2017年11月2日(木) 15:30
佐張大学(さわりだいがく)
軽音楽部(けいおんがくぶ)
大学祭ライブ会場
楽 「ほら、さっさとみんなの所に戻ろうぜ。」
千棘 「う、うん………。」
スッ
楽は、千棘に手を差し出した。
ガシッ
千棘はその手を繋ぎ、
手を繋ぎながら楽と歩き出した。
楽 「それにしても、
すごい人混みだよな。」
千棘 「そうね………。」
軽音楽部員A 「それでは、
次の曲行きまーす!」
客A 「オオーー!」
客B 「イエーー!」
グラッ
楽 「わわっ!」
千棘 「きゃっ?」
軽音楽部員の次の曲で再び盛り上がった
観客の人混みは、
楽と千棘をおしくらまんじゅう状態にした。
千棘 「ちょ、ちょっと楽。
くっつき過ぎよ!」
楽 「そんな事言ったって、
この人混みじゃあ………。
わわっ?」
千棘 「あっ!」
ムニュッ
人混みに押されて、
千棘の胸が楽の背中に当たってしまった。
楽 (わわ〜〜………。
千棘の胸………。
やっぱり、柔らかくて気持ちいい………。
じゃなくて!)
楽 「ち、千棘!
む………胸が当たってるって!」
千棘 「こんな大勢の人の前で、
大きな声で言うんじゃないわよ!
そんな事分かって………。
あっ!」
ドンッ
ムニュッ
観客の1人に押されて、
千棘は前後ひっくり返って、
今度は楽に、お尻を押し付けられてしまった。
楽 (うぉ〜〜〜!
最近、体に当たる事は何度かあったけど、
こんな力強く押し付けられたのは初めてだ………。
スゲー弾力があって気持ちいい………。)
楽 「……………。
悪りーな、千棘。」
千棘 「……………。
別にいいわよ。
何度か言ったでしょ?
あんたにだったら、
どこを触られても別にいいって………。」
楽 ドキッ
楽 「そ、そうか………。」
そして楽と千棘は、
密着しながら人混みを避けて、
みんなのところに戻りました。
第1巻 第265話 完
第1巻 第266話 オイシイ
2017年11月2日(木) 16:00
佐張大学(さわりだいがく)
16号館前
小咲 「ふーー。
やっと来れたよ。
弥柳くん、
1人で困って無いかなぁ………。」
楽 「なあ小野寺、
あの店が弥柳くんとお前の店なのか?」
小咲 「あっ、うん。
あのお店だよ。」
佐張大学(さわりだいがく)の大学祭巡りを終えた楽たちは、
小咲が手伝う事になっている、
蓮のケーキ屋に来た。
千棘 「わぁ〜〜。
本格的なお店!」
小咲と蓮の作ったケーキ屋の屋台は、
標準的な4本の屋台用の棒にピンク色の布が被せてあり、
その布には「みななぎ おのでら ケーキ屋」と、黄色の線の中に赤い字の文字で店名(てんめい)が描かれている。
そしてその屋台の商品を置く場所には、
それぞれ「ショートケーキ」、「チョコレートケーキ」、「チーズケーキ」、
と名前と、300円という値段が書かれた値札が置いてある。
鶫 「立派な屋台ですね。
これを大学祭の出し物で作ったのですか?
流石(さすが)です。
小野寺様。」
小咲 「そ、そんな………。
私なんて………。
頑張ったのは弥柳くんだよ。」
万里花 「中々のお店ですわね。」
夜内(やうち) 「店を作った、
努力を感じるね。」
るり 「さあ、
さっさとお菓子作りが上手くなった小咲の作ったケーキを食べましょうよ。」
千棘 「私も!
早く小咲ちゃんの作ったケーキ、
食べたい〜〜。」
集 「アハハ………。
るりちゃんは相変わらず、食いしん坊だなぁ………。」
楽 「お互い、
食欲のすごい彼女を持つよな、集。」
千棘・るり 「なんか言った?」
楽・集 「いえ、何でもないです………。」
弥柳 「お。
小野寺さん、来たんだ。
大学祭巡りはもういいの?」
小咲 「あっ、弥柳くん。」
ケーキ屋の屋台から出て来た蓮は、
ピンク色のエプロンに身を包み、
丸くて優しそうな瞳も相まって、
一層菓子職人(パティシエ)らしく見えた。
弥柳 「……………。
やっぱり、あんた達も来たのか。」
楽 「なんだよ、
悪かったか?」
弥柳 「いや、別にいいんだ。
あんたは初めて会った時から、
悪い星神じゃあないって思ってたからな。
悪いね。」
小咲 「弥柳くん。
みんな、弥柳くんのお店に来てくれたんだよ!」
弥柳 「小野寺さん、
俺だけの店じゃなくて、
俺と小野寺さんの店だろ?」
小咲 「そ、そうだね………。
………ありがとう。」
蒼也 「……………。
なああんた、ホントに何かの組織の星神じゃあ無いのか?」
蓮 「ん?
あんたは確か………。
小野寺さんの店が、
あの変なサングラスのギターのやつに襲われた時の………。」
蒼也 「双神蒼也だ。
ビーハイブというギャング組織で、
星神をやってる。」
蓮 「なるほどね………。
だからそんなに気にするのか。
安心していいよ。
少なくとも、
俺は確かに星神だけど、
ギャングやマフィア界には全く関わりが無い。」
蒼也 「……………。
そうか………。
ならいい。」
楽 「なあ、
そんな話はまた今度にして、
早く小野寺と弥柳くんの作ったケーキを食べようぜ。」
千棘 「あっ、そうだった!
小咲ちゃん、私まずはコレを食べるね!」
ヒョイッ
パクッ
千棘は、ショートケーキを手に取って食べた。
モグモグ………
千棘 「んーー、あっまーい!
何コレ、美味し〜〜!」
小咲 「ありがとうね、千棘ちゃん。」
楽 「そんなに美味いのか?
よーし………俺も。」
ヒョイッ
パクッ
楽は、チョコレートケーキを手に取って食べた。
楽 「お!
スゲー美味いぞ?」
小咲 「ほ………ほんとに?」
楽 「ああ!
美味いだけじゃなくて、
なんだか、昔は料理が下手だった小野寺が、
どんだけ努力したか、
よーく、伝わってくる!
これは、小野寺の努力の結晶だな!」
小咲 「そ、そっか………。
ありがとう、楽君!」
第1巻 第266話 完