スーパーロボット大戦N   作:黒百合蜂

3 / 28
スパロボN、第二話です!
本物の暴力を教えてやろう……やっぱり森次さんはカッコいい!!
ではどうぞ!!


第二話 JUDAと隠者

スパロボN 第二話 JUDAと隠者たち

~JUDA社長室~

森次「失礼します」

 

社長室の扉が開く。

 

辰也(ああ……すげえ緊張するな……)

 

つい先程、スタジアムで謎の敵と戦った辰也達。全てが終わった後、森次に『JUDAコーポレーション』へと連れられ、今に至る。

 

にしても社長ってどんな人なんだろ……森次って人があんなんだし、きっと堅物の怖い人じゃ……

 

パァン! パン! パン!

 

辰也「うおっ!」

 

音の破裂が耳に届く。虚を突かれて緊張の糸がほぐれた。

 

石神「やあ、山下クンがお世話になったね! はじめまして、私がJUDAコーポレーション社長の石神邦生だ!」

 

想像とは一転、フランクな雰囲気を醸し出している中年男性がクラッカーを手に、こちらに話しかけてきた。

 

社長……? えっ……こんな人が?

 

あまりにも失礼極まりない事を考える辰也。

 

石神「ん~? キミぃ……『まさか、この変なオジサンが社長なのか? とてもそうには見えないケド』……って考えてそうだねェ」

 

辰也「!? いやいやいや! そんな事は微塵も思ってませんよ!?」

 

自分の心を見透かされたような質問に対して焦る。

 

緒川「まあ……こんな歓迎の仕方じゃ、そう感じてもおかしくないわよねェ」

 

社長の隣に立つ秘書……緒川結衣が、辰也にそう語りかける。

 

山下「……そういえばそこにいる女の人は誰なんスか? 見かけない顔っスけど……」

 

山下が見知らぬ女の方を見る。スーツではなく軍服をきっちりと着こなしており、他とは違う雰囲気を醸し出している。

 

由木「! わ、私ですか……?」

 

石神「ああ、彼女は由木翼クンだ。WSOからウチに派遣されてきたのさ」

 

由木翼、という女は姿勢を正し、辰也達に向かって敬礼をした。

 

由木「ご挨拶させていただきます。WSOから派遣された由木翼です。以後、お見知り置きを」

 

辰也「WSO? どっかで聞いた事あるような……」

 

由木「あ、WSOというのは国際機関でして……国内外問わず様々な場所で活動する軍隊と言えばいいでしょうか。要は日本の自衛隊みたいなものと考えてもらえればいいかと」

 

辰也「はえ〜そうなんですね……」

 

虎之助なら分かっていたのか……と思う辰也。しかし、彼はもういない。

 

森次「少し前の奇械島での一件……重力炉停止作戦は大変であったと聞きます」

 

由木「はい……スカーレット大尉や部隊の仲間が殉職し、残ったのは私を含む3人でした。しかしその2人は重力炉を停止させるために……」

 

森次「……辛いコトを思い出させて申し訳ありません」

 

由木「いえ、今ではもう終わった事です。それに、いつまでも引きずっていたら大尉や仲間達、そしてあの2人に怒られますよ」

 

辰也「!」

 

確かに……いつまでも引きずる訳にもいかねえな。虎之助がどうなったか分かんねえけど、だからこそしっかりしねえと!

 

由木の言葉を聞いた辰也は、心の中でそう決意する。

 

ドモン「……さて、そろそろ本題に入りたい。何故俺達がここに呼ばれたのか、それについて話してもらえないでしょうか」

 

石神「そうだねェ……」

 

それまでの柔和で軽快な雰囲気から、一瞬で真剣になる石神。

 

石神「協力して欲しいんだ。僕たちがやっているコトにね」

 

辰也「やっている……事?」

 

石神「そう。我々JUDAは、表向きは民間の医療機器メーカーだ。ケド裏では、政府と協力してマキナと呼ばれる機械の回収を行っている」

 

辰也「あの……そのマキナって言うのは……」

 

石神「えっとね……未知の技術によって造られた機械で、それを操縦できる特別な存在がファクターだ。さっきの戦いでキミも見ただろう?」

 

さっきの……って事は!

 

石神「そう。簡単に言うと、山下クンがファクターで、彼が乗っていたのがマキナだ」

 

辰也「そうですか……」

 

山下「……」

 

不安そうにする両名。特に山下の方は、それが顕著だった。

 

石神「まァ、彼の他にもファクターはいるケドね。とにかくそんなワケで、キミたちに協力してもらいたい!」

 

不安をかき消すかのように話を締める石神。その時、辰也は考えていた。

 

……俺は、どうすればいい? こんな訳の分からない状況で……でも、俺はあれに……『イールソウル』に乗ったんだ……だったら考える必要なんてねえ!

 

俺の答えは───

 

 

 

 

 

辰也「───俺、やります!」

 

勢いよく声を上げ、辰也が答えた。

 

石神「おお! 協力してくれるかい!」

 

辰也「はい、俺は『イールソウル』に乗って、その力を使いました……それなら、考える必要はない。この力を、人助けのために……」

 

それに、と辰也は言葉を続ける。

 

石神「それに……何だい?」

 

辰也「それに、俺はもう友達を……大切な人をなくしたくない! 俺はこの力で、皆を守るんだ!!」

 

石神「イイじゃないの! ソレでこそ私が目をつけた男だ! ではキミを、JUDA特務室として歓迎しよう!」

 

辰也「ありがとうございます! つー訳で、改めてよろしくな、サトル!」

 

拳を握り締め、ガッツポーズをする辰也。その顔は山下の方へと向けられていた。

 

山下「あ、うん……」

 

ドモン「少年に先を越されたか」

 

レイン「このままでは私達の立場がないわね」

 

アレンビー「なら、答えは一つじゃない!」

 

石神「というコトは……」

 

ドモン「無論、俺たちも協力させてもらう」

 

石神「おお! ガンダムファイターが3人も入ってくれるとは! ソレでは今日をもって、新生JUDAの誕生だ!」

 

周りからは拍手が上がる。

 

石神「改めてもう一度自己紹介をしよう。私は社長の石神邦生だ」

 

緒川「アタシは社長秘書の緒川結衣よ」

 

森次「特務室室長の森次玲二だ」

 

山下「山下サトルっス……」

 

由木「WSOの由木翼です」

 

ドモン「俺はドモン・カッシュだ、ガンダムファイターだから知っている人もいるだろう」

 

レイン「ドモンの妻のレイン・カッシュです」

 

アレンビー「アレンビー・ビアズリーだよ! よろしくね!」

 

辰也「瀧城辰也です! よろしくお願いします!」

 

それぞれの自己紹介が終わる。

 

石神「本当はまだメンバーはいるんだケドね、まあソレはまた今度。それじゃあ、解散!」

 

石神の掛け声で、メンバーは散り散りになった。

 

~JUDA廊下~

辰也「いや〜まさか、サトルがここで働いてたなんてな〜」

 

山下「……」

 

楽しそうな口調で話す辰也。それとは対照的に、暗い表情で廊下を歩く山下。

 

辰也「……にしても、お前がマキナってのに乗ってたなんて、思いもしなかったぜ」

 

山下「……あのさ」

 

山下が立ち止まり、口を開く。

 

辰也「あん?」

 

山下「……瀧城は嫌じゃないの……?」

 

辰也「何が……だよ?」

 

山下「その……ボクがファクターだからさ……ファクターは人殺しの因子……要は化け物みたいなヤツと今まで友達だったんだよ?」

 

震えた声でそう話す山下の顔には、不安と絶望が浮かんでいる。今までの関係が崩れるのではないか、そう思っていた。

 

辰也「……何言ってんだ?」

 

山下「え……」

 

辰也「俺はお前が今まで人を殺した所なんて一度も見た事ねえぞ?」

 

山下「いやそうじゃなくて……」

 

辰也「それにお前に人を殺せる度胸があるとは思えねえしな」

 

山下「あの……そういうコトでも……」

 

辰也「つーかよ、ファクターとかマキナとか、そんなのよく分かんねえけど、サトルは俺の友達だ。それはこれからも変わんねえよ」

 

山下「!」

 

辰也「それに、さっきは一緒に戦ったじゃねえか。お前が本当にひでえ奴なら、そんな事しねえだろ?」

 

山下「……瀧城……!」

 

本当にありがとう……瀧城……!!

 

辰也の言葉で救われた。その事が、今の彼には十分だった。

 

辰也「あと、虎之助もいなくなっちまったからな……だからこそ、なおさら俺達が頑張らねえと……」

 

 

 

 

 

ヴ~~~ッ! ヴ~~~ッ!! ヴ~~~ッ!!!

 

 

 

 

 

辰也「!?」

 

その時、突然警報が鳴った。

 

森次「敵襲だ。特務室は出撃準備を」

 

森次によるアナウンスがかかる。

 

山下「一体何が……」

 

辰也「んなのは見なきゃ分かんねえ! 行くぞ!」

 

山下「う、うん!」

 

辰也と山下が、外へと走って行った……。

 

 

 

第二話 JUDAと隠者たち

 

 

 

~JUDA外~

出撃すると、鬼が本社を囲っていた。

 

ドモン「鬼……だと……!?」

 

山下「なんで……」

 

鬼「ギャアアアアアアアッ!」

 

叫びながら、周辺を攻撃している。

 

辰也「くそっ、周りの人はお構いなしか! それに、このままだとJUDAも……!」

 

森次「問題は無い、周辺の住人は既に避難している……ソレにJUDAの防衛機能は万全だ。仮にここの要所が直接狙われるようなコトがあれば、『ジュダ』の防衛本能が一瞬のうちに敵を消滅させる……と社長は仰っていた」

 

辰也「何か物騒ですけど、なら良かった……」

 

ドモン「安心している暇は無い! まずはこいつらを片付けるぞ!」

 

森次「やれるな、瀧城、山下」

 

辰也「はい!」

 

山下「大丈夫っス!」

 

森次「フ……ならば行くぞ!」

 

武器を構え、ヴァーダントが、イールソウルが敵へと駆ける。戦いの火蓋が切られた。

 

~戦闘開始~

辰也(初戦闘時)

辰也(ごめんな虎之助、お前を助けられなくて……そしてサトル、一緒に戦おうぜ! JUDAのために、色んな人のために!)

辰也「……っし! イールソウル! 皆を守るために、あいつらをぶっ倒すぞ!!」

 

 

森次(初戦闘時)

森次「鬼か……山下たちを連れ帰る前に出会った少年を思い出す……」

森次「……彼はJUDAにとって必要な存在だ。また会う為にもこいつらを片付ける。行くぞ、ヴァーダント!」

 

 

山下(初戦闘時)

山下(瀧城……さっきはありがとう……ボクはそれだけで、それだけで嬉しいよ!!)

山下「……さて、まずは目の前の敵をやっつける!! 行こう、ハインド!!」

 

 

ドモン(初戦闘時)

ドモン「また会ったな、鬼共! 貴様らが何故俺たちを襲うのかは分からんが、容赦はしないッ!!」

ドモン「行くぞ、流派東方不敗!!」

 

 

レイン(初戦闘時)

レイン「さっきも鬼が来たけど、今度もあいつらは来るのかしら……」

レイン「いいえ、まずはこいつらを片付けるわ! 行くわよ、シャイニングガンダム!」

 

 

アレンビー(初戦闘時)

アレンビー「また鬼……本当にしつこいんだから!」

アレンビー「こっちは勝負の邪魔された事、根に持ってるからね! 容赦しないよ!!」

 

 

由木(初戦闘時)

由木「鬼……見てたらあの2人を思い出す……いや、あの人たちは鬼よりも凶悪……って何を言ってるの!」

由木「まずは、あの化け物たちを倒す!!」

 

 

~~~

山下「瀧城!」

 

辰也「おう!」

 

ハインドのバレットアームが鬼を貫く。そこをすかさず、イールソウルが大剣で斬り裂いた。

 

ドモン「あの2人……先程も思ったが、中々息が合っているな」

 

アレンビー「辰也が言うには、高校の親友同士なんだってね」

 

ドモン「道理で……フッ、俺達も負けてはいられないな」

 

2人のコンビネーションに、感心する現役ファイター。

 

森次「本物の暴力を教えてやろう」

 

ヴァーダントもバインダーから抜いた刀を、周囲の鬼に寸分の狂いなく突き刺し、切り裂く。

断末魔を上げる事すらなく、鬼は全滅した。

 

辰也「すげえ……」

 

う……何だろう、心なしか体が重い……

 

森次とヴァーダントの強さに見とれる裏で、辰也は謎の重さを感じていた。

 

森次「気を抜いている暇は無い」

 

ドモン「ああ……この感覚は……奴らだ!」

 

直後、あの紫色の機体が出てきた。

 

辰也「さっきの……来やがったか!」

 

由木「あいつら……もしかして……!」

 

由木が何かを感づいた。

 

石神『───奴らは……「エレミタ」だ』

 

石神から通信が入る。

 

辰也「エレミタ?」

 

アレンビー「やっぱり……そうだったのね」

 

辰也は何も分からず困惑している一方、アレンビーは合点したようだった。

 

由木「軍人であれば誰でも耳にする名前……世界の裏で暗躍しているとされる組織ね……!」

 

アレンビー「だけど、何でそんな奴らがJUDAに……」

 

ドモン「そんな事は後でも考える事が出来る……今は、奴らを倒す事に集中するのみだ!!」

 

辰也「はい!」

 

アレンビー「……そうね!」

 

唐突なアクシデント……それを跳ね除けるかのように、彼らは前を向いて武器を構えた。

 

~戦闘再開~

辰也(対エレミタ)

辰也「エレミタ……さっきも会ったよな……」

辰也「何が目的かは知らねえけど、襲ってくんならぶっ倒してやるぜ!」

 

 

森次(対エレミタ)

森次(エレミタ……か。企業が政府と協力して活動しているんだ、恨みを買うコトもあるだろう。だが、どんな理由でこいつらはここに?)

森次「どちらにせよ、我々に敵対したコトを後悔させてやる……その覚悟はできているな!」

 

 

アレンビー(対エレミタ)

アレンビー(軍の噂でしか聞いた事がなかったけど、エレミタが本当にいたなんてね……!)

アレンビー「目的も何も分からないけど、さっきの勢いで返り討ちにしてやるわ!」

 

 

由木(対エレミタ)

由木(エレミタ……名前だけは聞いた事はあるけど、まさかこの目で見る事になるなんてね……)

由木「何のためにここに来たかは分からない……けど、害をなそうとするのなら、容赦はしない!」

 

 

~~~

辰也「くっ……」

 

駄目だ……気のせいじゃねえ……! マジで体が重い!

 

膝をつくイールソウル。

 

森次「どうした、瀧城!」

 

辰也「体が……っ……重いんすよ……!」

 

ドモン「しっかりしろ! 戦えないなら下がっていても構わん!」

 

辰也「いえ……俺は……JUDAの一員として……やらなきゃ……いけない……!」

 

体に負担がかかるが、無理をしてでも立ち上がろうとする辰也。

 

エレミタ兵士1「やはり、だな。その機体は貴様のようなガキには動かせん!」

 

辰也「黙れよ……雑魚が……!」

 

エレミタ兵士1「……貴様ァ……死にたいかぁっ!!」

 

刀を持ち、切りかかる敵。避けようとするが動きが硬い。

そのまま攻撃を食らってしまう。

 

辰也「ぐはぁっ!」

 

山下「瀧城!」

 

攻撃によって仰向けに倒れてしまうイールソウル。

 

エレミタ兵士1「くくく……これでとどめだ!」

 

刀を逆手に持ち、コックピットを貫こうとする。

万事休す……この運命を受け入れるしかない……

そう思っていた───

 

エレミタ兵士2「ま、待て!」

 

~JUDA医務室~

???「ん……」

 

少女の目が覚める。

 

???「ここは……?」

 

……!

 

何かを察した少女はベッドから立ち上がり、社長室に向かっていった。

 

~JUDA社長室~

石神「困ったモノだねェ……鬼を倒したと思ったら、次は隠者か……」

 

緒川「どうします? 社長……」

 

石神「ふむ……瀧城クンに脱出するよう伝えといてね。この状況から判断すると、連中の目的は彼の機体だろう。イールソウルとやらも大事だケド、まずは人命だ」

 

緒川「了解しました」

 

回線を開こうとした瞬間、社長室のドアが開く。そして、先程の少女が入ってきた。

 

石神「! キミは……」

 

???「……」

 

少女は、窓の前に立った。

その目線はイールソウルに向かっている。

 

~JUDA外~

エレミタ兵士2「ま、待て!」

 

エレミタ兵士1「何だ!」

 

攻撃の手が止まる。

兵士の向いている方を見ると、あの少女がいた。

 

エレミタ兵士2「あの女だ! あの女がいるぞ!」

 

エレミタ兵士1「何だと!? ならば早急にそいつを……!」

 

あいつら……でも、今がチャンスだ!!

 

辰也「……余所見……してんじゃねえよ!」

 

イールソウルのバルカンで攻撃する。

 

エレミタ兵士1「くっ……貴様!」

 

あれ……何か軽くなったな……

 

辰也「よし! 今だ!」

 

体が突然軽く感じた辰也。チャンスとばかりに勢いよく立ち上がり、イールソウルの翼を展開する。

 

辰也「食らいやがれえぇぇぇぇぇっ!」

 

エレミタ兵士1「なあっ!?」

 

翼で敵を切り裂いた。もう動けない。

 

辰也「てめえもだあっ!」

 

エレミタ兵士2「ぐおっ!」

 

もう1人の敵も振り向きざま、腕に付いていたブレードで切る。

 

よし……やったぞ……!

 

何とか敵を倒したが、満身創痍だ。

 

エレミタ兵士1「くっ……撤退だ!」

 

エレミタ兵士2「仕方がない!」

 

エレミタ兵士は撤退した。

 

森次「敵部隊の撤退を確認。では、帰還するぞ」

 

森次の命令で、辰也達は帰還した。

 

~JUDA社長室~

石神「いや~みんな、お疲れ様!」

 

石神がねぎらいの言葉をかける。

 

石神「みんなのためにちらし寿司を作ったよ! さあ、食べて食べて!」

 

社長室の真ん中には、ちらし寿司が用意されたテーブルが置かれている。

 

辰也「はい……いただきます……」

 

アレンビー「んっ、うまいっ!」

 

由木「これは……いいですね!」

 

ドモン「戦いの後の食事というものは格別だ」

 

レイン「そうね」

 

森次「さすがは社長……相変わらずの腕前ですね」

 

山下「やっぱり……社長のちらし寿司は美味しいっス!」

 

皆が口を揃えて賛辞の言葉を贈る。

 

???「……美味しい」

 

辰也「あれ? いつの間に……」

 

不思議に思いながら、目の前にいる少女に注目する。

 

石神「ああ、瀧城クンたちが戦ってる最中に目覚めたんだ」

 

辰也「そうですか……ところでお前、名前は?」

 

ジゼラ「じ……ジゼラ・ジェノ……」

 

ちらし寿司を飲み込み、少女が答えた。

 

辰也「ジゼラ……いい名前じゃねえか!」

 

ジゼラ「! あ、ありがとう……」

 

名前を褒められて嬉しいのか、顔を紅くさせる。

 

辰也「俺は瀧城辰也だ。よろしく!」

 

ジゼラ「う、うん……」

 

初対面で仲良くなる2人、それを複雑な目で見る者が1人いた。

 

山下「……いい雰囲気だねー」

 

辰也「? どういう事なんだ?」

 

山下「気づかないなら別に?」

 

石神「あ、もしかして山下クン、嫉妬してる?」

 

山下「! そ、そんなワケ……!」

 

由木「ふふ……」

 

辰也「っくく……」

 

山下「ちょ、おい! 笑うなよ!」

 

ジゼラ「ふふ……」

 

社長室は笑いに包まれた。

 

~???~

???1「……それで、ノコノコと戻ってきたって訳か、ああ?」

 

撤退した兵士の前に、1組の男女……モヒカン頭で左目下と両耳にピアス、上裸にジャケットを羽織っている男と、ツインテールでゴスロリ服を身につけた女が座っていた。

 

エレミタ兵士1「もっ、申し訳ございません!」

 

エレミタ兵士2「し、しかし……イールソウルはもちろん、あのガキが中々の強さで……!」

 

???2「そんな事はどうだっていいのよ! こっちは何で戻って来たのかを聞いてんの!」

 

エレミタ兵士1「そ、それは……」

 

うるさいわね、と呟き、女が持っていたピストルを構える。男も背中に掛けていた鉈のような剣を抜き、兵士に向けた。

 

エレミタ兵士1「ッ……!」

 

静寂が続く。しばらくして、男が剣を収めた。

 

???1「……ま、いいぜ。次に期待してっからよ」

 

エレミタ兵士1「へ……」

 

???1「その代わり……次ヘマったら即殺す! 分かったらとっとと行け!!」

 

エレミタ兵士2「ひ……ひぃッ!!」

 

慌ただしい素振りを見せ、兵士は2人の前から去っていく。

 

???2「……いいの? 任務に失敗したんだから殺せばよかったのに」

 

???1「お前は殺したいっつーか、いたぶりたいだけだろ……それに、失敗は誰にでもあるモンだ。いくら量産可能の兵士だからって、いちいち殺してたらキリがねえ」

???1「……第一、任務失敗で殺すんだったら、俺はとっくに死んでるぜ」

 

???2「別に殺してもよかったのよ」

 

???1「シャレになんねえからやめろ」

 

冗談とも本気ともつかぬ男への物言いに、思わず突っ込みを入れる。

 

???2「はいはい……ま、あいつの場所は分かったから、そろそろ私たちの出番じゃないの?」

???2「ああ……戦場……いいわぁ……!蹂躙される兵士の喚き……絶望する人の顔……最高じゃない……!」

 

恍惚を浮かべた顔を紅潮させて、体を震わせる女。

 

このドS女が……

 

???1「……俺は1人を限界まで痛めつけるより、大量の相手をバッサバッサと、最速かつ最短で殺すのが好きだけどな」

 

???2「何よ、あんた分かってないわね! いい? 戦場って言うのは……」

 

???3「五月蝿いぞ。ジョット、グリセルダ」

 

2人が喧嘩している最中、暗闇から一人の男が現れた。

 

???3「全く……呑気な物だな。こちらはまだまだ調整中だと言うのに」

 

ジョット「ああ!? スカしてんじゃねえぞ、コルネーリオ!」

 

グリセルダ「そうよ! 横から割り込んで来て!」

 

コルネーリオと呼ばれたその男は、2人から罵倒されても動じる事なく、話を続ける。

 

コルネーリオ「お前達の話には興味が無い。ので、用件を手短に伝える……まず、お前達の出番はまだ先だ。あの人間の調整が終わるまで待て」

 

グリセルダ「はぁ~~~!? 何よそれ! つまんない! ただの人違いをいじくり回しても意味ないわよ!!」

 

コルネーリオ「そういきり立つな。手違いとはいえ、あれも中々使えるのだ。それに素質もある……戦力には充分だ」

 

ジョット「そうかよ……ま、いいぜ。昔っからお前に従っときゃ、上手くいきやすいからな」

 

グリセルダ「……そうね。何だかんだ言って、あなたは頭がいいもの」

 

コルネーリオ「ふ……こんなにも早く落ち着いてくれるとはな……」

コルネーリオ「では、我々も『エレミタ』として、これからも世界の裏で暗躍するとしようではないか」

 

ジョット「へいへい……そんじゃな」

 

グリセルダ「ま、調整頑張りなさいよ~」

 

ジョットとグリセルダは暗闇の中へ消えていく。

 

コルネーリオ「……それにしても、瀧城辰也か……面白い男だ」

 

クク……あの人間の相手にはうってつけだな

 

その場で独り、ほくそ笑むコルネーリオであった……。




中断メッセージ(森次の精神コマンド講座)
森次「もう終わりか……では、スパロボをプレイするにあたっていい事を教えてやろう……」
森次「スパロボには『精神コマンド』というものがある……今日は『必中』と『ひらめき』についてだ」
森次「『必中』はその名の通り、命中率が100%になる。『ひらめき』は回避率が100%になる効果を持っている……」
森次「他にも、命中率と回避率を少し上げる『集中』や、必中とひらめきの両方の効果がある『直感』などがある」
森次「これらに気を付けて、快適なスパロボライフを行って欲しい……では、以上だ」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。