2017年11月7日(火) 10:30
凡矢理大学
キャンパスの中央あたり。
タタッ
楽 「ハァ………ハァ………。
蒼也、地球アゲハの下はまだか?」
蒼也 「ああ、もうじきだよ。」
楽と蒼也は、
冬吾、蓮、千棘、鶫が、
それぞれ四方に散ったパピヨンコクーンの護衛のメンバーと戦って足止めしてくれてる間に、
凡矢理大学のほぼ中心で学生や大学祭の客の人たちの星の光を空中から奪っている、
地球アゲハの下に向かっていた。
プルルルル………
楽&蒼也 「ん?」
2人が走っていると、
ケータイの着信音が鳴った。
蒼也 「すまん楽、
俺のケータイだ、出るぞ………。
え?誠士郎?」
楽 「え?
蒼也、鶫からなのか?」
蒼也 「なになに………?
おお!
パピヨンコクーンの論士(ロンンシー)に勝ったのか?」
楽 「え?
ホントか?」
蒼也 「ああ、分かった………。」
ピッ
蒼也は、
鶫とのiPhoneの通話を切った。
蒼也 「楽、
さっきの電話で誠士郎から聞いたが、
お嬢もレイナカラードに勝ったそうだ。」
楽 「マジか?
そりゃあ良かった!
流石、千棘と鶫だ!
アレ?
そういやあ、この大学の四方にしてた、
パピヨンコクーンの奴らの星の光の気配、消えてるな。」
蒼也 「ああ、
この星の光の急な弱くなり方はおそらく、
パピヨンコクーンの奴らが戦いに負けて、
契約星獣が光化(こうか)したんだろう。」
楽 「って事は、
冬吾と弥柳くんも勝ったのか!
にしても蒼也、
お前スゲーな!
俺、星の光の気配なんてまだ、
薄っすらとしか感じ取れないのに、
お前そんなに、
ハッキリと分かるのか?」
蒼也 「俺が一体何歳から星神やってると思ってるんだ?
星の光の探査感覚(たんさかんかく)も、
星神としてはとても大事な能力の1つだ。
お前も、これからもちゃんと鍛えろよ?」
楽 「へいへい、先生。」
蒼也 「お、着いたぞ楽。
ここだ。」
ザッ
楽と蒼也は、
ついに地球アゲハの真下まで辿り着いた。
楽 「あの蝶が飛んでた場所、
30号館の下だったのか………。」
地球アゲハが飛んでいた場所は、
凡矢理大学の考古学部の教室や研究所が中心にある、
30号館の真下だった。
蒼也 (確かに、
この大学の中でもこの建物が1番星の光が強く集まってるな………。)
地球アゲハ 「カーー、カーー………。」
地球アゲハは、
楽と蒼也の上空数10m(メートル)ほどで飛んでいた。
蒼也 「よし、
行くぞ楽。
相手は地球属性とは言え星獣(せいじゅう)1体だ。
2人同時に終の札(ツイノフダ)で一気に決めるぞ。」
楽 「ああ。」
スッ
スッ
楽と蒼也は同時に、
星匣(ほしはこ)を構えた。
? 「ちょっと待ってよ。
僕の契約星獣(けいやくせいじゅう)に勝手に手を出さないでよ。」
楽・蒼也 「?」
30号館の中から、
女の人の声のような高い声が聞こえた。
ザッ
楽・蒼也 「!」
30号館の出入り口から、
人が出て来た。
? 「やあ、
秀英組次期二代目の一条楽君に、
ビーハイブの星神の双神蒼也君。
僕とはこれが、
初めましてだね。」
ザッ
30号館から出て来たその人は、
一瞬楽たちも女性だと声だと思い込んでいたが、
実は男性だった。
楽と同じくらいの長さの金髪に、
2本入った銀のメッシュ、
やや鋭い目付きの、
中性的な顔立ちをした青年だった。
肌も千棘と同じくらい白く、
おそらく白人だろう。
楽 「誰だお前?」
? 「初めまして、
僕の名前は、
トレス・フェア。
あの地球アゲハ、レインの契約星神(けいやくほしがみ)で、
パピヨンコクーンのボスだよ。」
楽 「パピヨンコクーンのボス?
お前が?」
蒼也 「驚いたな………。
確かに星神としての実力には年齢は関係ないが、
俺たちとあまり変わらないじゃないか。」
トレス 「僕は今19。
今年で20だよ。」
楽 「じゃあ、
俺たちの1個上かよ?」
トレス 「そして………。」
スッ
楽・蒼也 「!」
トレスは、
蝶々(ちょうちょう)の紋章が描かれた、
青、緑、茶色の三色が混じった星匣(ほしはこ)を出した。
トレス 「地球三色蝶(ちきゅうさんしきちょう) レイン」
バサッ バサッ
トレスは、
地球アゲハを召喚して、
空中から地面の自分の近くに降ろした。
レイン 「カーー、カーー………。」
楽 (……………。
近くで見ると、綺麗な蝶だな………。
とても、
あんなに多くの人から星の光を奪ったようには見えねーな。)
蒼也 「行くぞ、楽。」
楽 「おう!」
ザッ
楽と蒼也も、星匣(ほしはこ)を構えた。
第1巻 第317話 完