2017年10月27(金) 15:00
LAB(ラボ) ファッション学園
先生 「それでは、今日でウチのクラスで学祭でやる、「アパレルショップ」で出す、
服のアイデアの提出を締め切りまーす。
まだ出してない人は、今日中に出すようにーー。」
生徒一同 「はーい。」
ワイワイ ガヤガヤ………
千棘 「ふーー、まあ私は4つも提出したし、コレでいいでしょ。」
皆川 「あら、あなたも結構提出できたみたいね。
桐崎さん。」
千棘 「!み、皆川さん………。」
千棘に話し掛けて来たのは、
数週間前に千棘と学祭のデザイン科の出し物のアパレルショップで対決予告をしあったクラスメイト。
皆川 由奈(みなかわ ゆな)だった。
皆川 「あなたにしては頑張ったんじゃ無い。
まああなた、倉持さんに授業後も手伝って貰って、
メンズの長ズボン3つと、スニーカー1つ、
デザインしたみたいね。」
千棘 「な、何勝手に見てるのよ!
それで皆川さん、あんたの方はどうなのよ!?」
皆川 「私?
私も何作品か作ったわよ?
それもあなたとは違って、純粋に服を好きな気持ちと、それを買ってくれるお客さんの気持ちを考えて。」
千棘 「そ、それはどういう意味よ!?」
皆川 「あなた、倉持さんとの会話を聞いたら、
大好きな彼氏に似合いそうなズボンやスニーカーばかり考えてデザインしたらしいじゃ無い?」
千棘 「そ、そんな事まで見てたの?」
皆川 「彼氏さんを大好きなのは結構だけど。
公私を混同しないで貰いたいわね。」
千棘 「くっ!」
皆川 「それでは、さよなら桐崎さん。
あなたには負けないからね。」
スタスタ………
千棘 (くっ、なんなのあいつ………?
万里花より、全然ムカつくじゃない!
あの子は、表面上は楽と同じでケンカばかりでも、結局は友達だと思ってたし………。)
千棘 (私は、あんな嫌味な女には絶対に負けないわ!)
第1巻 第239話 完
第1巻 第240話 ミセダシ
2017年10月27(金) 16:00
佐張大学(さわりだいがく)
弥柳 「よーし、これで俺たちのケーキ屋の屋台は大体完成だ。」
小咲 「うん。お疲れ様、弥柳くん。」
小咲と蓮は、昨日で最後のメニューのチーズケーキのレシピが完成したので、
今日は講義後に佐張大学(さわりだいがく)に残って、大学祭で実際に出店するケーキ屋の屋台を、16号館の前に作って準備していた。
小咲 「でも、なんだか私の趣味で女の子っぽい屋台になっちゃって………ごめんなさい。」
弥柳 「いや、いいんだよ。
俺の頼みでケーキ屋を手伝って貰って、
練習にまで付き合わせちゃったからね。
店の外観くらいは小野寺さんに任せるよ。」
小咲の言う通り、小咲と蓮の作ったケーキ屋の屋台は、
標準的な4本の屋台用の棒にピンク色の布が被せてあり、
その布には「みななぎ おのでら ケーキ屋」と、黄色の線の中に赤い字の文字で店名(てんめい)が描かれている。
そしてその屋台の商品を置く場所には、
それぞれ「ショートケーキ」、「チョコレートケーキ」、「チーズケーキ」、
と名前と、300円という値段が書かれた値札が置いてある。
小咲 「それにしても………「みななぎ おのでら ケーキ屋」、なんて、
そのまんまの名前だよね………。」
弥柳 「うるせーな………
俺、菓子以外のネーミングセンスは全然ねーんだよ。」
アハハ………
小咲 (あれ?
そう言えば私、男の子にこんなからかうような事言うの、初めてかも………。)
小咲 (一条君や舞子君にはどこか他人行儀(たにんぎょうぎ)になっちゃって、多分言えないし、
そりゃるりちゃんには言えるだろうけど………。)
弥柳 (そう言えば俺、菓子作りの為とは言え、1人の女の子とこんな一つの事に熱中したね、初めてかもしれないな………。)
小咲 「……………。」
弥柳 「……………。」
2人の間で、数秒間の沈黙が流れた。
蓮 「と、とにかく小野寺さん。」
小咲 「は、はいっ!」
小咲は少し、慌てた様子で答えた。
蓮 「店もついに完成したし、
ここまで付き合ってくれてありがとな。
大学祭でのケーキ屋、2人で頑張ろうな!」
小咲 「は、はい!
よろしくお願いします!」
第1巻 第240話 完