2017年11月8日(水) 19:15
中華料理店クサナギ 凡矢理店
千棘 「エヘヘ、
楽ぅ〜〜。」
万里花 「らっくぅん〜〜。」
楽 「あーもう!
とにかく、ここにいちゃあダメだ!」
ボウッ
楽は、
両手に太陽の光を集めて、
星体技(せいたいぎ)を発動した。
楽 「てやっ!」
ドンッ
千棘 「きゃっ!」
万里花 「ああっ!」
楽は、
星体技(せいたいぎ)で強化した腕力で、
自分に抱きついて来ていた千棘と万里花を引き離した。
楽 「今だ!」
ダッ
そのまま楽は、
自分達の席から離れて、
中華料理店の木造建築の廊下を走り出した。
千棘 「あっ、行かないでよ楽ぅ〜〜。」
万里花 「らっくん、
まつばい〜〜。」
タタッ
楽 「あーもう、
大学生になってから、
女子のみんなが酔うこのパターン、
何度目なんだよ!」
レオン 「全く………。
キミも学習しないよね、楽。」
楽 「あっ、レオン?」
レオンは、
星箱(ほしはこ)から出て来て実体化して楽に話しかけて来た。
レオン 「千棘ねえ達がお酒に弱いって事は、
キミももう十分分かってる筈でしょ?
それなのに、
千棘ねえ達に飲み過ぎないように言えばいいじゃん。」
レオンは、
少し呆れたような目で楽に言った。
楽 「お前の言う通りだ。
面目ねえ………。」
ションボリ
楽は、
レオンの言葉にションボリした。
レオン 「それに、
お酒に弱いのは千棘ねえと万里花ねえ
だけじゃ無いよ。
他にも………。」
小咲 「あっ、一条君だ〜〜。」
楽 「!」
キイィィィン………
楽は急停止した。
ピンク色のワンピースを着た小咲が、
千棘たち同様、顔を真っ赤に赤らめて楽の前に現れたからだ。
楽 「お、小野寺?」
小咲 「わーい、一条君だ〜〜。」
フラフラ………
小咲は、
半分千鳥足(ちどりあし)になりながら、
楽の方に寄り添って来た。
楽 「お、小野寺………。
お前も酔ってんのか?
ていうか、その状態で俺を探して追って来たのか?」
小咲 「一条くん〜〜!」
ダキッ
楽 「わわっ!?」
小咲は、
酔ったまま楽に抱きついて、甘えて来た。
小咲 「一条君〜〜。
今は私より千棘ちゃんの方が大事なのはよく分かったよ〜〜。
でも、今日くらいはいいでしょ〜〜?
甘えさせてよ〜〜。」
ダキッ
ギュッ
楽 「ダ、ダメだって小野寺、
俺には千棘が………。」
ガバッ
楽は、
小咲を引き離した。
小咲 「え〜〜?
一条君のケチ〜〜。」
楽 「あーもう、
俺の周りの女子たち、
みんなお酒に弱過ぎだろ!」
? 「一条楽………。」
楽 「!」
楽の背後で、
聞き覚えのある声がした。
カタカタカタ………
楽は、
恐る恐る振り向いた。
鶫 「お前の唇を奪いに来た。」
楽 「ひいぃ〜〜!
やっぱり〜〜!」
やはり、
声の主は鶫だった。
鶫 「お前は戦闘を本格的に学び出し、
いわば私たちは戦友だ。
ならば、愛人になるのもいいだろう?」
ビュンッ ビュンッ
鶫は、
猛スピードで楽を追いかけながら言った。
楽 「つ、つぐみ!
お前何言ってんだ?
全然意味が分かんねー!」
ダダッ
楽はそう言いながら、
全速力で鶫から逃げた。
レオン 「そうだった。
鶫ねえがいたんだった。
鶫ねえは基礎体力もまだまだ楽より全然上だし、
星神の力もあるから、
肉弾戦じゃあ今はまだ楽は全然敵わないよ………。」
楽 「じゃあ、どーすんだよ?
このままじゃあ………。」
千棘 「ダーリン………。」
楽 「ひいっ!?」
ザザッ
走っていた楽に、
千棘と万里花が追いついて来た。
千棘 「ダーリン、
私がいるのに、他の女の子と浮気なんて許さないんだから………。」
万里花 「らっくん、
千棘しゃんからウチに乗り換えるばい………。」
ゴゴゴ………。
楽 「千棘、橘、
お前らちょっと落ち着いて………。」
小咲 「一条君、みーつけた。」
楽 「!」
ビクッ
鶫 「追いついたぞ、一条楽。」
楽 「つ、鶫に小野寺まで〜〜!」
千棘 「浮気者(うわきもの)のダーリンは許さないわ………。
メチャクチャにして、お仕置きよ。」
楽 「ひぃ〜〜!
もうダメだ〜〜!」
スッ
カシャンッ
?の星匣(ほしはこ) 「弓の札(ユミノフダ)」
ヒュンッ ヒュンッ ヒュンッ ヒュンッ
楽 「え?」
千棘 「ふにゃ?」
小咲 「あれ?」
万里花 「あら?」
鶫 「む?」
何者かが弓の札を発動させ、
4人に吹き矢を撃った。
千棘 「ふにゃ………。」
ドサッ ドサッ ドサッ ドサッ
吹き矢を受けた4人は、
倒れてしまった。
楽 「あっ、
これって………。」
蒼也 「ふーー、
今回も随分と苦労したようだね、楽。」
楽 「あっ、蒼也!」
やはり、
吹き矢を撃ったのは蒼也だった。
蒼也 「トイレから戻ってみれば………。
案の定、お嬢たちが酔っていたか。」
楽 「蒼也。
今、千棘たちに撃った吹き矢って………。」
蒼也 「ああ。
もちろんただの麻酔針(ますいばり)だ。
酔い覚め薬も塗ってあるから、
1〜2時間もしたらみんな、目を覚ますだろう。」
楽 「良かった………。」
ホッ
蒼也 「……………。
にしても楽。
お前やっぱり、誠実だな。」
楽 「え?」
蒼也 「こんだけ沢山の女子に酔って言い寄られても、
お嬢の為に断り、
お嬢すら、
正気で無いのなら相手にしない。
見ていたよ、全部。」
楽 「……………。
そんなの、誠実でも無く当たり前だよ。
俺は千棘が1番大事な女の子だから、
他の女子と浮気なんてしないし、
千棘だって、千棘がいいって言ってない事、
酔ってる隙(スキ)に勝手にやったりしねーよ。」
蒼也 「……………。
それでこそ楽だ。
そんなお前だから、
俺は戦闘と星神の力をお前に全力で教えれる。」
蒼也の言う通り、
1〜2時間後みんな目を覚まして、
楽たちの大学祭巡りの打ち上げは幕を閉じました。
第1巻 第335話 完