」

 

シロー「さぁ……でも、ちょっとだけ攻撃に迷いがあったような……」

 

舞人(ジョー……お前は何を……だが、お前が悪を貫くというなら……!)

 

ジョット「……じゃ、俺も帰るか。また殺り合おうぜ、JUDAァ!」

 

ジョットもそう吐き捨てると、目にも止まらない速さで空の彼方へと駆けて行った。

 

ジゼラ「願わくば……もう会いたくないですが……」

 

辰也「それでもってんなら……また倒してやるよ……!」

 

森次「退いたか……では、我々も戻ろう。ヒイロ・ユイ、君はどうする?」

 

ヒイロ「……俺も、そっちへ行かせてもらう」

 

こうして、自軍部隊もまた、JUDAへと戻っていった……

 

〜JUDA・社長室〜

城崎「早瀬クン!」

 

浩一「きっ……城崎!?」

 

JUDAへと戻った浩一達……ドアを開けてすぐ、城崎が浩一の元へ駆け寄る。

 

浩一「いきなりびっくりしちゃったケド……どうやらちゃんと、城崎を守れたみたいだな」

 

城崎「はい……ちゃんと守られました」

 

浩一「ははっ……守られました、か……」

 

道明寺「……話してるとこ悪いが……お前ら、周りに人いるからな」

 

浩一と城崎、2人の間に広がる雰囲気……に、道明寺が割り込む。

 

シズナ「ったく……見せつけてくれるなァ」

 

舞人「お似合いじゃないか、2人共」

 

浩一「ま、舞人……!」

 

城崎「シズナさん……!」

 

バッと互いに離れる2人。その顔は紅くなっていた。

 

仁「おいおい、浩一の兄ちゃんに城崎の姉ちゃん、顔赤くなってら!」

 

しのぶ「ふふ、ほんとね」

 

ヒカル「守り守られ育まれる、若者達の感情……」

 

カズキ「全く……こういうの、あんまからかうもんじゃないぞ?」

 

ブルーガンバー「そ、そうだよ……!」

 

緒川「まあまあ、今日くらいはいいじゃないの」

 

宗美「そうですね……あの、早瀬クン」

 

浩一「な、何ですか、宗美さん……」

 

宗美「早瀬クンにはこれからも、城崎さんを守ってあげてほしい……それが、僕からのささやかな頼みです」

 

浩一「……わかってますよ!」

 

改めて決意を固める浩一。そして、一連のやりとりを見つめるジゼラ。

 

ジゼラ「早瀬さんも城崎さんも、お互いに一歩前進……ですね、辰也さん?」

 

そう言いながら、ちらりと辰也の方を見る。

 

辰也「ああ、そうだな……てか、お前さっきからどうしたんだよ?」

 

ジゼラ「……何でもないですよ」

 

……が、辰也にそう言われ、ぷいとそっぽを向く。

 

山下(瀧城のヤツ、まだ気づかないモンかなァ……)

 

道明寺(ジゼラちゃんもジゼラちゃんで、ハッキリ言えばいいのに)

 

と、山下と道明寺が呆れながら眺めている横では……

 

デュオ「……で、お前もJUDAに参加すんのか?」

 

ヒイロ「ああ……加藤機関やエレミタ、そしてこの世界の戦争を危惧し、リリーナが俺を派遣した」

 

新しくJUDAへと加わったヒイロが、かつての仲間達と挨拶を交わしていた。

 

トロワ「またお前と戦える事になるとはな」

 

五飛「これで5人揃ったという訳か」

 

三日月「だね……これからよろしく」

 

オルガ「お前には、ビスケットを助けてもらった恩もある……お互いに、よろしくやってこうぜ」

 

ヒイロ「ああ、よろしく頼む」

 

フォント「しかし……ウイングガンダムゼロか……実際に見てみると、何というか、神々しさがあるような……」

 

ウリバタケ「翼がそう見せるのだろう……しかしフォント、気をつけろよ……のめり込みすぎて狂わされんようにな」

 

カトル「はは……」

 

カトルが半笑いの表情を浮かべる。

 

ヒイロ(……そして、派遣された理由はもう1つ……俺は、石神邦夫という男を見定めなくてはならない)

 

石神「……」

 

考えを巡らせながら、ヒイロが石神の方を見る。石神もまた、意図を汲み取ったのか、真剣な眼差しで少年を見ていた……。




・中断メッセージ(ヒイロ流、スパロボプレイ)
ヒイロ「任務、完了……このステージも終わりだ。そして、得た資金やポイントを全て俺とゼロにつぎ込む……何? 次のステージはこいつが強制出撃なのか……?」
ヒイロ「……教えてくれ、五飛。俺はあと、何回ゲームオーバーになってしまうんだ? ゼロは何も教えてくれない……」

五飛「……お前が他の機体も改造すればいいだけの話だ」

カトル「プレイヤーの皆さんも、偏りすぎた育成は控えた方がいいですよ……でないと、今のヒイロみたくなってしまいますからね」
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