スーパーロボット大戦N   作:黒百合蜂

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スパロボN、投稿───

最近スパロボYを買いましたが、人生がスパロボに支配されつつあります
しかし…やはり本家は素晴らしい…これに比べると今書いてるこれは…と、そんな事言ってもどうにもならないですね
書けるところまで、書いていきますよ

展開の無理矢理感とか解釈違いとか色々ありますが(今更)、なるだけ原作に沿っていきたいと考えてますので、何卒ご容赦の程を…


第十四話 空舞う者達-TWIN ANGELS-

〜アルゼナル・ゾーラの部屋〜

煌びやかでどこか艶めかしい、広い部屋……金の力で合鍵を作成したヒルダ、ロザリー、クリスの溜まり場となったここで、彼女達は悪態をついていた。

 

ヒルダ「チッ……」

 

ロザリー「はぁ……」

 

クリス「何で……こんなに上手く行かないんだろう……」

 

3人が考えている事、それはアンジュの事であった……

 

〜アルゼナル・ロッカールーム前(回想)〜

訓練や実戦の際、ノーマ達が着替えるロッカールーム。その入口に、荷物を持ったヒルダ達が現れた。

 

クリス「3人のキャッシュで買えたね……油性ペンにスプレーに生卵……」

 

ロザリー「ああ……痛い出費だったけど、これでイタ姫のロッカー、汚してやろうぜ!」

 

ヒルダ「あいつは訓練中で、しばらく戻ってこねえ……イタ姫様の困惑してる顔、見ものだなぁ」

 

意地悪な笑みを浮かべる3人。意気揚々と部屋に入る。と、そこには───

 

 

 

 

 

弁慶「ぬうう……きついぞ、お前達!」

 

剣児「知るかよ! あんたがデカすぎ……」

 

サイ・サイシー「あ……お前ら……やべ……」

 

ロザリー「……え?」

 

 

 

 

 

───ロッカーに弁慶の体を押し込めようとする剣児とサイ・サイシーがいた。

 

クリス「きゃあああぁぁぁーーーっっっ!!!?!?」

 

事態を飲み込めず、声にならない声を上げて錯乱するクリス。手に持っていたスプレーを振り撒き、生卵を投げつけた。

 

剣児「うおっ!? おわっ、ちょ……ま……!」

 

サイ・サイシー「あばば……! や……やめっ……!」

 

弁慶「な、何が起きてい……ぬうっ、こっちにも飛んできたぞ!」

 

ロザリー「く、クリス! 落ち着けよ!」

 

ヒルダ「クソッ……一旦こいつ抑えるぞ!」

 

ロザリーとヒルダに取り押さえられるクリス。クリスは半ば放心状態で、息切れを起こしていたが、何とか平静を取り戻した。

 

クリス「はぁ……はぁ……」

 

ヒルダ「とりあえず落ち着いたか……おいテメェら、こんな所で何してたんだ?」

 

剣児「ゲホッゲホッ……な、何でもねえっての! 別に俺達はロッカーに入って、お前らの豊満なおっぱいとか尻とかを目に焼き付けて、堪能しようだなんて思ってもねえからな!」

 

サイ・サイシー「お、オイラ達だって、着替えてる奴らがどんな下着してるかとか、どんなボディラインかなんて……気にもなってねえぞ!」

 

弁慶「そ、そうともよ! 俺達はそんな、不埒な理由なぞ持ってはおらんわい!」

 

咄嗟に言い逃れをするスケベトリオ……だが、その台詞は、自分達が行おうとしていた事を言い表していたに過ぎなかった。

 

ヒルダ「……それ、自白って事でいいんだな?」

 

クリス「キモ……最っ低……」

 

ロザリー「……なぁ、まずイタ姫の前に、こいつらボコしとかねえか?」

 

クリス「賛成……!」

 

そう言いながら3人は、じりじりと変態共の方へと近づいていく。

 

剣児「あ……え……おい、ちょっと待……」

 

サイ・サイシー「お……オイラ達に……慈悲を……」

 

弁慶「あ……悪霊退散……天魔ふくめ……」

 

ヒルダ「言い訳無用だ、スケベ野郎共!!」

 

ロザリー「ヘンな事してんじゃねえぞ、この馬鹿!!」

 

クリス「キモい! 変態! 最低! ゴミカス!!」

 

3人に殴られ蹴られるスケベ組……その姿はまるで、ボロ雑巾のようであった。

 

剣児「ぢ、ぢぎじょ〜……」

 

サイ・サイシー「が……がらだが……」

 

弁慶「ぐ……ぐわばら……」

 

ロザリー「はぁ……はぁ……これに懲りたら2度とんな事すんじゃねえぞ、この変態野郎共!」

 

クリス「次似たような事したら、ブチ殺すから……!」

 

ボロ雑巾と化した剣児達に向かい、捨て台詞を吐くロザリーとクリス……そんな中、訓練後のアンジュが現れた。

 

アンジュ「……何してんの、あんたら」

 

ヒルダ「!」

 

〜アルゼナル・ゾーラの部屋〜

ヒルダ「……なんて事があったしな……」

 

クリス「あいつら、マジ殺したい……!」

 

ロザリー「ああ……後は他にも……」

 

〜アルゼナル・食堂(回想)〜

ドラゴンとの戦いの前後にエネルギーを補給する、あるいは戦い続きのノーマの楽しみである食事が行われる場所……そこに、ヴィヴィアン達が並んでいた。

 

ヴィヴィアン「ごっはん、ごっはん〜!」

 

竜馬「へっ、ガキみてえにはしゃぎやがって……って、お前ガキだったな」

 

ヴィヴィアン「だってだって、ご飯が楽しみなんだも〜ん!」

 

森次「ここの食事は、味はともかく栄養はいいらしいな」

 

九郎「何でもいいさ、飯が食えるってだけでもありがてぇよ!」

 

ヴィヴィアン「でもでも、エルシャが当番の時はちょ〜うまいご飯が食べれるんだ!」

 

竜馬「へぇ……いつか食えるなら食ってみてえな」

 

九郎「ああ、楽しみだぜ!」

 

そう会話しながら食事の提供を待つヴィヴィアン達。その後ろに並ぶアンジュ……にロザリーとクリス。

 

アンジュ(ここの食事、私が食べてきた物に比べれば犬の餌よね……ま、そんな事、今になって言ってられないわ)

 

ロザリー(……いいかクリス、1,2,3のタイミングだぞ)

 

クリス(うん……分かってるよ、ロザリー……!)

 

アンジュの後ろでこそこそと話すロザリーとクリス。彼女らにも食事が提供されると……

 

ロザリー「よし、行くぞクリス……1,2の……3っ!」

 

クリス「えいっ!」

 

2人はアンジュに向かい、食事をぶっかける……が、アンジュにひょいとかわされ、当たってしまったのが……

 

竜馬「のわっ!?」

 

九郎「うおっ!?」

 

森次「……!」

 

……よりによって、アンジュの前に並んでいた3人であった。

 

クリス「あっ……」

 

ロザリー「やべ……」

 

竜馬「……テメェら……何してくれやがってんだ?」

 

九郎「せっかく人様が作ってくれた飯を……無駄にしやがってよ……!」

 

森次「お前達にとって重要な食事だろう……それを他者にぶちまける意味、分かっているのか?」

 

ロザリー「あ、あわわ……!」

 

クリス「に、逃げよう……ロザリー……!」

 

3人が圧をかける……それに気圧されてしまい、ロザリーとクリスは逃げ出した。

 

竜馬「おい、待ちやがれ!」

 

九郎「食い物の恨みは恐ろしいんだぞ!」

 

森次「いい。無理に追う必要はない」

 

怒りに震える竜馬と九郎を抑える森次。

 

ヴィヴィアン「あ〜あ……せっかくのご飯なのに……」

 

ヴィヴィアンが勿体なさそうに、3人の服に付いた食事を見る。

 

竜馬「だな……ま、この程度ならまだ食えるだろ」

 

九郎「おうよ! こうなりゃ、たとえ地べたに落ちた飯でも舐めとってやらぁ!」

 

森次「意地汚いぞ、お前達……」

 

アンジュ(……ノーマでもないのに、卑しいったらありゃしないわね)

 

それを無理矢理食べようとする竜馬と九郎を、冷ややかに見つめるアンジュであった。

 

〜アルゼナル・ゾーラの部屋〜

ロザリー「……あれはマジで殺されると思ったぜ……イタ姫のと間違って、エルシャの下着晒しかけた時に感じた、あの恐怖が来ちまったしな……」

 

クリス「色々ヤバそうな奴はいるけど……少なくとも、あいつらに喧嘩を売るのは避けよう……後、エルシャにも」

 

ヒルダ「アンタら、そんな事があったのかい……」

 

ロザリー「ああ……後はすれ違いざまにあいつの服切ろうとしたり、飲み物の中に下剤をぶち込んでやったりしたけどよ……」

 

クリス「逆に服が裂かれたり、口移しされてトイレに篭る事になったり……本当に災難だったよ、ロザリーが」

 

ロザリー「ちょ……最後は余計だぜ、クリス!」

 

慌てて口を塞ごうとするロザリー。ヒルダは呆れつつ、にやりと不穏な笑みを浮かべた。

 

ヒルダ「……ま、今日はあたしの方で、デカいイタズラ仕掛けてるからなぁ……コスい嫌がらせじゃなくて、下手すりゃあの世に行っちまう……な」

 

〜アルゼナル・格納庫(回想)〜

パラメイルの格納された倉庫。日々、整備班により手入れがなされている。

 

ウリバタケ「おお……これがパラメイルか!」

 

フォント「可変式の機体……代表的なのはグリプス戦役のゼータや、こっちにいるウイングゼロもそうだけど……」

 

辰也「ガンダムとはまた違う、独特なデザイン……騎士っぽい格好も、またイイよな!」

 

そんな格納庫内で、辰也達がパラメイルを見て、目を輝かせる。

 

メイ「……そんなに見てて面白い? 私達としては、自分らで整備したパラメイル褒められるの、悪い気はしないけどさ」

 

辰也「当たり前だろ? どんな物でもロボットってのは心動かすもんなんだよ……マジンガーもガオガイガーもガンダムも……このパラメイルって奴も、見てると心がワクワクしてくるんだよな!」

 

ウリバタケ「同じメカニックのよしみだ……整備のやり方とか、使われている機材とか、色々と教えてほしいっ!」

 

フォント「ああ……それに、なんて言えばいいのか……君達はこれを『棺桶』だって言ってるけど、でも、整備が行き届いてるって事はさ、やっぱりパイロットには死んでほしくないんだなって……そんな気持ちが感じられるんだ」

 

フォントの言葉に、何かを感じ目を伏せるメイ。

 

メイ「……そうだね。私達ノーマはドラゴンを殺すための兵器……だけど、見知った顔の奴がいなくなるのは、やっぱり辛いしさ……」

 

???「……」

 

しんみりとした空気が、格納庫を覆う。

 

メイ「……っと、湿っぽくなっちゃったね。それよりも私は、あんたのそのAI? って奴の方が気になるんだけど……」

 

フォント「あ、これ?」

 

ハロロ『呼びましたか?』

 

気を取り直し、メイがフォントの手元に目を向ける。フォントがタブレットを起動すると、ハロロが現れた。

 

メイ「あんたらのとこの超AIってのとかもそうだけど……機械とかコンピューターが意思持ってるように喋ったり動いたりするの、ここじゃ珍しいからさ。畑違いだけど、どういう仕組みか知りたいんだよね」

 

ハロロ『ですって、ご主人様! それでは、どのようなプログラムで動いているか、私からお話を……』

 

ジゼラ「辰也さ〜ん!」

 

ハロロが話そうとしかける中、ジゼラ、ココ、ミランダ、道明寺が駆けてくる。

 

辰也「どうしたんだよジゼラ? 今、ハロロのメカニズムについて解説されるとこなんだけど……」

 

ジゼラ「辰也さんそれ10回くらい聞いてますよね? じゃあ大体分かってるからいいんじゃないですか?」

 

ミランダ「それよりもさ、あんたらんところの司令……室長さん? が呼んでたよ? 何かちょっとした話があるとか何とかで……」

 

道明寺「で、それ終わったら飯にしません? 何でも今日はプリンが出るからって、この子が興奮しちゃってて……俺らだけで食っててもいいんすケド、せっかくだしここのメンツも交えて……なんてね」

 

ココ「ちょっと前にもプリンが出て、そして今日もプリンだから……それに、美味しいものは皆で食べたいし……」

 

恥ずかしそうにもじもじとしながら、そう話すココ。

 

メイ「……分かったよ。私達も整備が終わってたところだし、一緒に行こっか! 話はその時に聞かせてもらうよ」

 

ハロロ『了解で〜す!』

 

辰也「ま、まずは森次さんと話してからだな……ちょっと待っててくれよ」

 

道明寺「分かってますって」

 

ウリバタケ「プリンか……レトロな硬めもいいが、今風の柔らかいのも捨てがたいよな……」

 

……などと話しながら、出口へと向かう辰也達。ふと、最後尾を歩いていた道明寺が、ぴたりと足を止めた。

 

道明寺「……そこにいるんだろ? 出てこいよ」

 

そう言いながらヴィルキスの後ろに目をやる……と、その影からヒルダが現れた。

 

ヒルダ「……バレてたかい、分かんねえって思ってたけど」

 

道明寺「ま……不良としての嗅覚とか、寺生まれのカンってヤツ? 俺は悪霊とかそういうの、全然信じてないケドさ」

 

ピリピリとした、緊張感のある雰囲気が2人の間に広がる。

 

道明寺「んなコトよりも……この機体になんかイタズラでもしようとしてたんだろ? ここ最近のアンタらの行動見てたら分かるよ」

 

ヒルダ「ハッ……お見通しって訳ね」

 

息をつきながらひやりとした笑みを浮かべるヒルダ。掌からぱらりと、画鋲をこぼれ落とした。

 

ヒルダ「……見ての通りさ、座席に画鋲仕込んどいて、座った瞬間チクリ……だ。何て事ない、チャチなイタズラだよ」

 

道明寺「……ヘェ、それにしては随分と企んでそうな顔じゃない。他にも何か仕掛けたりしてんじゃないの?」

 

ヒルダ「さあね……他の手としちゃ、操縦桿に油撒いてヌルヌルベタベタにするとか、コックピットにゴミぶちまけるとか……そのくらいしか思いつかないね」

 

道明寺「そう……ま、何でもいいケド……人が死ぬとか、そういう笑えないイタズラは勘弁してくれよ? アンタらの隊長さんも、ガス抜きってコトで見逃してやってるみたいだしな」

 

ヒルダ「ご忠告、どーも」

 

そう吐き捨て、ヒルダも出口へと向かう。

 

道明寺(な〜んか、怪しいよな……ま、いくら何でもそこまでするコトはないだろうし……俺の考えすぎかな)

 

道明寺は暫し考えていたが、くるりと体の向きを変え、出口へと歩いていった。

 

〜アルゼナル・ゾーラの部屋〜

ヒルダ「……って感じだよ」

 

ロザリー「それ……普通にバレてねえか?」

 

ヒルダ「大丈夫だよ……あの手の奴は答えが分かれば満足する……そこにどんな裏があるかも知らずにね。それに、大方ノーマだからって、大して頭が回らねえって見下してるだろうさ」

 

クリス「ムカつく……余所者のクセに、私達を馬鹿にして……!」

 

ヒルダの想像する道明寺に憤るクリス。

 

ロザリー「……で、それ仕掛けたのが今日……って事は、今イタ姫は実機訓練中だから……」

 

ヒルダ「ああ。上手い事行けば……」

 

その時、外からガヤガヤとした喧騒が聞こえてきた。

 

ヒルダ「……この騒ぎ、多分だけど……落ちたね」

 

そう言いながら、ヒルダが部屋のドアを開け、外へと出て行った……

 

〜アルゼナル・司令室〜

ジル「ヴィルキスが落ちた……か」

 

上げられた報告に、ジルがそう反応する。

 

ジュンコ「ああ……実戦訓練の最中に、エンジンから煙上げて落ちてったよ」

 

ヘレン「私達も助けに行こうとしたけど、その時の海の荒れようったらないくらいでね……下手すりゃ巻き込まれちまうってんで、離れろって指示出ちまってさ……」

 

ウッソ「で、波が収まった時にはもう、どこかへ……」

 

オリファー「……申し訳ない、我々がいながら、こんな事になるとは……」

 

サリア「いえ……責任は隊長の私にあるわ」

 

メイ「違う……故障したって事は、不備があったって事だよ……気づかなかった私のミスだ……!」

 

マーベット「そんな事ないわ……こっちで見てたけど、煙吐き出すまでは調子よさそうに飛んでたもの……最初から不備があったなら、ああはならないはずよ」

 

マヘリア「だから、自分を責めるなんてやめな。少なくとも、あんただけのせいじゃない」

 

メイ「でも……!」

 

ジル「責任の奪い合いはそこまでにしろ。そんな事よりも、今はヴィルキスとアンジュの回収だ……最悪、死体でも構わん」

 

荒れだした場を収めるジル。メイ達は命令を受けると、敬礼で答えた。

 

メイ「……イエス・マム。すぐに回収班を編成するよ」

 

ウッソ「僕達も手伝います。そうでもしないと、あの人を見捨てたままで終わっちゃうから……」

 

オリファー「そうだな……シュラク隊、出るぞ」

 

オリファーの号令と共に、司令室を出るシュラク隊。サリアやメイも後に続く。

 

ジル(ま……こちらもこちらで手は打ってある……が、人手は多い方がいいか)

 

1人、司令室に残ったジルはそう思索する。そしてその外側……サリア達が向かった方向の反対側では、ヒルダ達が歩いていた。

 

ロザリー(……聞いたかよ? イタ姫、ドボンしちまったってな!)

 

ヒルダ(だから言ったろ? 大丈夫だってさ)

 

クリス(いい気味……そのまま魚の餌になっちまえ……!)

 

彼女達は下卑た笑みを浮かべながら、盗み聞きした内容について上機嫌に話している……

 

道明寺「……何かあるなとは思ってたケド、やっぱり仕掛けてたか……赤髪の姉ちゃん」

 

エルシャ「ヒルダちゃん……貴方達がアンジュちゃんを許せないのも分かるわ……だけど、おいたが過ぎたみたいね」

 

……と、道明寺とエルシャが、道を塞ぐかのように目の前に立った。

 

ヒルダ「……金髪のガキ、あんたはいいとして……エルシャ、あんな奴に優しくしてやる理由ってある? それとも、お得意のおせっかいって奴?」

 

エルシャ「誰かが受け入れてあげないと、あの子はずっと独りぼっち……そんなの寂しいじゃない? 同じノーマ同士なのに」

 

ヒルダ「……」

 

エルシャ「それにね……アンジュちゃんって似てるのよ、昔のヒルダちゃんに。だからお姉さん、ほっとけないの」

 

エルシャのその言葉に、苛立ちを覚えるヒルダ。

 

ヒルダ「似てる……? あんなクソ女と? 次そんな事言ったら、アンタも殺しちゃうよ?」

 

道明寺「……脅し文句だけは一丁前だな。影でコソコソと、卑怯なマネしかできねェクセに」

 

ヒルダ「……あ?」

 

そんな中、道明寺がぼそりと呟く。

 

道明寺「アンタら、あのアンジュって女が怖いんだろ? だから正面切ってやり合わず、くだらねェイタズラで気を紛らわせてんだ」

 

ロザリー「何だと……!?」

 

道明寺「ホント、しょうもねェのな……副隊長様とその腰巾着は。ま、腐ったミカンってのはどこにでもいるモンなんだなって、改めて分かったよ」

 

ロザリー「テメェっ!!」

 

クリス「そうやって私達を見下して……アンタもブチ殺す!!」

 

口論がエスカレートし、とうとうロザリー達はナイフや銃を取り出す。

 

道明寺「お〜っとっと、こりゃマズいかな……ま、道具に頼る程度なら、大したコトねェか」

 

道明寺はうろたえながらも、平静を保っていた。

 

ヒルダ「ハッ……んな事言って、アンタもビビってんじゃないか……そんじゃ、望み通りぶっ殺してやるよ!!」

 

エルシャ「いい加減にしなさい!!!」

 

……エルシャの一喝で、一触即発の空気が止まる。代わりに、しんとした静寂が広がった。

 

ロザリー「エルシャ……」

 

エルシャ「……今は喧嘩してる場合じゃないわ……私も、アンジュちゃんを探してくる」

 

そう言うと、シュラク隊の向かった方へとエルシャが消えていく。

 

道明寺「……ふぅ〜……何とか助かったぜ。じゃ、俺も行くわ」

 

道明寺もその後を追い……残ったのはヒルダ達3人だけとなった……。

 

〜DB海域・とある島〜

同じ頃……不慮の事故で墜落したヴィルキスとアンジュ。海を漂い流れつき、彼女は今、とある島の洞窟で眠っていた。

 

アンジュ「……!」

 

アンジュが目覚め、現況に気づく……ベッドの上で、両腕は縄で縛られており、その姿は裸……そして、隣には……同じく裸で眠っている謎の男。

 

アンジュ「え……え!? ええ〜〜〜っ!!?」

 

アンジュが驚いていると、男が目を覚ます。

 

???「あ、起きたみたいだ……っ!」

 

そのまま2人、裸のまま、互いに目を合わせる。

 

???「ご……ごめん! 怪我してないかとか確認しようとして、君の服を脱がせてもらった……別に、悪意があってした訳じゃないんだ」

 

言いながら男は立ち上がり、テーブルへと向かい、コップに飲み物を入れる。

 

???「それと、念の為に縛らせてもらった……君はどうしてここにっ!?」

 

アンジュの元へと向かう男だったが、足元にあったビンにつまづき……その顔面がアンジュの股間へと埋まってしまった。

 

???「……ご、ごめん! これは……」

 

アンジュ「〜〜〜ッッッ!!!」

 

アンジュが声にならない声をあげようとする……と、洞窟の入口に、ピンク色の髪をした女が立っていた。

 

???2「……らら?」

 

???3「どうしたんだい久遠……ああ、そういう事か」

 

続いて、久遠と呼ばれた女の後ろから、前髪を垂らし眼鏡をかけた男が現れる。

 

アンジュ「!!!」

 

???3「えっと……どうやら僕達は、お邪魔だったみたいだ。向こうの方へ行っておくから、気にせず続きを楽しんでおいてくれ」

 

それじゃ行こうか、久遠……と、男が発し、2人は入り口から離れる。

 

???1「ち、違うんだ樹、久遠! これは……」

 

アンジュ「……何が違うもんですかぁぁぁ〜〜〜っ!!!」

 

誤解を解こうとする……アンジュからしてみれば言い訳をしようとする男を膝で2,3発蹴る。勢いで縄を千切り、側にあったライダースーツを急いで着替え、外へと駆け出していった……

 

〜リーリャ・リトヴァク〜

島の傍に停まっている巨大な船、「リーリャ・リトヴァク」……謎の敵「MU」と戦う組織「TERRA」の所有する船だ。

 

綾人「あ、樹さんに久遠さん……と、タスクさん。遅かったですね」

 

その内部にある広間で話していた少年……神名綾人が、眼鏡の男……如月樹と、ピンク髪の女……如月久遠、それとアンジュ、そして謎の男……タスクに気がつき、目を向ける。

 

樹「ああ……ちょっとこっちでも色々あってね。ここに連れてくるにも一苦労だったよ」

 

そう言うと樹が、アンジュとタスクの方をくいと顎で示す。

 

遙「……えっと……この子、捜索命令が出されてたわよね。見つかってよかったけど、どこにいたの?」

 

綾人の側にいた女……紫東遙が、樹に疑問を投げかける。

 

樹「それなんだが……話すには少しばかり回り道をする必要があってだね……」

 

久遠「楽園の原始の姿……回帰する胎児……産声を上げる命……」

 

樹が答えあぐねていると、久遠がまるで詩のような、難解な語り口で説明を行う。

 

遙「……あ〜〜〜……なるほど、そういう事ね」

 

綾人「えっと……つまり……ああ!」

 

恵「こ、こんな真昼間から……!?」

 

彼女の言葉から、「何をしていたのか」勘づく遙達……彼女自身はため息を吐く一方、彼女の妹である紫東恵と綾人は、顔を赤らめていた。

 

タスク「だ、だから違うって! あれは単なる事故! そう、事故なんだよ!!」

 

アンジュ「事故……? 縛って脱がせて抱きついておいて……!?」

 

タスク「いや、だからアレは……」

 

アンジュ「目覚めなければ、もっと卑猥で破廉恥な事をするつもりだったんでしょう!?」

 

タスク「もっと卑猥で破廉恥!? 俺は別に、女の子が気を失っているうちに、豊満で形のいい胸の感触を存分に確かめようとか、無防備な肉体を隅々まで味わおうとか、女体の神秘を存分に観察しようとか……そんな事をしようとしていた訳では……」

 

アンジュ「そんな事をしようとしてたって訳なの!? なんて汚らわしい……」

 

タスク「誤解だ! 俺は本当に君を助けようと……ねぇ、皆も何とか言ってくれよ!」

 

アンジュに追い詰められたタスクは、綾人達に助け舟を求める……

 

遙「タスク……もう何言っても無駄よ」

 

綾人「それ……ほぼほぼ自白みたいなものですよね……」

 

恵「ドン引きなんですけど……」

 

……が、それに対する答えは、じとりとした疑惑の目であった。

 

タスク「ほ、本当に誤解なのに……」

 

樹「まあまあ、タスク君の気持ちも分かるが……ここは一旦締めておこうか。アンジュさんにも色々と、説明する事があるからね」

 

一転、雰囲気と話を変える樹。

 

遙「……落ち着いた? それじゃあ話させてもらうわね……まず、私達は『TERRA』……『MU』と戦う地球連邦傘下の組織よ。そして私は特務大尉の紫東遙……敬礼はいらないわ」

 

恵「で、その妹……オペレーターの紫東恵。よろしく」

 

綾人「俺は神名綾人……まあ色々あって、ここに来る事になったんだ」

 

樹「そして僕が如月樹……TERRAの科学調査部分析局主任……と、長ったらしく言ったけど、要はどの組織にも大抵1人はいる科学者ポジションだと考えてもらっていい。で……それと、妹の久遠だ」

 

久遠「……」

 

遙「とりあえず、こんな所かしら」

 

TERRA側の紹介が終わる。それを聞いていたアンジュは、ただ戸惑ってばかりだった。

 

アンジュ「TERRAに、MU……正直、何を言ってるのかさっぱりだわ……」

 

タスク「まあ……いきなり色々言われても、訳分からないだろうしね……あ、俺はタスク。普段は島で生活してるんだけど、たまにTERRAと協力して、色々とやってるんだ」

 

遙「つまりは特別隊員……いえ、バイトと言ってもいいくらいかしらね」

 

タスク「ば、バイトって……まあ、間違ってはないんだけど……」

 

樹「……で、次に何故僕達がここにいて、君をここに連れて来たか……なんだけど、簡単に言えば頼まれたんだよ……君の所の司令にね」

 

アンジュ「!」

 

遙「えっとね……過去にちょっとした繋がりがあって、TERRAはアルゼナルとも協力してるわ。他だと……民間にはなっちゃうけど、JUDAとかネルガルもそうらしいわよ?」

 

樹「ともかく……刀は鞘に、鳥は巣に……君は君のいるべき場所に戻るんだ……と言いたい所なんだけど……」

 

アンジュ「……」

 

恵「結構嫌そう……」

 

綾人「無理矢理戻すっていうのも、後味悪い感じだよな……」

 

嫌そうな顔をするアンジュと、それを見てアルゼナルへ戻す事をためらう2人。

 

遙「……そうね、落ちてた機体も今修理中だし、アルゼナルまでちょっとした時間もあるし……せっかくだから、ここを案内しようかしら」

遙「……という訳で綾人君、恵、タスク……この子のガイド、よろしく!」

 

更に一転、明るく努める遙。

 

恵「ええ〜〜〜……私達が?」

 

綾人「俺は別にいいですけど……」

 

タスク「結構いい案かもね……それじゃ、大尉からのお墨付きも得たし、行こっか」

 

アンジュ「え……」

 

樹「あ、じゃあ久遠、せっかくだし君もついて行ったらどうだい?」

 

久遠「分かった……行くよ」

 

アンジュ「え、ちょ……いきなり……」

 

こうして、4人に連れられるアンジュであった……

 

〜リーリャ・リトヴァク・休憩室〜

リーリャ・リトヴァクを回ったアンジュ達。休憩にと、一室へと入った。

 

アンジュ「色々あったわね……床屋に整備室に購買まで……」

 

恵「長い間ここで過ごす事もあるからね」

 

綾人「……はい、購買で買ってきた奴。皆で飲もうよ」

 

綾人が袋から、ラムネを取り出す。それを4人に分けた。

 

アンジュ「……これ、どうやって開けるの?」

 

恵「アンジュ、ラムネ知らないの!? このピンをぐっと押して……こう! で、空いたでしょ?」

 

恵がラムネの開け方を実演する。それに習いアンジュもラムネを開け、口元へぐいと一気に瓶を傾けた。

 

アンジュ「……あれ、全然飲めないじゃないの、これ!」

 

……が、中のビー玉が引っかかってしまい、上手く飲めず、文句を垂れるアンジュ。

 

綾人「この窪みの所にビー玉を引っかけるんだよ。そうすれば……ほら!」

 

今度は綾人が、ラムネの飲み方を実演する。

 

恵「それ、私が教えようと思ったのに!」

 

綾人「別にいいだろ? 誰が教えたって変わんないよ」

 

恵「何よ! 自分だって私に教えてもらったくせに!」

 

タスク「落ち着いてよ、2人共……」

 

2人が喧嘩をし、タスクが取りなす中、アンジュと久遠はラムネを飲む。

 

久遠「しゅわしゅわ……透き通る感じ……私、これ好き」

 

アンジュ「そうね……それにしても私って、人に教えてもらったり、やってもらわないと、何にもできないのね……」

 

一息ついた後、アンジュがぼそりと呟いた。

 

恵「いきなりどうしたのよ?」

 

アンジュ「だって……このラムネの開け方も飲み方も、私だけじゃ分からなかったし……アルゼナルにいた時も、服の着方とか物の買い方だって教えてもらった……ヴィルキスだって、貴方達に直してもらって初めて、そういう人達の存在が身に染みて……」

アンジュ「なのに、私は目の前の世界が変わった事に戸惑ってばかりで、それで周りに壁を作って、拒絶して……」

 

タスク「アンジュ……」

 

暗い陰を落とすアンジュ。そこに、綾人が語りかける。

 

綾人「……俺も、同じだよ」

 

アンジュ「え?」

 

綾人「……俺、TOKYO JUPITERって所にいてさ……そこは、ここと時間の流れが違ってて……俺だけ過去の世界にいたんだよ。世界は東京の一部だけしか残ってなくて、生きてる人は少ないって『常識』を、信じてたんだ」

 

アンジュ「!」

 

綾人「そっからいきなりここに引っ張り出されてさ……周りとどう接していいか分かんなくて、突っかかったりもして……でも、俺を受け入れてくれる人達がここにはいて、俺にしかできない事がここにはあって……で、今はこうしてるって訳」

 

恵「私も、学校に馴染めなくて登校拒否しててさ……ここはそんな私の居場所……って言うより、逃げ場所かな。でも、それでも皆、私の事、受け入れてくれてるんだ」

 

アンジュ「綾人、恵……」

 

タスク「苦しんでるのはアンジュだけじゃないんだ……皆、色々な何かを抱えてるんだよ。他人との接し方とか、世界との関わり方とかさ」

 

綾人と恵の独白と、タスクの言葉に、アンジュはただ、沈黙する。

 

久遠「アンジュ……貴方は、どうしたいの?」

 

タスク「本当ならずっと、ここにいてもいいんじゃないか……って、さっきまでは言いたかったけど……アンジュの気持ちを聞きたいな」

 

アンジュ「私は……」

 

自分の思いを吐露しようとする……が、室内に警報が鳴り、それに意識が向いた。

 

アンジュ「これは……!?」

 

アンジュが動揺する中、休憩室の扉を遙が開ける。

 

遙「ごめんね〜……若者同士で語り合ってる所、悪いんだけど……」

 

タスク「MUが出た……って事ですよね?」

 

遙「そ。だから綾人君と、アンジュ……迎撃、お願いできる?」

 

遙の言葉に、5人は持ち場へと走っていった。

 

 

 

第十四話 空舞う者達-TWIN ANGELS-

 

 

 

〜DB海域・海上〜

タスク「ごめん、遅れた!」

 

恵「キム! 今どういう状況!?」

 

リーリャ・リトヴァクのブリッジに急ぎ入った恵とタスク。既に持ち場へと着いていた、オペレーターであるキム・ホタルへと話しかける。

 

キム「D2、多数出現……以前戦ったD1もいるわ」

 

キムに言われて外を見る……と、夥しい数のD2……ドーテムと、その中心に鎮座するD1……ドーレム『グラーベ』が艦の前方へと留まっていた。

 

八雲「ラーゼフォンとヴィルキス、出せます?」

 

TERRA副司令……八雲総一が、遙に声を掛ける。

 

遙「ええ……綾人君、アンジュ! 出撃よ!」

 

遙がそう叫ぶと、リーリャ・リトヴァクの前に、頭に翼を持つ機体……ラーゼフォンとヴィルキスが現れた。

 

樹『アンジュさん……整備を見学して分かったと思うけど、改めて言っておこう。君の機体だが、出力系の回路とエンジンが駄目になっていたんだ……修理が終わったのはついさっきだから、無茶しないように』

 

アンジュ「分かったわよ。それにしても、あいつ……!」

 

アンジュの脳裏に浮かぶのは、ヒルダ。まさかイタズラで、ヴィルキスに下着を詰めて故障させるとは、思いもしなかった。

 

タスク「まさか、あんな事する人がいるなんてね……」

 

キム「彼女、そこまで恨まれるような事したの?」

 

八雲「まあ、色々あるんでしょう……彼女達には。それより、余計な事考えてると、また落ちますよ!」

 

アンジュ「それも分かってるわよ! まずは、あの変な鳥を落とす!」

 

綾人「ああ……それじゃ、行くぞ!」

 

2機の天使は、土人形目掛けて空を翔けた。

 

〜戦闘開始〜

綾人(初戦闘時)

綾人(MU……こんな所まで出てくるなんて……!)

綾人「お前達が何度でも出てくるんなら、俺は何度でもお前達を倒してやる!」

 

 

アンジュ(初戦闘時)

アンジュ(そうだ……私はアルゼナルへ戻る……戻って、皆に謝らなくちゃ!)

アンジュ「そのためにもMUとか何とかって奴を、まずは倒す!」

 

 

綾人(対ドーテム)

綾人「1体1体はドーレムより弱いけど、まとまったら厄介だな……!」

綾人「お前達に構ってられるか! 行くぞ、ラーゼフォン!」

 

 

アンジュ(対ドーテム)

アンジュ「この鳥、ドラゴンよりも小さいけど……数で来られると面倒だわ!」

アンジュ「だけど、あの時に比べたら大した事ない! こんな奴ら、とっとと倒してやるわよ!」

 

 

綾人(対グラーベ)

綾人「前に倒した奴……また出てきたのか!」

綾人「攻略方法は分かってるんだ……そう簡単に、やられるかよ!」

 

 

アンジュ(対グラーベ)

アンジュ「この大きさ……確か、ガレオン級ってとこかしらね……」

アンジュ「でも、大きさなんて関係ないわ! こんなバイオリンもどき、すぐに落とす!」

 

 

〜〜〜

綾人「はあぁっ!」

 

ラーゼフォンが拳を握りしめ、ドーテムを殴りつける。

 

アンジュ「落ちろっ!」

 

ヴィルキスも銃を使い、ドーテムを撃ち落とす。

 

遙「数は減ってる……けど、微々たるものね」

 

八雲「ええ。それに……来る!」

 

恵「! D2、多数接近! それと、D1の反応も!」

 

恵が叫ぶと、新たにドーテムや、2体のグラーベが現れた。

 

綾人「また出てきたのか……!」

 

アンジュ「面倒ね……!」

 

キム「マズイわね……これでD3まで出てきたら……」

 

八雲「あまり不吉な事は言うもんじゃないよ。それに……D3じゃなくて、もっと頼もしいのが来た」

 

八雲がそう言うと、リーリャ・リトヴァクの後ろにナデシコとイサリビが現れる。そこから、多数のロボットが出撃した。

 

ヴィヴィアン「ここでクイズです! 死んだと思ってたら生きてたのは誰? 答えは……アンジュでした〜!」

 

ウッソ「アンジュさん! 無事だったんですね!」

 

アンジュ「ええ……まあね……」

 

ヘレン「無事でよかった……って喜びたいけど、それは後の方がいいわね」

 

ヒルダ「ちっ……そのままくたばってればよかったのによ」

 

エルシャ「ヒルダちゃん!」

 

アンジュ「……貴方達には色々、言いたい事があるわ……でもその前にまず、あいつらを倒す!」

 

ココ「アンジュ様……」

 

ミランダ「何か……また雰囲気変わった?」

 

2人がアンジュから、何かを感じ取る。

 

仁「それより……あの頭に羽生えた奴、何なんだ?」

 

フォント「俺も見た事ないな……羽つきなら、ウイングゼロがそうだけど……」

 

綾人「……ゼフォン」

 

飛鳥「え?」

 

綾人「こいつの名前だよ。ラーゼフォンって言うんだ」

 

綾人は自身の機体……ラーゼフォンの名を、JUDAの面々に教えた。

 

九郎「ラー……ゼフォン……」

 

アル「ふむ……奴からは何かを感じるな……」

 

辰也「ってか、めっちゃいいデザインじゃねえかよ! ヴィルキスとラーゼフォンで、2体の天使……って感じがするぜ!」

 

ジゼラ「辰也さん……またですか……」

 

辰也「あ、そうだヒイロ! お前あそこ並んでこいよ! これで天使が1機増えて、何て言うか……すげえいいと思うぜ!」

 

ヒイロ「断る」

 

五飛「はしゃぐな! 俺達は今、命のやり取りをする場にいるんだぞ!」

 

辰也「! は、はい!」

 

ラーゼフォンとヴィルキスの並び立つ姿……それを見た辰也の興奮する姿が目に余り、五飛が激昂する。

 

フォント「辰也……お前って奴は本当に……」

 

オルガ「……もっかい前に出しとくか? こいつ」

 

山下「多分意味ないっスよ、それ……」

 

他の面々もまた、いつもの様子に呆れていた。

 

ジゼラ「全く……その癖、いい加減やめたらどうですか?」

 

辰也「いや……まあ……これはその、俺の性分って言うか……」

 

ジゼラ「はぁ……」

ジゼラ(でも、嫌いじゃないんですけどね……そういう所も)

 

サリア「それよりも……問題はあいつらよ」

 

サリアが、前方にいるMUの大群に目を向ける。

 

ロザリー「何だよ、あいつら……!」

 

クリス「鳥……?」

 

凱「奴ら……MUか!」

 

シロー「機械獣の前に、世界を危機に陥れた悪魔……!」

 

レイン「MU大戦から13年、姿を見せていなかったけれど……つい最近現れたっていうのは、本当だったのね……!」

 

自軍の面々も、戦々恐々としていた。

 

森次「ああ。だが……我々はどんな相手であろうと退くワケにはいかない……例え、過去の悪魔であろうとな」

 

ユリカ「そういう事なので……皆、行くよ〜!」

 

アンジュ「元からそのつもりよ……私は!」

 

綾人「俺だってそうだ……こんな所で、やられるつもりなんてない!」

 

だがそれでも、彼らから闘志が消える事はなく……戦いが続けられた。

 

〜戦闘再開〜

綾人(初戦闘時)

綾人(アンジュは……仲間と再会できて……そして、戻るべき場所に戻ろうとしてるんだな……)

綾人「朝比奈に、守……俺もいつか、そっちに戻るから……だから今は、待っててくれよ!」

 

 

アンジュ(初戦闘時)

アンジュ(アルゼナルの皆……私を心配してくれていたのね……)

アンジュ「……あの赤髪女とその取り巻き共はともかく、私はあいつらに謝らないといけないわ……そのためにも、私は生き延びる!」

 

 

サリアorヴィヴィアンorエルシャ(初戦闘時)

エルシャ「アンジュちゃん、無事でよかったわ……」

 

ヴィヴィアン「ねえねえ! アンジュが帰ってきたら、エルシャの料理でパーティしちゃおっか!? あたし、ちょ〜楽しみにしてるんだ!」

 

サリア「余計な事言わないで、ヴィヴィアン! まずはあいつらを倒してからよ!」

 

 

ヒルダorロザリーorクリス(初戦闘時)

ロザリー「しっかしイタ姫の奴……生きてやがったのかよ……結構しぶといんだな……」

 

クリス「ねえ……私達、もしかして後で仕返しされる……?」

 

ヒルダ「今更ビビってんなよ、お前ら! またブッ殺すチャンスができたって思えばいいじゃねえか! ま……その前にまず、あの変な奴らを倒してからだな!」

 

 

ココorミランダ(初戦闘時)

ココ「アンジュ様……私はアンジュ様が生きてるなら、それで……!」

 

ミランダ「ま……腐っても同じ第一中隊だし、死んじまったら後味悪いしね……それに、後で謝ってきたりして……なんてね」

 

ココ「そ、そんな……別にそこまで……」

 

ミランダ「でもさ……また何か変わったっぽいし、案外ありえるかもよ? まあ、まずはあいつら倒してからだけどね!」

 

 

シロー(初戦闘時)

シロー(MU……機械獣が現れる前の……兄貴がマジンガーで戦う前の、恐怖の象徴……兄貴の後ろで震えるだけだったガキの頃を思い出すぜ……)

シロー「……でも、今は違う! 俺だって戦えるようになったんだ! 俺はもう、お前らなんかにビビらねえからな!」

 

 

剣児or鏡(初戦闘時)

つばき「MUの兵器……構成素材は土のようね」

 

鏡「ああ……まるでハニワ幻神だな。奴らもまた、どこかから来た謎の存在……といった所か」

 

剣児「要はハニワ野郎共と似たような奴らって事だろ!? だったら、この鋼鉄ジーグが、あいつらを全滅させてやるぜ!」

 

 

ビルドエンジェル隊(初戦闘時)

身堂「過去から這い出た土人形共か……邪魔大王国を思い出させるな」

 

門子「だから何だってんだ! 土人形だろうがハニワだろうが、全部ぶっ壊せば関係ねえよ!」

 

柳生「その通りよ。私達の前で蘇った事……後悔しなさい、MU!」

 

 

リガ・ミリティア(初戦闘時)

ウッソ「アンジュさん……無事でよかったです。早速、後悔しないで済みました」

 

ヘレン「仕方なかったとはいえ、見捨てちまった負い目があるからね……でも、喜ぶのは後でもできる」

 

マーベット「ええ……まずはあの土人形達を倒すわ! その後に、無事の再会を喜びましょう!」

 

 

ヒイロ(初戦闘時)

ヒイロ(天使……か。だがその裏には、人を狂わす悪魔の顔がある……ゼロもまた、そのうちの1つだ)

ヒイロ「ヴィルキスにラーゼフォン……お前達にも、悪魔の顔があるのかもしれないな……だが今は、そんな事を考えている余裕はない。まずは、あの土人形共を撃ち落とす!」

 

 

九郎(初戦闘時)

アル「ラーゼフォンに、MU……何だ? 妾は奴らの何に引っかかっておる?」

 

九郎「どうしたよアル……考え事なら、後にしてほしいもんだぜ! 何せ目の前には、得体の知れねえ妙な奴らがいるんだからよ!」

 

アル「その位分かっておるわ! 不協和音を垂れ流す土塊共よ、デモンベインの前に平伏すがよい!」

 

 

辰也(初戦闘時)

ジゼラ「辰也さん……貴方、何回くらい怒られてるんですか? 片手で収まるか収まらないかくらい繰り返してますよね?」

 

辰也「だ、だから悪かったって……これから気をつけるからよ……」

 

ジゼラ「そう言ってまた同じ事やりそうですけどね……なんて言いましたけど、ロボット見て興奮しない辰也さんなんて、辰也さんらしくもないとも思いますよ、私は」

 

辰也「あ、うん……ありがとよ……さて、喝も入れられたし……こっからは切り替えて、MUを蹴散らしてやるぜ!」

 

 

〜〜〜

剣児「覚悟しやがれ、ハニワ共!」

 

イエローガンバー「ガンバーソードだ!」

 

ユリカ「ミサイル、どんどん撃っちゃって!」

 

ジョルジュ「相手の数が多いなら、ローゼスビットで!」

 

シロー「くたばれ、悪魔共!」

 

自軍の攻撃で、次々とドーテムが撃墜されていく。

 

キム「D2、多数消滅! 残存する敵勢力、D1のみ!」

 

舞人「後はあいつだけか……!」

 

マイトガインが3体のグラーベへと目を向ける。

 

山下「でも、あいつ……さっきから攻撃を防いでるっスよ!」

 

宗美「ええ……見えない壁があるようですね……!」

 

先程から行われていた攻撃は、その体に当たる直前で着弾し、届いていないようであった。

 

拳一「関係ねえ……ぶん殴って叩き壊せばいいだろ!」

 

仁「おう! そんなもん、ぶっ壊してやるぜ!」

 

しのぶ「ちょっと……拳一!」

 

吼児「待ってよ、仁くん!」

 

業を煮やした拳一と仁が、グラーベに向かって突撃する。

 

綾人「! 駄目だ!」

 

……が、グラーベはゴウザウラーとライジンオーに向かって触手を放つ。間一髪、シールドで防いだが、触手がシールド内部へと入り込み、瞬間、それはものすごい力でひしゃげる事となった。

 

教授「シールドが!」

 

勉『奴は機械に侵蝕して、破壊する攻撃を行っています! 下手に接近すれば、逆にこちらが不利に……!』

 

凱「だったら、こちらもバリアを張って、対抗するまでだ!」

 

ガオガイガーが左腕からプロテクトシェードを展開し、グラーベへと突進する。2つのバリアがぶつかり合い、じりじりと距離が詰められていく。

 

グラーベ「……」

 

凱「今だ! プラズマホールドッ!!」

 

互いのバリアが割れると、先手を取ったのはガオガイガー。そのまま、左腕から電撃を放ち、グラーべを拘束した。

 

凱「このまま残りの2体にも、ぶつけてやるぜ!」

 

ガオガイガーが電撃の縄に縛られたグラーベを振り回し、他の2体にぶつける。

 

グラーベ「!」

 

2体のバリアにより、振り回されるグラーベが弾かれる。それをまた振り回して……が繰り返される。

 

凱「そろそろか……これでとどめだ!」

 

ガオガイガーがドリルニーでグラーベを貫く……と、土人形は最早、物言わぬ土塊と化した。

 

綾人「すごい……!」

 

ゴルドラン「後の2体も、バリアが弱まっている!」

 

リョーコ「やるなら今だ! 行くぞ!」

 

リョーコがそう言うと、エステバリスがディストーション・フィールドを張り、突貫する。ヒカルとイズミ、アキトの機体も、それに続いた。

 

アンジュ「こっちだって負けてられないわ! バリアが何よ!」

 

サリア「あ、アンジュ!」

 

綾人「俺だって……やるんだ!」

 

ヴィルキスの剣とラーゼフォンの抜き手が、グラーベへと突き刺さる。貫かれた側から崩壊が進み、塵となる。

同じ頃、エステバリス隊による突撃を食らった方も、体を崩壊させていた。

 

綾人「……何とか、倒せたか……」

 

タスク『……終わったみたいだね。D3……ドラゴンも出なかったようで何よりだよ』

 

遙『綾人君、アンジュ……お疲れ様。ラーゼフォンをこっちに戻して』

 

綾人「は、はい! ねえ、アンジュ……君は?」

 

アンジュ「……アンタ、もう分かってるでしょ? 私がどこに戻るか……なんて」

 

綾人「……はは、そうだね……」

 

MUの群勢を倒したアンジュ達。それぞれの場所に、それぞれの機体が戻っていった……

 

〜アルゼナル・食堂〜

ヴィヴィアン「……それじゃあ、アンジュが帰って来た事を記念して……かんぱ〜い!!」

 

アルゼナルの食堂では、アンジュの帰還を祝う会が行われていた。

 

剣児「うめぇ! おかわり!」

 

竜馬「これがエルシャの飯か……聞いちゃいたが、確かに美味えな」

 

九郎「こんな飯が食えるなんて……俺、嬉しすぎて泣いちまうぜ……!」

 

各々が料理に舌鼓を打つ中、エルシャやアキトを初めとした調理班が、忙しなく動いている。

 

エルシャ「どんどん作っちゃうから、好きに持っていってね〜!」

 

ロザリー「……ったく、なんでアタシ達がこんな事しなくちゃ……」

 

道明寺「くだらねぇイタズラの落とし前……ってトコだろ。俺も騒ぎを起こした1人として手伝ってんだから、あんま文句言うなよ〜?」

 

クリス「うっさい……」

 

ホウメイ「ほらほら、口ばっかじゃなくて手を動かしな!」

 

ナデシコから助っ人としてやってきた料理人……ホウメイが、愚痴るロザリーとクリスの尻を叩く。

 

シャクティ「ホウメイさん達も助っ人に来てくれて助かってるけど……このペースだと、私達の分が残ってるか……」

 

ホウメイ「安心しな、お嬢ちゃん……そこもちゃ〜んと考えてるからね」

 

アトラ「だってさ、シャクティ!」

 

アキト「……はい、こっち上がったから、運ぶのお願い!」

 

ヒルダ「分かったよ! しっかし……こんだけ忙しいと、何か仕込む暇もねえな……」

 

城崎「ええ……加えて、私たちもしっかり見てますからね」

 

ヒルダ「JUDAの奴に言われると、シャレになんねえっての……」

 

……と、調理班が動いている一方では、TERRAから派遣された綾人達もまた、テーブルに着いていた。

 

綾人「……何か、俺達も一緒になっちゃったけど……いいのかな?」

 

遙「TERRAから私と綾人君、恵に如月博士、久遠さんが派遣……って事になったからね。親睦を深めるためにも、ここは食事を共にするべきよ!」

 

恵「お姉ちゃん……自分が飲みたいだけじゃないの?」

 

樹「はは……賑やかで何よりじゃないか」

 

久遠「うん……」

 

綾人「……でも、こっちにラーゼフォンがいると、別の場所にMUが出た時に困るような……それに樹さんも、あっちでやる事とかあるかもしれないのに……」

 

樹「ああ、それなら問題ないよ。優秀な助手に、僕の引き継ぎを任せているからね」

 

久遠「……土人形は神の音に惹かれて踊る……大地に降り立つ事、あまりなし……」

 

樹「……だってさ。要はMUはラーゼフォンに引き寄せられるから、むしろその方が安全だろうって事」

 

遙「それに、もし出てきたとしても、あっちにはエルフィとか、頼れる仲間もいるし……ね、勇者さんに室長さん?」

 

凱「ああ……MUの存在はこっちでも警戒している……GGGも、対MU作戦に協力します」

 

森次「JUDAでもバックアップはするつもりです……どこまでカバーできるかは、分かりませんが」

 

リョーコ「ま……エルフィの姉御がいるなら、大丈夫じゃねえの?」

 

ユリカ「そうだね〜! あの人がTERRAにいるなら、問題ないよ!」

 

遙「貴方達、エルフィと知り合いなの?」

 

リョーコ「ああ……俺が連邦軍入ったばっかの時の教官でさ……色々しごかれたよ」

 

ユリカ「お父様も、信頼できる部下だって話してたよ! 酒癖が悪いのは勘弁……とも言ってたけどね」

 

遙「あはは……」

 

遙が苦笑する横では、久遠がカレーを口にしている。

 

久遠「……辛さの中のまろやかさ……ほのかな酸味とコク……」

 

ヴィヴィアン「お! エルシャのカレーに目をつけるとは……分かってるぅ〜!」

 

ユリカ「アキトのラーメンだって負けてないよ! ほら、どうぞ!」

 

久遠「……」

 

恵「ちょっと! そんなに渡されても、食べきれないでしょ!」

 

アンジュ「……なら、私が貰うわ」

 

久遠が困惑していると、通りすがりにアンジュが、料理を持っていく。

 

ヴィヴィアン「お〜、本日の主役だ!」

 

アンジュ「やめて、恥ずかしい……」

 

ヴィヴィアンに囃し立てられ、アンジュが赤面し、目を逸らす。

 

アンジュ「……その、ヴィヴィアン……皆……ごめん!」

 

ココ「アンジュ様!?」

 

……一転、頭を下げ、言葉を絞り出すアンジュ。

 

アンジュ「……私、いきなりここに連れてこられて、意地張っちゃってた……それに、皆に酷い事まで言って……今更許してもらおうだなんて思ってないけど……せめて、謝らせてほしい」

 

ミランダ「……顔、上げてよ」

 

アンジュ「ミランダ……」

 

ミランダの言葉で顔を上げるアンジュ。恐る恐る、彼女の顔を覗き込むように見上げた。

 

ミランダ「別に、私はもう気にしてないし……そもそも、ここってしょっちゅう喧嘩してる奴もいるしね……だから、あんたが頭下げて謝ったってだけで、十分だよ」

 

ココ「私も、もう大丈夫ですから!」

 

アンジュ「ココ……ミランダ……」

 

サリア「……ったく、何湿っぽい雰囲気出してるの」

 

ヴィヴィアン「せっかくのご飯が、美味しくなくなっちゃうよ!」

 

アンジュ「……そうね。ありがとう、皆……」

 

自分がいるべき場所……それを、改めて理解したアンジュ。

 

三日月「あいつ……何か、前よりずっといいね」

 

浩一「だな……少しは報われるってモンだよ、ああやって変わってくれるならさ」

 

エルシャ「アンジュちゃん……」

 

ロザリー「……あ〜あ、すっかり牙抜けちまったな、イタ姫様」

 

クリス「う、うん……でも、もしかしたら、私達がやった事とか、うやむやになったり……」

 

こそこそと話しているロザリーとクリスに、ぎろりと睨みを効かせるアンジュ。彼女らに関しては、まだ思うところがあるのだろう。

 

アンジュ「……」

 

ロザリー「やべっ!」

 

クリス「や……やっぱり、まだ怒ってる……!」

 

道明寺「ま、アンタらは別……なんじゃない? 何せ色々とやらかしてんだし、少しは反省しときなよ」

 

ヒルダ「ケッ……別にアタシら3人は、あいつを受け入れようだなんて思ってねえしな」

 

アキト「でも……事故に見せかけて殺そうとするのはやりすぎだよ」

 

道明寺「そうそう。やるならもっと面白いコトやろうぜ? 俺らも『面白全部』なら大歓迎だよ……何なら手伝うか? 今後そのスタンスで行くんだったらさ」

 

城崎「道明寺クン?」

 

エルシャ「あんまり焚き付けないの」

 

道明寺「じょ、冗談だって……」

 

ヒルダ「……ま、考えといてやるよ。アタシももう、ウェイトレスの真似事なんてごめんだからな」

 

ヒルダがそう呟き、すぐに自分の仕事へと戻っていく……一方でアンジュは、タスクの事をふと思い出していた。

 

アンジュ「そういえば……あいつ、どこ行ったの?」

 

綾人「あいつ……って、タスクさんの事?」

 

遙「彼ならあの後、また島に戻っていったわ。自分のやるべき事が見つかった……なんて言ってたわね」

 

アンジュ「そう……」

 

島で出会い、リーリャ・リトヴァクを共にした男……タスク。彼の姿を、心に落とすアンジュであった……。

 

〜DB海域・とある島〜

アンジュが流れ着いた島……そこにある洞窟に、タスクが戻ってきた。

 

タスク(アンジュ……ちょっと乱暴だけど……綺麗で可愛くて、美人な女の子……あの子は自分の道を決めたんだ、俺もずっとここにいる訳にもいかないよね)

タスク(……父さん、母さん、皆……俺は行くよ。散っていった皆のために、自分と向き合うために……そして、あの子のために……)

 

洞窟内に隠していた、パラメイルに似た乗り物……エアバイクに乗り込むと、エンジンをかけ、島の外へと駆けていった……。




・中断メッセージ(物語る久遠)
久遠「混沌の世界、滅びの運命、そして、それを捻じ曲げんとする者達……フラスコに広がる世界で、紡がれる戦いの果て……」
久遠「……スーパーロボット大戦……『交わる世界の結末』」
久遠「世は、音に満ちて……」
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