見といた方がいいですよ、ガン×ソード3話は…!
今回、原作の良さを活かせていないかな…と思ったり、色々やりすぎた感はありますが…それでも…!
〜平原〜
どこまでも広がる緑……その風景とは似つかわしくない、黒いタキシードを来た男と、それに続く少年少女達3人が歩いている。
ヴァン「……何でついて来るんだよ?」
辰也「言ったじゃないですか……俺達も貴方達と同じように、人探しの旅に出てるんですから……」
ウェンディ「丁度、同じような目的だし、人数は多い方がいいし……そういう話になってたわよね?」
ヴァン「知るか。お前らはお前らで勝手に行けよ」
ジゼラ「まあまあ……旅は道連れ、世は情けとも言いますし……」
辰也「それに、あのヨロイって奴もカッコいいし……活躍を間近で見たいって理由もあるからな!」
ウェンディ「ヨロイと言えば……前の野盗みたいなのが襲ってくるかもしれないから……いざという時に戦える人も多い方がいいしね」
ヴァン「余計なお世話だ……自分の身くらいは自分で守れる」
ウェンディ「もう……ヴァンったら」
無愛想な態度を取るヴァンと、それに少しばかりの不満を抱くウェンディ……微妙な空気感を解そうと、ジゼラがおずおずと声を上げる。
ジゼラ「えっと……そ、そうだ! 私達の旅の目的、おさらいしておきませんか? その……気分転換も兼ねて……」
辰也「だな……俺とジゼラは、逸れた仲間を探すために……」
ウェンディ「私は、攫われたお兄さんを見つけるためで……それで、ヴァンは……」
ヴァン「……カギ爪の男を殺すため……だ」
怒りの籠った、刺々しい口調でそう発する。
ジゼラ「あの……」
ヴァン「何だ。えっと……お前は……」
ジゼラ「……ジゼラです。あの……どうしてヴァンさんは、そのカギ爪の男を……殺……そう……と……?」
ヴァン「……」
ジゼラ「あ、その……言いたくないのでしたら……」
ヴァン「……殺された」
ジゼラ「え……?」
ヴァン「殺されたんだよ、そいつに……エレナが……俺の大切な人が……!」
ジゼラ「……!」
声から感じられる怒り……ジゼラは言葉を失い、ただ恐々としていた。
ヴァン「だから俺は奴を殺す……あいつを殺さねえと……俺は……!」
ウェンディ「ヴァン……」
ジゼラ「す、すみません……辛い事を……」
ヴァン「……いい。謝るな」
平静に戻ったヴァンが、ジゼラに言葉をかける。その間、辰也は何かを考えていた。
辰也(大切な人を殺された復讐……か)
ジゼラ(辰也さん……どうかしました?)
辰也(あ……いや……前にさ、ジゼラが攫われた時の事思い出してよ……)
ジゼラ(ああ……)
辰也の呟きに合点が行くジゼラ。
辰也(あん時……俺、ジゼラを傷つけられた事が許せなかった……それがもし、殺されたってなってたらと思うと……考えたくもねえ……だからかな、ヴァンさんの気持ちも分かるような気がするんだ)
辰也(もちろん、あん時の事は繰り返すつもりはねえし……ヴァンさんの気持ちだって、どこまで理解できてるかも分かんねえけどさ)
ジゼラ(そう、ですね……私も、殺すとか復讐とかって聞いて、びっくりしましたけど……ヴァンさんの事に口を出せる筋合いもありませんし……)
ジゼラ(それに……私も辰也さんの事、大切な人だと思ってますし……もし失ったってなったら……いいえ、私もそんなの……考えたくもありません)
辰也(だな……俺にとってもジゼラは、大切な仲間だしよ……)
辰也(それに虎之助……友達もいなくなっちまったんだ……だから、これ以上失わないためにも……皆を守るためにも……俺は戦うって、そう決めたんだ)
辰也(でも……今は皆と離れ離れになっちまって……だけど……!)
ジゼラ(……まずは皆さんを見つけてからです。それから考えましょう、辰也さん)
辰也(そうだよな……ありがとう、ジゼラ)
2人の間で、改めて絆と決意が生まれる。
ヴァン「お前ら……何こそこそ話してんだよ?」
ジゼラ「あ、その……」
辰也「俺達……もっと頑張らないとなって……」
ヴァン「……そうか。なあ、お前ら……」
ジゼラ「は、はい……」
ヴァン「前も言ったが……お互いを大事にな」
辰也「ええ……ちゃんと分かってますよ」
ヴァン「……なら、いい」
そう言うと、ヴァンはすぐに視線を前へと戻す。
……その時、小型のジェット機が後ろから接近する……と、それに乗っていた者が、歩いていた4人に声をかけた。
???1「あれ……ヴァンにウェンディじゃない。奇遇ね、こんな所で会うなんて」
???2「それにお前達は……辰也にジゼラか」
ウェンディ「あ……カルメンさん!」
辰也「それに隼人さんも!」
声をかけたのは、褐色の女性……カルール・メンドゥーサことカルメン99……と、隼人。突然の再会に、ぱっと顔を明るくするウェンディと辰也達。
ジゼラ「この方……ヴァンさん達の知り合いですか?」
ヴァン「え……あ、ああ……えっと確か……」
カルメン99「カルメン99よ。ヴァン……貴方、まだ名前覚えられないの?」
ヴァン「すみません……」
ウェンディ「カルメンさんとは、ブリッジシティっていう場所で出会ったんです。かっこいい女の人で……すごい情報屋なんですよ!」
カルメン99「ふふ……褒めても何も出ないわよ」
満更でもなさそうな表情で、そう答えるカルメン。一方でヴァンは、隼人の方に目を向けていた。
ヴァン「んで……そっちは誰だ?」
ウェンディ「辰也さん達の知り合い……ですか? という事は……」
隼人「ああ……そこの子供の考える通りだ。俺は神隼人……ここに来る前に、逸れた仲間を探して彷徨っていた」
カルメン99「彼、ちょうど前に情報が欲しいって事で、私の所に来てね……結構お金も持ってるし、情報収集のスキルもあるしで、一緒にいるって訳」
ヴァン「で、その仲間ってのがこいつらか? じゃあ、これでお前らの旅は終わりだな……お疲れさん」
辰也「いえ……まだ他にも仲間はいてですね……それで隼人さん、竜馬さんや弁慶さんがいないって事は……」
隼人「ああ……気づいた時には、あいつらもゲッターも、他の奴らも見当たらなかった……が、道中で手がかりになる情報を得た」
カルメン99「今から行く町に、余所者が入ったって情報があってね……貴方達も目的は似てるみたいだし……よかったら、一緒に行く?」
ジゼラ「いいんですか? では……」
ウェンディ「丁度お昼の時間も近いし……私達も町に行きましょう、ヴァン」
そうして、新たな仲間を加えた一行は、新たな目的地へと足を進めていった……。
〜グローリア・ピンク・アミーゴ〜
のどかながらも、活気のある町……グローリア。そこにある酒場……ピンク・アミーゴの扉を、ウェンディ達が開ける。
ユキコ「……あら、いらっしゃい。旅の人かしら?」
ウェンディ「は、はい……あの、お昼を食べようと思って……」
???1「む……お前、隼人か?」
???2「それに辰也とジゼラじゃないか……会えてよかったぜ」
隼人「弁慶……お前だったか、この町に来た余所者というのは」
辰也「凱さんも……無事でよかったです!」
隼人に続き、またしてもかつての仲間と再会する辰也達。
弁慶「ああ……気がついた時には周りに誰もいなくてな……ふらふらと歩いていたら、この町にたどり着いたという訳よ」
凱「俺もそうさ。それで今は、この店で世話になってるって訳だ」
ユキコ「凱さんと弁慶さんが来たおかげで、こちらも大助かりなんですよ」
フランコ「まあ……凱の方はともかく、弁慶はユキコにさえ迫らなければ文句はないんだが……」
弁慶「あ、それはその……へへへ……」
隼人「それは悪かったな……後でよく言っておこう」
バツが悪そうに笑い、頭を掻く弁慶を隼人が睨んでいる……と、陽気な老人達が、彼らに声をかけた。
ネロ「おお! 新しい客人が来たようだな、凱、弁慶!」
ホセ「丁度いい……お前達も聞いていけ、俺達の若かりし頃の話を」
バリヨ「ついでにこれも食え。タコスは体にいい」
カルロス「……」
ジゼラ「えっと……この人達は?」
凱「ああ、この店の常連みたいでな……何でも、若い頃にはこの町を守ったとかって勇者で……」
辰也「へえ〜……」
ネロ「遠慮するな、若いの! ほれ、こっちに来い!」
辰也「え……」
ホセ「そっちのタキシードの男……お前もだ」
ヴァン「あ……?」
バリヨ「凱、まだ話の続きは終わっていないぞ」
凱「ええ……かつての勇者の心構え、ご教授願いますよ」
カルロス「……」
弁慶「俺も聞いてはいるんだが……話の途中でいつも寝ちまうんだ……このご老人のようにな」
ジゼラ「あ、あはは……」
カルメン99「……それじゃあ、私達は私達で、話をしときましょうか」
ウェンディ「はい……ヴァン、後で教えてあげるからね!」
隼人「老人共の相手はお前達に任せる……また後でな」
ネロ「おい、そこの若僧……お前も来るんだ」
隼人「安心しろ……こっちで話しながら聞いといてやる」
ネロ「それじゃあ意味ないだろう!」
凱「まあまあ……俺達が聞きますから」
辰也「俺もですよ。興味があるのは本当ですからね」
ヴァン「……俺、別にいいんだが……」
ホセ「何を言う……そう言えばその黒いタキシード……それに纏わる噂を聞いた事があるが……お前さん、名前は?」
ヴァン「ヴァン……人呼んで『鋼鉄のヴァン』だ」
言葉も手短に、ヴァンが自己紹介をする……と、老人達は息を呑み、声を発した。
ネロ「おお……そうか、お前があの『夜明けのヴァン』!」
ホセ「ブリッジシティでバロンを倒し、ワイルドバンチを壊滅させた……あのヨロイ乗りの男か」
バリヨ「それなら教えてやろう……ヨロイ乗りの極意というものをな」
ヴァン「いえ……別に……」
ネロ「いいから来い、若いの!」
ホセ「気に入った、お前は今から俺達の弟子だ」
ヴァン「あ……」
老人達に囲い込まれ、ずるずると引きずられていくヴァン。ウェンディは呆然としながら、ただそれを見ていた。
ウェンディ「ヴァン……」
カルメン99「放っときましょう。さっきも言ったように、こっちはこっちで話をするわよ」
ジゼラ「は、はい……」
困惑したまま、席に着くジゼラ達。
隼人「さて……まずはこの大陸についてだが……」
ネロ「俺達はかつて、ザウルス帝国と戦っていたんだ!」
カルメン99「アメリアにガリア……アフリコ、エイジア……って、4つの大きな地域がある……のは話したわよね?」
ホセ「奴らは一筋縄では行かなかった……氷の悪魔の眷属と呼ばれたフリーズザウルスに、青い血流れるブルーザウルス……」
バリヨ「そうだ、空を飛び火の玉や電撃を放つ、スカイザウルスというのもいたな……奴らは、こちらと戦う気はなかったようだった」
ウェンディ「ウルグスクにヤーパン……っていう国とか地域もあって……」
ジゼラ「ロンドンやシベリア……は、私達の時代と共通なんですね」
隼人「ああ……時代が違うのか、そもそも世界自体が違うのか……まだ、分からん事ばかりだ」
ネロ「だが、それでも俺達は負けなかった……何故なら、俺達にはヨロイがあった、守るべきものがあった、勇気があった……だから、悪に屈する事はなかった!」
ホセ「それで、ザウルス帝国は壊滅……今は残党が小競り合いを起こしているという噂もあるが……何、俺達が出張る必要もない」
カルロス「……」
辰也「す、すげぇ……」
凱「勉強になりますよ、エルドラチームの皆さん」
弁慶「ぬごぉ……んぐ……」
ヴァン「はぁ……」
喧騒の中、盛り上がる過去の武勇伝……尊敬の眼差しで話を聴く凱や辰也とは対照的に、フランコはうんざりとしながら口を開いた。
フランコ「やれやれ……老人のホラ話には困ったもんだ」
ユキコ「フランコ……」
ネロ「何だ、若僧……文句でもあるのか?」
フランコ「大ありだ。毎日毎日ここに来ては同じ話を繰り返して……周りの事も考えろ」
ホセ「何だと?」
客1「その通りだ! 客はお前達だけじゃないんだぞ!」
客2「過去の思い出話をデカい声で話しやがって……酒がまずくならぁ!」
客3「迷惑なんだよ、嘘つきで酔っ払いの老人なんて!」
バリヨ「……」
凱「皆、落ち着くんだ……確かに彼らは、貴方達の邪魔になっているかもしれない。だが……」
辰也「ここで騒ぎを起こすのも、迷惑になるんじゃないですか?」
客4「新参者と余所者は黙ってろ!」
客5「そんなに言うなら見せてくれよ、アンタらのヨロイ!」
ネロ「若僧! ヨロイは見せびらかすためにあるんじゃ……」
反論しようと立ち上がるネロ……しかし、酒のせいかふらつき、地面へと倒れる事になってしまった。
弁慶「ぬ……大丈夫か、ご老人!」
ネロ「俺を年寄り扱いするな、弁慶! 少し酒が回っただけ……っとと……」
弁慶の支えを払い除けつつ、立ち上がるネロ。酒場内は、老人の滑稽さを笑う若者達の声で溢れた。
客6「ははは! ヨロイよりまずは自分のガタイを操縦しろよおっ!?」
バリヨ「……」
嘲笑う客の1人に、戦友を侮辱された怒りからか本を投げつけるバリヨ。その勢いのあまり、若者は後ろへと倒れてしまった。
客6「ジジイ……やられたくなきゃヨロイを見せな!」
ネロ「阿呆! 素手の奴にヨロイを出せるか!」
客1「そうかい!」
客2「やっちまえ!」
こうして、老人達と若者達の乱闘が始まり……酒場は大荒れとなってしまった。
ユキコ「あの、皆さん!」
フランコ「放っとけよ、いい薬だ」
ユキコ「フランコ……!」
ウェンディ「ヴァン……止めてあげて」
ヴァン「……暴力反対」
カルメン99「そうね。酔っ払いの喧嘩に首突っ込むなんて、割に合わないわ」
隼人「同意見だ。くだらん諍いに混ざるつもりはない」
客の喧嘩を呆れながら、遠巻きに眺める隼人達。辰也と凱はそんな中で、何とか止めようと努めていた。
凱「やめろ、皆!」
辰也「つってもこれ、俺達で止められるかどうか……」
ネロ「止めるな、お前達……! どうした……遠慮はいらんぞ……!」
ホセ「かかって……こい……ヒヨッコ……!」
客3「なぁ……ヤバくないか……?」
客6「ああ……爺さん、もうやめよう……ゴメン」
客5「こっちも言い過ぎた……無茶は体に良くないし……」
ホセ「ば、馬鹿にするな!」
若者達が顔を見合わせ、老人達に謝罪する……が、ネロ達の頭は冷えず、むしろ火に油を注ぐようであった。
ユキコ「……憶えてますか……夜霧舞う空の下……」
……そんな中、ユキコが歌う。
ネロ「……」
ホセ「ぬ……」
バリヨ「……」
ユキコ「大きな夢を……聞かせてくれた事……」
凱「この歌……」
ジゼラ「……」
カルロス「……」
ユキコ「誰もが皆……大人になる代わりに……大切な物を……置き去りにしてしまう……」
ユキコの澄み渡るような歌声が、ピンク・アミーゴ内を包む……若者達も、老人達も、皆……それをただ穏やかに聴いていた。
フランコ「……」
ヴァン「……」
ネロ「歌っている時は……チヅルに似てるな……」
ヴァン「あん?」
ネロのぼやきが耳に入ったヴァン。ふと、壁に掛かっている写真が目に入った……。
ヴァン「……」
〜グローリア・外れの家〜
……グローリアの中心から遠く離れた場所、そこにぽつんと、寂れた家があった。
ブッチ「ふふふ……ふふふふ……これで……これで……俺を馬鹿にした町の奴らを……!」
その中で何かを開発し終えた科学者……ブッチは、鬱屈から解放されたように、満足げな笑い声を発していた。
???1「負の感情……マイナス思念……成程な、これがそうか」
ブッチ「! だ、誰だ!」
……そこに、隙間からぬるりと、謎の男が現れる……ブッチは驚き、警戒する素振りを見せた。
ベルゼブ「異なる地球に住む三次元人よ……私はジャーク帝国が1人、ベルゼブ」
ファルゼブ「さあ、三次元人よ……負の感情を解き放ち、快楽をその身に委ねるがいい……」
ベルゼブと名乗る男が、妖しげに光り輝く紫色の何かを手元に構え、ブッチへとにじり寄る。
ブッチ「や、やめろ! 来るな……うっ!」
抵抗もむなしく、ブッチの頭に紫色の物体が取り付けられる。
ブッチ「ぐうぅ……っ……!」
それが体内に侵食し、苦しみ悶えるブッチ。そして───
ブッチ「ゾンダァァァーーーッ!!」
───ブッチであったものが、紫色の化物……ゾンダーへと変貌した。
ベルゼブ「さて……少し離れてはいるが、撒き散らしておいた予備のアークダーマの反応もある……この次元の地球も、我々ジャーク帝国の支配下に置いてやろう!」
ゾンダーと化したブッチが、自身が発明したヨロイ……バッドローズに侵食し、取り込む……それを尻目に、ベルゼブが外への扉を開け……
ベルゼブ&ファルゼブ「「ジャークパワー照射!!」」
……ファルゼブと共に、グローリアに向かって黒い稲妻を発した……。
〜グローリア・ピンク・アミーゴ〜
同じ頃……ピンク・アミーゴでは、ユキコの歌によって喧騒が落ち着いていた。
辰也「……何とか、収まりましたね」
凱「だな……」
弁慶「どうしたんだ、凱? そんなに神妙な顔をして」
そんな中、凱の表情が気になり、声をかける弁慶。
凱「ああ、いや……何でもない」
弁慶「……?」
軽く返されるも、胸中には僅かだが、確かにしこりが残った。
ウェンディ「あの……今の歌、素敵でした!」
ジゼラ「はい! とっても綺麗な歌声で……」
一方で、ウェンディとジゼラはユキコの元に駆け寄り、その歌に賛辞を示す。
ユキコ「ありがとう……この歌、お婆ちゃんがよく聴かせてくれたの」
ユキコはお礼を言いながら、過去を懐かしむかのように、遠くへと目をやった。
カルメン99「お婆ちゃん?」
ネロ「ああ! ユキコは俺達エルドラチームの、チヅルの孫娘なんだ! ヴァン、お前も知ってるだろう?」
ヴァン「知りません」
ネロ「何で知らんのだ!」
フランコ「当たり前だろ……この人達はここに来たばっかなんだし」
はぁ……とため息を吐き、呆れるフランコ。
ネロ「それなら教えてやろう。チヅルはな……俺達の中で1番酒が強かった」
ホセ「1番喧嘩が強かった……今でもピンク・アミーゴと共に、俺達を見守ってくれている」
ユキコ「お爺ちゃん達……」
チヅルを……かつての仲間を思い出し、天へと目をやるネロ達。自分の祖母が今も仲間に想われている事に対し、ユキコは胸に暖かいものを感じていた。
バリヨ「飲め、お前も」
ヴァン「いや、俺は酒は……」
バリヨ「テキーラは体にいい」
ヴァン「だから……ううっ!?」
拒否するヴァンに無理矢理酒を飲ませようとするバリヨ。だがその寸前、酒場が揺れ、手元が狂った。
ヴァン「な、何だよ……?」
ウェンディ「地震……?」
ネロ「ぬ……酒がまだ回っているのか……揺れているような……」
凱「本当に揺れてるんですよ!」
フランコ「ここから逃げるぞ、ユキコ!」
ユキコ「え、ええ……!」
倒壊する家具や酒……巻き込まれまいと、ユキコ達は外へと逃げ出した……。
〜グローリア・外〜
外では、謎のヨロイ……バッドローズと、虎のような姿をした異形の怪物が暴れている。
カルメン99「何よ、あいつら!?」
ウェンディ「ヨロイと……それとはちょっと違うのもいる……!?」
各々が驚き不安がる中、バッドローズが顔を人々の方に向け、叫ぶ。
ブッチ「ゾンダァァァーーーッ!!!」
凱「なっ……! あの叫び声……まさか、ゾンダーなのか!?」
隼人「何……?」
弁慶「ゾンダーはお前達が倒したんじゃないのか!?」
凱「そのはずだが……どうして奴らが……それに、あの周りの奴らは……邪悪獣か!?」
ヴァン「ゾンダー……邪悪獣……?」
ジゼラ「な、何で……!?」
辰也「さあな……でも、俺達のやる事は1つだ!」
凱「……ああ。考えている暇はない! ギャレオォォォーーーンッ!!」
敵を目の前にし、凱が叫ぶ……と、どこからか機械のライオン……ギャレオンが凱を飲み込み、人型に変形した。
凱「フュージョン……ガイガーッ!」
辰也「行くぜ、イールソウル……この町を守るぞ!」
ガイガーとなった凱と、イールソウルに乗り込んだ辰也達。2つの機体は逃げる町の人々を背に、彼らを守らんと立っている。
カルメン99「人が……ヨロイに……?」
ウェンディ「凱さん! 辰也さんにジゼラさんも!」
ジゼラ「ウェンディさん達は早く逃げてください!」
凱「ここは俺達が引き受ける! 隼人、弁慶、それと……カルメン! あのピラミッドの近くにガオーマシンを隠してある……ファイナルフュージョンのために、それを操縦してくれ!」
弁慶「合点承知!」
隼人「すぐに向かう」
カルメン99「協力はしてあげるけど、その分のお金は取るわよ!」
凱「それでいい……頼む!」
隼人達が指定された場所へ走り出す……それを確認して、ガイガーとイールソウルが敵の方へと走り出した。
ベルゼブ「来たか……あの白い小型と、オレンジのロボット……ビッグタイガーにバッドローズよ、手始めに奴らを潰せ!」
遠くの方では、ベルゼブも指示を出し、バッドローズと邪悪獣……ビッグタイガーを2機の方へと進め……両者はぶつかり合った。
ネロ「……行くぞ、お前達」
ホセ「ああ」
ウェンディ「お爺ちゃん達……どこへ?」
……そんな中、町の人々が走る方向とは別に、ネロ達が歩き出す。ウェンディはそれを疑問に思い、ふっと口に出した。
ホセ「お嬢ちゃん……悪いが、俺達にはやる事がある」
ネロ「もし俺達が戻れなかったら……ユキコや若い奴らに伝えてくれ……すまなかったと」
ウェンディ「え……?」
ヴァン「……」
〜戦闘開始〜
辰也(初戦闘時)
辰也「邪悪獣にゾンダー……この世界にいる理由は分からねえ……けど!」
ジゼラ「考える時間はありませんよね……町を守るためにも、まずはこいつらを倒しましょう!」
辰也「ああ……行くぜ、イールソウル!」
凱(初戦闘時)
凱(ゾンダーとその元締めのゾンダリアンは、俺達が倒したはずだ……奴らが復活し、邪悪獣と共にこの世界に現れた理由は分からん……だが!)
凱「お前達が平和を壊すと言うならば、何度でも俺が倒すだけだ!」
辰也(対バッドローズ)
辰也「ヨロイと合体したゾンダー……なのか……?」
ジゼラ「そうかもしれませんね……辰也さん!」
辰也「ああ! 相手がヨロイでもゾンダーでも、町を壊すってんなら倒してやるぜ!」
凱(対バッドローズ)
ガイガー「所謂、ヨロイゾンダーって奴か……だが、どんな相手であろうと、俺は負けない!」
凱「行くぜ、ヨロイゾンダー! この獅子王凱が、お前の相手をしてやるぜ!」
〜〜〜
ガイガーとイールソウルが、勇猛果敢に攻め立てる。しかし、戦力差があるのか、逆に押し返されていた。
凱「くっ……!」
辰也「凱さん!」
相手の攻撃を食らい、ガイガーが膝をつく。
凱「大丈夫だ、辰也……この程度じゃ、勇者は倒れない!」
そう言うと、すぐに立ち上がるガイガー。
辰也「流石です……でも、無理はしないでください!」
ジゼラ「私達も戦ってるんですから、いざという時は……!」
凱「ああ、分かっている……行くぞ!」
2機のロボットが前を向き、再度進む……その様子を、ウェンディは不安と焦りを表に出しながら見ていた。
ウェンディ「ヴァン! 凱さんや辰也さん達を助けないと!」
ヴァン「嫌だ。助ける理由がない」
ウェンディ「理由って……仲間が戦ってるのよ!?」
ヴァン「違えよ……というか、そもそもあいつらが勝手に戦ってるだけだろ」
ウェンディ「……っ! 馬鹿ぁっ!」
ヴァン「……」
ウェンディからの非難もどこ吹く風……ヴァンはどこかへと立ち去ろうとする。
ヴァン「ふん……ダンと似たような物使いやがって……あ?」
ふと、前に目をやる……視線の先には、服装を変えたあの老人達が、こちらへ向かって歩いてくる姿があった。
ネロ「ここは……俺達の町だ」
第十八話 勇者はふたたび
〜〜〜
……ピラミッドの近くでは、カルメン達が隠されていた乗り物……ガオーマシンへと辿り着いていた。
カルメン99「これが例の……ガオーマシンって奴?」
隼人「ああ……行くぞ、弁慶、カルメン!」
弁慶「おう! 合体はゲッターで慣れている!」
カルメン「こうなったら、やるしかないわね!」
一息吐く間もなく、それらに乗り込む3人。すぐに機体を発進させ、戦場へと向かう……その間にも、敵機体は町を破壊せんと暴れていた。
ブッチ「ゾンダァァァーッ!!」
邪悪獣「サケェェェーッ!!」
ユキコ「!」
暴れる敵の攻撃……その残骸が、ピンク・アミーゴへとぶつかりかける……それを目にするや否や、ユキコは前へと足を踏み出し、叫んだ。
ユキコ「駄目ぇぇぇーーーっ!!」
フランコ「ユキコ!」
ユキコ「お婆ちゃんの……お婆ちゃんの……お店が……! 誰か……誰かお婆ちゃんを───」
ピンク・アミーゴが……自分の思い出が今、危機的状況に陥っている……彼女の悲痛な叫びは───
ネロ「───任せろ」
───勇者達に、届いた。
ウェンディ「!」
ふと、自分の足元が揺れている事に気づいたウェンディ。振り返り、その震源を見る……
凱「何だ!?」
ジゼラ「ピラミッドが崩れて……」
辰也「何かすげえのが出てきたぞ!」
フランコ「もし……かして……」
……ピラミッドが崩れ、そこから謎の建物が迫り上がる。驚いているフランコの後ろから、保安官が静かに、しかし力強く語りかけた。
保安官「よく見ておけ、若いの……あれが……あの魂こそが……伝説の勇者の姿だ!」
その言葉と同時に、建物から4機の機体が、風を切りながら戦場へと向かって行った。
ネロ「バリヨ、カルロスのフォローを頼む」
バリヨ「分かった!」
ホセ「少しばかり敵が多いな……ネロ、こういう時は……分かっているな?」
ネロ「ふっ、いいだろう……レッツゴー・エルドラド!!」
空を飛ぶ機体に乗っているネロが、そう叫ぶ……と、他の機体が組み合わさり、そして……
ネロ「古代合体! エルドラ……Ⅳ!!」
……1つの巨大な「勇者」が、大地へと降り立った。
ジゼラ「合体……した……?」
辰也「……っ!」
凱「あの機体……まるで……ガオガイガーだ……!」
各々が目の前の光景に、息を呑んでいる……それと同時に、ガオーマシンがガイガーの近くへと迫っていた。
隼人「凱! こちらも準備はできた!」
弁慶「俺達の合体も見せるぞ!」
カルメン「ここまで苦労したんだから、きっちり決めてよ!」
凱「……ああ! ファイナル・フュージョン!!」
隼人達の声に、凱が応える……4機の機体が合わさり、そして……
凱「ガオッ! ガイッ!! ガァァァーーーッ!!!」
……2機目の「勇者」もまた、大地を踏み締め、立っていた。
ネロ「ほう……あのヨロイも合体したか」
ホセ「感じるぞ……勇者の魂を」
バリヨ「凱……やはり、お前を弟子にしたのは正解だったようだな」
カルロス「……」
凱「エルドラの皆さん!」
辰也「乗ってるの、あの人達か!」
ネロ「そうだ、若いの! 早速だが、お前達にも教えてやろう……俺達ヨロイ乗りの極意って奴をな!」
勇者はふたたび立ち上がる……そして、前へと進む……
レッツ・アミーゴ!!
〜戦闘再開〜
ネロ(初戦闘時)
ネロ「ここまでよく頑張ったな、お前達!」
ホセ「だが、俺達が来たからにはもう大丈夫だ」
バリヨ「ここからは、俺達の出番だ」
カルロス「……」
ネロ「この町は、俺達エルドラチームが守る……エルドラⅣ、レッツ・アミーゴ!!」
ネロ(対邪悪獣orバッドローズ)
ネロ「ヨロイに取り憑き、悪さをするザウルス帝国の生物兵器……昔もそれほど見かけなかったとはいえ、今になって蘇るとはな」
ホセ「ああ……あの虎みたいな奴は知らんが、似たようなものだろう。だが、何であろうと関係ない」
バリヨ「お前達がこの町で悪事を働くならば、俺達も容赦はしない」
カルロス「……」
ネロ「お前達に教えてやる……俺達エルドラチームの、勇気と闘志をな!」
凱(初戦闘時)
凱(この町を守ってきた勇者達……いざ目の前にすると、俺の身も締まる思いだぜ……!)
隼人「凱、何を呆けている」
弁慶「あの老人達が気になるのだろう……だが凱、お前も立派な勇者だ……それは俺達が保証する!」
カルメン99「私達がこれに乗って支えてるんだから、それに見合った働き、しなさいよ!」
凱「分かっている……ありがとう、皆! そうだ、俺も勇者である事には変わりない……それをこの戦いで、証明してやるぜ!」
凱(対邪悪獣orバッドローズ)
凱「邪悪獣、それとゾンダー! このガオガイガーが来た以上、お前達の好きにはさせないぜ!」
隼人「今のガオガイガーには凱だけじゃない……俺達3人もついている!」
弁慶「4人の心が1つになれば、お前達など一網打尽よ!」
カルメン99「今回だけは乗ってやるわよ、このノリに……って訳でやっちゃいなさいよ、凱!」
凱「ああ! その身に教えてやるぜ……俺達4人の勇気をな!」
辰也(初戦闘時)
辰也「……」
ジゼラ「あ、あの……辰也さん……?」
辰也「感無量だ……」
ジゼラ「え?」
辰也「俺は今、見ている……そして、並んでいる……勇者と共に……!」
ジゼラ「……」
辰也「俺達も負けてられねえぞ、ジゼラ! この勢いで、敵を倒すぜ!」
ジゼラ「そ、そうですね……」
辰也(対邪悪獣orバッドローズ)
辰也「邪悪獣にゾンダー! こっちにはかっこいい勇者が2体もいるんだ……さっきのように行くと思うなよ!」
ジゼラ「そこに辰也さん……イールソウルも加えて、3体目の勇者……ですよね?」
辰也「……そうだな! ありがとよ、ジゼラ……そう言ってもらえると、俺も勇気が湧いてくるぜ!」
ジゼラ「ええ! その意気であいつら、倒しちゃいましょう!」
辰也「おうよ! 行くぜ、イールソウル!」
〜〜〜
ネロ「食らえ、勇者の一撃を!」
ホセ「外すなよ、ネロ!」
ネロ「当たり前だ!」
エルドラⅣが拳を固く握り、邪悪獣を殴り飛ばす。
凱「俺も行きます!」
辰也「エルドラの皆さんや凱さんに、ついて行くぜ!」
ガオガイガーやイールソウルも追撃を行い、邪悪獣の数を減らしていった。
ベルゼブ「三次元人共め、無駄な事を……こちらには、まだ手数がある!」
……だが、ベルゼブの手により、邪悪獣は再度現れる。
ジゼラ「邪悪獣、増援を確認!」
辰也「まだ出るってのかよ!」
出現した邪悪獣は、エルドラⅣに攻撃を放つ……耐えきれず、機体が膝をついた。
ネロ「ぐっ……!」
凱「エルドラチーム!」
ネロ「何、少しふらついただけだ……心配するな、凱」
バリヨ「だが……いかんな、エネルギーが足りない……少しだけ足りない……!」
隼人「エネルギーが?」
ホセ「ああ……エルドラⅣは本来、5体合体……チヅルのピンクアミーゴが合体し、エルドラⅤとなるが……」
弁慶「1体欠けている分、真価を発揮できんという事か……!」
カルメン99「じゃあ、残りの奴を合体できれば……でも……!」
ネロ「問題ない……! それでも……俺達は立ち上がるだけだ……俺達は皆の思い出を守るために……」
ホセ「そのために……!」
ネロ「そのために戦うんだ!」
そう言い、エルドラⅣを立ち上がらせるネロ。
ヴァン「……」
……ヴァンはそれを見て、何かを感じていた。
フランコ「爺さん達……」
ユキコ「……憶えてますか……夜霧舞う……空の下……」
大きな夢を、聴かせてくれた事
誰もが皆、大人になる代わりに
大切な物を、置き去りにしてしまう……
……そんな中、ユキコが一歩を踏み出し、歌う……その歌声は自分の周りだけでなく、戦場で戦う勇者達の耳にも届いた。
ホセ「負けてられんな……」
ネロ「ああ……いつもの事だ!」
凱「そうだ……この歌が俺達に、勇気をくれる……!」
……だけど忘れないで、あの日あの時見た
虹の彼方を、夢を……
ユキコ「時には鳥のように……時には蝶のように……」
想いよ、さあ舞い上がれ……!
ヴァン「フッ……全く、変なジジイ共だ……なぁ!」
そう言うと、ヴァンはいつもの動作で、ダンを呼び出す……ゆっくりと着地するダンに乗り込み、建物の中へと入ると……
ユキコ「あれは……」
……残っていた機体……ピンク・アミーゴを持ち上げ、戦場へと振りかぶった。
ユキコ「お婆ちゃん……」
ユキコの呟きと共に、戦場へと飛翔するピンク・アミーゴ……それが、エルドラⅣの背中へと吸い込まれるように合わさる。
エルドラチーム「「「何っ!?」」」
最後のピースが嵌り、コックピット内に座席が加えられる。そこに……
チヅル「……」
……それは幻影か、はたまた……チヅルの姿が現れ、にこりとした笑みを浮かべ……消える。
ネロ「チヅル……」
一連の光景を、感慨深く見つめていたネロ達……そして……
ネロ「揃った!」
エルドラⅣのエネルギーが回復……いや、正しく述べるなら溢れ出し……装いを新たにした勇者……エルドラⅤが、大地にそびえ立った。
ヴァン「せっかくダンを出したんだ、俺も暴れさせてもらう!」
凱「ヴァン!」
ネロ「来たか、お前も!」
同時に、ダンもエルドラⅤの隣へと降り立つ。
ファルゼブ「どうやらあの機体、強化されたようだな……! それに……」
ベルゼブ「あの出力に、新手のロボット……だが、こちらのやる事は変わらん!」
ベルゼブ達もまた、負けじと邪悪獣を生み出していく。
ベルゼブ「ふふふ……三次元人共が何をしようと、この数相手では勝ち目もない!」
タイダー「流石ですダ〜、ベルゼブ様! それにしてもあの変なロボット……おせっかいな正義のヒーローって奴ですダ〜? 全く、こっちが調子のいい時に……迷惑な奴ダ〜!」
ふと、タイダーがダンを見てそう叫ぶ……ベルゼブはぴくりと眉を動かし、タイダーに声をかけた。
ベルゼブ「む……でかしたぞ、タイダーよ!」
タイダー「は、はえ?」
何が何だか分からず、首を傾げるタイダー……目に留まったのは、ベルゼブの手に掲げられた、邪気を発するアークダーマ。
ベルゼブ&ファルゼブ「「ジャークパワー照射!」」
そのアークダーマをぽいと投げ入れ、黒い稲妻を発する……戦場に、新たな波紋が広がった。
凱「また新手が来るか!」
ネロ「だが、こちらにはチヅルもついている!」
ホセ「どんな奴が出てこようとも、敵ではない」
それでも、屈する事なく立ち向かおうとする勇者達。何が出るかと気を引き締め、行く末を見つめる───
オセッカイザー「ハーッハッハッハッハ! 正義の味方、オセッカイザー!」
───現れたのは、それまでのような怪物ではなく、まるで「正義のヒーロー」のような姿形をした「何者か」であった。
ヴァン「……あ?」
ジゼラ「えっと……」
ネロ「な、何だあいつは?」
隼人「分からんが……敵だと言うのなら倒すまでだ」
困惑しながらも、警戒を緩めない一同。現れた何者かは、高笑いを続け……
オセッカイザー「ハーッハッハッハ!」
ブッチ「グウッ!?」
……町を破壊しようとする敵を攻撃した。
ベルゼブ「な……」
バリヨ「あいつ、敵を攻撃した……?」
ホセ「という事は……あれも新しい勇者か」
凱「そ、それは……」
辰也「どうなんでしょうかね……」
ネロ「おい、そこのお前! お前も、この町のために戦うのか?」
オセッカイザー「ハーッハッハッハ! オセッカイザー!」
ネロの声に高笑いで返す謎のヒーロー……オセッカイザー。
カルメン99「……話、通じてるのかしら?」
ヴァン「さあ……訳分かんねえ奴が増えちまったな」
ホセ「だが、あいつは敵を攻撃した」
バリヨ「今はただ、信じるだけだ……奴を」
ネロ「そうだな……さて、勇者達よ! この町を……思い出を守るぞ!」
辰也「はい!!」
凱「行くぜ!!」
ヴァン「やるしかねえな……」
オセッカイザー「ハーッハッハッハ!」
こうして……戦いがまたしても、幕を開けた。
〜戦闘再開〜
オセッカイザー(初戦闘時)
オセッカイザー「ハーッハッハッハ! 正義の味方、オセッカイザー!」
ヴァン「なぁ……本当に何なんだ? こいつは……」
カルメン99「私に聞かれても困るわよ……」
ネロ「何であろうと関係ない! この町を守るために戦うならば、こいつもまた、1人の勇者だ!」
凱「そうですね……一緒に行くぞ、オセッカイザー!」
オセッカイザー「ハーッハッハッハ!!」
オセッカイザー(対邪悪獣orバッドローズ)
ベルゼブ「待て、オセッカイザー! お前の敵は、あのロボット達だ!」
オセッカイザー「ハーッハッハッハ! オセッカイザー!」
ベルゼブ「な……指示が伝わっていないのか……?」
ファルゼブ「『おせっかいな正義の味方』の邪悪獣……正義の味方という面に引っ張られて、あちら側についてしまったようだな……」
タイダー「そ、それってもしかして……ワシのせい……ですダ〜……?」
オセッカイザー「ハーッハッハッハ! ハーッハッハッハ!」
ヴァン(初戦闘時)
ヴァン(戦うつもりはなかったが……あのジジイ共を見ていたら、勝手に体が動いちまったんだよな……何でだ?)
ヴァン「……まあ、いいか。とにかく出てきちまったんだ……たまには『正義のヒーロー、ヴァン』ってのも、悪くねえかもな!」
ヴァン(対邪悪獣orバッドローズ)
ヴァン「しかし、変なヨロイ共だな……ダンに似てるような奴も、変なのに取り憑かれて暴れやがって……」
ヴァン「お前ら程度で、ダンがやられるかよ……かかってこい、ヨロイ擬き!」
ネロ(初戦闘時)
バリヨ「エネルギーは足りた……いや、それ以上だ……!」
ホセ「エネルギーだけではない……俺達には、チヅルがいる……俺達と共に戦ってくれる、最高の仲間が!」
カルロス「……」
ネロ「レッツゴー・エルドラⅤ! 俺達5人が合わされば、絶対無敵のアミーゴだ!!」
ネロ(対邪悪獣orバッドローズ)
バリヨ「さっきまでの分、倍にして返してやるぞ、ネロ!」
ホセ「チヅルもいるんだ、ヘマをするなよ、リーダー」
カルロス「……」
ネロ「当たり前だ! 人とヨロイが……5人が融合したエルドラⅤの力、さっきまでと同じと思うなよ!!」
凱(初戦闘時)
凱「エルドラメンバーもパワーアップした……同じ勇者として、俺も負けてはいられない!」
凱「彼らに続く新たな世代の……地球の勇者として、俺は戦う!!」
辰也(初戦闘時)
辰也「エルドラⅤ……全員揃って、またかっこよくなりやがった……それに、突然出てきたあのヒーローも……悪くねえ感じだぜ!」
ジゼラ「辰也さん……でも、私も気持ちは分かるかもしれません」
辰也「お、やっと分かるようになってきたか! じゃあ、後で一緒にエルドラチームの話、聞きに行こうぜ!」
ジゼラ「そ、それは遠慮しときます……というか、その話を聞く前に、まずはあいつらを倒しましょう!」
辰也「ああ! とっとと終わらせようぜ!」
〜〜〜
オセッカイザー「ハーッハッハッハ! とうっ!」
オセッカイザーが邪悪獣へ、次々と攻撃を当てる。
辰也「あのヒーローみたいな奴、すげえな! でも……」
ジゼラ「もう少し、町の被害とかも気にしてほしいですね……!」
凱「俺達も一応、被害を抑えるように動いてはいるが……」
ネロ「後であいつには、勇者とは何たるかを教えてやらんとな!」
ヴァン「ったく……滅茶苦茶な奴だな、あの変なの」
カルメン99「貴方が言えた事じゃないでしょ……」
そう話しながら、彼らも攻撃を続け……残るはゾンダーロボ……いや、ヨロイゾンダーとなったバッドローズだけとなった。
ホセ「さて……残るはこいつだけか」
バリヨ「ここいらで終わりとしよう……ネロ!」
ネロ「ああ、任せろ!」
ネロがそう言うと、エルドラⅤが右腕を赤く、左腕を白く燃やし、それらを1つに合わせる。
凱「! あの技は……!」
ネロ「お前もやれるだろ、凱!」
凱「は、はい!」
ネロに促され、ガオガイガーも同じように、左腕を黄色く、右腕を赤く輝かせ、1つに合わせた。
ネロ「とくと見ろ! エルドラⅤの超必殺……!」
凱「ヘル! アンドヘブン!」
ネロ「エル・インフェルノ……!」
凱「ゲル・ギム・ガン・ゴー・グフォ……はああぁぁぁっ!」
ネロ「イ・シエロォォォーーーッ!!」
凱「ウィータァァァーーーッ!!」
勇者達は、自らの体から溢れる力の本流を溜め込み、体ごとバッドローズへとぶつけた。
ネロ「アディオォォス……!」
エルドラチーム「「「ア・ミーゴ!!!」」」
カルロス「……」
エルドラⅤがヨロイゾンダーを砕き、ガオガイガーがゾンダーコアを抜き取る……と、バッドローズは爆散した。
そして……その爆発を背景に、2人の勇者は右腕を掲げた。
ネロ「やったな、お前達!」
バリヨ「これをやるのは、何年ぶりだったかな」
ホセ「何、チヅルもいたんだ……大丈夫だと思ってたよ」
カルロス「……」
戦いを終え、意気揚々と話すエルドラチーム。
ベルゼブ「くっ……この地球でも失敗する事になるとは……!」
そこから遠く離れた場所では、ベルゼブが唇を噛みながら、戦いの跡を見ていた。
ファルゼブ「何とも口惜しいが……ここは手を引くのが懸命だと思うぞ」
タイダー「そうですダ〜……ひとまず元の地球に戻って、奴らの援護をしますダ〜……」
ベルゼブ「タイダー……元はと言えば貴様の言葉が……!」
タイダー「ひ、ひいぃ! だ、だってオセッカイザーがまさか、奴らの味方をするだなんて……」
ベルゼブ「……まあいい。ライジンオー達のいない地球に戻り、侵略を進めるのもまた1つの手……その時に、お前達を葬ってやろう……!」
奴らが忌み嫌う存在……緑の星の勇者達よ……!
こうして、ベルゼブ達が近くの隙間へと消えていった。
オセッカイザー「……」
……奇しくも、彼らがいた方向へと目を向けていたオセッカイザー。何を感じているかは分からないが、どことなく寂しげな様相を醸し出していた。
ネロ「おい、お前!」
オセッカイザー「!」
ホセ「お前さん、行く当てはあるのか?」
バリヨ「あるならいいが……そうでないのなら、ここにいろ」
ネロ「お前は筋がいい……だが、正義の味方を……勇者を名乗るにはまだ未熟だ。だから俺達が教えてやる……勇者とは何たるかをな!」
オセッカイザー「……ハーッハッハッハ!」
ネロ達にそう言われ、一転、高笑いをしながら人間サイズへと縮小するオセッカイザー。そこに、凱が話しかけてきた。
凱「……ところで皆さん、さっきの技は……」
ネロ「教えてやろう、その名もエルドラⅤの超必殺……エル・インフェルノ・イ・シエロだ!」
ホセ「昔……ザウルス帝国と戦っていた時、チヅルが教えてくれた技なんだ」
凱「え……?」
バリヨ「そうだ、その取り憑いていた奴も何とかしなくてはな……ネロ」
ネロ「おう! 少し待っていろ、今からユキコを連れてくる」
凱「あの、それはどういう……」
困惑する凱を尻目に、エルドラⅤが丘を登り……ユキコを掌に乗せ、戻ってきた。
ユキコ「……」
ホセ「頼むぞ、ユキコ……一か八かだが、こいつはお前にしかできん事だ」
ユキコ「はい……」
ホセの言葉に、ユキコが応える……と、彼女の姿が緑色に光る。
凱「なっ!?」
ユキコ「クーラティオ……テネリタース、セクティオ、サルース……コクトゥーラ!」
凱が驚いている間に、ユキコは両掌をゾンダーコアに掲げ、呪文を唱える……と、それは人の姿……僅かながら涙を流し、頭を抑えるブッチに変化した。
ブッチ「う、うう……」
ネロ「ブッチ、お前だったのか……奴に取り憑かれていたのは」
ブッチ「は、はい……」
ホセ「詳しい話は降りてからだ。凱……お前もな」
凱「ええ……」
戦いは終わった……僅かだが、謎を残して。
〜グローリア〜
ブッチ「ごめんなっ……さい……」
群衆が見守る中、ネロ達の前で頭を下げるブッチ。
ホセ「よし……よく言えたな」
バリヨ「取り憑かれていたとはいえ、お前はヨロイを使って、あの怪物達と共に町を破壊しようとした……それは確かだ」
ブッチ「……」
ネロ「だが、町の人達から話は聞いた……ブッチ、お前もヨロイに迷ったんだろう? そして、そこにつけ込まれた」
ブッチ「!」
ネロ「罪を償ったら、また町のために戻ってこい……そのためにお前が、ヨロイを造ろうとしていたのは分かっているからな」
ブッチ「うっ、うう……はい……!」
ネロに優しく諭され、泣き崩れるブッチ。ゾンダーと融合していた時の、マイナスな感情は既に消えていた。
凱「ところでユキコさん……さっきのは……」
ユキコ「はい……子供の頃、お婆ちゃんから教わったおまじないで……何でも、悪いヨロイの病気を治せる力があるんだって言ってました」
凱「そう……でしたか。実は……俺がいた所にも、同じような力を持った人達がいて……何か知っている事があれば、教えていただきたいのですが……」
ユキコ「すみません……私にも、何が何だか……お爺ちゃん達に連れて来られるまで、あのおまじないが本当だったなんて思いもしませんでしたし……」
凱とユキコが先程の現象について話している……と、そこにエルドラチームが割って入ってきた。
ネロ「……その事で、お前達に話がある」
ホセ「今から言う事だが……心して聞いてほしい」
バリヨ「それは凱……少なからずお前にも、関係のある事だ」
ユキコ「お爺ちゃん達……」
凱「ええ……聞かせてください」
ネロ「では……いいかユキコ……お前の祖母、チヅルは───
───この星の人間ではない」
ネロの口から発される、衝撃の事実……ユキコや凱はそれを聞き、ただ驚くばかりであった。
ユキコ「え……!?」
凱「なっ……どういう事です!?」
ネロ「俺達が若い頃……チヅルは空から降りてきたんだ……壊れかけのヨロイと一緒にな」
ホセ「そこで、俺達はそのヨロイを直し、新たにエルドラⅤと名付けた……そして、エルドラチームを結成した」
バリヨ「俺達は共に戦う仲間となった……どこの星から来たとか、そんなのは関係なかった。互いに勇気を与え合い、平和を守るために戦う……それで十分だった」
ユキコ「そう……だったの……」
凱(ギャレオンも、護と共に空からやってきた……そしてその中のデータを元に、ガオガイガーが造られて……)
凱「だからか……ガオガイガーとエルドラⅤが、どことなく似てると感じたのは……」
バリヨ「そうだ……おそらくだがお前のヨロイも、チヅルの産まれ育った星と関係があるんだろう」
ホセ「もっとも、俺達も全てを分かってる訳じゃないがな」
凱「……」
ユキコ「……」
フランコ「……なあ、ユキコ」
話の中に、フランコが割って入る。
フランコ「チヅルさんが異星人だったとしても、お前がすごい力を使えたとしても……そんな事は関係ない。俺にとってお前は、大切な幼馴染……ユキコ・スティーブンスだ」
ユキコ「!」
フランコ「それに、お前のおかげで、ブッチは元に戻れたんだろ? だったらその力は、この爺さん達と同じ……この町を守るためのものじゃないか……そうだろ、皆?」
そう言うと、フランコが町の人々の方に目をやる。そこには……
町人1「そうだよユキコ! チヅルさんがどうとかなんて関係ない!」
町人2「お前はピンク・アミーゴのユキコだ!」
保安官「あれはまさしく、あの時の……勇者の光だった……懐かしいな」
ブッチ「それに……あんたのおかげで、俺はこれ以上の罪を重ねなくて済んだんだ……ありがとう」
……歓声を上げ、ユキコを温かく受け入れる町の人達……それを見て、胸を撫で下ろす彼女。
ユキコ「……ありがとう、フランコ、皆……私、やっぱりこの町が好き……だから……」
フランコ「何も言わなくていい……分かってるさ」
微笑みながら、お互いに見つめ合う2人。
ウェンディ「ユキコさん……」
凱「ひとまずは、一件落着……か」
ジゼラ「ええ……いいですね、あの2人……」
その光景を、周りはただ静かに見ていた。
フランコ「それと、爺さん達……ごめん。酔っ払いの嘘つきとか言って……あんた達、本当にすごかったんだな」
ネロ「ふん……やっと分かったか、若僧」
ホセ「ネロ……そういう所だぞ、お前は」
バリヨ「こちらこそ、今まで悪かったよ。その償い……とは言えんかもしれないが……俺達も町を守っていくさ、この新しい弟子とな」
オセッカイザー「ハーッハッハッハ!」
フランコ「はは……」
ヴァン「……」
話を続けている人々……その中からヴァンが1人、抜け出そうとする。
ウェンディ「ヴァン?」
ネロ「もう行くのか?」
ヴァン「だって……邪魔しちゃ悪いだろ。それに、俺にはやらなくちゃならねえ事があるからな」
凱「そうだな……俺達も行きます。皆さん、ありがとうございました」
ユキコ「あ……ちょっと待って!」
去ろうとするヴァン達を引き止めるユキコ。その手にはカメラが抱えられていた。
ユキコ「せっかくの記念に、皆で写真を撮りたいの……大好きな町の人達と、それを守ってくれた勇者達の……ね」
弁慶「おお、それはいいな!」
隼人「こういうのも、たまには悪くない……か」
ジゼラ「そうですね……思い出は大切ですし……」
辰也「だな……って訳で、よろしく頼みます!」
カルメン99「ヴァン、貴方はどうするの?」
ヴァン「どうすっかな……」
ウェンディ「いいじゃない、ヴァン!」
フランコ「そうだよ、あんただって町を守ってくれた勇者なんだ……縁の下の力任せさん」
ウェンディ「だって! だからほら、早く……」
ヴァン「ちょ……おい、引くなって……!」
オセッカイザー「オセッカイザー! ハーッハッハッハ!」
ヴァン「お前も押してんじゃねえ!」
……こうして、賑やかに撮影が行われた。
〜翌日・ピンク・アミーゴ〜
カルロス「ん……」
色々とあった日から一夜明け、カルロスが目を覚ます。
ユキコ「それで……エルドラⅤの整備と、オセッカイザーさんの特訓はおしまい?」
ネロ「ああ……整備の方は若い奴らが手伝ってくれてな。特訓の方は……ヴァンや凱達も一緒に残ってくれたら良かったんだが……あいつらにも、まだまだヨロイ乗りの真髄を伝えきれとらん」
ユキコ「ちゃんと分かってると思うわ……それにあの人達、やる事があるって言ってたし……無理に引き止めるのも悪いわよ」
ネロ「そうだな……」
ユキコ「……あら?」
目覚めたカルロスに、ユキコが気づく。それに続いて、ネロが彼の側へと寄っていった。
ネロ「おお! 起きたか、カルロス!」
カルロス「いやぁ……皆、俺も一杯貰っていいかな? 何だか疲れちゃって」
ホセ「妙な夢でも見たか?」
カルロス「いや……楽しい夢だった。皆と一緒に町を襲った悪い奴らを……そうだ、チヅルも一緒だったな……本当にいい夢だったよ」
バリヨ「……カルロス」
読んでいた本をぱたりと閉じ、バリヨがカルロスの名を呟く。そして、ちらりと壁に目をやる……
カルロス「うん?」
バリヨ「それは……夢じゃあないぞ!」
……そこには、エルドラチームを中心とした、町の人々やヴァン達が写った写真が掛けられていた……。
・中断メッセージ(アディオス・ア・ミーゴ!)
ネロ「お、もう終わりにするのか?」
ホセ「戦士にも、休息は必要という事か……なあ、カルロス」
カルロス「……」
バリヨ「その代わり、早く戻って来い……俺達は、お前の帰りを待っているぞ」
ネロ「それじゃあ、最後の挨拶だ! アディオォォス……」
エルドラチーム「「「「ア・ミーゴ!!」」」」
カルロス「……また、楽しい夢を見せてくれよ」