2017年 11月4日(土) 15:00
LAB(ラボ)ファッション学園
B塔(とう) 1階
千棘 「さあみんな、
いよいよ4時から、
つぐみのファッションショーよ!」
千棘の案内によるA塔(とう)のファッション研究会の試着を終えた楽たちは、
4時から鶫の出るモデル科のファッションショーがある、
LAB(ラボ)ファッション学園のB塔(とう)に来ていた。
楽 「にしても、
こっちの校舎、千棘の言ってた通り、
見渡す限り白一色だな。
さっきまでの校舎とは対照的だぜ。」
楽の言う通り、
LAB(ラボ)の校舎であるツインタワーのB塔(とう)は、
さっきまで楽たちがいたA塔(とう)とは対照的に、
床も壁も天井も、
更にはドアにいたるまで、
全てが白一色だった。
小咲 「確か、つぐみちゃんのファッションショーをやるのは、
この塔(とう)の25階だったよね。」
千棘 「そうよ!
25階のステージで、
モデル科の1年の子達が、
1人ずつファッションショーをやるの。」
集 「で、その誠士郎ちゃんはどこ?」
千棘 「それが、
さっき、「私は準備するので、お嬢はみなさんと先に行ってて下さい。」
って言って、
先にこのB塔(とう)に行った筈なんだけど、
どこ行ったのかしら………。
あ!」
鶫 「お待たせしました。
皆さん。」
鶫は、トイレから出て来た。
スタスタ………
千棘 「つぐみ!
あんた今日は、ガンバんなさいよ!」
鶫 「はい!お嬢!」
千棘 「あれ?
そういえばあんた、
まだファッションショーで着る衣装に着替えてないわね。」
千棘の言う通り、
鶫はさっきのスーツ姿のままだった。
鶫 「ああ。
出来るだけショーの前まで着替えたくないのです。
その………恥ずかしくて………。」
千棘 「そんなんでどうするのよ!
あんたはこれから、
モデルになるんでしょ!
恥ずかしがってる場合じゃないわよ!」
鶫 「はい。
すいませんお嬢………。」
千棘 「私も、
この半年あんたが少しずつ、
LAB(ラボ)のモデル科の生徒になって女の子らしく、モデルらしくなっていくところを見て来て、
一緒に頑張って来たんだから、
ファッションショーの時くらい、
頑張りなさい!」
鶫 「お嬢………。
はい!頑張ります!」
第1巻 第287話 完
第1巻 第288話 ガチガチ
2017年 11月4日(土) 15:30
LAB(ラボ)ファッション学園
B塔(とう) エレベーター内
ウィーン………
千棘 「さーてみんな、
25階のショー会場に行って、
つぐみの晴れ舞台を応援するわよ!」
小咲 「うん。
つぐみちゃん頑張ってるみたいだし、
しっかり応援しないとね。」
万里花 「あの男らしい性格の鶫さんが、
モデルとしてファッションショーに出場ですか………。
これは、見ておく価値がありますわね。」
集 「俺も、
誠士郎ちゃんのモデル姿………。
スッゴく楽しみだなぁ………。」
るり 「集くん、
いつも行ってるけど、
浮気は許さないわよ………?」
ゴゴゴ………
集 「やだなぁるりちゃん、
分かってるってば〜〜。」
蒼也 「俺も、
誠士郎がようやく見つけた、
ヒットマンに次ぐ2つ目の道、
あいつの戦友としてしっかりと目に焼き付けておかないとな。」
楽 「にしても鶫のやつ大丈夫かなぁ………?
大分緊張してたみたいだけど。」
千棘 「あっ、
着いたわよみんな!」
ウィーン………がシャン
エレベーター 「25階でーす。」
楽たちが話してる間に、
エレベーターは25階に着いた。
ウィーン………
楽 「おお………。」
開いたエレベーターのドアから見えたB塔(とう)の25階のその景色は、
さっきまで楽たちがいた1階と同様、
何から何まで白一色で、
左右にいくつかあるドアのある廊下の1番奥に、
大きな扉がある。
集 「やっぱりこの階も、
見渡す限り白一色だねえ〜〜。」
楽 「なあ千棘、
あの1番奥の部屋がファッションショーの会場なのか?」
千棘 「そうよ。
さあ、入りましょう。」
スタスタ………
ガチャ
楽 「おお………。
この部屋も白一色かよ………。」
廊下の奥の扉を開けたそのファッションショーの会場の大広間は、
劇団の会場のように奥に広いステージがあり、
観客席の椅子(イス)も何百と並んでいた。
そして、
それらも白一色だった。
楽 「ホントに色や外観にこだわってんだな。
この学校。」
千棘 「さあみんな、
空いてる席に座りましょうよ。」
スタスタ………
スッ
楽たちは、
空いていた観客席に座った。
司会者 「えー、みなさん。
お待たせしましたーー。
まもなく、
LAB(ラボ)ファッション学園のモデル科1年の、
学祭ファッションショーを始めます。」
楽 「おっ、始まったぞ。」
司会者 「それでは、
1番の人、入場して下さい。」
1番の人 「はーい。」
集 「おおーー!
あの1番の子、
結構可愛いね〜〜!」
るり 「集君?」
ゴゴゴ………
集 「はい。
分かってます………。」
そして、順番は進み………
司会者 「次は、14番の人です。」
千棘 「おっ、
来た来た。
14番は鶫よ。」
スタスタ………
鶫は、ステージに出て来た。
観客A 「オオーー!」
観客B 「スゲーー可愛い〜〜!」
観客C 「あのキリッとした顔に、
あのロングヘアとあの服がいいよな〜〜!」
ステージに出て来た鶫は、
千棘が選んだピンク色のワンピースを着ていた。
昔とは違い、
モデルになる為に長く伸ばしたロングヘアも相まって、
一層(いっそう)女の子らしく見えた。
集 「おお〜〜!
誠士郎ちゃん、かわいい〜〜!」
小咲 「でも、
なんだかつぐみちゃん、
緊張してない?」
楽 「え?」
楽がステージの上の鶫を見ると、
小咲の言った通り鶫は、
顔を真っ赤にしてガチガチに緊張していた。
鶫 (うう〜〜………。
気持ちの整理はして来たのだが、
やっぱり実際にステージの上に立つと緊張する………。)
千棘 「もー、あの子ったら………。」
ガバッ
千棘は席から立って、
身を乗り出した。
楽 「おい、千棘?」
千棘 「コラーー!
つぐみ、今のあんたはモデルでしょ?
もっとシャキッとしなさい!」
千棘は、大声を出した。
鶫 「!」
鶫 (そうだ、
今の私はステージの上の1人のモデルなんだ………。
モデルに大事なものは、
いや、モデルで無くとも、
1人の女の子に大事なものは………。)
回想
楽 「お前は、
そうやって笑ってた方が女の子らしくて可愛いぜ。」
鶫は、楽の言葉を思い出していた。
鶫 「……………。」
ニコッ
鶫は、
満面の女の子らしい笑みを見せた。
観客一同 ワアァァァ………
観客一同から、
大歓声が起こった。
集 「………。
俺、誠士郎ちゃんのあんなに女の子らしい顔、
初めて見たかもしんねー………。」
楽 「俺もだよ。
でも………。」
集 「でも?」
楽 「やっぱり鶫は、
ああやって女の子らしい顔してた方が、
可愛いと思う。」
第1巻 第288話 完