ニセコイ→マジコイ   作:カルマ1515

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第1巻 第208話 トウゼン 第1巻 第209話 オオアメ

2017年10月20日(金) 13:00

 

代々木ゼミナール凡矢理校 自習室

 

万里花 「あれーー?

この問題、イマイチ良く分かりませんわ〜〜。」

 

夜内 「ああ、そこはこの方程式を使うんだよ、

橘さん。」

 

万里花 「!なるほど!

この方程式を使ったら、後はスラスラ解けましたわ〜〜、

ありがとうございますわ、夜内(やうち)さん。」

 

 

万里花は、その日の午前中のゼミの講義を受けた後に、

昼食を食べて、午後から自習室で夜内(やうち)と2人で自習をしていた。

 

 

万里花 「それはそうと夜内(やうち)さん、

この前の学祭巡りの話は、覚えてらっしゃいますわよね。」

 

夜内 「ああ。

君と一緒に、君の高校の時の友達の大学祭を回るんだよね?

ちゃんと覚えてるよ。」

 

万里花 「フフッ、

しかし、あなたがこんな話に乗るなんて、

なんだか意外ですわね。」

 

夜内(やうち) 「え?なんで?」

 

万里花 「あなた、ゼミでの大学受験対策講座が終わった後でも、

毎日のように自習ばかりしてるし、

てっきり、勉強一本で遊びには余り興味の無い人かと思ってましたわ。」

 

夜内 「………別に、

俺だって、今までずっと勉強一本で生きて来たわけじゃないよ。

ただ、今俺が努力するべき目の前の事が受験勉強である。

ただ、それだけの事だよ。」

 

万里花 「あら、そうなんですの?」

 

夜内 「自分が何か叶えたい事や目標があるんなら、

自分に出来る限りの最大の努力をするのが当たり前。

そうじゃ無い?」

 

万里花 「………全くもって、その通りですわね。

あなたとは、大分気が合いそうですわ。」

 

夜内(やうち) 「そりゃどうも。」

 

万里花 (………そう言えば、私(わたくし)が楽様以外の男の人とこんなに話したのは、

多分夜内(やうち)さんが初めてですわね。

まあ………ただ、それだけの事なんですがね。)

 

第1巻 第208話 完

 

 

 

第1巻 第209話 オオアメ

 

2017年10月20日(金) 16:00

 

その日は、クラスでの学祭の準備が特に無かった楽と千棘は、

学校の講義だけを終えて、早めにスペクトル凡矢理に帰っていた。

 

 

ザーーザーー………

 

千棘 「うー〜、スゴい雨ねーー………。」

 

楽 「天気予報で、雨が降るかもっては出てたけど、

まさかここまでドシャ降りになるとはな。

降っても、小雨だと思ってたぜ。」

 

千棘 「どうすんのよ?

私もあんたも傘は持って無いし、

このままじゃあ、ずぶ濡れになっちゃうじゃない!」

 

楽 「………持ってねーもんは仕方ねーだろ。

とにかく、走ってスペクトル凡矢理まで帰るぞ!」

 

千棘 「うん!」

 

タタッ

 

楽と千棘は、バッグを傘がわりにしながら、

スペクトル凡矢理まで走りました。

 

楽 「ハァ…ハァ………

結構疲れたな。」

 

千棘 「あんた、蒼也くんに鍛えられてる割に軟弱ね。」

 

楽 「そういうお前は、

雨の中あんだけ走ったのに、なんで殆ど息切れしてねーんだよ………。」

 

千棘 「でも、お陰で大分ウチまで近づいたわね。」

 

楽 「そうだな。

あと、10分か20分も走ればマンションに着くんじゃねーのか?」

 

千棘 「そうね。

早く行きましょう、楽。」

 

楽 「ああ………!」

 

千棘 「?どーしたの楽、いきなり顔を赤くして………!」

 

 

千棘は、楽が顔を赤くした理由が分かった。

 

カバンでは傘ほど完全に雨を防ぎきれなかったので、千棘の服が濡れて、

ピンク色のブラジャーが服の上からうっすら見えてしまっていた。

 

 

千棘 「もう!

何まじまじと見てんのよ!

このヘンタイ!」

 

楽 「うわっ!

わ、わりぃ………。」

 

千棘 「もう!

この前の遊園地のオバケ屋敷で私が転んだ時も、

パンツ見るし………あんたってホンット、

エロもやしよね。」

 

楽 「………ほれ、これ着ろよ。」

 

スッ

 

千棘 「え?」

 

 

楽は千棘に、自分が着ていた上着を差し出した。

 

楽 「俺の上着、俺のカバンはお前のより大き目だったからあんま濡れてねーし、

これなら下着も透けて見えねーだろ?」

 

千棘 「………ありがと。」

 

ガバッ

 

千棘は楽から上着を受け取り、自分の服の上に羽織った。

 

千棘 「………さっきは悪かったわよ。

オバケ屋敷の時も、今もあんたは見たくて見たわけじゃ無かったのに………。」

 

楽 「いや、俺もじっと見ちまったし………。」

 

千棘 (………ホントは、あんたになら、

もう下着くらい見せても良かったんだけどね。)

 

 

ドンガラガッシャーン

 

その時、2人の近くで雷が鳴り落ちた音がした。

 

楽 「うおっ!?」

 

千棘 「キャアァッ!」

 

ギュッ

 

楽 「わわっ!ち、千棘!?」

 

千棘は、楽に抱きついた。

 

千棘 「ゴ、ゴメン楽!

でも、あんた私が雷苦手なの知ってるでしょ?」

 

ムニュッ

 

千棘が抱きついたので、楽の胸板には千棘の濡れた胸が当たった。

 

楽 (うぅ〜〜………千棘の胸が、俺の胸板に当たってる………

今までも何度か胸が当たった事はあったけど、

こうして濡れてると、まるで水に濡れた果物みたいだ。

スッゲー気持ちいい………。)

 

千棘 「うぅ〜〜………。」

 

千棘は、怯えきっていた。

 

楽 「おい千棘、大丈夫か?」

 

千棘 「むり〜〜。

腰が抜けちゃって、立てない〜〜。」

 

千棘は涙を溜めた目で、楽を上目遣いで見上げた。

 

楽 (うぅ〜〜、可愛い〜〜。)

 

楽 「でも、このままここでじっとしてたら、

もっと怖い事になるぞ?

もしかしたら、雷が俺たちに落ちてくるかも………。」

 

千棘 「!やだ、怖い事言わないでよ!」

 

楽 「わ、わりぃ!」

 

千棘 「あんたがそんな事言うから、ますます立てなくなっちゃったじゃ無い!」

 

楽 「………ったく、しょうがねーな。」

 

ガバッ

 

千棘 「え?」

 

 

楽は、千棘をおんぶした。

 

千棘 「ら、楽!

あんた何を………。」

 

楽 「お前が自分じゃあ動けないんなら、

こうするしか無いだろ?」

 

千棘 「そりゃそうだけど、

いきなり恥ずかしいじゃない、こんなの!」

 

楽 「我慢しろよ!

俺だって恥ずかしいんだから!」

 

千棘 「うぅ〜〜………

こんな事になるなら、心の準備くらいさせてくれってのよ、全く………。」

 

楽 「ん?なんか言ったか?」

 

千棘 「なんでも無いわよ!」

 

 

楽は、千棘をおんぶしたまま、

スペクトル凡矢理の方に向かって歩き出した。

 

スタスタ スタスタ………

 

通行人A 「お、見ろよあのカップル、

彼女をおんぶしてるぜ。」

 

通行人B 「熱いねーー。」

 

千棘 「うう………。

恥ずかしい………。」

 

楽 「我慢しろよ。

もうすぐ、スペクトル凡矢理に着くから。」

 

千棘 (雨も、たまには悪く無いかもね………。)

 

第1巻 第209話 完

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