スーパーロボット大戦N   作:黒百合蜂

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おまたせ
何とか書く事ができた…

相変わらず引き算ができていないが、しかし…
見ろ!


第二十一話A 断罪の仇敵

〜シベリア鉄道列車〜

白銀の景色を走り抜ける列車……その部屋の中で、アスハムとレイが向かい合っていた。

 

レイ「……それは、本当か?」

 

アスハム「ああ。デュエルパークの騒動で、襲撃をかけた首謀者が確かにそう言っていた……『シベリア鉄道も我々も、進む道は同じ』とな」

 

レイ「……」

 

言い終わるや否や、レイがアスハムに銃口を向ける。

 

アスハム「……何の真似だ?」

 

レイ「お前は奴らの『同志』か? アスハム・ブーン」

 

アスハム「馬鹿を言え。奴は私共々襲ってきたのだ……そんな訳があるまい」

 

レイ「カモフラージュの可能性も考えられるが?」

 

アスハム「そう来るか……だがな、もし私がそうであれば、ケジナン辺りが貴様に密告しているはずだ。それに奴は我が心を……カリンの心を侮辱したのだ! そんな奴が仲間だと? そんなもの、こちらから願い下げよ!」

 

沸々と怒りを湧き上がらせ、そう叫ぶアスハム。レイはそれを見終えた後、静かに銃を下ろした。

 

レイ「その目とその言葉……今は信じる事にしよう」

 

レイが口を閉ざすと同時に、ふん、と鼻を鳴らすアスハム。一転、鋭い眼光を向け、言葉を発した。

 

アスハム「それで……だ。我々の中に奴らの『同志』がいるとするなら、おそらく奴だろう」

 

レイ「誰だ?」

 

アスハム「このシベリア鉄道を牛耳る鉄道王……キッズ・ムントだ」

 

───静寂。部屋の中に、それが広がる……が、外からの刺すような騒がしい音が、それを破った。

 

アスハム「……しかし、外が騒がしいな……おい、何をしている!」

 

ザッキ「あ、大尉! いや、そのですね……子供が無賃乗車したもんで、叱りつけてるところですよ」

 

???「兄さんを……兄さんを出してください!」

 

ケジナン「訳分かんねえ事言ってんじゃねえぞ、ガキ!」

 

エンゲ「暴れんなって! 大人しくするなら、優しくしてやるから!」

 

レイ「!」

 

レイの顔が一瞬、強張る……目の前にいる、自分と同じ金髪と、青い瞳を持つその少年は───

 

 

 

 

 

レイ「ジョッシュ……」

 

ジョシュア「兄……さん……」

 

 

 

 

 

───自身の弟、ジョシュア・ラングレンであったのだから。

 

〜都市ユニット〜

各々のやる事を終えたヤーパンの天井の面々……卓の前には、豪華とは言わずとも、沢山の食事が並べられていた。

 

プリシラ「今日の食事に感謝を、地には平和を、人々には明るく愉快な未来を! 3、2、1……いただきま〜す!」

 

大仰な口上を述べ、プリシラが食前の挨拶を行う。

 

ゲイナー「……ヤーパン式の挨拶?」

 

プリシラ「えっと……子供達と過ごしてた頃、食べる前に皆で言ってたんだ」

 

辰也「俺も知ってるぜ! この世の全ての食材に感謝を込めて……って奴だよな!」

 

ジゼラ「辰也さん……それに反応できる人、今いないですから……」

 

三日月「でもさ、クーデリアから教わったよ。こういうの、大事なんだって」

 

ドモン「そうだな……感謝の心というのは、大切なものだ」

 

つばき「だって……剣児も見習わないとね」

 

そう言いながら、ちらりと目を落とす……その先には、全身が包帯で巻かれた、息も絶え絶えの剣児の姿があった。

 

剣児「うるべ〜な、づばぎ……ぼれだっでよ……ぞういうあいざづばじでるんだべ……」

 

隼人「……何を言ってるか聞き取れんな」

 

ベロー「剣児の奴、プリシラとの戦闘訓練中にセクハラかましやがったからな……それで余計にボコられちまったんだ」

 

弁慶「サイ・サイシーの奴も、こいつに同調してこの様よ……ああ、南無阿弥陀仏……」

 

サイ・サイシー「ぼ、ぼいらばまだじんでねえっで……」

 

サイ・サイシーもまた、包帯を巻かれたボロボロの姿で、精一杯食事を流し込んでいる……2人の姿に、「仲間」として同情を禁じ得ない弁慶であった。

 

サラ「ま、自業自得って奴よね」

 

アルゴ「全くだ……心も体も、まだまだ鍛錬不足と言えるな」

 

フォント「はは……あの2人らしいよ」

 

辰也「俺はブラウニーってヨロイの方も気になるけどな……機動性も高くて、外見も何か、その……イイ感じだしよ!」

 

ジゼラ「……こっちもこっちで『らしい』ですね」

 

ゲイナー「ほんの少しだけ、危険な感じもするけど……」

 

いつも通りの光景に、呆れながら笑みを浮かべるジゼラ。そして、辰也の中に少しばかりの「何か」を感じ身震いするゲイナー……近くでは、これもまたいつも通り、調味料がふんだんに撒かれた皿をつつきながら、ヴァンがプリシラに話しかけていた。

 

ヴァン「そういや……プリシラ、お前やっぱりやるじゃねえか。俺と互角に戦えるなんてな」

 

プリシラ「そうでしょ? 私だってヨロイバトルで鍛え上げたんだから!」

 

ドモン「あのサイ・サイシーも、油断していたとはいえシャッフル同盟の一員だ……流石だな」

 

鏡「剣児もそれ程ヤワな相手ではない……スケベ心もあったが、それでもあいつに太刀打ちできるのは、中々の腕と言っていいだろう」

 

柳生「身のこなしに技量、どれを取っても悪くないって感じね……剣児君も、それを身につけられればいいんだけど」

 

門子「このバカガキに、そいつは重荷ってもんだぜ!」

 

そう言いながら、門子が豪快に笑う……その光景を見ながら、ウェンディとカルメンは互いに顔を見合わせていた。

 

ウェンディ「あの、カルメンさん……」

 

カルメン99「何よ、ウェンディ」

 

ウェンディ「今……ヴァン、普通に女の人の名前……」

 

カルメン99「奇遇ね、私も同じ事思ってたわ……あいつの事、よく分かんなくなってきた」

 

アトラ「あはは……いつかお嫁さんの名前、呼んでもらえるといいね」

 

ゲイン「お前がこうまで嫉妬するとは……あの男の事、よっぽど気に入ってるみたいだな」

 

ウェンディ「あ、アトラさん……」

 

カルメン99「変な事言わないでもらえる? 私、別にそんなんじゃないから」

 

ゲイン「そうなのか? 情報屋として各地を転々としていたお前が、あの男にべったりなんて事、珍しいからな……てっきり、そうじゃないかと思ったが」

 

カルメン99「……」

 

何気なくかけられたゲインの言葉に俯く……その様子を、アデットが不思議そうに眺め、口を開いた。

 

アデット「あんた……どうしたんだい? そんな顔してさ」

 

カルメン99「そうね……貴方達、ちょっと聞きたいんだけど……オルフェの花、って知ってる?」

 

ジャック「何だよ、そりゃあ?」

 

ガウリ「聞いた事がある……人体に害を与える花粉を持つ、毒のある花だとな」

 

サラ「その花がどうかしたんです?」

 

カルメン99「……私の、昔の友達がね……その花を栽培してて……取引相手が、カギ爪に繋がってる奴だったのよ」

 

ウェンディ「え……」

 

ヴァン「!」

 

カギ爪……その単語が耳に入る。瞬間、ヴァンは音を立てて飛び上がり、カルメンへと掴みかかった。

 

ヴァン「お前……何でそれを言わなかった!?」

 

カルメン99「いずれ話すつもりだったわ……ここまで黙ってて悪かったわね……っ!」

 

ヴァン「奴に辿り着く手掛かりなんだぞ……それを……!」

 

隼人「落ち着け、ヴァン。こいつにも話したくない事だってある」

 

ゲイン「そうだな……誰にだってそういうものはあるさ。例えば、自分の過去とかな」

 

カルメン99「……」

 

威圧するヴァンを抑え込み、宥める隼人とゲイン。カルメンの表情は一段と暗さを増しており、そこからは何か、察せられるものがあった。

 

ゲイン「……すまん、人の心にずけずけと踏み込むような真似をした」

 

隼人(まだ完全には吹っ切れていなかったか……自分の故郷と、かつての友の事を)

 

とりあえず、あの町の奴らには少しばかり「灸を据えて」おいたがな……と、心の奥深くで呟く隼人。その間に、カルメンも息を整えて、話し始める。

 

カルメン99「……とにかくそういう訳で、私も友達を……ハエッタを狂わせたカギ爪の奴と、その仲間に用があるって事」

 

ヴァン「……分かったよ。手荒な真似して悪かった……それで、その取引相手ってのは、今どこにいるんだ?」

 

カルメン99「知らない……なんて言うつもりはないわ。今、私達が向かってる町……ゾネットに、例の奴がいるって情報を得たのよ」

 

隼人「加えて、怪しい奴らもちらほらといると聞いた……その中にはウェンディ、お前の兄と似た顔の男もいるらしい」

 

ウェンディ「え……!?」

 

隼人の口から発された言葉に、声を失うウェンディ。自身の兄に繋がる手掛かりが、彼女の心に光を差した。

 

タクヤ「それじゃあ、感動の再会って事じゃん!」

 

アトラ「よかったね、ウェンディ!」

 

ジゼラ「私達も探すの、手伝いますよ!」

 

ウェンディ「はい……! 皆さん、ありがとうございます!」

 

周りが喜ぶのに釣られて、自らも笑みを隠せないウェンディ。

 

カズキ「でもよ、喜んでばっかもいられないよな」

 

凱「ああ。カギ爪の仲間がうろついている町だ……下手をすれば、カギ爪本人もいるかもしれない」

 

アデット「それに、ゾネットにはシベ鉄の

駐留所もある……厄介な揉め事にも、巻き込まれるかもしれないね」

 

身堂「そんな場所で下手に動けば、最悪命を落としかねん……その覚悟はあるか?」

 

……一方で、異なる視点から俯瞰する者達は、敢えて厳しい言葉を投げかける。

 

ヴァン「何でもいい……カギ爪の野郎とその仲間、てめえの兄貴……俺達はそれに近づいてる。だったら、行かねえ理由はねえよ」

 

カルメン99「そうね……こんな所で、立ち止まってなんてられないわ」

 

ウェンディ「覚悟なら……あります。兄さんを探すために、危険な道も通ってきたもの」

 

……それでも、彼らは暗く重い、そして僅かに光る道筋を歩む決意を見せていた。

 

アデット「へぇ……さっきに比べたら、いい目してるじゃないか、あんた達……だったら、その目的を果たすためにも、強くならなくちゃってね!」

 

ゲイナー「アデット先生の言う通りですね」

 

サラ「いい事言うわね、たまには」

 

アデット「たまには、は余計だろ?」

 

プリシラ「まあまあ……それじゃ、ご飯を食べ終わったら、特訓の続きだよ!」

 

アレンビー「オッケー! 私も、プリシラと戦ってみたいからね!」

 

スターシルバー『新たな勇者の一員として、主を守るためにも強くなってやるぜ!』

 

タクヤ「こっちも張り切ってるね!」

 

オルガ「頼もしい限りだぜ、全くよ」

 

ヴァン「……ああ」

 

暗い表情……だが、帽子を目深に被ったヴァンの口元は、僅かに上がっているように感じられた……。

 

〜ゾネット〜

……そんな一幕がありながら、ヤーパンの天井は遂にゾネットへと辿り着いた。

 

ヴァン「……着いたな」

 

カルメン99「そうね……」

 

ウェンディ「兄さん……」

 

三者三様、思う事は同じ……自らに、因縁のある者の姿がぼやりと浮かぶ。

 

アデット「ほらほら、何辛気臭い面してんだい!」

 

ジャック「あんた達の目的、やっと果たされるんだぜ!」

 

凱「だから……だろうな。目の前に因縁深い相手がいるんだ、身構えるものなのさ」

 

隼人「ああ……凱の言う通りだな」

 

そう話す彼らを他所に、ヴァンはウェンディとカルメンへ目を向ける。

 

ヴァン「俺は奴を追う。お前らはどうするんだ?」

 

カルメン99「決まってるでしょ? 私も同じよ」

 

ウェンディ「私も……兄さんを探さなくちゃいけないわ」

 

ウェンディがそう言い終わると、横からアトラが元気よく、彼女に話しかけた。

 

アトラ「それじゃあウェンディ、私達も行くよ!」

 

アナ「せっかくの再会です、そんな表情では、お兄様も困ってしまいますよ」

 

ジゼラ「私達、側にいますから」

 

タクヤ「何なら、オイラ達も着いてってやろ〜っと!」

 

ウェンディ「皆さん……」

 

小さくとも、支えとなる仲間達……更に、それを守らんとする大人達も、彼らに声をかける。

 

リュボフ「姫様達だけでは心配です、私もお供しますよ!」

 

ママドゥ「子供を守るのは、大人の勤めだ……俺も一緒に行こう」

 

凱「いざって時には俺達が守るぜ! だから、頼りにしてくれよ」

 

ウェンディ「……はい!」

 

ウェンディが嬉しそうに笑い、そして決意を固める横で、隼人とゲインがカルメンへと近づく。

 

隼人「カルメン……お前1人では危険だ。ここは俺もついて行こう」

 

ゲイン「レディのエスコート、任せてくれないか?」

 

カルメン「あんた達……」

 

剣児「ゲインさんが行くならよ、俺も行くぜ!」

 

サイ・サイシー「ナンパの極意っての、教えてくれんだろ?」

 

弁慶「うむ……たまには手習いというのも悪くはない」

 

相変わらずのスケベトリオ……それにつばき達は、呆れるような憤るような、そんな様相を見せる。

 

つばき「この馬鹿共は……!」

 

鏡「スケベトリオとゲイン・ビジョウがくっつくと、碌な事にはならなそうだ……俺達も見張っておくとしよう」

 

柳生「度が過ぎるような事したら、その時は……ね?」

 

アルゴ「シャッフル同盟として、行き過ぎた行為を止めるのは、当然の務め」

 

カルメン99「ふふ……ま、1人よりは退屈しなさそうね」

 

そのやりとりは今のカルメンにとって、固く縛られた心を緩める、穏やかなものであった。

 

ヴァン「……お前らは来なくていいからな」

 

ドモン「それは無理な相談だな。お前1人を、ここで放っておく事はできん」

 

オルガ「勿論、ケジメを付けるのはあんただ。そうじゃねえと筋が通ってねえだろ……けどな」

 

三日月「あんたが1人で突っ走って死ぬと、こっちも困るんだよね」

 

チボデー「何せお前は、俺達に取っちゃ大切なフレンド……仲間だからな」

 

フォント「その人に死んでほしくない……なんて、思っちゃいけませんか?」

 

辰也「それに、誰かしら止めてくれる人ってのは、必要だと思いますしね……もちろん、復讐をやめろとまでは言いませんけど」

 

ヴァンの方でも、彼を気にかける仲間達が、次々と声をかける。

 

ヴァン「……分かったよ。勝手にしろ」

 

ため息を吐きながら、僅かに笑みを浮かべながら、タキシードの男は前へと足を進めていった。

 

〜ゾネット・整備室〜

……ゾネットの地下、怪しげな雰囲気の漂うこの場所で、1人の男がヨロイを眺めている。

 

キッズ「ふむ……これが例のヨロイか」

 

シベリア鉄道公社の総帥であるキッズ・ムントその人が、古めかしくもどこか革新的なヨロイに、目を奪われている……と。

 

ジョシュア「待ってください、兄さん! 僕の話も聞いて……」

 

アスハム「しつこいぞ、子供が! こいつがどんな思いを抱えているかも知らんだろうに!」

 

ジョシュア「兄さんだって、僕の気持ちを知ろうともしないくせに! それに、貴方は誰なんですか!」

 

アスハム「さっきも言ったであろうが! 私はアスハム・ブーンであると!」

 

ジョシュア「知りませんよ、そんな人!」

 

レイ「……黙っていろ、お前達」

 

……どこからか、招かれざる客の声が耳に入った。

 

キッズ「これはこれは……セント・レーガンが何用かな?」

 

レイ「答えろ、お前はカギ爪を知っているな?」

 

キッズ「知っていたとして、それが何か? どこの馬の骨かも分からぬ流れ者に、何を答えろと言うのだ」

 

レイ「なら、喋りやすいように口を作ってやる」

 

アスハム「待て、レイ・ラングレン」

 

苛立ちを浮かべながら、銃を構えるレイ。引き金にかかる彼の指に、力が入る……それをアスハムが手で抑え、不敵に笑う総裁へ目を向けた。

 

アスハム「キッズ・ムント、貴様には犯罪組織への関与疑惑がある……セント・レーガンはその尻尾を掴んでいるぞ」

 

キッズ「ほう……流石は優秀な諜報部だ」

 

まさか、古巣に尻尾を掴まれるとはな……と、そう溢す。その言葉や態度からは、追い詰められたと微塵も思っていない、冷静な風体が醸し出されていた。

 

ウー「騒がしいと思えば、貴殿らは……」

 

……足音と共に、別の『同志』が、静寂に支配された空間へと入り込む。

 

キッズ「おお、ウー殿ではないか」

 

レイ「俺はあの男を……カギ爪を殺しに来た! お前は奴の仲間か!?」

 

ウー「成程……鼠が入り込んだとは聞いたが、赤鬼の方が来るとはな」

 

アスハム「ウィリアム・ウィル・ウー……オリジナルとか言うカギ爪の幹部とやら! この状況、最早言い逃れはできんな!」

 

キッズ「そう熱くなるな、ロンドンの貴公子の名が泣くぞ? だがその熱心さ……いいだろう、我らが同志に合わせてやろう」

 

ウー「勝手が過ぎるな、総裁。我らが同志の命を狙う者を、簡単に近づけようなどと」

 

キッズ「違うな、ウー殿……此奴らは同志の目前で悔い改めなくてはならない。同志の命を奪おうとする、自身の心をな」

 

アスハム「訳の分からぬ事をごちゃごちゃと……!」

 

レイ「御託は結構だ……奴がいる場所に案内しろ」

 

キッズ「ああ……来るがいい。そうだ、そこの子供もな」

 

ジョシュア「……」

 

じっとりとした嫌な汗が、顔を撫でる……ジョシュアは目の前の男に、自らの兄について行く他、選ぶ道はなかった……。

 

〜ゾネット・飲食店〜

……所変わってゾネットのとある飲食店。ヴァン達はそこで、卓を囲っている。

 

ヴァン「うま〜い!!」

 

フォント「相変わらずだな、ヴァンさんは……」

 

プリシラ「この前と言い、調味料すごいかけてるよね? これもヴァンが強い理由なのかな?」

 

アレンビー「そんな訳ないでしょ……胃袋は強くなりそうだけど」

 

いつものような光景に、案の定引き気味の面々。

 

レイン「この料理……美味しいわね。ドモンも一口どう?」

 

ドモン「む……分かった」

 

そんな中、レインがドモンの口に、スプーンを運ぶ。

 

ドモン「……美味いな」

 

レイン「ふふ……でしょ?」

 

目を丸くさせながら、少しだけ頬を染めるドモン……その様子をベローとアレンビーは、にやにやとした笑みを浮かべながら眺めていた。

 

ベロー「ヒュ〜、お熱いこって」

 

アレンビー「お似合いだよ、2人共」

 

ゲイナー「ベローにアレンビー……大人同士のやり取り、からかうもんじゃない」

 

ベロー「んな事言ってさ、お前も憧れのサラと、こういう事したいんじゃないの?」

 

ゲイナー「そ、それは……」

 

アレンビー「って言われてるけど、サラはどう?」

 

サラ「別にいいわよ?」

 

あっけらかんと、そう答えるサラ……レインがやったように、自らもゲイナーの口に匙を移した。

 

サラ「ほら……口開けて」

 

ゲイナー「あ……んぐっ!」

 

サラ「……どう?」

 

ゲイナー「……いきなりすぎて、よく分かんなかった」

 

サラ「何よそれ、人がせっかくやってあげたのに」

 

プリシラ「……ちょっと塩っぽいね」

 

アレンビー「うん……何か思ってたのと違うかも」

 

サラ「あのねぇ……こっちはわざわざ貴方達の言う通りにしてあげたじゃないの。文句言わないでよ」

 

ジャック「はは……悪かったな、サラ。って言うかよ……ゲイナーは女の扱いに慣れてねえんだな」

 

ゲイナー「そんな事言われても、僕にどうしろっていうんです?」

 

辰也「とりあえず皆の前で、デカい声で告白とかでもすりゃいいんじゃねえの? ドモンさんもやったんだしさ」

 

ドモン「た、辰也……」

 

ゲイナー「そっ、そんな事……」

 

辰也の言葉に、口を締めるドモン。ゲイナーはそんな事ができるものだろうかと、頭を悩ませていた。

 

辰也「にしても、ドモンさんにはレインさんが、ゲイナーにはサラがいて……羨ましいって言うかよ……なあフォント」

 

フォント「え……いや別におれは……って、辰也」

 

辰也「ん?」

 

フォント「お前……自分にはそういう相手がいないって、本当に思ってるのか?」

 

辰也「え? ……いや、そうだな……」

 

ふと、頭を抱え込む辰也……自分のそういう相手は……朧げながらも、それが浮かぶような気がしてくる。

 

チボデー「辰也の奴、相当考え込んでるぜ」

 

アレンビー「答えまで後少し……って感じね。助け舟出しちゃう?」

 

ジョルジュ「いえ、今はやめておいた方がいいでしょう」

 

ドモン「そうだな……辰也よ」

 

辰也「……はい」

 

その輪郭が鮮明にならないうちに、ドモンの声が思索を遮った。

 

ドモン「お前の心に今ある種は、やがて芽吹き大樹へと育ち……そして実をつける日が来る。答えを出すのは、その時でも遅くはない……だから、今は心に留めておけ」

 

辰也「ええ……そうさせていただきます」

 

自らの答え……それを出すのは今ではないのかもしれない。だが、いつかは……辰也の心は、そう落ち着いた。

 

ヴァン「……」

 

……そんな光景を、ヴァンが眺めている……いつもの仏頂面が、少し綻んでいるような、そんな表情で。

 

三日月「ねえ……今の、面白かった?」

 

ヴァン「ん……ああ……あいつらは、幸せだなって思ってよ」

 

ユージン「どういう事だよ、そりゃ?」

 

ヴァン「だってよ……自分の好きな奴と一緒で、笑いながら過ごしてるんだ……だから、何て言うか、その……幸せ、だよなって」

 

ドモン「ヴァン……」

 

オルガ「あんた……意外とロマンチストなんだな。そういうのには無縁だと思ったぜ」

 

プリシラ「そうだね……ねえ! 私、ヴァンの事、もっと知りたいな! だから、色々教えてよ!」

 

ヴァン「それは……」

 

???「ならば、私が教えてやろう」

 

……厳格な、よく通る声が、彼らの卓を横切る。その主を見て、ヴァンは目を見開いた。

 

ヴァン「! あんたは……」

 

三日月「おっさん、誰?」

 

ガドヴェド「申し遅れた……私はガドヴェド・ガオード。そこにいるヴァンには昔、ヨロイの操り方を教えてやったのだ」

 

プリシラ「それじゃあ、ヴァンのお師匠さんって事?」

 

ドモン「道理で……尋常じゃない気を感じるな。余程の手練れと見える」

 

ガドヴェド「うむ……しかし、久しぶりだな、ヴァン。まだ未熟な面はあるが……剥き出しの刀も、納まる鞘が形作られていった……という所か」

 

ヴァン「あんたどこ行ってたんだ!? 俺が目を覚ました時、あんたはもう……!」

 

懐かしい顔に、声を振るわすヴァン。

 

ガドヴェド「すまなかった……だがここでお前に会うのもまた、運命か」

 

ヴァン「……」

 

ガドヴェド「ヴァンよ……再会早々に悪いが、頼みがある。そこにいるお前達も、聞いてはくれんか?」

 

ヴァン「え……」

 

ガドヴェド「ここで話すのも何だ、場所を変えよう……ついて来い」

 

そんな彼を導かんとするように、ガドヴェドは背を向け、ゆっくりと歩き出した……。

 

〜ゾネット・広場〜

一方、攫われた兄を探すウェンディ一行。道中で見知らぬ双子と一悶着あったが、そんな彼らとも打ち解け……今、子供達は芝の敷かれた広場で遊んでいた。

 

タクヤ「そ〜れ、タッチ〜!」

 

メリッサ「あう……っ!」

 

タクヤ「じゃ、次はメリッサが鬼ね〜! ……ってあら?」

 

メリッサ「うう……」

 

あまりにも勢いが強かったのか、倒れ込むメリッサ。その目には、涙が浮かんでいる。

 

カズキ「あ〜あ……女の子泣かせてやんの」

 

ダイ「駄目だよタクヤ君、もっと優しくしてあげなくちゃ」

 

アナ「女性への扱いがなっておりませんね」

 

タクヤ「う、うるさいなぁ! 何もそこまで言わなくたっても……ごめんよ、怪我してない?」

 

悪態をつきながらも、心配そうな声を出しながら手を伸ばすタクヤ……しかし、その手は掴まれる事なく、メリッサは小さい嗚咽を漏らしながら、しくしくと泣き続けている。

 

タクヤ「あわわ……ど、どうしよう……」

 

カロッサ「おい!」

 

慌てるタクヤの背後に、兄であるカロッサが飛びかかり、覆い被さる。

 

タクヤ「いっ……な、何するのさ!」

 

カロッサ「お前、メリッサ泣かせたな? 妹泣かせる奴、死、あるのみ!」

 

タクヤ「!? や、やめてよ……!」

 

カズキ「待てよ! 今のはタクヤが悪いけど、何もそこまでやる必要もないだろ!?」

 

ダイ「そうだよ! それにタクヤ君だって別に、悪気があった訳じゃないんだし……!」

 

カロッサ「問答無用! メリッサ泣かせた事、死で償え!」

 

アトラ「こ〜らっ!」

 

もみくちゃになるカロッサとタクヤを、何とか引き剥がそうとするカズキ達。そこへアトラが割り込み、カロッサの頭をこつんと叩いた。

 

アトラ「確かにタクヤが悪いけど、だからってそんな事しちゃダメ!」

 

カロッサ「でもこいつ、メリッサ泣かせた! だから……」

 

アナ「だからとタクヤを痛めつけて、果たしてメリッサは喜ぶでしょうか?」

 

カロッサ「う……」

 

アナの言葉に、声を詰まらせるカロッサ。的を射たその言葉に、何も返す事はできなかった。

 

メリッサ「カロッサ……」

 

……そんなカロッサの元へ、ゆっくりと立ち上がりながら、近づくメリッサ。

 

メリッサ「私は大丈夫……ちょっとびっくりしただけ……平気だから」

 

カロッサ「メリッサ!」

 

妹の無事を喜び、肩へ手を持っていく。その様子をにこやかに眺めながら、アトラが口を開いた。

 

アトラ「……それじゃ、こういう時は何て言えばいいかな?」

 

カロッサ「えっと……」

 

タクヤ「……ごめんよ、2人共……オイラ、楽しくなっちゃってつい……」

 

カロッサ「……俺も、悪かった」

 

しおらしく謝るタクヤ……それに釣られカロッサも頭を下げる。

 

アトラ「ふふ……よくできました! じゃあ皆、今度は仲良く遊んでね!」

 

アトラの言葉に、しゅんとした態度から一変、ぱあっと顔を明るくさせるタクヤ。

 

タクヤ「もっちろん! ねえねえ、次は何して遊ぶ?」

 

カロッサ「……また、鬼ごっこっての、やる。そして今度は、俺とメリッサ、鬼やる……それで、お前、捕まえる!」

 

タクヤ「オッケー! でも、そう簡単には捕まってあげないよ〜ん!」

 

カロッサ「言ったな! 行くぞ、メリッサ!」

 

メリッサ「う、うん!」

 

アナ「私達も、必死に逃げなくては!」

 

そうして、子供達は駆け出す……それを穏やかに見ているアトラに、ジゼラとウェンディが話しかけた。

 

ジゼラ「アトラさん……あの子達の事、上手くまとめられましたね」

 

アトラ「まあね。火星にいた頃に、子供達の世話とかしてたから……多分それかも」

 

ウェンディ「素敵です……いいお母さんになれると思いますよ」

 

アトラ「そ、そうかな……でも、お母さんかぁ……えへへ……」

 

ジゼラ「……もしかして、三日月さんの事、思い浮かべてます?」

 

アトラ「!!」

 

ウェンディ「じ、ジゼラさん……」

 

突拍子もなくかけられた言葉に、ぼっと赤面するアトラ。

 

アトラ「……ふ〜ん、そういう事言っちゃうんだ。だったらジゼラだって、辰也さんと……」

 

ジゼラ「な……ど、どうして、辰也さんが……!」

 

ウェンディ「自業自得……ですよね」

 

アトラ「関係ないみたいな顔してるけど、ウェンディの話も聞きたいな〜」

 

ウェンディ「え……」

 

アトラ「この前は話、聞けなかったから……『お嫁さんになる』って言った時の事、詳しく教えてほしいな」

 

ジゼラ「わ、私も……実は、ちょっとだけ知りたかったりして……」

 

ウェンディ「もう……意地悪する人には、教えてあげませんから!」

 

頬を紅潮させ、ぷいっとそっぽを向くウェンディ……それらの様子を、大人達は和やかに見守っていた。

 

ママドゥ「全く……子供というのは元気で可愛いものだ」

 

リュボフ「ええ……何とも素敵な光景です」

 

凱「それを守るためにも……俺達大人が頑張っていかなくちゃいけませんね」

 

ママドゥ「そうだな、凱……だがお前も、俺にとっては子供みたいなものだ。あまり1人で抱え込みすぎるなよ」

 

凱「ママドゥ先生……はい、ありがとうございます」

 

ママドゥの言葉を重く、しかし暖かくも感じながら、静かに受け止める。

 

???「……ここにいたのか。2人共、そろそろ時間だ」

 

カロッサ&メリッサ「「!」」

 

……そこに、外套を纏った男が立ち寄った。

 

タクヤ「え〜? もう終わりなの?」

 

アナ「我儘を言ってはいけませんよ、タクヤ。相手にも都合というものがあります……って、この人……」

 

???「僕が何か?」

 

エメラルドグリーンの瞳、燻んだような赤みがかった髪色、そして、優しそうな顔立ち……アナの脳裏に、見知った顔が重なる。

 

ウェンディ「……!」

 

ジゼラ「ウェンディさん?」

 

ウェンディ「今の声……それに、その顔……」

 

???「!」

 

忘れもしない、忘れもできない。何故なら、自身の目の前にいるのは───

 

 

 

 

 

ウェンディ「兄……さん……?」

 

ミハエル「ウェン……ディ……?」

 

 

 

 

 

───自らが探し求めていた兄、ミハエル・ギャレットその人であったのだから。

 

〜ゾネット・大通り〜

更に、場面は変わる……友と故郷の借りを返そうとするカルメンについて行った一団……その一員であるゲイン達は、物陰で通行人をまじまじと眺めていた。

 

ゲイン「……」

 

剣児「なあ、ゲインさんよ……黙ってねえで、何とか言ったらどうなんだ?」

 

サイ・サイシー「オイラ達にナンパの極意っての、教えてくれんじゃなかったのかよ?」

 

ゲイン「分かっているさ……だからこうして、誰に当てるか狙っている」

 

弁慶「ふむ……闇雲に進むのではなく、息を潜めて狙いを定めるか……狩りの仕方に似ているな」

 

ゲイン「その通り……ナンパってのはシンプルに言えば、ハントだ……お、いいのがいるな」

 

ゲインの目が向く方には、1人の女の姿……艶のある黒髪、どことなく妖しげな紫の衣服、しなやかさのある淫靡な体躯、憂いを帯びた表情……彼らの目を釘付けにするには、十分過ぎる程のものであった。

 

サイ・サイシー「はぇ〜、色っぽい姉ちゃんじゃねえか!」

 

剣児「しかも、おっぱいもデケェしよ!」

 

弁慶「うむ……あの妖艶な佇まい、見ているだけで心が湧き立つな」

 

ゲイン「逸る気持ちは抑えるんだ。待ってろ、今手本を見せてやる……やあ、そこの貴方」

 

???「はい……何でしょう?」

 

ゲインの尋ねに、昏く透き通るような、甘やかな声で返す。

 

ゲイン「貴方の吸い込まれるような、黒く流れる髪……そして、妖しくも色めき立つその容貌……綺麗な花に吸い寄せられる蝶のように、気がついたらふらりと立ち寄っておりました」

 

???「まあ……お上手な方」

 

ゲイン「いえいえ……偽りなど並べませんよ。ところで、近くにいい店があるのですが……よろしければ、ご一緒しても?」

 

???「ええ、構いません……私達、良いお友達になれそうです」

 

ゲイン「控えめな方だ……貴方とは友ではなく、その先の関係も築いていけるといいですが」

 

???「ふふ……」

 

甘い言葉を囁くゲインと、それを聞きにこやかに微笑む女……そんな2人の空間を眺めながら、黒い炎を燃やす男達。

 

剣児「ちくしょ〜……ゲインの奴、教えるとか言っといて自分が楽しんでるだけじゃねえか!」

 

サイ・サイシー「こうなりゃオイラ達が飛び出して、めちゃくちゃにしてやるしか……」

 

弁慶「お前達、そう焦るものでは……」

 

カルメン99「……ねえ、何してるの?」

 

そんな彼らの姿を、諸用を済ませ戻ってきたカルメン達は、不思議そうに見ていた。

 

柳生「ま……いつも通りの馬鹿騒ぎ、って感じみたいね」

 

つばき「ちょっと離れた瞬間にこれって……本当にバカなんだから!」

 

アルゴ「この場にいなかった俺も俺だが、だからと勝手な行動を取るお前もお前だ、サイ・サイシー」

 

隼人「全く、お前には呆れ……」

 

ふと、言葉を止める隼人。視線の先には、例の女。

 

隼人「……カルメン」

 

カルメン99「……ええ」

 

ゆっくりと静かに、しかしどこか俊敏に歩き始める2人。目指す先は、あの女。

 

門子「どうしたんだよ、カルメンの奴?」

 

鏡「ゲイン・ビジョウに嫉妬した……とは考えにくいな」

 

身堂「……そういう事か。皆、警戒を解くな」

 

剣児「へ?」

 

首を傾げる剣児……不思議がりながらも目はカルメン達の方を向く。そして、捉えた───

 

 

 

 

 

───カルメンのヨーヨーが、黒髪の女へ接近する光景を。

 

ゲイン「!」

 

カルメン99「情報通り……あんたもここに来てたのね」

 

???「おや……誰かと思えば、トリノリアにいた情報屋さんではありませんか」

 

いつの間にか所持していた三節棍でヨーヨーを弾き、余裕そうに、気怠げに語りかける女。

 

ファサリナ「改めて自己紹介を……私はファサリナ。同志の夢を支える者です」

 

カルメン99「へぇ……それがあんたの名前なのね」

 

ゲイン「その美貌に似合いの、素敵なお名前だ……立場が違えばな!」

 

隼人「ゾネットに集まり、何を企んでいる?」

 

ファサリナ「さあ……貴方達に話す必要がおありでしょうか?」

 

カルメン99「だったら、無理矢理にでも話したくなるようにしてやるわよ!」

 

苛立ちを抑えられぬカルメンが、一歩を踏み出す。それに反応し、一歩退がるファサリナ。

 

ファサリナ「残念……私、これから寄る所があるんです。それに、貴方だけならともかく、こうも大勢で来られると……ですので、彼らに代わりをしてもらいましょう」

 

三節棍で地面を叩き、軽々と上階へ飛び上がる。その音を合図に、鉄道警備隊の服を着た集団が、カルメン達を囲った。

 

ゲイン「シベリア鉄道の連中……奴らの息のかかったのが混ざっていたか!」

 

柳生「厄介事に巻き込まれたわね……皆、まずはここを切り抜けるわよ!」

 

カルメン99「……そうね。今はそうするしかないわ」

 

女の消えた後を睨むカルメン。すぐに視線を下ろし、そして目の前の集団へと向けた。

 

〜ゾネット・スカイガーデン〜

……兄との再会を果たしたウェンディ。しかし、その表情は暗い。それもそのはずである……再び会えた喜びも束の間、ミハエルは自らを攫った男に傾倒し、新たな道を歩まんとした……その果てに、妹を拒絶したのだから。

 

ウェンディ「……」

 

その闇は、心を蝕む……スカイガーデンの美しい花や清涼な自然は、却ってそれを黒く目立たせた。

 

ジゼラ「ウェンディさん……」

 

アトラ「お兄さんの言葉、気にしてるんだね……」

 

アナ「ここのお花を見れば、憂鬱も吹き飛ぶかと思ったのですが……」

 

カズキ「しっかし、分からず屋で意固地な兄貴だったよな。ウェンディがどんな思いでここまで来たのか、分かってねえんじゃねえの?」

 

ダイ「カズキ君! 気持ちは分かるけど、相手はウェンディさんの家族だよ!」

 

アドベンジャー『うむ……ダイの言う通りだ。いくら何でも、言っていい事と悪い事があるぞ』

 

カズキ「……そうだな。ごめん、言い過ぎた」

 

カズキが、謝罪の声を絞り出す……新たに出会えた友も、ミハエルと同じ道を行く「敵」であった……それが、彼らの心を曇らせていた。

 

タクヤ「カロッサとメリッサも、カギ爪って奴の仲間みたいだし……オイラ、新しい友達ができたって思ったのに……」

 

スターシルバー『タクヤ……』

 

いつもの元気さも、今のタクヤからは見られない。

 

ママドゥ「困ったな……どう声をかければいいものか……」

 

凱「ママドゥ先生、ここは俺が……」

 

アナ「……いつまで、そのような顔でいるのです!」

 

ウェンディ「!」

 

タクヤ「!」

 

リュボフ「姫様!?」

 

……沈む彼らに耐えきれず、アナが叫ぶ。その声は草花を揺らし、鳥を羽ばたかせ……沈黙を作り出した。

 

アナ「まず、ウェンディさん……兄君にお気持ちを受け止めてもらえなかった事、さぞお辛いでしょう……が、貴方はそれで挫ける程、弱い人間だったのですか?」

 

ウェンディ「……」

 

アナ「貴方はここまで、仲間達と共に歩いてきた……その歩みは貴方の兄君にも、貴方自身にも、何者にも否定できるものではありません」

 

ウェンディ「!」

 

アナ「貴方にはそのようなお辛い顔は似合いません……ですから!」

 

ウェンディ「む……!」

 

ウェンディの両頬が、アナの手によってむぎゅと持ち上げられる。

 

アナ「いつものような凛々しく、お可愛い笑顔を見せてください。貴方はそれができるお強い方だと、私はそう思っておりますから」

 

ウェンディ「あ、アナ姫……」

 

アナ「そしてタクヤ、貴方達の友が敵であった事……それもお辛い事でしょう。ですが、知らずとは言え心を交わし合った仲……であれば、彼らと再び同じように接し合えると、私はそう思っております」

 

タクヤ「……!」

 

ダイ「そうだよね……カロッサ君とメリッサちゃんが敵だったとしても、僕達は一緒に遊んだ友達だよ」

 

カズキ「だからさ、あいつらとぶつかって、それで自分の気持ちを伝えようぜ。俺達の知ってるタクヤは、そうやって突き進んでいく奴だろ?」

 

ドラン『それに、いつまでも落ち込んでいるなど、タクヤらしくもない……従者としては、いつものような元気で明るい主の姿を見せてほしい……そう思っている』

 

タクヤ「……うん! ありがとう、皆! よ〜し、オイラあの2人ともう一度話してみるよ!」

 

アナの言葉に、明るさを取り戻す……ガラス張りの空間から差し込まれる夕陽が、それを一層引き立たせた。

 

リュボフ「姫様……」

 

ママドゥ「流石は姫様だ。人を導く力がある」

 

凱「ウェンディやタクヤ達も、元気を取り戻した……ただならぬ子供だとは思っていたが、中々しっかりしているな」

 

この中で最も小さく、しかし最も大きな彼女……大人達は、感嘆の言葉を発する。

 

???「いいなぁ、君達……」

 

……どこからか、乾いた拍手の音がする。それと共に、1人の老人が姿を現した。

 

ジゼラ「貴方は……?」

 

???「名乗る程の者ではありません……一介の、夢を追う老人です」

 

ママドゥ「その御老体が何用で?」

 

???「いえね……ただ、見させてもらいました。絶望に打ちひしがれながらも、友達と一緒に希望へと一歩を踏み出そうとする、その姿勢を……君達は、君達の夢や幸せに向かって歩き出そうとしているんだね」

 

ジゼラ「えっ……と……」

 

アトラ「そう……なのかなぁ……?」

 

カズキ「大袈裟だなぁ……そんな大層なもんでもないって」

 

???「そんな事はないよ。大きくても小さくても、夢や幸せは大切なものだ……でも、これだけは忘れないでほしい。一方的な夢はただの欲求で、他の人を不幸にしてしまい、皆を巻き込んでしまう事をね」

 

ウェンディ「……」

 

アナ「ええ……そのお言葉、覚えておきましょうとも」

 

タクヤ「……ねえ、ちょっち思ったんだけどさぁ」

 

???「何だい、坊や?」

 

タクヤが小首を傾げ、尋ねる。

 

タクヤ「それじゃあ、どうしても夢を叶えたいって人はどうすればいいの?」

 

???「そうだねぇ……簡単な事だよ、皆で同じ夢を持てばいい。そのためなら、命すら賭けられる程の大きな夢……そうしたら、皆から恐れがなくなる……つまり、この世から不幸が消える……そう、思わないかい?」

 

ウェンディ「はぁ……」

 

アトラ「皆で1つの夢を追う……何だか、鉄華団と似てるかもね」

 

タクヤ「でも、オイラは色んな夢がある方がいいな〜って思うけど……」

 

???「ははは……そう簡単に皆が納得する夢は、中々見つからないだろうね……かく言う私の夢も、仰々しく語ったけどありふれたものだよ。皆が静かに、幸せに暮らせるような……そんな世界になりますように……ってね」

 

ウェンディ「ありふれてるなんて、そんな事……いい夢だと思います」

 

ジゼラ「ええ……その夢、叶うといいですね」

 

???「ありがとう……おや?」

 

和やかな雰囲気に絆される一同……ふと、老人の顔が他所へと向く。

 

???「やあ……待ってましたよ」

 

そこには、アタッシュケースを持った黒髪の女……彼女がそれを開けた瞬間、ウェンディ達の表情は険しいものとなった。

 

ウェンディ「え……」

 

凱「なっ……!?」

 

いつの間にか日は沈み、夜へと変わる。月光と人工の光が反射する───

 

 

 

 

 

───鈍く輝く金色の「カギ爪」に。

 

ファサリナ「いかがですか?」

 

カギ爪の男「とてもいい……やはり手入れは大事だね」

 

先程と変わらぬ、穏やかな口調でそれを取り付ける老人、いや……

 

ウェンディ「貴方が……!」

 

カギ爪の男「皆さん……私と夢を、見ませんか?」

 

カギ爪の……男……!

 

 

 

 

 

ジョシュア「兄さん!」

 

……見知らぬ少年の声がする。その方向に目が行く。

 

レイ「……」

 

銃を突きつけ、激しい笑みを浮かべる「鬼」。その指は引き金に置かれ、躊躇いを見せる事なく───。

 

 

 

第二十一話 断罪の仇敵

 

 

 

〜ゾネット・外〜

日が沈み、冷たい風の吹く星空の下……ガドヴェドとヴァン達は、互いに向き合っていた。

 

ガドヴェド「……最後にもう一度聞こう。同志のために働く気はないのだな?」

 

ヴァン「当たり前だ! エレナを殺し、俺を地獄に叩き落としたあいつの仲間になれだと!? 馬鹿言ってんじゃねえ!」

 

ドモン「俺達もヴァンと同じだ……他者の幸せを踏み躙る者に加担するなど、言語道断!」

 

ガドヴェド「揃いも揃って未熟だな。お前達は同志の事を、何も分かってはおらん……同志は平和を願っているだけの、普通の人間だ。強者が弱者を虐げるこの世界を変え、理想の世界を創らんとしている」

 

アレンビー「あんた……本気でそう思ってるの?」

 

プリシラ「デュエルパークを……関係ない人達を襲っておいて、そんな事……!」

 

オルガ「平和や幸せを願いながら、やる事が人殺し……俺らが言うのも何だが、どう考えても筋が通ってねえだろうが」

 

ガドヴェド「……やはり、分かっておらんな。同志の夢の前には、そんな事など些細な物……それが成就すれば……」

 

ヴァン「ガドヴェド!」

 

尚も語り続けるガドヴェドに、一喝するヴァン。

 

ヴァン「あんたの事だ……決めたルールは変えないんだろうな」

 

ガドヴェド「ヴァン……人を動かすのは過去ではなく、未来! 私と共に新たな時代の剣となれ!」

 

言いながら、背負っていた斧を構える……電流が走り、小さな穴がそれに広がる。

 

ガドヴェド「大義の前には……瞑らねばならない瞳もある!」

 

ヴァン「生憎とそういうのは聞き飽きてるんだ!」

 

ヴァンもまた、腰に下げた蛮刀を抜き、帽子をくるりと回す。

 

ヴァン「瞑る事はできないな……だから!」

 

 

 

 

 

ヴァン&ガドヴェド「「勝負だ!!」」

 

 

 

 

 

叫びと共に、上空から降り立つは……ヨロイ。ヴァン達は、それに乗り込んだ。

 

ヴァン「ウェイクアップ……ダン」

 

ガドヴェド「ウェイクアップ……ディアブロ」

 

2つのヨロイは掛け声と共に、立ち上がる。

 

ガドヴェド「エレナが救い……私が救い! 生き永らえたその命……お前がどう磨いてきたか、見せてみろ! あまりに未熟なら、この場で……断つ!」

 

ヴァン「ああ……やってやるよ!」

 

背を向けていたヨロイが、向かい合う……

 

ドモン「ヴァン、ここはお前に任せる」

 

オルガ「その爺さんを倒して、あんたのケジメをつけてくれ」

 

ヴァン「言われなくても分かってる……ガドヴェド! あんたが俺の前に立ち塞がるってんなら……俺は!」

 

……そして、ヨロイとヨロイが、互いの心がぶつかり合う……自らの意志を示さんとするように。

 

〜戦闘開始〜

ヴァン(対ガドヴェド)

ガドヴェド「同志の元へは向かわせん……私は今ここで、お前を倒す!」

 

ヴァン「押し通ってやるさ……あんたを超えて、俺はあいつをぶった斬る!」

 

ガドヴェド「口先だけの未熟者が……来い!」

 

ヴァン「言われなくても……やってやるよ!」

 

 

〜〜〜

ダンとディアブロが、蛮刀と斧が、ぶつかり合う。

 

ガドヴェド「何という遅さ……それでもオリジナル7か!」

 

ヴァン「オリジナル……?」

 

ガドヴェド「そうだ! 理想の大地を……」

 

ヴァン「知った事か!」

 

ダンの一太刀が、斧を叩き落とす……が、ディアブロの力がそれを弾き……自らの刀も吹き飛んだ。

 

ドモン「……」

 

チボデー「シット! 見てるだけってのはむず痒いもんだぜ!」

 

ジョルジュ「ええ……ですがこれは、ヴァンの戦い……横槍を入れてしまえば、彼の思いを踏み躙る事になる」

 

ゲイナー「黙るしかないのか、僕達は……!」

 

2人の心のぶつかり合い……それを、ただ見ている事しかできない面々……最中、フォントの持っていたタブレットが起動し、鼓膜に響く警告音を放った。

 

ハロロ『! ご主人!』

 

フォント「ハロロ! どうしたんだ?」

 

ハロロ『こちら側に近づく反応あり!』

 

ハロロの指し示す場所には、数個の反応……そこから、シルエットマシンやオーバーマンが出現する。

 

カシマル「えー……ヨロイでの乱闘騒ぎを起こし、ダイヤを乱す不届者共よ……このシベリア鉄道運行部長、カシマル・バーレが……取り締まらせていただきます!」

 

灰色のオーバーマン……プラネッタに乗るカシマル・バーレが、対峙する2人に勧告を行う。

 

ヴァン「あ?」

 

ガドヴェド「シベリア鉄道……平和を乱しておきながら、同志に擦り寄る寄生虫!」

 

カシマル「ご老体の怒りは寿命を縮めますよ、ミスター・ガドヴェド。いくら貴方がオリジナル……総裁のご友人である同志の部下とはいえ、構内での乱痴気騒ぎ……」

カシマル「このままでは、貴方に罰を与える事となってしまう……それだけは、避けたいものですがねぇ」

 

ガドヴェド「私が共に歩むと決めたのは同志、カギ爪の男! キッズ・ムントではない!」

 

カシマル「そう……私はその心を……ダイヤモンドの如く固き心を敬愛しております。ですから、貴方を支えてあげようと言うのですよ!」

 

ヴァン「うるせえ野郎だな……邪魔するってんならてめぇも斬る!」

 

ガドヴェド「……ヴァン」

 

ガドヴェドが一言、名を呟く……刹那、ディアブロはダンの隣へと並び立つ。

 

ガドヴェド「私もそれに乗ろう」

 

ヴァン「何だと?」

 

カシマル「何故です? 私は貴方の味方なのですよ?」

 

ガドヴェド「私はお前達を同志と思った事など、たったの一度としてない! お前達シベリア鉄道は、弱者を虐げ、平和を乱す者……即ち、私の敵だ!」

 

カシマル「……そんな事言っちゃって……そこの不審者諸共、死ぬおつもりですか!」

 

プラネッタを始めとしたシベ鉄の機体が、2機に襲い掛かろうとする、寸前───

 

 

 

 

 

ドモン「待てぇっ!!」

 

 

 

 

 

───ドモンの叫びが、それを止めた。

 

ドモン「男と男の決闘……道を違えた者同士のぶつかり合い……それを邪魔すると言うのなら!」

 

息を吸い込み、指を鳴らす……そして、叫んだ。

 

 

 

 

 

出ろぉぉぉーーーっ!! ガンダァァァーーームッ!!!

 

 

 

 

 

……地中から、5機のガンダムが飛び出した。

 

ドモン「俺達が相手になってやる!」

 

ドモン達がそれに乗ると同時に、後方から1機のシルエットマシン……ドーベックやレジェンドラの勇者達も現れた。

 

アデット「盛り上がってるじゃないか、あんた達!」

 

ゴルドラン「ならば、我々もそれに続こう!」

 

アドベンジャー「心配するな、ここにいる皆の機体も持ってきた!」

 

アドベンジャーが牽引する貨物には、ヤーパンのシルエットマシンやモビルスーツ……皆の機体が揃っている。

 

ハロロ『ありがとうございます、アドベンジャーさん!』

 

ベロー「シベ鉄の列車引っ張ってまで、ご苦労なこったぜ!」

 

アデット「ついでにかっぱらってきた、シルエットマシンもあるよ! 遠慮なく使いな!」

 

昭弘「やるな、姐さん」

 

ゲイナー「本当に無茶をするな、この人は……」

 

サラ「あれ? ガウリ隊長は?」

 

アデット「ヤーパンニンポーなら、今頃は姫様の所に走ってるよ」

 

ゲイナー「アナ姫様の所に行ったのか!」

 

スターシルバー「ついでに、主達も助けてくれるとありがてえな!」

 

一斉にそれに乗り込み、立ち上がる。三日月は残っているオルガ達に目を向け、呟いた。

 

三日月「オルガとユージンはイサリビに戻って。それで、他の奴ら拾ってきてよ」

 

オルガ「ああ……分かったぜ、ミカ!」

 

ユージン「その代わり、俺らが戻ってくるまでへばるんじゃねえぞ!」

 

昭弘「ふ……誰に向かって言っている!」

 

言い放つ後、前に目を向ける。

 

フォント「辰也、お前はオルガ達についてやってくれ。イールソウルを安定して動かすなら、ジゼラもいないとだしな」

 

ジャック「あいつ見つけて、とっとと戻ってこいよ!」

 

辰也「……ああ。悪いな、お前ら!」

 

そして辰也も、オルガ達の元へと走っていった。

 

カシマル「そうですか……ダイヤを乱すのみならず、我々に従わぬと言うのですね!」

 

ゲイナー「当たり前だ! 人の邪魔をするシベ鉄のやり口なんて!」

 

ヴァン「どけよ……お前を叩き斬って、あいつを殺す!」

 

ガドヴェド「その前に私がお前を止める……だが、今は!」

 

飛ばされた武器を拾い上げ、前へと走る2機のヨロイ……横槍を入れた者達へ、斬りかかった。

 

〜戦闘再開〜

ヴァンorガドヴェド(初戦闘時)

ヴァン「ガドヴェド……」

 

ガドヴェド「笑いたくば笑え、ヴァン。私の無節操を……お前との戦いの前に、弱者を虐げる者への罰を優先した私を」

 

ヴァン「……あんたはまだ、自分を曲げてねえ。あんたはあんたの言う、理想ってのを優先させただけだ」

 

ガドヴェド「ヴァン……」

 

ヴァン「あんたを倒し、カギ爪を殺す……その前に、邪魔な奴を払うだけだ!」

 

ガドヴェド「そんな事をさせるつもりはない……が、それは全てが終わってからだ! ひとまずは奴らを倒すぞ、ヴァン!」

 

ヴァン「ああ……行くぜ、ガドヴェド!」

 

 

ヴァン(対カシマル)

カシマル「『掃き溜めのヴァン』! 見窄らしい名前と姿で、私の前に出てくるなんてぇっ!」

 

ヴァン「そんなのは俺の勝手だ! てめぇこそ、俺の邪魔をするってんなら……ぶった斬る!」

 

カシマル「浮浪者同然の石ころが、私を叩っ斬ろうだなんて、馬鹿も休み休み言いなさい!」

 

ヴァン「ハナからてめぇと話すつもりはねぇ……俺の目的は、カギ爪の野郎だぁぁぁーーーっ!!」

 

 

ガドヴェド(対カシマル)

カシマル「可愛さ余って憎さ百倍! ミスター・ガドヴェド……貴方の評価は暴落した!」

 

ガドヴェド「弱者を虐げ、富を貪る寄生虫めが……お前達の敬意など、何の価値もないわ!」

 

カシマル「あんな悍ましい男に従って、理想とやらに溺れちゃってるお馬鹿さんの言う事ですか!」

 

ガドヴェド「尻尾を見せたな、シベリア鉄道! やはりお前達は、同志の……理想の敵だ!」

 

 

ゲイナー(対カシマル)

ゲイナー(あのオーバーマン……気のせいか心がザワザワするような……思い過ごしじゃなきゃいいんだけど……)

 

カシマル「ヤーパンの髪の毛付き……丁度いい、ここで奴を止めてやりましょう!」

 

ゲイナー「キングゲイナーが、こんな奴に止められると思って! どんなオーバーマンだか知らないけど、シベ鉄に負けるものか!」

 

 

アデットorベローorサラ(初戦闘時)

アデット「さてと……シベ鉄共には勿体無い、新型の試し撃ちと行くよ!」

 

ベロー「いいねえ、先生! 俺達も勢いづかしてもらうぜ!」

 

サラ「乗り慣れたパンサーの方がいいかもしれないけど……こういうのは、比べてみなくっちゃ!」

 

アデット「こいつらの心配はいらなそうだね……それじゃ、好きに暴れさせてもらうよ!」

 

 

アデット(対カシマル)

アデット「氷の運行部長、カシマル・バーレ! ダイヤが守れないってんで、出てきちまったんだね!」

 

カシマル「お黙りなさい、裏切り者! ダイヤはダイヤモンドの如き硬さで、守られなくてはなりません……それが分からぬで、シベリア鉄道にいたなどと!」

 

アデット「そんなガチガチの場所から、抜け出しといて正解だったよ! もうシベ鉄じゃないんだ……立場なんざ関係なく、やらせてもらう!」

 

 

レジェンドラの勇者(初戦闘時)

アドベンジャー「主達の事は心配だが、それは彼らに任せた……我々のやる事はただ一つ!」

 

スターシルバー「こいつら全員蹴散らして、ここに眠ってるっていう仲間を見つける事だ!」

 

ゴルドラン「そのためにも、我々が倒れる訳にはいかない……勇者の力を、奴らに見せてやる!」

 

 

レジェンドラの勇者(対カシマル)

カシマル「貴方達の事は知っていますとも……ダイヤモンドから産まれる、願いを叶える機械人形! このゾネットにもそいつが眠っているから、私も現場に出たのです!」

 

アドベンジャー「この地に眠る新たな勇者……お前達も、情報を掴んでいたか!」

 

カシマル「その通り! さあ、掘り出し中のダイヤ共々、私の(しもべ)になりなさい!」

 

スターシルバー「悪いが、俺達は悪党の下働きなんてごめんだぜ!」

 

ゴルドラン「ああ……それに、我々の主はタクヤ達だ! たとえ倒れたとしても、我々はお前達に従うつもりはない!」

 

 

鉄華団(初戦闘時)

三日月「オルガ達の事は任せて、俺達はこっちに集中だ」

 

昭弘「そうだな……なあ三日月、あいつらが来る前に全員倒して、驚かせちまうってのはどうだ?」

 

三日月「いいね、それ。じゃあさ、どっちが多く倒せるか、勝負しない?」

 

昭弘「ああ、望むところだ!」

 

 

三日月(対カシマル)

カシマル「悪魔の機械人形……最近は色んな所で色々掘り出されているようだけれどねぇ!」

 

三日月「そんなの、どうでもいいよ。俺はあんたが邪魔だから叩き潰す……それだけだから」

 

 

ドモン(対カシマル)

ドモン「男と男の戦い……それを邪魔した罪は重い!」

 

カシマル「邪魔をしているのはあいつらの方です! ヨロイで戦って列車を遅らせるなど、万死に値する大罪! ダイヤを乱す者は、誰であろうと許しはしません!」

 

ドモン「お前の言い分、理解できないと吐き捨てるつもりはない……だが、こちらにも譲れない物がある!」

ドモン「来い! ここから先は、俺とお前の信念のぶつかり合いだ!」

 

 

〜〜〜

2機のヨロイが、シルエットマシンを叩き斬る。

 

ガドヴェド「未熟だな! この程度の相手に苦戦するとは!」

 

ヴァン「うるせえな! そっちこそ老いちまったんじゃねえのか!?」

 

ガドヴェド「何を言う! 私はまだまだ戦えるぞ!」

 

ヴァン「そうかよ!」

 

プリシラ「息の合ったコンビネーションだね、あの2人!」

 

ドモン「蟠りがあろうと、それでも師弟……そう易々とは崩されんか!」

 

次々と蹴散らされるシルエットマシン……警備隊員達は、その様相に戦慄していた。

 

ケジナン「何だってんだよ、あいつら!」

 

エンゲ「俺らの味方かと思いきや、敵さんと仲良しこよしなんてな……!」

 

カシマル「成程……流石はオリジナル! 崩壊世界の統治者とあって、ダイヤの如き強靭さ!」

 

ヴァン「オリジナルなんざ関係ねえよ! 俺は、お前が邪魔だからぶった斬るだけだ!」

 

ガドヴェド「お前達程度に苦戦する、我々ではないわ!」

 

カシマル「ですから! その確固たる信念に、ヒビを入れさせてもらいましょう……このプラネッタのオーバースキルでねぇ!」

 

2人の言葉に、不敵に笑うカシマル。プラネッタの頭部から、ピンクの禍々しい色をした輪っか……フォトンマットが放出される。

 

……あいつ、何したんだ?

 

こけおどし……って訳でもなさそうだけど……

 

何だよ! 大したこと、仕掛けてねえみてえだな!

 

ヴァン「!」

 

ヴァンの耳に、いや、心に、何かが響く……。

 

……早く! こちらです!

 

急げ……!

 

ちっ、何だってヨロイがこんな所で……!

 

鉄道警備隊は早く取り締まれよ!

 

ヴァン「……あ?」

 

この感覚は……何だ?

 

皆の声が聞こえてくるような……

 

心の声を、無理矢理聞かせてるのか……?

 

ヴァン「何だよ、これ……」

 

訳の分からない状況に、ただ惑うばかりのヴァン。

 

……私の声が、言わんとしようとしていた事が、漏れるか……ならばこの機に答えよう……ヴァン!

 

ヴァン「……!」

 

ディアブロから、ガドヴェドから漏れる、心の声……否が応にも、それはヴァンの心へと届いてしまった……。

 

〜スカイガーデン〜

一方、スカイガーデン……レイの放った銃弾は、ウーとファサリナに妨げられ、仇敵の命を奪う事はできなかった。

 

ガウリ(姫様達を守るために馳せ参じたが、この状況……)

 

凱(ガウリ隊長が来て、やっと一進一退か……!)

 

レイ(仕留め損ねたか……だが!)

 

アスハム(気持ちは分かるが、足元を掬われるなよ……レイ・ラングレン)

 

ファサリナ(同志を凶弾から守れはしましたが……)

 

ウー(総裁め……こうなる事が分かっていながら、何故ここに連れてきた!)

 

ガウリの乱入もあり、三つ巴の状況となる……も、三者三様の睨み合いが続くばかりであった。

 

カギ爪の男(これは……不思議ですね。皆の声が聞こえてきます)

 

心を伝うプラネッタのオーバースキルが、彼らの元にも影響する……その状況でカギ爪の男は皆の「声」を聞き、感嘆していた。

 

キッズ(私の部下による手腕です……ご気分はいかがですかな、同志よ)

 

カギ爪の男(とてもいい……相手の気持ちを理解するのは、お友達になる第一歩ですから)

 

キッズ(お気に召しましたようで何より……私としても、後ろから刺される杞憂が消えた)

 

心の中でそう呟き、じろりと後方へ目を動かす。

 

ウー(我々に釘を刺したつもりか……!)

 

ファサリナ(同志への愛がないから、こんな事を……!)

 

キッズ(何とでも心の中で叫ぶがいい……この力がお前達の理想に繋がるからこそ、体感させてやったと言うのだからな)

 

武器を構えたファサリナとウーが、歯噛みしながら睨みつける。

 

カギ爪の男(喧嘩はやめてください……お友達同士でそんな事、よくありませんよ)

 

それにしてもこのスキルはいい……私の心も、皆に伝わるのですから……

 

ガウリ(この男……まるで氷の大地にひび入るクレバスのように……!)

 

凱(冷たく暗く、そして澄んでいる……荒涼とした闇……!)

 

カギ爪から感じ取られる心の風景……2人はただ、慄くしかできなかった。

 

カギ爪の男「ええと、銃使いの人……貴方は私に、奥さんを殺されたのですね?」

 

レイ「……!」

 

カギ爪の男「それで、復讐に生きるお兄さんを止めたいと……君はそう思っている」

 

ジョシュア「!」

 

カギ爪の男「そして、そのお隣の方……君の妹さんは、黒いサザンクロスに捨てられてしまった」

 

アスハム「そうだ……だから私は……!」

 

カギ爪の男「後は……ああ、エクソダスのために、お友達を犠牲にしてしまった方もいるんだ」

 

ガウリ「!!」

 

アナ「え……」

 

ママドゥ「ガウリ、お前……」

 

ガウリ「……いずれ話すつもりだった……だが、こんな形で明かされるとはな……!」

 

カギ爪の男が、心を覗く……隠していた事、秘めていた事……全てが、明らかにされていた。

 

カギ爪の男「うん……うん……家族や仲間と離れ離れで寂しい……孤独を感じている……皆、辛い事や苦しい事、色んな事でいっぱいだ」

 

ウェンディ「……」

 

アトラ「……」

 

アナ「……」

 

ジゼラ「……」

 

凱「……」

 

カギ爪の男「だけど、今からでも遅くはない……私と一緒に夢を見ましょう。そうすれば、貴方達の心の不安は、全てなくなる……皆とも一緒になれる……幸せに、近づけるのですよ」

 

カギ爪が伸びる、一同の下に───

 

 

 

 

 

???「そんな言葉に、誰が耳貸すかよ」

 

 

 

 

 

───空の庭園に、鉄の華が咲く。闇の中に、漁火が灯る。

赤い突撃艦が、闇に包まれた天蓋を打ち砕いた───。

 

〜〜〜

外では……先程まで肩を並べていた2機のヨロイが、再び向かい合っていた。

 

ガドヴェド「そうだ……ヴァン。同志をかつてのオリジナル7に引き合わせたのは……婚礼の前に導いたのは……この私だ」

 

ヴァン「!」

 

ガドヴェド「謂わば全ての原因はこの私……だが、後悔はない! 同志を引き合わせた事で、この腐敗した世界も変わると思ったからだ!」

 

本当にそうか……? 私は、犠牲となった命から目を背け、そう言い聞かせているだけではないか……?

 

ヴァン「知るかよ……今更、あんたの迷いなんか……!」

 

ガドヴェド「ぬう……!」

 

プラネッタのオーバースキル……やっぱり効くわね、こういうお馬鹿さんには!

 

カシマル「フフフ……揺らぐ信念に走る亀裂……声になった表層意識が解放されて、さっぱりしたじゃないの!」

 

善意の嘘も汚い騙しもささやかな秘密も……全て曝け出して、空中分解しちゃってぇ!

 

カシマル「そう! 私はこれが見たかったのですよ!」

 

ドモン「貴様……!」

 

プリシラ「本っ当、趣味の悪い奴……!」

 

カシマル「何とでもお言いなさい! せっかくのオーバースキルを、使わないのは持ち腐れでしょう!」

 

敵からの罵声も何のその、高らかにそう言い放つカシマル……彼の口端から、心の奥底から、嗤いが漏れる。

 

ガドヴェド「私を討つなら、そうするがいい……それが私の贖罪だ。だが……私の前で倒れるならば……それが私の断罪だ!」

 

ヴァン「うああぁぁぁーーーっ!!!」

 

互いに斬り合うヴァン達……その心は、つけ込んだオーバースキルに支配されていた。

 

チボデー「お前ら! 今はそんな事してる場合じゃねえだろ!」

 

スターシルバー「敵のやる事に、乗せられてんじゃねえよ!」

 

アデット「ケジメなら、後にしろってんだ!」

 

ヴァン「うるせえぇぇぇーーーっ!!」

 

仲間の声も、今の彼には届かない。

 

プリシラ「ヴァン……!」

 

ジャック「くそったれが……おれ達の声は聞こえねえってのかよ……!」

 

カシマル「フフフ……さて、そろそろ止めといきましょうか! 私がダイヤモンドだと思っていた貴方達は所詮、簡単にひび割れる石ころに過ぎなかったという事でねぇ!」

 

漁夫の利を狙おうとするプラネッタ……

 

ゲイナー「させないっ!」

 

サラ「ゲイナー君!?」

 

……そこに、キングゲイナーが立ち塞がった。

 

カシマル「邪魔をしますか……髪の毛付き! ですが、貴方が来たところで!」

 

ヴァンさんとガドヴェドさんは……自分達の思いを、お互いにぶつけ合っている……周りが見えなくなる程に!

 

……心の中で、ゲイナーは強く、そう思っている。

 

ベロー「あいつ……何するってんだ!?」

 

フォント「ゲイナー……!」

 

……だったら、僕だって!

 

覚悟を決める。思い切り息を吸い込み、そして───

 

 

 

 

 

ゲイナー「サラァァァーーーッ! 好きだぁぁぁーーーっ!!」

 

 

 

 

 

───僕の中にある想いを、ぶつけてやる!

 

ヴァン「……あ?」

 

ガドヴェド「ぬ……?」

 

サラ「え……!?」

 

……唐突な出来事に、目を丸くする面々。

 

ゲイナー「サラ! 愛しているんだ! サラ! エクソダスをする前から好きだったんだ! 好きなんてもんじゃない! サラの事はもっと知りたいんだ!」

 

サラの事はみんな、全部知っておきたい! サラを抱き締めたいんだ!

 

ジャック「な、何だってんだ……?」

 

チボデー「いいぞぉ、シベリアボーイ!」

 

ジョルジュ「ふ……」

 

潰しちゃうくらい抱き締めたい! 心の声は、心の叫びでかき消してやる!

 

ゲイナー「サラッ! 好きだ! サラァァァーーーっ! 愛しているんだよ! 僕のこの心の内の叫びを、聞いてくれ! サラさぁぁぁーーーんっ!」

 

クラスが同じになってから、サラを知ってから、僕は君の虜になってしまったんだ! 愛してるって事! 好きだって事!

 

三日月「へぇ……」

 

アデット「やるじゃないか、あいつ!」

 

僕に振り向いて! サラが僕に振り向いてくれれば、僕はこんなに苦しまなくって済むんです! 優しい君なら、僕の心の内を知ってくれて、僕に応えてくれるでしょう……僕は君を、僕のものにしたいんだ! その美しい心と、美しいすべてを!

 

サラ「ゲイナー君……!」

 

誰が邪魔をしようとも奪ってみせる! 恋敵がいるなら、今すぐ出てこい! 相手になってやる! でも、サラさんが僕の愛に応えてくれれば戦いません……僕はサラを抱きしめるだけです!

 

フォント「ゲイナー……お前ってやつは……!」

 

ゲイナー「君の心の奥底にまでキスをします! 力一杯のキスをどこにもここにもしてみせます!」

 

キスだけじゃない! 心から君に尽くします! それが僕の喜びなんだから! 喜びを分かち合えるのなら、もっと深いキスを、どこまでも、どこまでも、させてもらいます!

 

プリシラ「すごい……すごいよ、あの子!」

 

アレンビー「よかったじゃないの、サラ!」

 

サラ「何がいいのよ! こっちからすりゃ、たまったもんじゃないわよ!」

 

あの馬鹿! 何て事叫んでるんだぁ!

 

ゲイナー「サラ! 君がツンドラの中に素っ裸で出ろというのなら、やってもみせる!」

 

心の内を解放し、晴れやかな顔をするゲイナー。周囲の面々は驚き、笑い……赤面する者もいた。

 

ドモン「よく言った、ゲイナー! ならば、俺も続く!」

 

ドモンも負けじと、息を吸い込み、叫ぶ。

 

ドモン「レイィィィーーーン! 俺は、お前が好きだぁぁぁーーーっ!! 俺は、俺はずっと、お前を愛しているぅぅぅーーーっ!!!」

 

かつてと同じように、ドモンもまた、愛する者への想いを叫んだ。

 

レイン「全く……ドモンったら……」

 

アレンビー「そんな事言って、嬉しいくせに!」

 

チボデー「こっちもこっちでよ……ハッ! 焼けちまうな、こいつは!」

 

ジョルジュ「2人の叫び……私も感じます……愛というものの力を!」

 

ヴァン「ったく……馬鹿共がよ!」

 

2人の愛の叫びに、素面になるヴァン。

 

ヴァン「だったら俺だって叫んでやるよ……エレナァァァーーーッ!!!」

 

彼の叫びもまた、天まで届いた……おそらくは想い人のいるであろう、星空の輝く夜空へ。

 

ああ……何て素晴らしい……

 

ヴァン「!!」

 

……澄み切った、禍々しい声が心に響く。今まで探し求めていた、愛する者の仇……

 

皆が皆に、愛を叫ぶ……そうだ、私の夢が目指す先は、こういう世界なんですよ。

 

ヴァン「いた……!」

 

空飛ぶ黄金色のヨロイが、ダンを横切る……

 

 

 

 

 

そこに、いた。

 

ヴァン「見つけたァァァーーーッ!! ハハハハハ!! 見つけた、見つけたぞぉぉぉーーーっ!!」

 

仇敵の姿を捉え、狂ったように笑い叫ぶ……狂気的に、冷静に、その目は輝いていた。

 

カシマル「ええ〜いっ! 惚気もイカれも大概にしなさい! こうなれば、こちらのオーバースキルをカットさせてもらいます!」

 

堪りかねたカシマルが、オーバースキルを切る。表に出ていた心の声は、各々の胸の内に秘められる事となった。

 

カシマル「ふふふ……これでシリアスに戦う事ができる……」

 

???1「……そうしてくれて助かったぜ」

 

???2「ああ……悪いが、今だね」

 

得意気になるカシマル……その隙を縫い、どこからか弾丸が放たれた。

 

カシマル「なっ……!」

 

姿を現すは……イサリビとガチコ。銃弾は真っ直ぐに飛び、プラネッタの額を貫いた。

 

カシマル「お前は……黒いサザンクロス!」

 

辰也「それに加えて、俺達もいるぜ!」

 

剣児「こっちは暴れ足りねえんだ……遠慮なく、ぶっ潰させてもらうぜ!」

 

イサリビから、更に数機のロボットが現れる。

 

ガウリ「……」

 

凱「ガウリ隊長……」

 

ガウリ「……分かっている。今はただ、目の前に集中するのみ!」

 

表情に翳りを見せるガウリ……それでも、心の闇に囚われる事なく、前を向く。

 

タクヤ「お〜い、みんな〜!」

 

イサリビの窓から、子供達が手を振る……勇者達はそれに気づき、一段と声色が明るくなった。

 

ゴルドラン「主達よ!」

 

スターシルバー「凱とガウリは、ちゃんとやってくれたみたいだな!」

 

アドベンジャー「ああ……これで残るは、パワーストーンか……!」

 

アドベンジャーがそう呟く……

 

???1「……それの事なら、心配はいらない!」

 

???2「何故なら、我々がいるからだ!」

 

……と、ゾネットの方向から、3機のロボットが姿を現した。

 

カシマル「その声……貴方達は!」

 

ジャボリ「私達の採掘作業を邪魔してた奴!」

 

 

 

 

 

舞人「そう、その通り!」

 

マイトガイン「銀の翼に望みを乗せて、灯せ平和の青信号!」

 

舞人「勇者特急マイトガイン、定刻(ダイヤ)通りに只今到着!」

 

 

 

 

 

待ってましたとばかりに口上を述べるは、嵐を呼ぶナイスガイ……旋風寺舞人。

 

辰也「舞人!」

 

凱「ここに飛ばされていたんだな!」

 

仲間達は、彼との再会を喜び、燃えていた。

 

舞人「ええ……色々あって、ゾネットに身を寄せていました」

 

ザッキ「反シベ鉄組合の新参者! 仲間共々、警備隊員達が遊んでやってたはずだが……!」

 

舞人「あまり俺達を舐めてもらっちゃ困るな。あの程度の壁、他の皆と心強い助っ人達で乗り越えさせてもらったよ」

 

隼人「鍛え方がなっちゃいないな、シベ鉄」

 

カルメン99「本当はあの女を優先したかったけど……情報提供の借りもあるしね」

 

ケジナン「チッ……無茶苦茶な奴らだぜ!」

 

カシマル「役立たず共は減給するとして……そうだ、例のダイヤはどうなったのです!」

 

舞人「それの事なら……タクヤ、カズキ、ダイ!」

 

マイトガイン「受け取れ……新たな勇者だ!」

 

マイトガインがイサリビに近づき、タクヤ達へとパワーストーンを手渡す。

 

タクヤ「ありがとう、マイトガイン!」

 

バトルボンバー「よっしゃあ! いっちょ頼むぜ!」

 

ガードダイバー「見せてください……新たな勇者の誕生を!」

 

タクヤ「分かった! 黄金の力守りし勇者よ……今こそ蘇り、我が前に現れ出でよ!」

 

いつもの如く、タクヤが呪文を唱える。そして、現れた───

 

 

 

 

 

ジェットシルバー「空の騎士……ジェットシルバー!!」

 

 

 

 

────赤く輝く騎士の姿が。

 

ジェットシルバー「私の名はジェットシルバー……主達よ、よろしく頼みます」

 

カズキ「へぇ〜、礼儀正しい奴」

 

ダイ「よろしくね、ジェットシルバー!」

 

タクヤ「それじゃあ早速! シベ鉄の奴ら、コテンパンにやっつけちゃって!」

 

ジェットシルバー「ラジャー!」

 

勢いよく叫び、シベ鉄の方へと向くジェットシルバー。

 

オルガ「さて……と。役者は揃ったな」

 

レイ「……」

 

アスハム「……」

 

オルガ「あんたら、どうするよ? 俺達と戦うなら戦うで助かるが……別に逃げちまっても構わねえぜ」

 

レイ「俺の邪魔をしないなら、それでいい……お前はどうだ、アスハム・ブーン」

 

アスハム「シベリア鉄道は、今の私の所属……元より刃を向けるつもりはない。が、今の警備隊に与する気分でもない……よって! 私はこの戦い、関与はしない!」

 

そう言うとアスハムは、ゴレームを動かし、後方へと撤退した。

 

ザッキ「あ、アスハム大尉殿!?」

 

アスハム「そういう事なのでな、ザッキ! ここはお前に一任する!」

 

ザッキ「大尉がそう言うなら……任されましたよ!」

 

姿の見えなくなった上官……その跡を尻目に、ザッキは前へと目を向けた。

 

ジェットシルバー「新たに目覚めた私の使命……それは、主をお守りする事!」

 

ゲイナー「想いは全て出し切った……だけど、まだまだ戦える!」

 

舞人「覚悟しろ、シベリア鉄道! ここがお前達の終着駅だ!」

 

ヴァン「やっと見つけた……あいつを、カギ爪の野郎を! 俺はあいつを殺す……その道に、塞がってんじゃねえよ!」

 

そして、戦いが始まった。

 

〜戦闘再開〜

ヴァン(初戦闘時)

ヴァン「ガラにもねえ事叫んじまったが……何だろうな、この気分はよ……」

ヴァン「……待ってろ、エレナ! お前を殺したカギ爪を見つけた! 俺は今から、あいつをぶっ殺しに行ってやるからな!」

 

 

ヴァン(対カシマル)

ヴァン「どけよ。あいつを見つけたんだ……やっと、あいつの姿を……!」

 

カシマル「そんな事を言われて、どくお馬鹿さんがいますかってねぇ! せっかくの作戦をフイにした貴方達を……」

 

ヴァン「うるせえな! やっと見つけたカギ爪を殺すんだ……そこに、お前は邪魔なんだよぉっ!!」

 

 

レイ(初戦闘時)

レイ「カギ爪め……次に見つけた時が、お前の最期だ!」

 

アスハム『レイ・ラングレン……逸る気持ちは抑え、目の前の事に集中しろ。それとな、この戦いが終わった後、話がある……だから!』

 

レイ「……分かっている。俺はまだ、ここで死ぬ訳にはいかない……奴を殺すまでは!」

 

 

レイ(対シベ鉄)

アスハム『シベリア鉄道警備隊、改めてお前達に告ぐ……今回、私は戦線に出るつもりはない。私の助けを当てにせん事だな』

 

ケジナン「誰がんな事! むしろ、ロンドンの出しゃばりがないってんで、気楽に戦えるってもんよ!」

 

ジャボリ「そんな……アスハム様……」

 

エンゲ「ま……あんたの出る幕はないってんなら、好きにやらせてもらいますよ」

 

アスハム『よし……それでは任せたぞ、警備隊各員!』

 

レイ「……話は終わったな。ならば遠慮はしない……邪魔をするなら、お前達も!」

 

ケジナン「あんたが出ねえってんなら、こいつも下げてやってくださいよぉ!」

 

 

レイ(対カシマル)

レイ「カシマル・バーレ……お前もシベ鉄内部に巣食う、カギ爪の一派と聞いている」

 

アスハム『既に裏は取っている……言い逃れは不要、貴様も詰みよ!』

 

カシマル「そうと言えばそうとも言う! 総裁のお遊びで、私までとばっちり食うなんてねぇ!」

 

レイ「言い訳は不要だ……形はどうであれ奴に従っていると言うのなら……撃つ!」

 

 

プリシラ(初戦闘時)

プリシラ(ゲイナーの事、頼りなさそうだと思ったけど、あんな風に自分を出せるなんて……それにヴァンも……)

プリシラ「よ〜し! 私も負けてられない! 私も気持ちを思いっきり出して、ブラウニーの全力を引き出すんだ!」

 

 

ガドヴェド(初戦闘時)

ガドヴェド(私はまだ、迷いの中にいるのか……あの時、同志と共に歩むと決めた……今も、新しき力が目覚めた……だと言うのに……!)

ガドヴェド「……迷いを捨てろ、ガドヴェド・ガオード! 私はオリジナル7……同志の理想を支える者だ!」

 

 

ヤーパンの天井(初戦闘時)

ゲイン「よくもやらかしてくれたな、ゲイナー! おかげで敵さんの術を封じる事ができた!」

 

ベロー「男だよ、お前は! 俺、ご尊敬申し上げっからよ!」

 

ゲイナー「僕は別に……自分の想いを叫んだだけです。あの2人が、自分達の思いをぶつけて戦ってたから……」

 

アデット「さっすがはあたしの生徒だ! 自慢のゲイナーには、ご褒美を与えてやらないとねぇ、サラ!」

 

サラ「アデット!」

 

ガウリ「……喜ぶのは、全てが終わった後だ。分かっているな、ゲイナー」

 

ゲイナー「は、はい……もちろんですよ!」

 

アデット「……」

 

 

ゲイナー(対カシマル)

カシマル「青春も大概になさい! 私達は今、戦っているのですよ!」

 

ゲイナー「僕は僕の心の中にある、想いをぶつけただけだ! これでも足りないって言うなら、絞り出してでも!」

 

カシマル「いい加減にしなさいっての! プラネッタのオーバースキルを切ったとて、ヤーパンのオーバーマンに負ける訳にはいかないのですよ!」

 

 

ゲイン(対カシマル)

カシマル「やってくれましたね……黒いサザンクロス!」

 

ゲイン「目をかけてた奴が、大人になったんだ……俺も一肌脱がないとな」

 

カシマル「……ですが! だとしても貴方達に勝ち目はありません! スキルがなかったとて、センスがあればねぇ!」

 

ゲイン「それはどうかな……スキルもセンスも、あいつの方が!」

 

 

アデット(対ケジナン)

ケジナン「ヤーパンのガキが気持ちを伝えたんだ……俺だって!」

 

アデット「な……何するってんだい、ケジナン!?」

 

ケジナン「姐さん……ヤッサバ隊長がいない今だからこそ、言わせてもらいます! ……俺の嫁さんになれぇぇぇ〜〜〜っ!」

 

エンゲ「ええ……?」

 

ジャボリ「自分の姿を鏡で見なさい!」

 

アデット「……自分の気持ちを伝えるのは結構。でも残念だねケジナン……あたしゃヒキガエルは、趣味じゃないんだよ!」

 

 

勇者特急隊(初戦闘時)

マイトガイン「やっと我々の出番だな、舞人!」

 

バトルボンバー「おう! 待ちくたびれたぜ!」

 

ガードダイバー「こうして仲間達と共に戦える……その喜びを分かち合うためにも、この戦いは勝利で終わらせましょう!」

 

舞人「ああ……ゾネットのために、シベリアの大地のために……勇者特急隊、出動だ!」

 

 

舞人(対カシマル)

カシマル「反シベ鉄組合の新入りに、噂の勇者特急とやら……ダイヤを守るべき列車が、我々のダイヤを乱すなどと!」

 

マイトガイン「生憎だが、悪党の敷くルールを守る道理はないのでな」

 

舞人「お前達はシベリアに住む人々を苦しめている……同じ鉄道に携わる者として、放ってはおけない!」

 

カシマル「どこまでも我々に逆らおうとするその傲慢……許してはおけません! 嵐を呼ぶとか何とかって流儀を見せる前に、その鼻っ柱をへし折ってあげましょうとも!」

 

舞人「そっちがその気なら容赦はしない! ゾネットの平和を守るために、シベリア鉄道は廃線にさせてもらう!」

 

 

ジェットシルバー(初戦闘時)

タクヤ「行け〜、ジェットシルバー! あいつら、コテンパンにやっつけちゃって!」

 

ジェットシルバー「ラジャー! 私を目覚めさせてくれた主のためにも、騎士として全力を尽くします!」

 

 

レジェンドラの勇者(対カシマル)

カシマル「ほほう……ダイヤモンドの騎士が、目の前に現れるとは! そんなお子様に使われるなど勿体無い……ので! 私が使ってあげますとも!」

 

ジェットシルバー「残念ですが、騎士は悪の命令には従いません……ご容赦の程を!」

 

スターシルバー「よく言ったぜ、ジェットシルバー!」

 

カシマル「従う事しか能のない騎士風情が、そんな口を叩きますか!」

 

ジェットシルバー「……今、貴方は騎士の誇りを侮辱した……その言葉、許してはおけません!」

 

ゴルドラン「新たな一員が揃った我々の力……思い知らせてやる!」

 

 

ドモン(初戦闘時)

ドモン(ゲイナー……お前の叫びは、俺の心に響き……そして、闘志に火をつけた!)

ドモン「お前に応えよう、ゲイナー……俺の中で燃える心と、この拳でな!」

 

 

レインorアレンビー(初戦闘時)

アレンビー「すごいね、ゲイナーの奴! あたし、あいつの事見直したよ!」

 

レイン「ふふ、そうね」

 

アレンビー「嬉しそうだね、レイン! やっぱり、大好きな人に愛してるって言われたから?」

 

レイン「勿論よ。ドモンが自分の想いを叫んでくれた……だから、私も戦える!」

 

アレンビー「そっか……2人を見てたら、あたしも燃えてきたよ! 絶対負けてやるもんかって気持ちがね!」

 

 

シャッフル同盟(対カシマル)

カシマル「シベリアのど真ん中で、愛なんて叫んで! いい歳した大人が、子供なんかに釣られちゃってぇっ!」

 

ドモン「他者の想いを否定する……そんな奴に、俺達は負けない!」

 

チボデー「どうせなら、俺達も叫んでやるぜ! シャリー、バニー、キャス、ジャネット! 俺の愛する女達だ!」

 

ジョルジュ「マリアルイゼ様……私は常日頃より、貴方をお慕いしております!」

 

サイ・サイシー「待っててくれよ、セシル! オイラ絶対、またお前に会いに行ってやるからな!」

 

アルゴ「ナスターシャ……お前は俺にとって、信頼のおけるパートナーだ!」

 

カシマル「どいつもこいつも惚気てばっかで! 心の声はもう聞こえていないのですよ!」

 

ドモン「聞こえていようとなかろうと、俺達の炎は消える事はない! 俺達の前に燃え尽きろ、シベリア鉄道!」

 

 

オルガ(初戦闘時)

オルガ「何とか全員集められたな……ただ、よりにもよってカギ爪の野郎を取り逃がしちまったがよ」

 

ユージン「ああ……ま、やらかしちまった事は、その分働いて返す! そうすりゃ、ヴァンの奴もとやかく言わねえ……と思うぜ?」

 

オルガ「そうだな……んじゃ行くぞ!」

 

 

辰也(初戦闘時)

ジゼラ「ゲイナーさん……あんな風に気持ちを伝えて……」

ジゼラ(私も、ああいう風にはっきり言えたら……)

 

辰也「すげえよな、あいつ……自分の好きを、堂々と叫んだんだからよ。俺も、見習わねえとな」

 

ジゼラ「辰也さん……」

 

辰也「……やっぱ、ヨロイとかオーバーマンについて叫んだ方がいいか? いや、ここはあえて俺達に馴染みのあるマジンガーとかで……」

 

ジゼラ「……結局、そういう方向性なんですね、辰也さんは……」

 

辰也「はは……ああ、そうだな!」

 

 

〜〜〜

ジェットシルバー「このジェットシルバーがお相手しよう」

 

ジェットシルバーがジェット機に変形し、敵を翻弄する。

 

ジェットシルバー「ジェットスピアー、マッハ突き!」

 

再度人型に変わると、高スピードの突きで多数の機体を蹴散らした。

 

ゴルドラン「後は任せろ、ジェットシルバー!」

 

ゴルドランも剣を構え、相手に突進する。

 

ゴルドラン「スーパー竜牙剣! 一刀両断斬り!」

 

繰り出される剣が、機体を真っ二つに断ち裂いた。

 

タクヤ「やるじゃん、ジェットシルバー!」

 

スターシルバー「へっ、俺も負けてられねえな!」

 

彼らの活躍に、勢いづく勇者達。

 

ドモン「俺のこの手が真っ赤に燃える……!」

 

アレンビー「勝利を掴めと、轟き叫ぶ!」

 

ゴッドガンダムやノーベルガンダム、シャイニングガンダムも右手を熱く輝かせる。

 

レイン「行くわよ……愛と、怒りと、悲しみの!」

 

ドモン「ばぁぁぁーーーくねつっ!!」

 

アレンビー「ゴッド! フィンガァァァーーーッ!!」

 

灼熱の掌が、敵を燃やす。

 

ヴァン「チェェェーーーストォォォーーーッ!!」

 

レイ「デリート……!」

 

ガドヴェド「これが、理想のためのオリジナルの力だ!」

 

ヨロイ達も、蛮刀、斧、銃と……それぞれの武器で、敵を蹴散らしていった。

 

ケジナン「や、やべぇ……!」

 

ザッキ「仕方ない……ここは撤退する!」

 

繰り出される猛攻に戦意を失い、警備隊は撤退する。

 

カシマル「まだ敵がいると言うのに、もう帰ると言うのですか!? しかし、そうであるならば私も……っ!?」

 

ゲイン「おっと、逃すつもりはないさ」

 

逃げ出そうとするプラネッタに弾丸を撃ち込むガチコ。

 

ゲイン「ゲイナー、行け!」

 

マイトガイン「我々も行くぞ、舞人!」

 

ゲイナー「はい!」

 

舞人「分かったぜ、ガイン!」

 

掛け声と共に、敵へと向かうキングゲイナーとマイトガイン。

 

ゲイナー「心が読めない今なら、キングゲイナーのスピードにはついて来れないと見た!」

 

キングゲイナーが猛スピードで敵の周りを囲う……その速さはまるで、分身かのようであった。

 

舞人「翻弄しているうちに……今だ!」

 

その隙を突き、マイトガインが動輪剣を構え、近づく……そして。

 

ゲイナー「後ろから……真っ向唐竹割りぃぃぃーーーっ!!」

 

舞人「動輪剣……横! 一文字斬りぃぃぃーーーっ!!」

 

……それぞれの必殺が、プラネッタを4つに切り裂いた。

 

カシマル「ぬおぉぉっ!?」

 

十字の切り傷を残し、おぼつかなく動くプラネッタ。

 

カシマル「やってくれましたね、髪の毛のお化けに噂の勇者特急……ですが、こんな所で死ねませんよ……!」

 

苦悶の表情を浮かべながら、カシマルがボタンを押す……と、プラネッタからコックピットが射出され、空へと飛び上がった。

 

カシマル「ゲイナー・サンガ! 旋風寺舞人! 貴方達はブラックリスト入りしましたからねぇっ!!」

 

……そして、カシマルの叫びと共に、夜空の向こうへと消えていった。

 

レイ「……終わりか」

 

ゲイン「そうみたいだな」

 

オルガ「んじゃ、とっとと戻ろうぜ」

 

戦いを終え、イサリビへと戻ろうとする各機体……

 

ガドヴェド「……まだだ」

 

……その動きを止めたのはガドヴェド……斧を大地に突き立て、ディアブロを支える。

 

ガドヴェド「ヴァン……私と戦え」

 

その斧を引き抜き、ダンへと向けた。

 

ヴァン「……ああ。あんたとはまだ、勝負の途中だったからな」

 

ダンもまた、それに応えるかのように、蛮刀を構える。

 

剣児「いいのかよ? ヴァンもあの爺さんも、結構キてんじゃねえか?」

 

アデット「やらせてやりな。あの2人、訳アリって感じだしね」

 

オルガ「こいつはヴァンのケジメだ……水を差すのは、余計なお世話ってもんだろ」

 

ドモン「ああ……双方共、準備はいいか!」

 

互いに対峙するダンとディアブロ……その後方で、ドモンが高らかに叫ぶ。

 

ヴァン「お前らに言われなくてもな……!」

 

ガドヴェド「行くぞ、ヴァン……我らの理想の、礎となれ!」

 

ヴァン「あんたを倒して、カギ爪を殺す……押し通るぜ、ガドヴェド!」

 

2機のヨロイが、ぶつかり合う……過去を振り切るように、未来を目指さんとするように。

 

〜戦闘再開〜

ヴァン(初戦闘時)

ドモン「この勝負、横槍を入れるつもりも、入れさせるつもりもない……行け、ヴァン!」

 

オルガ「あの野郎を殺す前に、あんたのケジメをつけろよ」

 

ゲイン「見せてみろ、お前の覚悟を」

 

ウェンディ『ヴァン……』

 

ヴァン「ああ……行くぜ、ガドヴェド! 俺はあんたを倒して、カギ爪を殺す! 迷う理由も必要もねえ! あいつがエレナを殺して、俺の幸せを奪ったからだ!」

 

 

ヴァン(対ガドヴェド)

ガドヴェド「剥き出しの刀に、納められる鞘……いい仲間を持ったな、ヴァン」

 

ヴァン「あんたは話をするために、ヨロイに乗ってんのか?」

 

ガドヴェド「……違いない。だがヴァンよ、もう一度聞かせてもらう。私と共に、同志と共に歩むつもりはないか?」

 

ヴァン「何度聞かれようが答えは同じだ……エレナを殺した奴の仲間になる気はねえ!」

 

ガドヴェド「そうか……であれば私はお前を裁く……同志の理想の敵として!!」

 

ヴァン「俺も同じだ……あいつの前に立ち塞がる壁として、俺はあんたをぶった斬る!!」

 

 

〜〜〜

蛮刀と斧がぶつかり合う。力の差か、経験の差か……ディアブロが押しているように見えた。

 

ヴァン「くっ……!」

 

猛攻に膝をつきかけ……それに反するように蛮刀を突き立てるダン。

 

ガドヴェド「どうした、ヴァン! お前の覚悟とやらは、そんなものか!」

 

ヴァン「うるせえ……!」

 

ガドヴェド「ヨロイの力を引き出せぬようであれば、改造した意義がない……私は何を考え、お前にダンを与えたのだ……!」

 

ヴァン「知るかよ……!」

 

ガドヴェド「ならば立ち上がり、戦え……そして私を倒してみせろ! それが私の贖罪だ!」

 

蛮刀を支えに辛うじて立つダンに、斧を振りかぶるディアブロ。

 

ガドヴェド「だが、私の前に倒れるのならば……それが私の断罪だ!」

 

ヴァン「ごちゃごちゃと訳の分かんねえ事を……!」

 

ガドヴェド「贖罪か、断罪か……贖罪か! 断罪か!」

 

ヴァン「あんたの迷いなんざ知るかぁぁぁーーーっ!!」

 

振り下ろされる斧、それを弾く蛮刀……衝撃が、ヨロイ同士を反発させた。

 

ヴァン「……ガドヴェド……俺はさ、あんたが好きだった。頑固にてめえの掟を守るあんた……今でもそうだ……だから!」

 

……ヴァンが呟く。蛮刀を構える。そして……振りかぶり、走る。

 

ヴァン「あんたが邪魔なら、力尽くで押し通る!」

 

ガドヴェド「ほざくなぁぁぁーーーっ!」

 

ヴァン「通るんだよぉぉぉーーーっ!!」

 

ダンとディアブロ、ヴァンとガドヴェド、蛮刀と斧、復讐と理想……それぞれが、交錯する。

 

ヴァン「チェェェーーーストォォォーーーッ!!」

 

衝撃が走り、爆煙が覆う。

 

辰也「くっ……!」

 

フォント「この力のぶつかり合い……どうなったんだ、2人は!?」

 

暫しの混乱の後、煙が晴れる。現れたのは───

 

 

 

 

 

ヴァン「……ガドヴェド」

 

ガドヴェド「……何だ」

 

ヴァン「いつか……同じ夢の話をしよう」

 

ガドヴェド「……楽しみだ」

 

 

 

 

 

───限界を迎え、大地に膝をつけるダン。そして……

 

ガドヴェド「私の……私の夢が散っていく……私が犯した……罪と共に……」

 

……首元から流体を噴き出させ、動きを止めるディアブロの姿があった。

 

 

 

 

 

ヴァン「……でもよ、ガドヴェド……話ってのは、生きてないとできねえよな」

 

ガドヴェド「……!」

 

……朦朧とし、黒く染まりかけたガドヴェドの視界が光を取り戻す……ディアブロの傷は浅く、首元から僅かにズレていた。

 

ガドヴェド「何故だ……何故、私は生きている……何故、止めを刺さなんだ、ヴァン!」

 

ヴァン「あんたが頑固に掟を守ってるままだったら、止めを刺してただろうな……そうしねえと止まらねえってのは、俺がよく知ってる」

 

ガドヴェド「ならば、何故……」

 

ヴァン「あんたが心の中で、迷ってたから……かな」

 

ガドヴェド「迷い……ふん、あのオーバーマンめ、余計な事を……」

 

荘厳な態度に戻るガドヴェド……それに反した弱々しい声が、口から漏れる。

 

ガドヴェド「……ヴァン、確かにお前の言う通りだ……同志と共に歩むと、口ではそう言いながら、その実はそこで出した犠牲に頭を抱え、弱者を虐げる者達と手を組む同志のお考えが理解できずにいた……そして、私が歩んできた道も……」

 

ヴァン「……」

 

ガドヴェド「……このような者がオリジナルなどと、恥ずべき事。私は最早、同志の側にはおれまい……」

 

ヴァン「だったら……俺達と来るか?」

 

ガドヴェド「何……?」

 

か細い声を絞り出しながら、ヴァンの方に目を向ける。

 

ヴァン「俺が今いる所はよ……何て言うか、気のいい奴らばっかでな……あんたも、少しは楽になれるんじゃないか?」

 

ガドヴェド「ヴァン……」

 

目を見合わせる。暫し瞼を閉じ、考える……ゆるりと目を開き、言葉を紡ぐ。

 

ガドヴェド「……その答えを出すには、少々時間が足りん……しばらくは、この世界を見回ってみようと思う。私の……私自身の目指す理想のためにな」

 

ヴァン「そうかよ……」

 

……風のせいか、帽子のリングが小さく音を奏でる。目を伏せ、上げた後にはもう、ディアブロの姿はなく……少し離れた場所で、体を押さえふらつきながら歩く、ガドヴェドが見えた。

 

ドモン「……終わったか」

 

オルガ「そうだな……」

 

吹き荒ぶ風はやがて止み、静寂だけが残る夜空……ぽつんと灯る漁火へと、各々は戻っていった。

 

〜〜〜

戦いの後、荒れ地と化したゾネット……ある程度の修繕を手伝い終え、それぞれが顔を見合わせた。

 

ジェットシルバー「私は空の騎士、ジェットシルバー。主達、そして勇者達よ……改めてよろしく申し上げます」

 

慇懃に努めながら、深々と頭を下げるジェットシルバー。

 

ドラン「ああ。頼んだぞ、ジェットシルバー」

 

スターシルバー「新しい仲間が増えて、心強いってもんだぜ!」

 

凱「そうだな……しかし、まさか舞人達もいるとは思わなかったぜ」

 

タクヤ「舞人の兄ちゃん達も、パワーストーンを探してここに来たの?」

 

舞人「いや、俺達がここに来たのは偶然さ。たまたまゾネットに来て、シベリア鉄道と対立してる人達に加わっていた……その最中にパワーストーンの情報を得てね、何とか手に入れられたって訳だよ」

 

ガイン「だが、単なる偶然と片付けていいのか……もしかしたら、ここに来たのも何かの運命なのかもしれない」

 

ライオボンバー「ま、何にせよ結果オーライって所だな!」

 

ファイアダイバー「そういう訳で、改めてよろしくお願いします」

 

アドベンジャー「うむ……お前達がいるなら、こちらも百人力だ」

 

勇者達が会話を弾ませる横では……

 

身堂「それにしても……あんた達の情報源が、舞人達だったなんてね」

 

門子「水臭えじゃねえかよ、黙ってるなんて!」

 

隼人「言う必要はないと思っていただけだ……カギ爪の奴らやシベ鉄共が暴れれば、どの道出てくると思っていたしな」

 

カルメン99「それに、情報元については最後まで秘密にしておくもの……情報屋としての鉄則よ。結局、バレちゃったけど」

 

剣児「んなの、秘密にする理由がねえからだろ」

 

舞人「まあまあ……2人は俺の安全を考えてくれただけだよ。それに、最後の最後で正体を表す……っていうのも、ヒーローらしいんじゃないかな?」

 

辰也「ま、そう言われりゃそうだな……憎い演出しやがってよ」

 

フォント「アキトさんが聞いたら、すごい首を振ってそうだな……縦に」

 

そんな会話を、レイは離れた場所で、遠い目をしながら眺めていた。

 

レイ「……」

 

その心には、何が浮かんでいるのか……ふと、自分と同じ目的の、黒いタキシードの男の姿が、脳裏に映る。

 

……旧知の仲とはいえ、カギ爪の手下に情けをかけるか……随分と優しいな、お前の復讐は。

 

アスハム『……繋がったか』

 

心の中で独りごちるレイの元へ、アスハムが通信を繋げる。

 

レイ「アスハム……話があると言っていたな」

 

アスハム『ああ……レイ・ラングレン。貴様は今日付けで、シベリア鉄道警備隊を解雇だ』

 

レイ「……」

 

アスハムからの言葉にも、眉ひとつ動かない……初めから、こうなる事が分かっていたかのように。

 

アスハム『貴様が追う者が、シベリア鉄道内部に侵蝕していると言うならば、ここはすなわち窮地……身を置く事が、貴様の危機に繋がるのだからな』

 

レイ「余計な気を回すか……俺は別に、そのままでも構わなかったがな」

 

アスハム『それで貴様が討たれ、復讐を果たせぬとあらば浮かばれんだろう……我が采配に感謝しろよ』

 

レイ「ふん……で、お前はそのままでいいのか?」

 

アスハム『貴様が一丁前に人の心配をするとはな……内部で奴を探る者は必要だろう? お前は外から、私は内からカギ爪の男を追えばいい……それに、私もシベリアで目的を果たさなくてはならないからな』

 

レイ「……そうか」

 

アスハム「それじゃ、その通信機はどこかに捨て置けよ。そいつはシベ鉄の備品だからな……何か情報を得たら、別の手段で伝えておいてやる」

 

レイ「……分かった」

 

通信が終わる。持っていた機器を放り投げ、踏み潰す。そして、立ち去ろうとする寸前……

 

ジョシュア「兄さん!」

 

弟の声が、耳に響いた。

 

レイ「……」

 

ジョシュア「僕も……僕も行きます!」

 

レイ「……来るな。お前は足手纏いだ」

 

ジョシュア「でも……あのカギ爪の人、今日初めて見たけど……とても危険な感じがしたし……兄さんがあの人を追うなら、兄さんの命も……」

 

レイ「余計な世話だ。シノが殺されたあの日から、俺の命は、心は……」

 

最後まで言いかけて、口を閉ざす。真っ直ぐに自分を見つめる青い瞳に、焦点を合わせる。

 

レイ「……お前には、故郷で幸せに暮らしていて欲しかった」

 

ジョシュア「兄さん……」

 

レイ「さらばだ、ジョシュア……もしお前が俺の側にいると言うなら、相応の覚悟を持て……2度と過去には戻れぬという、覚悟をな」

 

独り……どこかへと歩き去るレイ。残してきた未練は、今の彼を引き留めるには力のないものであった。

 

ジョシュア「できないよ……兄さんを放って、自分だけ知らない顔して暮らすなんて……」

 

ウェンディ「あの……」

 

ジョシュア「!」

 

寂しく、肩を振るわせるジョシュアに、ウェンディが声をかける。

 

柳生「君、さっきの人の知り合い?」

 

ジョシュア「は……はい! 僕の兄さんです!」

 

カズキ「聞いてた感じ、あんたも兄貴と離れ離れになっちまったってとこか?」

 

ジョシュア「え、ええと……そう、だと思います……」

 

ジョシュアの声が萎み、表情が暗く沈む……寸前で歯を食いしばり、顔を上げ、叫んだ。

 

ジョシュア「……あの! 僕を貴方達と一緒に行かせてください! ヨロイの整備とか掃除とか……雑用だって何だってやります!」

 

その顔には、決意が溢れていた。

 

ウェンディ「え……えっと……」

 

ジョシュア「だから……」

 

ゲイン「……別にいいさ。こっちには色々な奴を受け入れた前例がある……今更1人増えたところで、そう変わりはしない」

 

ジョシュア「!」

 

ゲイン「だが聞かせてくれ……どうして俺達の元へ? お前の兄上が言うように、故郷に帰る手もあるぞ」

 

ジョシュア「僕は兄さんに……復讐をやめて欲しかった……カギ爪の人を殺したところで、シノさんが生き返るなんて事もありませんし、そんな事、シノさんも望んでいないと思うから……」

 

ゲイン「……」

 

ジョシュア「でも……今は違います。あのカギ爪の人は危険で、兄さんがその人を殺しに行く……そしたら、兄さんはどんな危険な目に会うか……もしかしたら、命を落とす事だってあり得ます」

 

ゲイン「あの男も、それは承知の上だと思うがね」

 

ジョシュア「だから! 僕は兄さんのために強くなりたい! 強くなって、兄さんを助けられるように……兄さんの側にいられるように……そう、思ったから……!」

 

紡ぐ言葉が、喉に引っかかる……それでも、何とか絞り出すように答えた。

 

ゲイン「……分かった。そういう事なら歓迎しよう」

 

ジョシュア「……はい! よろしくお願いします!」

 

少年の覚悟を聞き入れ、フッと微笑するゲイン。ジョシュアの顔も一転、ぱっと明るくなる。

……その近くでは、オルガとユージンが、ヴァンに頭を下げていた。

 

オルガ「……悪い、ヴァン。カギ爪の野郎を逃しちまった」

 

ユージン「言い訳になっちまうけどよ、黄色いヨロイが乱入してきてな……中にいる奴らを出すにも、場所が場所でよ……」

 

ヴァン「いいさ……今はまず、あいつを見つけられたんだ……それに、どうせ最後は俺が殺すんだからな」

 

声を荒げず、落ち着いて話すヴァン……意外な反応だと心の中で呟くも、オルガ達の顔は真剣な様を崩さなかった。

 

オルガ「すまねえ……だが改めて言わせてくれ。俺達はあんたを支えて、あんたのケジメを見届けさせてもらう……縁が続くなら、復讐を果たした後にもな」

 

ヴァン「……勝手にしろ」

 

ちらと横目を流し、そう吐き出す……心なしか、ヴァンの口角が上がっているようにも見えた。

 

ヴァン「……ところでよ、ゲイナー……お前、やるじゃねえか」

 

ゲイナー「えっ?」

 

ヴァン「お前……あの時お嫁さんの名前、叫んだろ」

 

ゲイナー「お、お嫁さんって……そりゃあ、サラと一緒にそういう道も歩みたいと思ってるけど……」

 

サラ「はぁ!?」

 

アレンビー「はっきり言うじゃない!」

 

プリシラ「すごい積極的だね、ゲイナー!」

 

ドモン「ふ……あの時のお前の叫びがあったからこそ、俺達の心は熱く滾った……礼を言うぞ、ゲイナー」

 

チボデー「お前のラブコール、シベリアだけじゃなくて、世界にまで広がっちまったんじゃねえか?」

 

ベロー「俺よ、お前の事マジで敬っちまうからよ! ゲイナー様々ってな!」

 

ゲイン「今まで隠してたけどな……俺、お前の事、大好きなんだな」

 

アデット「こっちもカミングアウトかい?」

 

ゲイン「そういう意味じゃないんだが……」

 

ゲイナー「あ、貴方達はそうやって、人を揶揄って……!」

 

少しばかり頬を赤らめ、声を振るわすゲイナー……

 

サラ「……真っ赤になりたいのはこっちの方よ!」

 

……の正面に、サラが怒鳴り込んだ。

 

ゲイナー「さ、サラ!?」

 

サラ「私がいると分かってて、あんな事叫んで! 放っといたらゾネットだけじゃなくシベリア一帯走り回って、『サラ! キスさせて! キスしようよ! 抱きしめてやるから!』って、叫び回る勢いだったのよ! そういう恥ずかしい事を臆面もなく……!」

 

ゲイナー「い、いや、そこまでは……」

 

サラ「とにかく、めーでしょっ!」

 

ゲイナー「ごめんなさいっ!」

 

拳を大きく振りかぶり、殴りつける……が、ゲイナーが急に頭を下げたため、勢いよく尻餅をついた。

 

サラ「あたた……」

 

ゲイナー「さ、サラ!」

 

レイン「今は動かさない方がいいわ……大丈夫、しばらくしたら立ち上がれるようにはなるはずだから」

 

……その様子を、ジゼラは羨むような目で眺めていた。

 

ジゼラ(すごいな、ゲイナーさんは……私もいつかは、あんな風に言えるようになるのかな……)

 

心の中で悶々とした想いを抱える。そこに……

 

辰也「……なあ、ジゼラ」

 

ジゼラ「!」

 

頭を掻きながら、辰也が話しかける。

 

ジゼラ「ど……どうしたんですか?」

 

辰也「そのよ……俺もちゃんと、答えを出せるようにするからよ……だから、それまで待ってくれねえか?」

 

ジゼラ「そ、それって……」

 

互いに、瞳を合わせる……暫くして、ぼっ、と辰也の顔が紅く染まった。

 

辰也「……あ、じゃ、じゃあ俺、ジェットシルバーとか見なきゃいけないからさ、その、フォントとあのジョシュアって奴とさ!」

 

フォント「え、おれも?」

 

辰也「あ、ああ! って訳だから、後でな!」

 

きょとんとするフォントの腕を掴み、逃げるように走る辰也……

 

ジゼラ「……はぁ」

 

……ため息を吐きながら、それを見送るジゼラ。不思議と、胸の辺りが暖かくなっているのを感じていた。

 

ガウリ「……」

 

……そこから遠く離れた場所では、翳った表情のガウリが、各々の姿を眺めていた。

 

ママドゥ「ガウリ……」

 

リュボフ「その……どのような言葉をおかけすればいいか……」

 

ガウリ「今更、どう言い繕うと変わらん……ただ、今は1人にしてくれ」

 

ママドゥ「ぬ……」

 

一足早く、イサリビへと戻るガウリ。

 

アデット「……一難去って、また一難って所かい」

 

それにしても、いつの間にか夜が明けちまったんだね……と、アデットが呟く。

 

ヴァン「……そういや、あの時もこんな夜明けだったな……」

 

ウェンディ「そうね……エヴァーグリーンを出て、兄さんを探そうとして……」

 

でも兄さんはもう、夢を見つけたから……だから、私も自分で考えるわ。何が正しくて、何が間違いなのか……自分で決めたい。そして、兄さんの夢が間違っていたら……私が止めなくちゃ。

 

ウェンディがそう決意する。そして、ヴァンもまた……

 

ヴァン「よし、今日から俺は……『夜明けのヴァン』だ」

 

地平線から、太陽が昇る……その明かりは、ヴァンの向かう道程を照らしているかのようであった……。




・中断メッセージ(運行部長のお言葉)
カシマル「おや……もうゲームを終わらせると言うのですね? ああ、頭をお上げなさい……謝罪の言葉は必要ありませんとも」
カシマル「ですが……分かっておいででしょうね? 貴方にはこの先も走らなくてはなりません……そう、ダイヤを守る列車のように!」
カシマル「分かったら中断しているスパロボを再開して、ゲームをクリアさせさせなさせぇぇぇーーーっ!!」
カシマル「……と、少し熱くなりすぎてしまいましたね。それでは、いずれ来る再会の時まで……私は、お待ちしておりますよ」
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