2017年11月2日(木) 16:30
佐張大学(さわりだいがく)
16号館前
小咲 「はーい、どうぞーー。
チーズケーキでーす。」
弥柳 「300円になりまーす。
まだまだ沢山あるので、
並んでお待ち下さーい。」
学生A 「お!
このチョコレートケーキ、
スッゲー美味しいじゃん!」
学生B 「チーズケーキ甘いわね〜〜。
もう1つ買って、ウチに持って帰ろうかしら?」
ザワザワ………
蓮と小咲のケーキ屋、
「みやなぎ おのでら ケーキ屋」は、
大繁盛していた。
楽 「スッゲー、たくさんの客が来てるな。」
千棘 「そりゃそうよ!
だって、小咲ちゃんと弥柳くんの作ったケーキ、
スッゴく美味しいもの!」
鶫 「いや〜〜。
すごい繁盛のしようですね。
見て下さい。
道行く学生の人や大学祭の客が、
どんどんこのお店に………。
おや?」
ザワザワ
ガヤガヤ………
道行く大学祭の客たちは、
約半分が蓮と小咲の店に来て、
もう半分は、
蓮と小咲の店から4〜50m程離れた、
別の店に流れていた。
楽 「半分くらいの人は、
他の店に行ってるな。」
千棘 「そうね………。
あっ!
あのお店もお菓子屋さんよ!」
スッ
千棘が指差した通り、
その店も菓子屋で、
色々な種類のクッキーを売っていた。
万里花 「ホントですわね。
それにしても、お店のメニューがクッキーだけであれだけ繁盛するとは、
すごいですわね。」
小咲 「あっ!
弥柳くん、アレって宮坂くんじゃない?」
スッ
クッキー屋でクッキーを売ってる男は、
身長175cm(センチ)前後の男の中でもやや高めの身長に、
キャラメルのような色の、
金髪に近い明るい茶髪をやや長く伸ばし、
前髪の左右が特に長く伸び、
丸い瞳をした蓮とは対照的に細く鋭い目つきをした男だった。
蓮 「ホントだ、宮坂だ。
あいつ、大学祭で自分の店を出すとは言っていたが、
まさか俺たちの店のこんな近くに出していたとはな………。」
楽 「えっ?
2人とも、あのクッキー屋の人の事、
知ってるのか?」
小咲 「うん。
彼は宮坂 創(みやさか つくる)くん。
私と弥柳くんと、
同じ料理教室の菓子科に通ってるんだ。」
楽 「えっ?
小野寺が料理教室の菓子科に通ってるのは知ってたが、
弥柳くんも同じ教室に通ってるのか?」
弥柳 「ああ。
それまでは独学で菓子職人(パティシエ)を目指していた俺に、
小野寺さんが紹介してくれたんだ。
ちなみに、バイト先も小野寺さんと同じ洋菓子屋だ。」
楽 「バイト先まで一緒なのかよ?」
小咲 「でも、
やっぱり宮坂くん、弥柳くんに負けないくらい、すごい売り上げだね。
このままじゃあ、
今回の勝負、弥柳くん負けちゃうかも………。」
千棘 「えっ?
小咲ちゃん、今回の勝負って?」
小咲 「うん。
実は、弥柳くんと宮坂くんは、
ウチの料理教室の菓子科でいっつも、
お互いの作ったお菓子がどっちが美味しいか勝負している、
いわゆる、「ライバル」なんだけど、
同じ大学の学生って事もあって今回の大学祭でも、
お互いが自分のお店を出して、
どっちの売り上げが高いか、
勝負する事になってたの………。」
楽 「そうだったのか………。」
万里花 「なるほど。
勝負をしてお互い競い合う………。
努力する為には必要な事ですわね。」
小咲 「でも、弥柳くんはあんまりそういうのを人に手伝って貰わない人だから。
宮坂くんは、ウチの料理教室の菓子科の友達を何人か手伝いに呼んでるけど、
弥柳くんは私だけなんだ。
お手伝いしてるの。」
楽 「なるほど………。」
弥柳 「まあ、小野寺さんに手伝って貰えただけ、十分だよ。
俺は元々、菓子作りの事は自分1人でやるのが好きだし、
勝負ってのは、
自分の力で努力して勝たないと意味が無いだろう?」
千棘 「確かに、それはそうだけど………。」
楽 「……………。
みんな、明日もこの大学の学祭、
来るよな?」
千棘 「ええ、もちろん。」
万里花 「楽様が学祭巡りに誘って下さったのに、
来ないわけがありませんわ。」
鶫 「無論だ。」
蒼也 「……………。
楽は、俺の大事な生徒だから、
誘いを断るわけにはいかない。」
楽 「それなら、決まりだな。」
千棘 「ええ。」
蓮 「?」
楽 「明日は、みんなで弥柳くんと小野寺のケーキ屋を、みんなで手伝うぞーー!」
一同 「おーー!」
弥柳 「!おい!
あんたら………本気か?」
小咲 「……………。
ありがとう。
一条くん、みんな!」
第1巻 第267話 完