スーパーロボット大戦N   作:黒百合蜂

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偉大な勇者と嵐の勇者……そう言えばマイトガインはスパロボ3回連続参戦なんですよね!
では本編どうぞ!!


第四話 疾走する正義と嵐の勇者(ヒーロー)

~???~

何もない場所、ひとり浩一は座っていた。

 

浩一「……」

 

矢島「どうした、浩一」

 

浩一「矢島!」

 

お前……生きて……!

 

浩一の眼前に、死んだはずの矢島が立っていた。

 

矢島「なんだァ? 暗い顔して」

 

浩一「あの……オレ……お前に……」

 

言葉に詰まる浩一。そうこうしている間にも、矢島が近づく。

 

矢島「そんなトコ座り込んでないで……ホラ!」

 

手を差し伸べる矢島。浩一が震える手で掴もうとする。が───

 

 

 

───ぽたり……と矢島の体から、血が滴り落ちる。

 

浩一「!」

 

瞬間、浩一の目の前で爆発が起こり、ごろ……と矢島の生首が転がる。

 

浩一「あ……ああ……」

 

目の前に、倒されたはずのハグレマキナが現れた。

 

浩一「矢島アアアア!!」

 

 

 

 

 

───そこで、意識は途切れた。

 

~JUDA医務室~

浩一「ハァ……ハァ……」

 

目が覚めた。矢島も、ハグレマキナもいない。

 

浩一「何だよ……どこだよ……ここ……?」

 

呆然とする浩一。途端、光が差した。

 

緒川「あ、やっと気が付いたみた……い……」

 

緒川の目線は、浩一の下半身へと吸い寄せられる。

 

緒川「ご……ごめんね……」

 

浩一も下を向き、自らが今、どのような状況であるかを確認した。

浩一は今、服を着ていない。全裸である。つまり……

 

浩一「ほわあああ゛あ゛あ゛あ゛……!!!」

 

浩一の叫びが、JUDAを駆け巡った。

 

~JUDA社員寮・辰也の部屋~

辰也「!?」

 

浩一の叫び声で、辰也が飛び起きる。

 

辰也「な、何だ今の……ま、いいか……せっかく社長が寝床を下さってるんだ、少しは我慢するか!」

 

さて、せっかく起きたんだし何しようかな……そう思いながら、部屋のドアを開ける。

 

???1「あ、あの……初めまして、瀧城さん!!」

 

辰也の前に、おかっぱ頭の2人組が立っていた。

 

辰也「……誰だお前ら?」

 

???2「初対面の相手にお前って……アンタ相当躾がなっとらんのやな」

 

おかっぱ頭の女の方は、辰也に悪態をつく。

 

辰也「……あ? そりゃひどくねえか? 言われてみりゃ確かに、俺にも悪い所はあったけどよ」

 

非があるとはいえ突然挑発されたので、辰也も思わず苛立ちを浮かべる。

 

???1「そうだよ姉さん! しかも瀧城さんは僕達の一コ上なんだよ!?」

 

???2「歳なんて関係あらへんわ。ウチは当たり前のコトを言っただけやろ? ま、分かっとるならええ。とりあえず社長がお呼びなんやから、早よいくで」

 

辰也「お、おう……」

 

強気な物言いに押され、辰也の心も怒りから困惑に変わる。

 

何なんだよ、本当に……

 

そんな事をぼやきながらも、2人に連れられて部屋を後にした。

 

~JUDA社長室~

浩一「……つまり、オレは3年前に一度死んで、その時にラインバレルのファクターってのになった……ってコトですか……」

 

石神「その通りだ。なかなか飲み込みが早いじゃないか」

 

あの後、浩一は社長室に呼び出され、説明を受けた。

 

浩一「受け入れるには時間が必要ですケドね……それより、何でアンタらはあんなモン造ったんですか……? マキナって何なんですか……!?」

 

浩一が段々と声を荒げる。

 

石神「そんなコト知らないよォ、誰が造ったかも分からないしさァ」

 

浩一「え?」

 

石神「ラインバレルと同じで、マキナ達は突然現れたんだよ。誰が何のために造り、どんな目的でこの世界に現れたのか……だから、それらを知るために我が社は政府と協力して、現存する11体のマキナの全回収を主目的にしてるワケ」

 

浩一「あんなのが11体もいるのかよ……」

 

石神「……まぁとにかくだ、早瀬浩一クン……単刀直入に言おう。我々の計画に協力してほしい」

 

一転、雰囲気を変える石神。

 

浩一「マキナを集めるのを手伝えってコトですか……!?」

 

石神「何もタダで協力しろなんて言わないよ。確かキミは森次クンとやり合った時に『正義の味方になる』とか言ってたよねェ」

石神「でも正義っていうのはさぁ、『悪』や倒すべき『敵』が存在して初めて成り立つモノ……例えば、マジンガーZに対するDr.ヘル、ガオガイガーに対するゾンダーとかね」

石神「だからさ、キミが我々に協力してくれるなら……」

 

そう言い、石神は手元のキーボードを操作する。

途端、浩一の周りに画面が現れた。

 

浩一「!!」

 

石神「我々はキミに、『敵』を与えてあげよう」

 

浩一「コレは……一体……?」

 

石神「彼らは日本最古の秘密結社『加藤機関』……我々と同様にマキナを持ち、よからぬコトを企てているタチの悪い連中さ。そして何より、キミとラインバレルを狙い、キミの友人を殺した張本人達だ」

 

こいつらが……!

 

怒りに満ち溢れる浩一。固く握った拳が震える。

 

そんな中、コンコン……と扉がノックされる。

 

浩一「?」

 

石神「森次クン達かい?」

 

もっ……森次だって!?

 

森次「失礼します」

 

扉が開き、森次、山下、辰也、ジゼラ、由木、アレンビー、そして、例の双子が現れた。

 

石神「よォ~~~し、全員……とは言わないケド、揃ったなァ」

 

浩一「……」

 

石神「紹介しよう、彼らもキミと同じファクターだ……内4人は違うけどね。で、彼が森次玲二クン」

 

森次「生身で会うのは初めてだな。改めてよろしく」

 

石神「そして彼が山下サトル君だ」

 

山下「ど~~~も」

 

浩一「……」

 

由木「WSO所属の由木翼です」

 

アレンビー「アレンビー・ビアズリーだよ! ガンダムファイターだから知ってると思うけどね!」

 

辰也「で、俺が瀧城辰也だ! 先に言っとくけど、ファクターじゃねえぞ」

 

ジゼラ「ジゼラ・ジェノです……って、早瀬さんはもう知ってますよね……?」

 

浩一「……何でジゼラがいるんだよ……」

 

石神「まあ今はいいじゃないの! あと、ジゼラ君もファクターじゃないからね」

 

浩一「そうじゃなくて……」

 

???1「あっ、あの……」

 

石神「お?」

 

彼らの後ろから、おずおずと1人の少年が現れる。

 

イズナ「はじめましてっっ! 僕、遠藤イズナです! 今日早瀬さんに会えるの、すごく楽しみにしてました!!」

 

例の双子の片割れが自己紹介する。

 

イズナ「……え、えっと……それでこちらが僕の姉の……」

 

双子のもう一人が、浩一に近づく。

 

シズナ「はじめまして、姉の遠藤シズナです」

 

優しい笑顔で寄ってくるので、浩一は警戒を解いた……いや、解いてしまった。

 

浩一「ど……どうも゛っ!?」

 

言い終わらない内に、浩一の股間にシズナの蹴りがズンッ、とめり込む。

 

浩一「痛゛っってえぇぇぇぇぇっ!!!」

 

辰也(ひゃ~痛そ……)

 

浩一の受けた痛みを想像し、思わず顔をしかめる辰也。

 

浩一「いきなり何すんだ……」

 

シズナ「あんた!! 舐めんのも大概にしときや!!!」

 

は……?

 

シズナ「友達の敵討ちかなんか知らんが散々暴れよって迷惑千万や!! ウチらは遊びでファクターやってるんやない!! プロとしてやっとるんや!!!」

 

悶絶する浩一、そんな事はお構いなしに色々とぶちまけるシズナ。

 

浩一「んだとぉ!!?」

 

シズナ「完全にファクターの面汚しや! あんた、もっぺん死んどくかぁ!?」

 

イズナ「ちょっと姉さんやめなって! ……早瀬さん、ホントにごめんなさい」

 

シズナ「こらっイズナ! 何でこんなヘタレに謝ってんねや!?」

 

イズナ「だってヒドいよぉ~!」

 

双子の間で言い合いが始まる。

 

石神「なぁシズナぁ~~~、そのエネルギーはこれからのためにとっときなよォ~~~」

 

山下「これからって……シズナ達出動するんスか?」

 

イズナ「はい、青戸付近にマキナの反応があったんです」

 

辰也(青戸……? そういや青戸って言ったら……!)

 

シズナ「んで、どっかのアホが森次さん達のマキナをボロボロにしたさかい、ウチらだけで回収に向かうワケや!」

 

ため息をつきつつ、浩一の方をチラチラと見る。

 

浩一「……」

 

森次「そうか……だが青戸は日本有数の工業地帯……用心しつつ、周辺に被害を与えないようにしろよ」

 

シズナ「心配あらへんよ、森次さんっ」

 

ちっち……と指を振り言う。

 

シズナ「ウチらの『ディスィーブ』なら、安全かつ迅速に一網打尽や!!! ソレに、戦いは常に美しくスマートやないと……」

 

何だコイツ……

 

オホホ……と高笑いし浩一を見下すシズナ。当の浩一はイラつきながらも困惑している。

 

石神「よ~しよし、無事顔合わせも済んだコトだし、早瀬クン……キミ、今日のところはもう帰りなさい。緒川クン、送ってあげて」

 

浩一「いいですよ、1人で帰れますから」

 

石神「そう……じゃあ、良い返事期待してるよ」

 

浩一「……約束なんて、してませんから」

 

1人静かに去っていく浩一。

 

辰也(あいつ……)

 

石神「あと……由木クンとアレンビー君の機体は何とか直せそうだから、その後にシズナ達と出動してね」

 

由木「了解です」

 

アレンビー「分かったよ!」

 

 

 

第四話 疾走する正義と嵐の勇者

 

 

 

~青戸~

シズナ「反応からして、随分と陸に近いトコにおるんやなァ」

 

アレンビー「今まで見つからなかったのが奇跡ね」

 

ディスィーブとノーベルガンダム、ウィングルで青戸に面している海を捜索している。

 

イズナ「……あ、姉さん! 反応が近くなってきたよ」

 

シズナ「よっしゃ、この辺やな……」

 

反応のする場所へディスィーブが近づいた瞬間───

 

 

 

 

 

ズズ……と水面に影が写る。

 

由木「! 危ない!」

 

シズナ「!?」

 

ビュオ、と空気を裂いて、槍が飛び出した……のを、間一髪で避けるディスィーブ。

 

シズナ「危なかった……」

 

由木「油断するのはまだ早いわ!」

 

???1「その通りですよ」

 

上空から、そして海面から、2体のアルマ……ヤオロヨズとイダテンが出現する。

 

アレンビー「こいつら……昨日会ったのに似てるわ!」

 

イズナ「姉さん、こいつらマキナじゃなくて……!」

 

由木「こいつらはアルマ……じゃあ……!」

 

シズナ「ウチらを誘き出すワナってコトやん!?」

 

陸「ええ……僕は加藤機関八番隊隊長、王政陸です」

 

沢渡「そしてオレは加藤機関四番隊隊長、沢渡拓郎!」

 

加藤機関の2人は自ら名乗る。

 

アレンビー「やっぱり加藤機関だ!」

 

イズナ「どうしよう、姉さん……」

 

シズナ「心配せんでええよイズナ……相手はたかが2機……こっちは3機もおるんやで」

 

よほど自信があるのだろう、加藤機関の隊長2人に対して大口を叩くシズナ。

 

沢渡「ククク……何が2機だってェ!?」

 

シズナ「!?」

 

その瞬間、水面から大量のアルマが飛び出した。

 

由木「なっ……昨日よりも数が……!」

 

沢渡「作戦目標───お前達をブッ殺す!!」

 

シズナ「……ブッ殺すやと? 上等や!!!」

 

睨み返すシズナ。

 

シズナ「アンタらこそ、体中バラバラにしたるわ!!!」

 

陸「キヒヒ……いいんですかぁ?」

 

イズナ「え……」

 

陸「実はですねェ……青戸の町全てに爆弾を仕掛けたんですよ……僕たちを傷つけた瞬間、ドカン! です」

 

由木「なっ……!」

 

沢渡「ちなみに、そこらにいるアルマはブッ壊してもいいぜ! あくまでも俺と陸に攻撃を当てんな、ってこった!」

 

アレンビー「……汚いよ、お前たち!」

 

陸「キヒヒ……これも想像出来なかったアナタたちの愚かさにあるんですよ! さあ、早くかかって来て下さい!」

 

シズナ「くっ……」

 

由木「仕方ない…みんなは周りのアルマを攻撃して! あの2人は後回しよ!」

 

歯噛みしながらも、4人は敵へと顔を向けた。

 

~戦闘開始~

シズナ(初戦闘時)

シズナ「イズナ……この状況でどれだけやれるか分からへんケド、あいつらめっちゃムカつくさかい……エライえげつない内容の打ち込んだってやぁ!」

 

イズナ「うん……いいよ、姉さん!」

 

 

シズナ(対陸)

陸「悔しいですよねェ……目の前に敵がいるのに攻撃出来ないなんて! まあ、これもアナタ達の想像力の無さが原因ですよ……キヒヒ……!」

 

シズナ「こいつ……後で覚えときや!」

 

 

シズナ(対沢渡)

沢渡「ホラホラどうした!? かかって来いよォ!」

 

シズナ「くそっ……人質さえいなきゃやれるのに……」

 

イズナ「反撃のチャンスは回ってくるハズ! 今は耐えよう、姉さん!」

 

 

由木(初戦闘時)

由木「今回は雷張はいないわね……もし彼がいたら、この状況をどう思うかしら……」

由木「でも、今はこっちに集中する!」

 

 

由木(対陸)

陸「キヒヒ……こうなったのもアナタ達の想像力が足りなかったからですよォ!」

 

由木「他人の痛みも分からない人間が、想像を語るな!」

 

 

由木(対沢渡)

沢渡「てめえのコトはジョーから聞いたぜ! 変な正義感を持ったクソ真面目な野郎だってなァ!」

 

由木「そう……それじゃ彼にも伝えてあげなさい……あなたのやっている事は、そこらの犯罪者と変わらないって事をね!」

 

 

アレンビー(初戦闘時)

アレンビー「ドモンとレインは2人の時間を過ごしてる……あの2人に心配かけないためにも、私達が!」

 

 

アレンビー(対陸)

陸「ガンダムファイター! キヒヒ……ガンダムには昔世話になったんですよ!」

 

アレンビー「そう……どうりでガンダムに乗ってそうだと思ったわ!」

アレンビー「倒せないのはシャクだけど、待ってなさいよ!」

 

 

アレンビー(対沢渡)

沢渡「ガンダムファイター……さぞかし骨のある相手だろうが、こうなっちまえば形なしだなァ!」

 

アレンビー「卑怯な手を使ってくれたわね……でも、アタシを怒らせた事、後で後悔させてやるわ!」

 

 

~~~

シズナ「喰らいや!! ナーブクラック!!!」

 

ディスィーブから発射された触手のようなそれは、アルマの体を貫いた。

 

加藤機関兵1「なんだ? コレは……」

 

イズナ(……引き裂かれる腕)

 

裂け目から無理矢理裂いたかのように、腕が引き裂かれる。

 

加藤機関兵1「!?」

 

イズナ(切り開かれる腹部)

 

ナイフで切ったかのように、腹部が切り開かれる。

 

加藤機関兵2「うわ……」

 

イズナ(溢れ出る血液……)

 

傷口から、これでもかという程に血が流れていく。

 

うわあああああ!!

 

ぎゃあぁああぁぁ!

 

あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!

 

痛ェエええええ!!

 

加藤機関の兵士達は、これ以上ないほどの痛みに悶絶している。しかし、目立った外傷は見られない。

 

沢渡「なるほどな……どういう仕掛けか知らんが、幻覚で戦闘不能にさせるってワケか」

 

シズナ「機体の伝達神経にクラックし、捏造した嘘情報を直接パイロットに伝えてまう……つまり、機体から降りひん限り逃げられへんってコトや!」

 

陸「ヘェ……しかし、アナタ方は我々に危害を加えられないワケだ! だったら、どうというコトはありませんよ!」

 

沢渡「そういうワケだ! んじゃ行くぜ!!」

 

2機のアルマが攻撃を仕掛ける。

 

シズナ「イズナ!!」

 

イズナ「っ!」

 

それを、ナーブクラックで紡いだ巨大な腕で防いだ。

 

シズナ「ナーブクラックにはこういう使い方もあんねや!! 対処法もバッチリやろ!?」

 

沢渡「ほう……大したもんだ……でもなァ」

 

シズナ「!!!」

 

一瞬の内に、ディスィーブはアルマに囲まれてしまう。

 

沢渡「多勢に無勢の対処法はまだまだだな」

 

アルマ達は、ディスィーブに向かって銃を撃つ。

 

シズナ「ぐうッ!」

 

アレンビー「イズナ! シズナ!」

 

陸「おっとォ! 君たちの相手は僕ですよォ~ッ!!」

 

由木「くっ……!」

 

絶体絶命。泥沼の状況で、彼らはただもがくしかなかった。

 

~JUDA社長室~

辰也「おい……こいつはヤベえぞ!!」

 

その状況を、リアルタイムで見ていた辰也達。

 

森次「しかし、今の我々にはまだ何も出来ない」

 

山下「ハインドやヴァーダント、イールソウルとかの修理はもう少し……ケド、待ってる間にも……」

 

辰也「くそっ……」

 

目の前で困ってる奴らがいるのに……何も出来ねえのかよ……!!

 

ジゼラ「辰也さん……」

 

拳を握りしめ震える辰也を、ジゼラは心配そうに見る事しかできなかった。

 

石神「……仕方がない、正義の味方さんに頼んでみますか」

 

受話器をとろうとする石神。その前に、辰也が声をあげる。

 

辰也「じゃあ、俺があいつの所に行ってきます!」

 

石神「おいおい、場所も分からないのにどうするつもりだい?」

 

辰也「それは……まあ、町中探してみれば何とか見つかるかもって事で……!」

 

石神「ふむ……分かったよ。じゃ、彼はキミに任せた」

 

辰也「ありがとうございます!」

 

勢いよく社長室を出て行く辰也。

 

石神「さて、後は修理の完了と浩一クン次第だケド……もしダメだったら城崎クン、頼んだよ」

 

城崎「……」

 

石神(まあそう不安になるコトはない……)

 

何てったって、青戸には「勇者」がいるからねェ……

 

~~~

ドモン「何か嫌な予感がするな……」

 

JUDA周辺の町を、ドモンとレインの2人が散策していた……が、謎の悪寒を感じ取ったのか、ドモンはそう呟く。

 

レイン「ドモン?」

 

ドモン「とりあえずJUDAの方に戻るとしよう。面倒に付き合わせて悪いな、レイン」

 

レイン「気にする事じゃないわ、それじゃあ行きましょう」

 

ドモンとレインはJUDAへ急ぐ。

 

浩一「うおッ!!」

 

だが、角を曲がった先で浩一にぶつかってしまう。

 

ドモン「おっと! すまない、急いでいたものでな……」

 

レイン「あら、この子……」

 

浩一「アンタら……昨日の……!」

 

その時、辰也が近づいてきた。

 

辰也「あ、浩一! ……に、ドモンさんとレインさんも!」

 

ドモン「む? 辰也じゃないか」

 

浩一「! 辰也だって!?」

 

辰也「今、JUDAが大変なんですよ!」

 

ドモン「やはりか……一体どういう事だ?」

 

ドモンが辰也に問いかける。

 

辰也「実は……」

 

そうして辰也は、現在の状況を話し始めた。

青戸での任務でシズナ達が加藤機関と戦闘している事、しかし敵の卑劣な作戦と多勢に無勢の状態で一方的にやられている事、そして今、助けが必要な事を。

 

ドモン「状況は理解した。俺達も急がなくてはな」

 

辰也「はい! ……お前も来いよ、浩一!」

 

浩一「な、何でオレが……」

 

辰也「何でって……そりゃあお前がファクターで、ラインバレルに乗れるからだろうが!」

 

浩一「そんなの……オレじゃなくてもいいだろ! そっちにはオレより強い奴とか、ドモン・カッシュだっているじゃねェか!」

 

ドモン「……」

 

浩一「だから……」

 

ドモン「早瀬浩一、お前はそれでいいのか?」

 

浩一「え……」

 

慟哭する浩一とは対照的に、ドモンは静かに語りかける。

 

ドモン「お前は自らの無力さを痛感し、その上友を失った……辛い現実に、目を瞑りたくもなるだろう」

ドモン「だが……このままだとお前は、友の思いを踏みにじり、自分のできる事から逃げた臆病者になるぞ。それがお前の望みなのか? お前の友も、それを望んでいたのか?」

 

浩一「……ッ! アンタに何が分かるんだよ! ガンダムファイトも優勝して、おまけに世界を救ったアンタに、矢島の復讐も何も出来なかった……オレの気持ちが分かるのかよ……!」

 

ドモン「……分かるさ。俺もかつては、何もできなかった無力な人間だからな」

 

言いながらドモンは、浩一に真っ直ぐな目を向ける。

 

浩一「……!」

 

その目を、浩一は逸らせずにいた。

 

ドモン「さあ、どうする早瀬浩一! お前が本当に望む物は何だ! お前は一体、何になりたいんだ!」

 

浩一「オレは……」

 

そうだ……オレはなるんだよ……! オレは……!

 

浩一「……正義の味方に、なるんだァァァーッ!!」

 

そう叫ぶと、浩一は上空を見上げる。そして、またも咆哮した。

 

浩一「来いっっ! ラインバレル!!!」

 

正義の味方の叫びに応えるように、天から光が落ちる。

目の前には、鉄の巨人が立っていた。

 

ドモン「俺達も行くぞ!」

 

レイン「ええ!」

 

そう言うと、ドモンは指を鳴らした。パチンと弾かれた音が、静かに響く。そして……

 

ドモン「出ろおぉぉぉーっ!!」

 

レイン「ガンダアァァァームッ!!」

 

2人が叫ぶと、地面からいつ用意したのか分からない2機のガンダムが出現する。

 

JUDAの人達が仕込んだのか? てか、いくら何でもこれはトンデモ過ぎじゃあ……

 

辰也「……って、俺は?」

 

戸惑う辰也の前に、空からイールソウルが現れた。

 

ジゼラ「辰也さん! 早く乗ってください!」

 

辰也「ジゼラ!?」

 

ジゼラ「技術開発部の人がイールソウルを複座式にしてくれたんです! 私がアシストを担当するので、辰也さんにはメインをお願いします!」

 

辰也「ああ! もちろんだ! にしてもよ……」

 

絶好のタイミングだぜ!!

 

~~~

イズナ「うあっっ!」

 

シズナ「くっ……」

 

アルマの猛攻を喰らい、あわや戦闘不能になるディスィーブ。

 

アレンビー「助けに行きたい……けど……!」

 

陸「キヒヒ……どうしましたかァ!?」

 

由木「こんな奴に……負けるなんて……!」

 

アレンビーと由木の前には、下卑た笑みを浮かべる王政陸。

 

イズナ「ダメだ姉さん! これじゃ動けないよ!!」

 

シズナ「クソッ……ウチらはプロなんや……それがこないなトコで……!」

 

沢渡「よく分かんねェなァ、プロって何のプロだよ?」

 

シズナ「お前らみたいなマキナ使ってしょうもないコトするヤツを……ぶっ潰すプロや!!」

 

???「プロ……」

 

沢渡「ほう……なるほどなァ」

 

そう言うと、近くの工場に槍を向けた。

 

シズナ「!!? なっっ……何してんねや!! お前らの目的はウチらやろ!!?」

 

みしり……と槍が食い込む。

 

イズナ「卑怯ですよ!! こっちが動けない状態なのに……」

 

沢渡「どうした?オレをぶっ潰すんじゃなかったのか? 早くしないと、この工場の奴ら全員死んじまうぞ」

 

シズナ「やめろ……頼むさかい……やめて……」

 

シズナが声を絞り出す。涙が、彼女の目から溢れ落ちそうになる。

 

沢渡「残念だが……それは聞けねえなァ!!」

 

そんな懇願もどこ吹く風、勢いよく槍を突き刺そうとした───

 

 

 

 

 

???「そうはさせないッ!!」

 

 

 

 

 

───その瞬間、どこからともなく拳が飛び、イダテンに命中する。

 

沢渡「ぬおッ!?」

 

そのまま海の上に倒れた。

 

シズナ「何や……一体……」

 

???「プロ……か、気に入ったぞ!」

 

沢渡「クソッ……誰だてめえは!!?」

 

由木(あれは……!!)

 

鉄也「悪党に名乗る名前はねえが教えてやる……偉大な勇者グレートマジンガーと、剣鉄也だ!」

 

イズナ「グレート……マジンガー……!?」

 

アレンビー「10年前のミケーネとの戦いで活躍した、あの……」

 

そびえ立つのは偉大な勇者、グレートマジンガー。かつて地球支配を試みたミケーネ帝国を打ち倒した英雄である。

 

鉄也「それにしても、随分と派手にやってくれたじゃねえか!」

 

由木「剣大佐……! 剣大佐ですね!!」

 

鉄也「ああ、久しぶりだな由木中……いや、今は大尉だったな! あの問題児共の分、よくやってるじゃねえか!」

 

由木「ありがとうございます!」

 

突然の再会に驚きつつも喜ぶ由木。イズナとアレンビーはグレートに羨望の眼差しを向けている。

 

沢渡「おい……オレ達を差し置いて……ベラベラと喋ってんじゃねぇよ……!!」

 

由木「! そういえば……!」

 

陸「そう! 沢渡さんに攻撃してしまいましたねェ! キヒヒ……もうこの町は終わりですよ!!」

 

シズナ「あ……ああ……」

 

鉄也「……」

 

一同は顔に絶望を浮かべる……しかし、ただ1人、剣鉄也だけは動じていない。

 

沢渡「……おい陸、何も起きてねえぞ」

 

陸「あれ……おかしいですねェ……」

 

陸は起爆スイッチを押したはずだった。しかし、何も起こらない。何度押しても、それは変わらなかった。

 

鉄也「全く……日本最古の組織が聞いて呆れるな」

 

陸「何ですってェ!?」

 

鉄也「想像力が足りねえぞ、加藤機関! お前らが戦ってる間に、爆弾なんてとっくに解除されてるさ……なぁ、舞人!」

 

そう言うと、先ほどの工場から3体のロボットと1機の戦闘機が現れた。

 

舞人「もちろんですよ、鉄也さん!!」

 

ガードダイバー「あなた方の爆弾なら、旋風寺コンツェルンの皆さんが総出で解除しました!!」

 

バトルボンバー「てめえらの下らない悪事もここまでだぜ、加藤機関!!」

 

緑色のロボット……バトルボンバーと赤色のロボット……ガードダイバー、そして青色のロボット……ガインと舞人の乗る戦闘機……マイトウイングが、加藤機関のアルマの方へ顔を向けた。

 

陸「チイッ……しかし雑魚が増えた所でェ!!」

 

ガイン「残念だが、こちらにはまだ切り札がある!!」

 

工場からさらに1機の列車が出現した。

 

沢渡「何だよ……ありゃ……!」

 

舞人「ロコモライザー、準備よし!」

 

ガイン「行くぞ舞人!」

 

舞人「ああ! レェェェーッツ! マァァーイトォォーガイィィィーン!!」

 

舞人が叫ぶと、ガイン、マイトウイング、ロコモライザーが宙を舞い、合体した。

 

マイトガイン「銀の翼に望みを乗せて! 灯せ平和の青信号!!」

 

舞人「勇者特急マイトガイン! 定刻通りにただ今到着!!」

 

合体を終え、ビシッとポーズを決める。

 

アレンビー「何あれ……カッコいい!!」

 

イズナ「うん!」

 

マイトガインの勇姿に見とれる2人。

 

陸「余計な邪魔が入りましたねェ……!」

 

沢渡「その見かけ倒しをブッ壊してやるぜ!」

 

舞人「やってみろ! 出来るものならな!」

 

マイトガイン「私と舞人、そして勇者特急隊が合わされば、お前たちのような悪党など一網打尽だ!!」

 

如何にも正義の味方らしい名乗り口上である。

 

???1「そして、オレ達もいれば!」

 

???2「てめえら全員、スクラップだぜ!!」

 

シズナ「な、何や!?」

 

上空から声が響く。声の主はヤオロヨズとイダテンを斬りつけながら地面へと降り立った。

 

陸「ヒイッ!?」

 

沢渡「ぐっ……はは……」

 

やっぱり来たなァ……二本角ォ!!

 

白き鉄の巨人、ラインバレルと、太陽の如き機械兵器、イールソウルが降り立つ。

 

ドモン「何とか間に合ったようだな……!」

 

遅れてゴッドガンダム、シャイニングガンダム、ヴァーダント、ハインド・カインドが現れた。

 

山下「ええ……修理が間に合って良かったっスよ!」

 

イズナ「早瀬さん! 皆さんも来てくれたんですね!」

 

辰也「おう! にしても何か増えて……って、ありゃグレートマジンガーじゃねえか! それに……やっぱりだけど、勇者特急隊までいるぞ!!」

 

ジゼラ「知ってるんですか?」

 

辰也「ああ! グレートマジンガーはかつてミケーネの魔の手から地球を救った偉大な勇者だぜ!!」

辰也「それに勇者特急隊は、この町を代表する、日本を守る正義のロボット軍団!! その顔役があのマイトガインだ!!」

 

ジゼラ「そ、そうなの……」

 

ジゼラが引くほど、辰也は興奮している。

 

鉄也「フッ……そう褒めても何も出ないぞ」

 

由木「そう言って……本当は嬉しいんじゃないですか?」

 

ガードダイバー「すっかり有名人ですね、私達は」

 

バトルボンバー「ああ! にしても舞人とガインには嫉妬しちまうぜ!」

 

マイトガイン「おいよせ、照れるじゃないか」

 

舞人「フッ……そうだな、ガイン」

 

浩一「……って、んなコト言ってる場合じゃないだろ!! お前ら、無事か!?」

 

シズナ「森次さん達はともかく……早瀬!!何しに来たんやこのヘタレが!! また敵討ちにこだわって、ウチらの邪魔しに来たんか!?」

 

浩一「そうじゃない!!!」

 

シズナ「え……」

 

責め句を浴びせるシズナに、声を荒げる浩一。

 

浩一「ドモンさんに説得されて決めたんだよ……オレはもう、逃げないようにしようって……その一歩を踏み出すためにオレは、お前達を助けなきゃって思ったんだ……だから……」

浩一「だからお前達も答えろ!!! お前達は、オレにどうして欲しい!?」

 

シズナ「はんっ! 要はアンタの成長のために、ウチらに踏み台になれってコトか!」

 

イズナ「ね、姉さん!」

 

浩一「……」

 

強い口調……の中から、抑えきれない涙声が漏れる。

 

シズナ「……あいつ……関係無い人まで殺そうとしたんや……それに、このままじゃウチらも……」

 

イズナ「姉さん……」

 

シズナ「……だから……頼む、早瀬……あいつらをやっつけて、ウチらを助けてくれ……」

 

シズナの頼みに応えるように、ラインバレルの眼が光る。

 

浩一「改めてハッキリした……オレがどうしたいのか、何をすべきなのか……」

 

ラインバレルが刀を抜き、構える。

 

浩一「オレはお前達を助けるため、連中を叩き潰す! 後はオレに任せろ!!」

 

辰也「おっと、俺もいる事を忘れんなよ!!」

 

イールソウルも同じように、大剣を構えた。

 

沢渡「チッ……ガキ共が調子に乗るんじゃねェ!!」

 

浩一「上等だ、かかって来い!!」

 

辰也「覚悟しやがれ、チンピラ共!!」

 

2機の巨人が、悪党へと足を向けた。

 

~戦闘開始~

辰也(初戦闘時)

辰也「あのグレートマジンガーと勇者特急隊と肩を並べて戦える日が来るなんて……」

 

ジゼラ「そんなに嬉しいんですね」

 

辰也「おうよ! そしてジゼラ、お前に言いたい事がある」

 

ジゼラ「何でしょうか?」

 

辰也「一緒に戦ってくれるのはありがてえけど、無理はすんじゃねえぞ」

 

ジゼラ「! は、はい! というか、辰也さんこそ……」

 

辰也「そんな事分かってるぜ! まあ何にせよ、お前と一緒なら大丈夫だ!」

 

 

浩一(初戦闘時)

浩一(まさか、グレートマジンガーがいるなんてな……それに、あのマイトガインってのも聞いたコトがある……)

浩一(オレとは違う……本物の正義の味方……いやいや、何考えてんだよ! その正義の味方になる為に、オレはラインバレルに乗ったんだ!!)

浩一「よし……かかって来いよ、悪党共! 今のオレは、誰にも負ける気がしない!!」

 

 

JUDA組(初戦闘時)

森次「大丈夫か、イズナ、シズナ」

 

イズナ「は、はい! 大丈夫です!!」

 

シズナ「森次さんがいれば、あいつらなんてもう敵じゃないわ! さっきの借り、何倍にもして返してやるで!!」

 

山下「ボクもいるケドね……」

 

森次「3人共、くれぐれも油断はするな……では、行くぞ!!」

 

シズナ「了解や!!」

 

 

ガンダムファイター(初戦闘時)

アレンビー「来てくれたんだね、ドモン、レイン! でも、せっかくの2人の時間が……」

 

ドモン「苦しんでいるお前を放っておく事は出来ないさ。しかし大丈夫か? 機体の損傷も激しい、下がっていても構わんが……」

 

アレンビー「これくらいへっちゃらだよ! 2人も、気をつけて戦って!」

 

レイン「ええ、分かったわ」

 

ドモン「ならば、行くぞ!!」

 

 

WSO(初戦闘時)

由木「まさか大佐が来て下さるなんて……」

 

鉄也「たまたま青戸に用があってな……しかし、お前がいるとは予想外だったぜ!」

 

由木「こちらもJUDAでの任務中だったので……」

 

鉄也「どうやら任務の方は順調みたいだな……やれるか?」

 

由木「私を見くびらないで下さいよ、剣大佐!」

 

鉄也「フッ、言うまでもないか……んじゃあ行くぞ! スクランブル・ダァッシュ!!」

 

 

勇者特急隊(初戦闘時)

舞人「この町の平和を乱す奴は、俺と勇者特急隊が許さない!」

 

マイトガイン「ああ、そうだな舞人!」

 

バトルボンバー「俺達の力、見せつけてやろうぜ!」

 

ガードダイバー「町の平和は私達が守る!」

 

舞人「ありがとう皆……では行くぞ! 勇者特急隊、出動!!」

 

マイトガイン「おう!!」

 

 

~~~

鉄也「サンダァァァー……ブレェェェークッッ!!!!」

 

マイトガイン「シグナルビィィームッッ!!!!」

 

加藤機関兵1「ぐわぁぁぁーっ!!」

 

加藤機関兵2「俺も……想像力が足りなかったのか……!」

 

辰也達に加え、グレートマジンガーとマイトガインの攻撃によって加藤機関のアルマは全滅した。

 

浩一「す、すげェ……!」

 

辰也「流石はグレートマジンガーとマイトガインだ!!」

 

陸「ヒィィ……どうするのです、沢渡さん!」

 

沢渡「慌てんじゃねぇぞ陸! ……てめェらなんざ、俺達2人だけでも十分だ!!」

 

イダテンとヤオヨロズが構える。同時に、イールソウルとラインバレルも2機を見据える。

 

浩一「グレートマジンガーとマイトガインだけじゃねぇ! オレたちもいるコト、忘れんなよ!!」

 

辰也「って訳で……鉄クズにしてやるぜ、アルマ共!!」

 

~戦闘再開~

辰也(対陸)

辰也「……思ったんだけどさ、さっきから想像がどうのって言ってるお前が一番想像力ねえんじゃねえか?」

 

陸「へェ……僕をバカにするつもりですか?」

 

辰也「いや、馬鹿にはしてねぇけど……」

 

ジゼラ「辰也さん! こういうのははっきり言いましょう! ええっと……王政陸! あなたは自己中心的な人間です! おまけに町の人を人質に取るなんて……!」

ジゼラ「あなたみたいな人を『最低』って言うんです! 城崎さんが言ってました!」

 

辰也「いやあのジゼラ……それ言い過ぎじゃ……」

 

陸「……よくも……よくも僕をバカにしたなァァァ!!! キヒヒ……許しませんよ!! そうだ、あなたの機体を粉々にしてやりましょう! 電子レンジに入れたダイナマイトのようにねェ!!!」

 

辰也「例えが訳分かんねえよ……ああもう、こうなりゃやってやるぞ! 覚悟しろよデブ野郎!!」

 

 

辰也(対沢渡)

沢渡「戦場に女連れて来るたぁなかなかやるじゃねェか! 見せつけてんのか、このスカし野郎が!!」

 

ジゼラ「な、何言ってるのこの人……」

 

辰也「きっと嫉妬してんだろ……じゃなくて! 俺とジゼラはそんなんじゃねえ!! 一緒に戦う仲間だ!!」

 

ジゼラ「そ、そうです! 馬鹿も休み休み言って下さい!!」

 

沢渡「ヘッ、何でもイイけどよォ……俺はてめェみてえなガキが嫌いなんだ!! ブッ殺してやるぜェ!!」

 

辰也「上等だ! 来やがれドチンピラ!!」

 

 

浩一(対陸)

浩一「どうした? 焦ってるみたいだなァ……まさかこういう展開になるなんて想像してなかったってさ」

 

陸「何……ですってェ!!?」

 

浩一「ハッ、何だよ! お前も十分、想像力が足りないじゃないか!!」

 

陸「うるさい! うるさい! う゛る゛ざい゛!! ゴミが! カスが! クソが! クズがぁ!!! 僕の想像力が足りないだとォオォオ!!?」

 

浩一「その通りだ! オレ達が来るなんて想像してなかったクセになァ!!」

 

陸「調子に乗るなぁあぁああーッ!!!」

 

浩一「そうやって暴れてる今がチャンスだ!! 行くぞ、ラインバレル!!」

 

 

浩一(対沢渡)

沢渡「昨日まで素人だったガキが努力もしねェで力を手に入れそれを行使できるたァ、つくづくムカツク存在だぜ……ファクターって奴はよォ!!!」

 

浩一「言いたいコトはそれだけかよ、加藤機関の悪党!!」

 

沢渡「ほざきやがれ! だったら遠慮なくブッ殺してやる!! 気張んなよ、ガキが!!」

 

浩一「ああ、かかって来いよ! 今のオレは誰にも負ける気がしない!!」

 

 

JUDA組(対陸)

森次「さんざん私の部下をいたぶってくれたな……今からその礼をしてやろう」

 

陸「ヒィィ……ひ、卑怯ですよ! 大勢で僕をよってたかってイジメるだなんて……」

 

シズナ「町の人達を人質にしたヤツが何言ってんのや!!」

 

イズナ「想像想像って言ってたケド、想像力がないのはあなたの方でしたね!!」

 

山下「とにかく、お前みたいなゲス野郎はボコボコにしてやるっスよ!!」

 

陸「キ……キヒヒ……ヒ……!!」

 

森次「反論の余地はないみたいだな……だが我々は話をしに来た訳ではない……」

森次「お前を『倒し』に来たんだよ。覚悟はいいか? 我々は出来ている」

 

シズナ「ウン十倍にして返してやるから、覚悟しいや!!」

 

 

JUDA組(対沢渡)

森次「私の部下を痛めつけた礼をしてやる……覚悟はいいな?」

 

沢渡「ヘッ……1人じゃ勝ち目がねェからって、仲間を呼びやがったか!!」

 

シズナ「んなワケあるかぁ!! 森次さん達がいなくても、ウチらだけで十分や!!」

 

イズナ「それはどうかと思うケド……それより、町を盾に僕達を痛めつけた人が言えるコトですか!?」

 

沢渡「クッ……!!」

 

山下「痛い所を突かれたみたいッスね……」

 

シズナ「そんじゃ、さっきの恨みを返してやるで!!」

 

 

ガンダムファイター(対陸)

ドモン「よくもやってくれたな……加藤機関ッ!!」

 

陸「が……ガンダムがこんなにも!! ヒィィ……やめて下さい!!」

 

アレンビー「町の人達と私達を苦しめておいて、虫が良すぎるわ!!」

 

レイン「そんな人にやめろと言われても、私達がやめると思う?」

 

陸「う……うわあ゛ぁあ゛ぁ゛ああぁぁ!!」

 

ドモン「さて……覚悟は出来たか!! 俺達は……お前を倒すッ!!!」

 

アレンビー「さっきの恨み……何倍にでもして返してやるから!!」

 

 

ガンダムファイター(対沢渡)

沢渡「来やがったぜェ……骨のある相手がよォ!!」

 

ドモン「お前と遊んでいる暇はない!! とっとと片付けるだけだ!!!」

 

レイン「アレンビーが受けた痛み……自分の体で味わいなさい!!」

 

アレンビー「さっきの恨みは恐ろしいよ!! 覚悟しな!!」

 

沢渡「へッ……口だけじゃなんとでも言えるぜ!! 御託はいいからかかって来やがれ!!」

 

ドモン「その意気や良し……ならば、覚悟してもらおうッ!!」

 

 

WSO(対陸)

陸「キヒィ……いくらグレートマジンガーと言えど、このヤオヨロズを倒すのは不可能に近いですよ!!」

 

鉄也「グレートも俺も舐められたものだな……お前ごときにやられる俺達じゃないぜ!」

 

由木「私も忘れてもらっちゃ困るわね!」

 

陸「そんなコトはどうだってイイんだよォ!! こうなったらまとめて破壊してやるぅう゛う゛ぅうぅ!!」

 

由木「まるで駄々をこねる子供みたいね……こんなのに苦戦してたなんて、恥ずかしいわ……」

 

鉄也「デスカプリーズの2人の方がまだ大人だぜ……それに、苦戦した事は取り返せばいいさ! それじゃあ行くぞ!!」

 

 

WSO(対沢渡)

沢渡「あのグレートマジンガーと戦えるなんてなァ……楽しみでしょうがねェ!!」

 

鉄也「そうか……だが俺達は、お前達と遊んでいる暇などない」

 

由木「さっきの事……絶対に許せないわ……! そこでガタガタ震えて待ってろ、外道!!」

 

沢渡「手も足も出なかった女がデカい口叩きやがって……! 上等だ!! ブッ殺してやるぜェ!!」

 

由木「ええ……かかってこい、加藤機関!!」

 

鉄也「俺もサポートしてやる……思い切りやるぞ!!」

 

 

勇者特急隊(対陸)

バトルボンバー「いくら装甲を纏っていても、その程度だったら俺がブチ抜いてやるぜ!!」

 

陸「想像力が足りないんじゃあありませんか!? あなた程度の火力で、このヤオヨロズの装甲が貫けるとでも……」

 

ガードダイバー「想像力のない方にそんな事を言われても説得力がありませんね!」

 

マイトガイン「勇者特急隊を舐めるなよ! お前ごとき小悪党なんてのは、今まで何回も相手して来たさ!!」

 

舞人「その通り! それに、仮にお前が強くとも、この町を脅かす奴は絶対に倒す!!」

 

陸「キヒイ……ポンコツ電車共が生意気なんだよォ!! こうなったら……全員スクラップにしてやる!!!」

 

舞人「……お前は言ってはいけない事を言ったな! 勇者特急隊を……俺の仲間を馬鹿にする事は絶対に許さない!! 行くぞガイン!!」

 

マイトガイン「ああ!! 覚悟しろ、小悪党!!」

 

 

勇者特急隊(対沢渡)

沢渡「勇者特急隊ってのは、ガキが率いてやがんのか……」

 

舞人「その通りだ! だが、俺を子供だと思って舐めるなよ!!」

 

マイトガイン「舞人は正義の心でこの町を守っている!! お前如き悪党など、我々で一捻りだ!!」

 

バトルボンバー「その薄っぺらな装甲をブチ抜いてやる!!」

 

ガードダイバー「覚悟しなさい、加藤機関!!」

 

沢渡「ヘッ、わらわらとうるせェ奴らだ!! てめェら全員スクラップにしてやるぜェ!!!」

 

舞人「悪党に出来るものか!! 行くぞガイン!!」

 

 

~~~

バトルボンバー「ボンバァァァーガントレット!!」

 

バトルボンバーの必殺技、ボンバーガントレットでヤオヨロズの装甲を貫く。

 

舞人「でかしたぞ、バトルボンバー!!」

 

陸「キヒヒ……ですが、この程度では……」

 

シズナ「逃がさんでぇ!! ナーブクラック!!!」

 

ナーブクラックでヤオヨロズを捕らえた。

 

陸「こんなモノでェ……!!」

 

シズナ「えげつないのブチ込んでも構わないけどなァ……今回はそういう使い方やないんや!!」

 

イズナ「巻き取れ、ディスィーブ!!」

 

陸「なあッ!?」

 

ディスィーブがナーブクラックを巻き取り、ヤオヨロズを近づける。

 

マイトガイン「今がチャンスだ!! 動輪剣を使うぞ、舞人!!」

 

舞人「ああ! 動輪けぇぇぇぇん!!!」

 

マイトガインから動輪剣が飛び出す。

 

陸「ヒイイ……」

 

マイトガイン「はぁぁぁぁぁっっ……!!」

 

舞人「縦! 一文字斬りぃぃぃぃぃっ!!!」

 

陸「うわぁあぁああぁぁぁっっっ!!!!」

 

真っ直ぐな斬撃で、真っ二つにされたヤオヨロズ。

 

陸「ひ……ヒイイ……撤退です!!!」

 

脱出ハッチを開き、陸は撤退した。

 

沢渡「陸!!」

 

浩一「おっと、お前の相手はオレだ!!」

 

ラインバレルの刀で、陸の撤退に気を取られたイダテンに傷を付ける。

 

沢渡「くっ!! ……へッ、この程度かよ!!」

 

イダテンに反撃されるも、間一髪で避けるラインバレル。

 

浩一「遅いんだよ、アンタの攻撃は!!」

 

そのまま攻撃を続けるラインバレル。沢渡はその中で、ある違和感を感じていた。

 

……コイツ……さっきからデカくなってねェか……!?

 

彼の感覚では、ラインバレルのサイズが最初より大きくなっていた。

 

沢渡「いや……そんなコトあるワケ……」

 

呟いている最中、ラインバレルに殴られる。

 

沢渡「!!!」

 

ゾクッ、と彼の背中に悪寒が走る。

 

沢渡「……なんなんだ……コイツは!!?」

 

彼の目の前にいたラインバレル……それを形容するとしたら───

 

 

 

 

 

───紛れもなく、鬼だった。

 

沢渡「こ……ここ……これがヤツの本当の姿なのか……!?」

 

クソッ……震えががががが止まらあ……あ゛あ゛あ゛あ゛……!!!

 

沢渡は怯えている。目の前の化け物に、鬼と化したラインバレルに───

 

沢渡「!」

 

ふと背後を見ると、ディスィーブのナーブクラックが一本背中に刺さっていた。

 

沢渡「クソッ! あのガキ共だなァァアア!!」

 

イズナ「……隙を見てなんとか一本だけ刺せたね……」

 

シズナ「これでアイツはその機体から降りひん限り、ラインバレルの恐怖から逃れられんってワケや」

 

シズナが得意気に説明している。

 

沢渡「はぁっ……はぁっ……こんなモノ……リンクシステムさえ引き抜きゃあ問題ねェ!!!」

 

うおおおおおおお、と雄叫びをあげ、無理矢理リンクを引き抜く沢渡。

解除された事により、コックピット内にサイレンが鳴り響く。

 

そして、幻覚は消え去った。

 

沢渡「こざかしいマネしやがってェ……だが!」

 

加藤『……退け、沢渡。マニュアル操作ではオリジナルのマキナには勝てん』

 

沢渡の元に、加藤から通信が来た。

 

沢渡「ふざけんな!! あんなガキ共、マニュアルでもやれる!! クソが!!!」

 

イダテンが装備している銃を構える。

 

沢渡「オレを……舐めん───」

 

話している間に、ラインバレルが近づく。

 

浩一「お前こそ、オレのラインバレルを……舐めるな!!」

 

───一閃……ラインバレルが振り下ろした刀がイダテンを切り裂いた。

 

沢渡「チッ……チクショオオオオオオオ!!!!!!」

 

真っ二つに裂かれたイダテンから、沢渡も撤退した。

 

浩一「逃げた……ってコトは、勝った……のか?」

 

森次「……まったく、ラインバレルの能力に依存した無茶苦茶な戦い方だ」

 

由木「ですが、全く考え無しの行動でもないでしょうね」

 

毒づく森次に対して、浩一をフォローする由木。

 

森次「……例のビーム兵器を使用しなかったコトですか?」

 

ドモン「それに加えて相手のコックピットを外した戦い方……立派な進歩じゃないか。鍛えれば、ガンダムファイトにも出場する資格は持てるだろう」

 

辰也「あのー……ラインバレルはガンダムじゃないでしょう……」

 

ドモン「まあそれはそうだが……ともかく今は、彼の勝利を喜ぼうじゃないか」

 

シズナ「ウチらもいるケドな……」

 

森次「……では、我々も戻るとしよう」

 

森次の一声で、全員は帰還した。

 

~JUDA社内~

廊下で、浩一と辰也、ジゼラと山下が歩いている。

 

浩一「……なんでこんなモノ着なきゃいけないんだよ?」

 

山下「ウチの会社はスーツ着用が決まりなんだよ。まあ……瀧城とジゼラに関しては、義務はないらしいんだケド」

 

辰也「浩一が羨ましいぜ、なぁ!」

 

浩一「じゃあオレは入社確定で、ここの仲間ってコトなのかよ……」

 

ジゼラ「でもそのスーツ、早瀬さんにすごく似合ってますよ!」

 

浩一「なんか嫌だなァ……」

 

スーツの堅苦しさと自分の扱いに不満を漏らす浩一。

 

辰也「ったく、素直じゃねえなぁ……緒川さんから聞いたけど、それ特注で何十万もすんだってよ」

 

ジゼラ「それより本当にこのまま帰るんですか? せっかく社長が早瀬さんの初勝利のお祝いするって言ってたのに……」

 

浩一「オレだって受験や何やらで忙しいんだよ」

 

フンッ、とそっぽを向く浩一。辰也は辰也で、流しソーメンでパーティーってのはいいよな~、と脳天気な事を言っている。

 

辰也「……なあ浩一、確かにお前は最初、その手に入れた力を無責任に使っちまって、友達を失った……でも、今のお前は間違いなく大勢の命を守ったんだ」

 

山下「だから早瀬、もうそろそろいいんじゃないの?」

 

浩一「え……?」

 

山下達の方へと振り返る。

 

辰也「友達と向き合って、線香の一本でも上げてこいよ」

 

浩一「……」

 

辰也「……こんな事言うのは失礼だと思うけどよ、墓参り行けるだけでも幸せモンだからな……」

 

山下「瀧城……」

 

しみじみと、辰也は虎之助の事を考える。

 

辰也(俺は、生きてるって信じてるけどよ……)

 

話していると、物陰から声が聞こえてきた。

 

イズナ「姉さん、今さら隠れてどうするんだよ」

 

シズナ「う……うるさいなァ……」

 

2つの影……イズナとシズナが姿を現す。

 

イズナ「ほらっ、姉さんっ」

 

シズナ「ちょっ、ちょっと……って早瀬……」

 

イズナは笑顔を浮かべているが、シズナは困惑気味だ。

 

浩一「なんだァ!? また股間蹴っ飛ばすつもりかよ!!」

 

そうはさせん、と言わんばかりに足で股間をガードする。周囲の人は呆れ気味だ。

 

シズナ「その……今日はありがとう……」

 

そっぽを向きながら、照れくさそうに言う。意外な返答に、あれ? と浩一は思わず口に出してしまった。

 

浩一「あ、ああ……いや、その、なんだ……そ、そういやお前ら本当にそっくりだよなぁ」

 

シズナ「……双子だから当たり前や!」

 

アホか! と声を荒げるシズナ。

 

浩一「だったらシズナは女なんだし、弟と区別するくらいの努力しなきゃ」

 

シズナ「え……」

 

そう言うと浩一は着けていたネクタイピンを取り、シズナ……ではなくイズナの肩に手を乗せた。

 

イズナ「あの……僕、イズナですけど……」

 

困惑するイズナ。その横ではシズナがカクンッ、とすっころんでしまった。

 

シズナ「早瀬ェ!! お前ワザと間違って……」

 

怒っているシズナの髪に、浩一がネクタイピンを着ける。

 

シズナ「え……?」

 

浩一「ほら、これで少しはシズナって判りやすくなっただろ?」

 

山下「カッコつけちゃって~~~、そのネクタイピンも特注なんだよ~~~」

 

ジゼラ「シズナさん、可愛くなりましたね!!」

 

シズナ「よ……よよ……余計なお世話やーーーっっ!!」

 

あまりの恥ずかしさに駆け出すシズナ。

 

イズナ「ね、姉さん!?」

 

山下「パンツ見えちゃうッスよ~~~」

 

……と、浩一達がこのようなやり取りをしている一方で、社長は舞人と話していた。

 

石神「……では、舞人クンも我々に協力してくれる……ってコトかな?」

 

舞人「はい! 勇者特急隊は悪から皆を守るための組織……その加藤機関という奴らが平和を脅かすのならば、我々勇者特急隊の敵です!!」

 

石神「頼もしいねェ……それに、その歳で社長なんだろう? 今をときめく高校生社長……ロートルの僕とは大違いだ」

 

舞人「そんな、石神社長も素晴らしい方じゃないですか。それに僕はただ、父さんと母さんの代わりとしてやっているだけです」

 

緒川「でも、舞人クンが旋風寺コンツェルンの社長になってからは前年に比べて業績が200%といううなぎ登り……決してお飾りの社長ではないと言えるわね」

 

舞人「お褒めにあずかり光栄です」

 

そう言うと、石神に向かって一礼をした。

 

浩一(アレが……本物の正義の味方……いわゆるヒーローってヤツか……)

 

その光景を、感慨深く眺める浩一。

 

イズナ「早瀬さん、どうしました?」

 

浩一「いや、オレもああいう人になりたいなって……」

 

舞人「俺がどうかしたのかい?」

 

舞人の話をしている浩一とイズナ、そこへ当の本人がやって来た。

 

浩一「あ、いや……」

 

イズナ「あのっっ!! 僕、遠藤イズナって言います!! それでこちらは早瀬浩一さんです!! 僕達、どうすれば舞人さんみたいになれるか話してて……」

 

浩一「お、おいイズナ! 急にそんなコト……」

 

舞人「俺みたいに……? はは、簡単な事さ、日頃から正しいと思う事をやればいい……そうじゃないかな?」

 

イズナ「ありがとうございます!! ……ですって、早瀬さん!!」

 

浩一「……正しいと思う……コト……か。要はさ、『大切なのは何をすればいいかじゃない、自分がどうしたいか』ってコトか?」

 

かつて友に言われた言葉を言う浩一。

 

舞人「そうでもあるかな……それを分かってるなら、君は十分、正義の味方だ!!」

 

舞人が浩一を賞賛する。フッ……と微笑みながら、浩一は言葉を続けた。

 

浩一「……ケド、オレはまだまだだ。だから、オレはアンタにも負けない正義の味方になる!!」

 

大声で自分の決意を表明する。

 

舞人「そうか。なら、俺も負けないぞ!!」

 

浩一「ああ! お互いに頑張ろう!!」

 

そう言うと、2人はがっちりと固い握手をした。

 

由木「大佐はどうしますか?」

 

その横では、鉄也と由木が話している。

 

鉄也「ああ……しばらくしたらテキサスプラントでの勤務がある……が、それまでは長いからな、お前達について行こうと思う」

 

由木「ありがとうございます!」

 

鉄也「それに、お前ももっと鍛えなきゃな。大尉」

 

由木「はい! 稚拙な部分もありますが、ご指導よろしくお願いします!! ……ところで、炎中尉とはどうなんですか?」

 

鉄也「ああ……ジュンとは上手くやってるぜ……それに、あいつの腹も大きくなって来やがった」

 

由木「それって……!」

 

鉄也「俺ももう、一児の父親さ。これから産まれてくる子供のためにも、頑張らないとな」

 

そう言うと、ニカッと歯をむき出して笑った。由木も思わず笑顔になる。

 

辰也「……全く、今日はいい日だぜ!!」

 

ジゼラ「辰也さん?」

 

辰也「鉄也さんや勇者特急隊には会えたし、浩一も少しだけどここに馴染んだ……そして、お前と一緒に戦えた」

 

ジゼラ「!」

 

辰也「本当にありがとよ! ジゼラがいなかったら、俺は皆を守れなかった……お前のおかげだぜ!!」

 

ジゼラ「は、はい!! あの……これからもよろしくお願いします!!」

 

辰也「おうよ! こっちこそ、よろしく頼むぜ!!」

 

そう言うと、お互いに笑顔で向き合い握手をした。

 

~数時間後・公園跡地~

あの場所に来た。矢島が死んだあの場所に……

 

浩一「少し前……のコトなんだよな……」

 

献花されている場所を見下ろす浩一。その表情は神妙そうだ。

 

紗季「浩一……クン?」

 

声のする方を見ると、矢島の妹……紗季がいた。

 

浩一「……紗季ちゃん……そっか、じゃああれからよくここに来てるんだね」

 

紗季「時間があるとつい……ね。でも浩一クンが来てくれて安心した……心配だったんだぁ、お通夜にも来てなかったし……それに、中学入ってからお兄ちゃんとギクシャクしてるみたいだったから」

 

浩一「……それは、オレがいけないんだ……オレがバカだったから……」

 

そう語る浩一の表情は、悲しみでいっぱいだ。

 

浩一「矢島の言ってたコトはいつも正しかったのに、オレはそれを聞こうとしなかった。最後まで信じてくれてたのに、オレはそれに応えようとしなかった……今さらこんなコト言ったって遅いコトはわかってる……でも、オレは今、矢島に応えたくて仕方ないんだ」

 

そう言うと、浩一は俯いた。

 

紗季「……全然遅くないと思うよ」

 

浩一「え……」

 

紗季の言葉を聞いて、不意に顔を上げる浩一。

 

紗季「浩一クンが今そうしたいって思うなら、それはきっと正しい事だと私も思うし……それに、一番大切なのは、今浩一クンが『どうしたいか』なんだから」

 

そう言って微笑む。紗季の姿に矢島の姿が重なったように見えた。

 

紗季「きっとお兄ちゃんだったらこう言ってたと思う……『今さらじゃなくて、今からでいい』って」

 

浩一の目から、大粒の涙が流れ出る。

 

浩一「……うん、ありがとう」

 

地平線から、朝日が昇ってきた……。




中断メッセージ(勇者特急隊からの伝言)
舞人「もうおしまいかい? なら、俺達勇者特急隊からのメッセージがあるんだ。よかったら聞いてくれ」

ガイン「ここまで読んでくれて、ありがとう!!」

ライオボンバー「でも、早く戻ってこいよ!!」

ダイノボンバー「俺達の活躍を見て欲しいからな!!」

バードボンバー「だが、無理はしなくていいぞ!!」

ホーンボンバー「体に気をつけてくれ!!」

ファイアダイバー「しかしまあ、急がなくてもいいんですよ」

ポリスダイバー「しっかり体を休めてくれ」

ジェットダイバー「その代わり休んだら、また見て下さい!」

ドリルダイバー「私達は、いつでも待ってますよ……」

舞人「……以上だ。また見てくれよな!!」
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