2017年 11月6日(月) 14:30
凡矢理大学
ミスコン会場
司会者 「お次は、
エントリーNo.8番、
桐崎 千棘さんでーす。」
集 「おっ、楽。
彼女さんの番だよ。」
楽 「ああ、
千棘のやつ、どんな服で出てくるだろうな………。」
スタスタ………
ステージに出て来た千棘は、
なんと、楽と暮らしてるマンションのスペクトル凡矢理の部屋の中で着ている部屋着で出て来た。
観客L 「おおーー!
可愛い〜〜!」
観客M 「スッゴい綺麗な金髪〜〜!」
観客N 「スタイルいい〜〜。
羨ましい〜〜!」
観客O 「あの部屋着も、
スゲー似合ってるよな!
部屋着でミスコンとは、また盲点を突いたよな!」
ガタッ
千棘は、
マイクを手に取った。
千棘 「みなさん、始めまして!
桐崎 千棘です。
母が日本人、父がアメリカ人のハーフですが、
この通り日本語はバッチリで、
今はLAB(ラボ)ファッション学園のデザイン科に通って、
ファッションデザイナーを目指しています。」
ニコッ
観客P 「ハーフだってよ!
だからあんなにスタイルがいいのか〜〜。」
観客Q 「日本語も、
ペラペラだな〜〜。」
観客R 「あの子もLAB(ラボ)の生徒なんだ、
アレ?でもならなんで、
ミスコンに部屋着なんて着て来たんだ?
もっと自分のデザインした可愛い服とかもある筈なのに………。」
ザワザワ………
楽 「……………。
なんか、凡高の1年の1学期に、
千棘が転校して来た時の自己紹介を思い出したな。」
集 「あの自己紹介のあと、
お前桐崎さんとの初ケンカをしたんだっけ〜〜。」
楽 「ああ、
あれは痛かったな………。」
千棘 「……………。
みなさん、私が今日来て来たこの部屋着は、
私が今、マンションで一緒に暮らしている彼氏と部屋にいる時に、
いつも着ている服です。」
楽 「!」
観客S 「えっ?
なんだよあの子、彼氏いるのかよ〜〜?」
観客T 「あとで、
話しかけようと思ってたのに、
残念だな〜〜。」
千棘 「……………。
私が、アメリカから日本の高校に転校して来て、
初めて彼と出会った時、
私は彼に酷い事をしてしまいました。」
楽 (!
あの時の事だ………。)
千棘 「私が悪かったのに、
私は逆上(ぎゃくじょう)して彼に当たって、
彼にヒドイ事をしてしまいました。」
千棘は、
真剣な顔でスピーチを続けた。
千棘 「そのあと、
彼と付き合い出しましたが、
事あるごとに、
彼にヒドイ事ばかり………。
それでも、彼は私を見捨てずに、
いつも助けてくれました。」
千棘 「そして、
今年の春、
ファッションデザイナーの修行を終えて、
日本に戻って来た私を、
彼は、「一緒に暮らそう」と言ってくれました。」
楽 「……………。」
千棘 「彼は、
私が料理を出来るようになったり、
部屋の片付けが出来るようになったり、
洗濯が出来るようになったり、
そんな時………いつも褒めてくれました。」
千棘 「彼のお陰で、
私は少しだけいい子になって成長出来ました。
彼がいなければ、今の私はいません。
この格好は、
そんな大好きな彼と一緒に部屋で過ごす時の姿です。
だから、今日着て来ました。」
ワアァァァ………
パチパチパチ………
会場の観客から、
歓声と拍手が舞い上がった。
集 「アッハッハ………。
楽、お前は幸せ者だな〜〜。
桐崎さんにあんなに思って貰って………。
って、え?」
楽 「ううぅ………。」
ダラダラ………
楽は、
千棘の名スピーチに感動のあまり、
手で顔を抑えて泣いていた。
楽 「千棘ぇ〜〜。
俺は嬉しいぞ。
お前がそんないい子になってくれて………。
こんな俺と、付き合ってくれてありがとう………。
大好きだぞ〜〜千棘。
これからも、ずっと大事にしてやるからな〜〜。」
ダラダラ………
蒼也 「……………。
良かったな、楽。」
ポンッ
第1巻 第302話 完