2017年11月8日(水) 14:30
カラオケBan Ban(バンバン) 凡矢理店
103号室
楽 「原価山にはかほ上げて、
それを〜〜架空とゆうならば〜〜
敵に背中を見せんなよ〜〜………。」
楽は、
みんなの前で演歌を熱唱していた。
パチパチ………パチパチ………
千棘 「いや〜〜。
あんたってホント、演歌上手いわね〜〜。」
小咲 「流石だね、一条君。」
パチパチ………
万里花 「流石ですわ、楽様!」
冬吾 「俺も、
楽の演歌は始めて聞いたけど、
ここまで上手いとはね〜〜。」
蛍(ほたる) 「楽、すごーい………。」
集 「ヤクザの2代目である事以外は、
すべてが普通の楽の、唯一の特技だね〜〜。」
楽 「コラ、集!
俺が普通過ぎるみたいな事を、サラっと言うな!」
弥柳 「……………。
なあ一条君、次は俺が歌っていいか?」
楽 「え?
弥柳君が?」
スッ
蓮は、
楽からマイクを受け取った。
ピッ ピッ
蓮は、
機械を使って曲を入れた。
楽 「アレ?
この曲って………。」
小咲 「「嵐」の、「Every thing(エブリシィング)」だね。」
ピロリロリーン
曲が始まった。
蓮 「通り雨が近づく、
町の〜匂いは切〜く〜て〜。」
蓮は、
歌を歌い始めた。
楽 (おっ、結構上手いな………。)
蓮 「この長い坂を、超える時、その先に、
何が見えたとしても、
後悔はしたくない、
光灯し続け………明日を照らーして!」
小咲 (弥柳君、すごい………。)
蓮は、
歌を続けた。
蓮 「赤から青に変わるシグナル!
戻る事の出来ない旅の途中で………進みたい!」
パタパチ………パチパチ………
蓮が歌い終えると同時に、
拍手が巻き起こった。
小咲 「すごくいい歌だったよ、
弥柳くん!」
蓮 「ああ………ありがとう、小野寺さん。」
集 「弥柳君、随分歌上手いんだね〜〜。
俺の中じゃあ、菓子作り一筋(ひとすじ)で、
他の事には興味ない人だと思ってたよ。」
蓮 「ああ………。
この曲は、
少し特別なんだよ。」
楽 「特別?」
蓮 「ああ、
この曲は、
戻れない人生で、前を向いて生きる事の大事さを歌ってるだろ?
菓子作りに励んでいた時に、
この曲に元気付けられたんだ。」
楽 「なるほどな………。」
万里花 「楽様ーー!
次は、私(わたくし)が歌ってもよろしいですか?」
楽 「ああ、いいぜ。
ほれ、マイクだ。」
スッ
楽は、
万里花にマイクを差し出した。
ピッ ピッ
万里花が入れた曲は、
同じく「嵐」の、「One Love(ワン ラブ)」だった。
楽 (なるほど………。
いかにも橘らしい曲だな。)
万里花は、
歌い出した。
万里花 「ひゃくねーんさきも、
愛を誓うよーー、きみはぼくのすべてさーー!」
パチパチ………
万里花 「いかがですか、楽様?
私のお気に入りのストレートなラブソング。
もちろん、楽様への!」
千棘 「はいはい………。」
楽 「で、次は誰が歌うんだ?」
千棘 「あっ!
そうだ、つぐみ、あんたが歌ったら?」
鶫 「え?
わ、私がですか?」
小咲 「あ!
そう言えば鶫ちゃん、歌がスッゴく上手かったんだよね!」
鶫 「そ、そう言われましても………。」
蒼也 「……………。
すまん、誠士郎。
次は、俺が歌ってもいいか?」
千棘 「え?蒼也くんが?」
楽 「え?蒼也、お前歌なんか歌えのか?」
蒼也 「みんなの歌を聴いていたら、
久々に歌いたくなった曲があってな。」
スッ
ピッ ピッ
蒼也は、
機械を使って曲を入れ出した。
フンーフフフーン
フーン、フフフーン♪
楽 (アレ?
この曲って、確か………。)
蒼也が入れたのは、
「Aqua Times(アクア タイムズ)」の「
千の夜をこえて」だった。
蒼也 「あーい、されたいでも愛そうとしない、そのくりかえしの………」
蒼也は、
歌い始めた。
小咲 (上手い………。)
千棘 (蒼也君って、こんなに歌が上手かったんだ………。)
楽 (意外だな………。)
そして………
蒼也 「1番、すてきなことさ………。」
蒼也は、
歌を歌い終えた。
パチパチ………
楽 「スゲー上手かったぜ、蒼也!」
蒼也 「……………。
ありがとう、楽。
この曲、俺にとっては少し特別なんだ。」
スッ
蒼也は、
胸の恋人の写真が入ったペンダントを触りながら、
楽に話した。
楽 「もしかして………。
お前のその、
恋人に向けた歌か?」
蒼也 「ああ。
玲香にこの歌を歌うと、すごく喜んでくれてな。
今ではこのペンダントと同じ、
数少ない玲香との思い出の1つだ………。」
楽 「そうなのか………。
スゲーいい歌だったぜ、蒼也。」
蒼也 「……………。
ありがとうな、楽。」
第1巻 第332話 完