2017年11月7日(火) 9:30
凡矢理大学
3号館
火向 「さーて、
トレス様に言われて、
この3合館でトレス様の地球アゲハを護衛してはいるが、
誰も来ねーな。
あの一条ってガキと、
桐崎って娘に、
リベンジしたかったんだが………。」
パピヨンコクーンの一員、
工事用のつなぎのような釣りパンを履いた赤に近い茶髪を長く伸ばした、
20代くらいの若い男、
火向 翔也(ひむかい しょうや)は、
3号館で地球アゲハを護衛していた。」
冬吾 「ハァハァ………。
ここか。」
ザッ
火向 「お?」
火向のいる3号館に、
冬吾とクリアが息を切らして走って来た。
冬吾 「なるほど………。
あんたが双神くんの言っていた、
火星属性のパピヨンコクーンの星神か。」
火向 「そういうお前は、
レイナが一条楽と戦った時に加勢して来た、
星物書き(ほしものかき)の若造だな?
その茶髪と黒縁メガネ、
そしてその水星エイの契約星獣(けいやくせいじゅう)。」
冬吾 「へーー。
よく知ってるね。
そうだよ、
俺の名は久野 冬吾(くのとうご)。
星物書き(ほしものかき)だ。」
火向 「大方今回も、
あの一条のガキに加勢しに来たってわけか。」
冬吾 「……………。
それもあるが、
最大の理由は、
純粋に大学祭を楽しんでるみんなの星の光を奪ってるあんたらが、
凡矢理大の学生として許せない。
だからあんたらが、
俺たちに負けたニュースを、
星物書き(ほしものかき)としてマフィア界に、報道してやるよ!」
スッ
冬吾は、
星匣(ほしはこ)を構えた。
火向 「若造が………。
来い!」
スッ
火向も、星匣(ほしはこ)を構えた。
火向 「火星焔蜥蜴(かせいほむらとかげ) マンダ」
シュンッ
火向は、
マンダを召喚した。
火向 「行くぜ!」
スッ
カシャンッ
火向の星匣 「剣の札(ツルギノフダ)」
シュンッ
火向の手元に、
燃えた西洋剣が現れた。
火向 「たあっ!」
ザンッ
冬吾 「おっとぉっ!」
ヒョイッ
火向は冬吾に斬りかかり、
冬吾はそれをかわして、
地面の草が燃えた。
冬吾 「やっぱり………。
バリバリ攻撃向きの火星属性の星神らしい、
攻撃的な戦い方だな。」
火向 「当然だ!
火星の光の特性は、
「燃焼」。
強い火星の光ほど、
他の属性の光や物を、
高温で焼く!」
スッ
カシャンッ
火向の星匣 「籠手の札(コテノフダ)」
シュンッ
火向の左手に、
ガスバーナーのような武器が装備された。
ボウッ
火向は、
そのガスバーナーから火星の光の火炎放射を発射した。
冬吾 「おっと!」
スッ
カシャンッ
冬吾の星匣(ほしはこ) 「盾の札(タテノフダ)」
シュンッ
冬吾の左手に、
鱏(エイ)の形をした青い水星の光をまとった盾が現れた。
ジュウゥゥ………
冬吾は、
その盾で火向の火炎放射を防いだ。
火向 「水星の光の特性の「浄化」か、
中々やるな、
星物書き(ほしものかき)の小僧。」
冬吾 「さーて、
次はこっちの番だよ。」
スッ
カシャンッ
冬吾の星匣(ほしはこ) 「写の札(ウツシノフダ)」
ボウッ
ムニュムニュ………
火向 「ん?」
冬吾がその札を星匣(ほしはこ)に刺すと、
クリアから水星の光が冬吾の前に流れていき、
その光がスライムのように形を変え出した。
クリア 「この札を使うのも久しぶりだね、
冬吾。」
冬吾 「まあな。
最近、全然本気の戦いをしてなかったからな。」
グニョッ
火向 「なっ!?」
クリアから放たれたその水星の光は、
火向のと同じガスバーナーに姿を変えた。
冬吾 「写の札(ウツシノフダ)は、
相手や仲間の星札を、
1枚だけコピー出来るんだよ。」
火向 「そ、そんな札もあるのか………?」
ボウッ
火向 「くっ!」
冬吾は、
ガスバーナーから火炎放射を発射した。
火向 「バカめ………。」
スッ
カシャンッ
火向の星匣(ほしはこ) 「獣の札(ケモノノフダ)」
マンダ 「ガォーー!」
ボウッ
獣の札を刺されたマンダは、
火星の光を発射して、
冬吾の火炎放射を相殺した。
火向 「所詮(しょせん)、猿マネだろうが!
行け、マンダ!」
マンダ 「はい。
火向様。」
ボウッ
マンダは、
火星の光の炎を冬吾に吐いた。
冬吾 「……………。
クリア。」
クリア 「うん。
冬吾。」
バシュウッ
ジュウゥゥ………
クリアは、
マンダに対抗するように、
自分の両ヒレから水星の光を発射して、
マンダの火星の光を浄化した。
火向 「な?」
冬吾 「やっぱりね………。
星の光の特性同士の相性で、
火星の光は水星の光に弱い。
あんたも知ってるだろ?」
火向 「くっ!
偶然、相性の悪い相手に当たっちまったぜ………。」
冬吾 (……………。
いや、おそらく偶然じゃ無い。
双神くん、
俺が水星属性の星神だと分かってて、
この火向ってやつの相手を俺に任せたな。
星の光の強さも、
俺と同じ若手星神とは思えない強さだけど、
策士としても、
文句無い頭脳を持ち合わせている………。)
火向 「このガキ………。」
スッ
火向は、
再び身構えた。
冬吾 「よしな。
あんたにもう勝ち目は無いよ。
相性で負けてるの分かってるだろ?」
スッ
カシャンッ
冬吾の星匣(ほしはこ) 「終の札(ツイノフダ)」
クリア 「行くよ、冬吾!」
スッ
ギュルルル………
終の札(ツイノフダ)を星匣の発動所に刺されたクリアは冬吾の背後に飛んで周り、ブーメランの様にUターンして来て、冬吾の頭の上辺りにまで戻って来た。
ガジッ
冬吾は自分の頭の上まで来たクリアの足を掴んで、そのままクリアと共に空を飛び、
火向の方に向かって行った。
火向 「くっ!」
マンダ 「火向様、
危ないです!」
バッ
マンダは、
火向を庇って火向の前に立った。
冬吾 「ん?」
バガァンッ
マンダ 「ギャアァァッ!」
火向 「マンダ!」
バシュウッ………
冬吾の終の札(ツイノフダ)を受けたマンダは、
光化(こうか)して火向の星匣(ほしはこ)に戻った。
火向 「マンダ………。
すまん!」
ダダッ
火向は、
逃げ去って行った。
冬吾 「ふーー。
これで、
まずは1人、護衛を減らせたな。」
第1巻 第313話 完