ニセコイ→マジコイ   作:カルマ1515

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第1巻 第284話 ズボンヲ

2017年11月4日(土) 12:00

 

LAB(ラボ) ファッション学園

 

A塔(とう) 12階 1211号室、「長ズボン研究会」前

 

 

千棘 「さーて、

次はこの部屋で長ズボンを試着するわよ!」

 

楽 「うぅ〜〜、

いてぇ………。

お前にビンタされた頬(ほほ)が、

まだヒリヒリするぜ………。」

 

 

楽は、

前の13階の「ホットパンツ研究会」で千棘にビンタされた頬(ほほ)を、

まだ押さえていた。

 

 

千棘 「みんなの前で、

この私にセクハラ発言をしたあんたが悪い!」

 

楽 「うぅ〜〜。

それもそうだな………。

悪かったな。」

 

千棘 「今度はちゃんと、

私たち2人っきりの時に言いなさいよ。」

 

ボソッ

 

楽 「え?」

 

千棘 「な、何でもないわよ!」

 

鶫 「さあ皆さん、

次にお嬢が皆さんにご紹介したいのは、

こちらの部屋です。」

 

ガチャ

 

 

鶫は1211号室のドアを開けた。

 

 

「長ズボン研究会」、

のその部屋は、

その研究会名通り、

何十何百の長ズボンがハンガーに掛けられて飾ってあった。

黒一色、迷彩柄(めいさいがら)、肌色(ベージュ)、ジーンズなど様々(さまざま)な種類の、

 

そしてその部屋の壁には、

同じくさまざまな種類の長ズボンの絵が描かれていた。

 

 

楽 「なんか、

この学校、服のデザインだけじゃなくて、

壁や廊下のデザインや作りも相当(そうとう)凝ってるよな。」

 

千棘 「当たり前よ!

「何事もまずは見た目から」、

が、

この学園のモットーで校訓(こうくん)の1つなんだから!」

 

フフン♪

 

 

楽 「あっ!

でもいいのか?

この試着会は、

お前ら女子が中心になって楽しむ為のものだろ?

長ズボンなんて、

どちらかと言えばメンズじゃねーか?」

 

千棘 「フフン♪

分かってないわね、楽。

最近の女の子は、

スカートやショートパンツみたいな女の子っぽい服装だけじゃないのよ。

ボーイッシュな服も、

好きな子がいっぱいいるのよ!」

 

楽 「そういうもんなのか………?」

 

千棘 「さあみんな、

ここも学祭期間中は貸し出し中だから、

好きに試着してね!」

 

小咲・万里花・鶫・るり 「はーい。」

 

 

そして、女性陣はこの部屋でも更衣室のカーテンの中に入り………

 

 

万里花 「じゃーん!

どうですか楽様、みなさん?」

 

 

この部屋で1番手で出て来た万里花は、

迷彩柄(めいさいがら)の長ズボンで出て来て、

普段のお嬢様口調でお淑やかな彼女の雰囲気から、

打って変わったボーイッシュな新鮮さが出ていた。

 

 

集 「おお〜〜!

なんか今回の万里花ちゃん、

新鮮〜〜!」

 

万里花 「エッヘン!

戦場で勇敢に戦う軍人さんを思わせるこの迷彩柄(めいさいがら)は、

努力家な私(わたくし)にピッタリですわ!」

 

楽 「いやお前、

自分で言うなよ………。」

 

小咲 「アハハ………。

万里花ちゃん、

よく似合ってるね。」

 

楽・集 「お!」

 

 

2番目に出て来た小咲は、

黒一色の長ズボンで、

彼女もまた、

普段のお淑やかな雰囲気から打って変わったボーイッシュさを滲み出していて、

そのギャップが今までに無い小咲の新たな魅力を引き出していた。

 

 

楽 (うお〜〜………!

こんな小野寺も、なんだか新鮮………。)

 

弥柳 (……………。

なんか、良いな。)

 

 

千棘 「お待たせ、楽。」

 

スッ

 

楽 「おっ」

 

 

3番目に出て来た千棘は、

青いジーンズを履いていた。

腰回りが千棘のものより一回り小さいのを履いたみたいで、

彼女の綺麗(きれい)なヒップラインを、

一層(いっそう)強調していた。

 

 

千棘 「ど、どう?

今回のも似合ってる?

楽?」

 

楽 「ああ、似合ってるぜ。」

 

 

楽は、少し顔を赤くしながら答えた。

 

 

千棘 「!

そっか………。

良かった………。」

 

第1巻 第284話 完


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