10月上旬 中央大学(ちゅうおうだいがく)
講義後
るり 「で、一条君達とそれぞれの学校の学祭を周る事に決まったのは良いけど、私達は何か出し物をやるの?」
集 「別にそんなの、出さなくていいじゃん〜〜。
俺は各大学の、可愛い子の写真を一杯(いっぱい)取れれば〜〜。」
るり 「………写真を1枚でも撮ったら、その時点で浮気と見なして、実家に帰らせて貰うわ。」
集 「そ、そんなあ〜〜(泣)、写真撮るだけでもダメ?」
るり 「当たり前じゃ無い。
あなたは今は、私の彼氏なんだから。」
集 「でもるりちゃん、出し物やるにしたって、俺たち何か出せるのかなぁ?
だって俺たち、この中央大学の講義以外は、
家庭教師と英会話のバイトをしてばっかで、
部活もゼミもやって無いじゃん?」
るり 「………それなんだけど、だったらその家庭教師と英会話のバイトで学んだモノを生かせばいいと思うのよ。」
集 「え?」
るり 「私達2人で、大学祭の日の1日限りの、教室をやるのよ。」
集 「教室?」
るり 「ええ、私が英語を教えて、
あなたが英語以外の教科を教えるのよ。
そしたら、特にあなたは教師になる予行演習にもなるから、丁度(ちょうど)いいんじゃない?」
集 「そっかぁ〜〜、それは名案だね!
ウチの大学、部活やゼミに所属して無くても、
学生間で費用を出し合って自己責任でやれば、大学祭で店や出し物(だしもの)を出せる決まりだし、問題無いじゃん!」
るり 「なら、決まりね。
でも集君、1日教師の立場を悪用して、
小咲や千棘ちゃんに変な事やセクハラまがいの事したら、許さ無いわよ。」
集 「やだなぁ〜〜、そんな事し無いって!
るりちゃんは、どんだけ俺の事を信頼して無いんだよ!」
第1巻 第181話 完
第1巻 第182話 ジュンビ
2017年10月11日(水) PM:15:00
凡矢理大学 体育館の、バドミントン部練習場所近く
楽は、その日選択した自分の講義が終わった後、冬吾と一緒に、蛍 葉次(ほたる ようじ)の大学祭の手伝いに来ていた。
楽 「なー蛍(ほたる)、カップル限定のイベントって、具体的にはどんなのをやるんだ?」
蛍(ほたる) 「うん。まず、カップル同士で手を繋いだままイベントダンジョンに入って行って、色々な関門をクリアして行くんだ。」
楽 「手を繋いだまま?」
蛍(ほたる) 「うん。
恋人同士なら、どんな状況でも自分だけじゃ無くて、相手の事も大事にするものでしょ?
イベントダンジョンの中、手を離しそうになる展開が幾つか用意されてるんだけど、
それに負けて、手を離しちゃったらその時点でリタイアって訳さ。」
楽 「なるほど………それなら、どちらか一方が手を離すだけでもダメだな。
どんな状況でも、お互いを大事に思ってる、
本当に愛し合ってる真のカップルにしかクリア出来ねーって、訳だな。」
蛍(ほたる) 「まあ、そういう事だね。」
楽 「ん?でも、イベントダンジョンの中で手をずっと繋いだままだったなんて、
どうやって確認するんだ?
まさか、イベントダンジョン中ずっと、
お前のバドミントン部の部員が見張ってるのか?」
蛍 「ああ、それなら大丈夫。
イベントダンジョンの中には、至る所に監視カメラを仕掛けるから。」
楽 「監視カメラ?」
蛍 「どうやってそんな物を手に入れたのかは分から無いけど、冬吾が用意してくれたんだ。
ざっと軽く20〜30台以上。」
冬吾 ニィッ
楽 「と…冬吾、お前一体、どこでそんな物を?」
冬吾 「忘れたのか楽、俺は星物書き(星物書き)だぜ?
情報を集める為の物なら、しっかりと揃えてある。」
楽 (……………ますます冬吾が、集に似て見えて来た。)
楽 「まあ、それは置いといて………蛍(ほたる)、そのイベントダンジョンの中の恋人同士の関門って、どんなのがあるんだ?」
蛍 「そうだね………まあ、まだ全部が決まったって訳じゃ無いんだけど、
例えば、「オバケ屋敷」かなあ?」
楽 「オバケ屋敷?」
蛍 「うん。
僕たちバドミントン部の部員がオバケに仮装して、参加者のお客さんを驚かすの。」
蛍 「まあ、小学生じゃああるまいし、
20歳(ハタチ)前後の大学生の歳(トシ)にもなって、オバケ屋敷のオバケに驚かされた位で、恋人を見捨てる様な人はいないと思うけどね。」
楽 「そ、そうだな………ハハハ………」
楽 (俺の恋人が、そんな奴だぜ蛍。
暗い所と狭い所が大の苦手の女の子が……)
蛍 「他には、そうだねえ………」
ゴニョ ゴニョ
楽 「!そんな関門があるのか?」
蛍 「うん。監視カメラと同じく、どこで手に入れたかは謎のままだけど、
冬吾が1個用意してくれたんだ。」
楽 (こりゃ、その関門だけは千棘と2人でクリアしたいな。
いや、絶対にクリアしねーと!)
第1巻 第182話 完