2017年11月4日(土) 10:00
LAB(ラボ) ファッション学園
エレベーターの中
ウィーン………
楽たちは、
千棘に誘われて、LAB(ラボ)のエレベーターで移動していた。
楽 「なあ千棘、これからどこに行くんだ?」
千棘 「フフーン♪
実はね………。
この学校は、服のデザインをするだけじゃなくて、
モデルを目指している子達の為に、
色々な試着室もあるのよ。」
楽 「試着室?」
千棘 「うん。
それも、普通の試着室だけじゃなくて、
色んな試着室があるんだ。
まあ、それは後回しにして、
まずは15階の普通の試着室に行ってみようよ!」
小咲 「へぇ〜〜。
面白そうだね。」
万里花 「私(わたくし)に似合う、
気品のある服はあるのですかね?」
集 「桐崎さん、
その試着室ってもちろん、
女性用だけじゃなくて、
男性用もあるよね?」
千棘 「もちろんよ!
男の子の服も一杯(いっぱい)あるわよ。」
カシャーン
エレベーター 「A塔(とう)、15階でーす。」
千棘 「あっ、
着いたわよ!」
スタスタ………
楽たちは、千棘に先導されて、
A塔(とう)の15階を歩き出した。
その階は、
床も壁も天井(てんじょう)も全て真っ黒で、
幾つもの部屋があり、
その部屋のそれぞれの黒い扉に、
「15○○」と書かれていた。
スタスタ………
小咲 「……………。
ねえ千棘ちゃん、
この学校って、どの階もこの階みたいに黒一色なの?」
千棘 「あっ、
私のデザイン科の教室があるこのA塔(とう)はそうなんだけど、
つぐみのモデル科のクラスがある、
B塔(とう)の方は逆に、
床も壁も天井(てんじょう)も、
白一色なんだよ。」
集 「へぇ〜〜。
流石(さすが)、アパレルとファッションの学校、建物の外観や内面も、
オシャレしてるんだねぇ〜〜。」
蒼也 「当たり前だよ。
ボスとマダムフラワーが、
大切な1人娘であるお嬢の為に、
選び抜いた学校なんだからね。」
千棘 「あ!
ついたわ、この部屋よ!」
ガチャ
千棘は、「1502」と書かれた黒い扉を開けた。
楽 「おお〜〜………。」
集 「これは………。」
小咲 「すごい………。」
千棘が開けたその扉の中の部屋は、
外の廊下とは打って変わって白一色で、
何十何百という服がハンガーに掛けてあり、
幾つかの白いカーテンで隠された試着室もあった。
楽 「随分(ずいぶん)、広い部屋だな〜〜………。」
小咲 「それに、すごい量の服だね………。」
弥柳 「流石(さすが)、
一流のアパレルの専門学校は違うね………。」
るり 「まるで、
一流の服屋さんみたい………。」
千棘 「LAB(ラボ)には、
試着室や学生の子が作った服を売ってるお店が幾つものあるけど、
その中でもこの部屋は、
色んな種類の服をオールマイティに広く集めた試着室なの。
LAB(ラボ)の学生と卒業生なら、
誰でも自由に使えるんだよ!」
小咲 「あっ、でも大丈夫なの?
私たち、ここの学生じゃあ無いのに、
勝手に使って………。」
千棘 「ああ、それは大丈夫だよ。
この学祭の期間中は、
一般の人も自由に使えるように解放するから。」
小咲 「あ、何だそうなんだ………。」
楽 「じゃあ、安心して使えるな。」
千棘 「それじゃあ、
小咲ちゃん、万里花、つぐみ、
女子更衣室はあっちよ、
この部屋にあるお洋服の中から、
好きなやつを選んで試着していいわよ。」
小咲・万里花・鶫 「はーい。」
千棘 「それと、
男子のあんたたち、
のぞいたら許さないからね!」
楽 「しねーよ!」
蒼也 「お嬢、
心配しないで下さい。」
千棘 「あ、蒼也くんはそんな事する心配は全くしてないわよ。
私が言ってるのは、楽と舞子君だけよ。」
楽 「俺も疑ってるのかよ!?」
千棘 「フフフ………冗談よ。
あんたはそんな事する奴じゃないって、
ちゃんと分かってるわよ。」
楽 「おお………そうか………。」
千棘 (まあ、私はあんたになら、
幾らでも体を見られてもいいんだけどね………。)
集 「アレ?
てことは信頼されてないのは俺だけ?」
るり 「集君、
あなたは前科が多過ぎるからね。」
集 ガーン
千棘 「さーて。
みんな、着替えるわよ〜〜。」
そして、女子達の着替えが始まり、
男子達は試着室のカーテンの外で女子達を待ち………。
約10分後
楽 「おせーな、女子たち………。」
小咲 「お待たせしました。皆さん。」
楽・集 「お!」
弥柳 「!」
最初に試着室のカーテンの中から出て来た小咲は、
水色のワンピースを着ていた。
小咲 「ど…どうかな、一条君?」
楽 「おお………可愛いと思うぞ。」
小咲 「弥柳君は?」
スッ
小咲は、蓮の方を向いて今度は蓮に感想を聞いた。
蓮 「まあ………。
俺も、可愛いと思うぞ。」
小咲 「!
そ、そっか………ありがと。」
蓮 (イヤ………。
今まで小野寺さんをそういう目で見た事はあんまり無かったけど、
マジで可愛いな………。)
万里花 「皆さま、お待たせしましたわ〜〜!」
男子一同 「お!」
2番目に出て来た万里花は、
ピンク色のワンピースを着ていた。
小咲のとは違い、
肩の部分に白いフリルも付いていて、
一層可愛らしい。
万里花 「どうですか?楽様?」
楽 「まあ………。
橘も可愛いと思うぞ。」
万里花 「ホントですか?
嬉しいですわ〜〜。
それでこそ、頑張って選んだ甲斐があるというものですわ〜〜。」
千棘 「ちょっと万里花、
あんたなに、人のダーリンに色目使ってるのよ?」
楽・集 「お!」
3番目に出て来た千棘は、
オレンジ色のシャツの上に青い上着を羽織り、
下は青いジーンズをそのまま切って短くしたようなホットパンツで、
靴下はいつものニーハイソックスを履いていた。
首元には十字のネックレスもしていて、
ボーイッシュながらも、
女の子らしい魅力も失われないデザインと服のチョイスだった。
集 「おお〜〜!
桐崎さん、めっちゃ可愛い〜〜!」
千棘 「そ、そうかな………?
ど、どう………?
楽………。」
楽 「……………。
なんつーか………。
スッゲー似合ってると思うぞ。」
千棘 「!
そっか………。
よかった………。」
第1巻 第279話 完