第1巻 第340話 メイメイ
2017年11月11日(土) 16:00
凡矢理大学裏山、正式名称:凡矢理山(ぼんやりやま)
頂上付近、ペンション
蒼也 「さて楽、
今日はひとまず、掃除で終わりだ。
家具などを運ぶのは、明日にやる。」
楽 「ああ。
ありがとうな、蒼也。」
千棘 「ねーねー楽、
帰る前に私、一つ思いついたんだけど………。」
楽 「あ?
何だよ千棘。」
千棘 「このペンションに、
名前を付けてみない?」
楽 「え?名前?」
鶫 「名前ですか………。」
千棘 「だって私たち、
これから星神のチームとして行動してここに集まるたびに、
「あのペンションに行く。」なんてのじゃあ、ひねりが無さ過ぎるとは思わない?」
楽 「別に、名前なんてどうでもいいだろ………。」
蒼也 「いや楽、お嬢の言う事も一理あるよ。」
楽 「え?」
蒼也 「名前というのは、普段考えられている以上に大切なものだ。
例えば俺たちの組織にもビーハイブという名前があり、お前の集英組もそうだろう?」
楽 「まあ、確かにそうだよな………。」
千棘 「それじゃあ、早速決めましょうよ!」
楽 「よーしそれじゃあ、俺が考えた名前は………。」
千棘 「あっ、楽。
あんたのアイデアはいいわ。」
楽 「え?何でだよ?」
千棘 「だってあんたに任せたら、凡高の飼育場の子たちみたいに、やたら長い名前を付けるでしょ?」
楽 「なっ!
俺はなぁ、しっかりと考えてあいつらの名前を………。」
鶫 「それならば、「ビーハイブ凡矢理山支部」というのはどうでしょう?」
千棘 「つぐみ、それじゃあそのまんまよ………。」
鶫 「あっ、それもそうですね………。」
蒼也 「……………。
なあ、俺が案を出してもいいか?」
楽 「えっ、蒼也が?」
千棘 「珍しいわね、蒼也君がこういう事に意見するなんて。」
蒼也 「はい、お嬢。
「ハチノス」というのは、どうですか?」
楽・千棘・鶫 「ハチノス?」
蒼也 「はい。
我々ビーハイブは日本語で、「蜂の巣」という意味でしょう?
それをカタカナ表記にして、
日本版のビーハイブのアジトといいうわけです。」
千棘 「なるほど………いいかも!」
鶫 「私も異存は無い。」
蒼也 「楽、
お前は集英組の若頭とはいえ、俺たちはビーハイブの元で結成した星神チームだ。
それでいいか?」
楽 「ああ、俺もそれでいいぜ。
よーし………ここは今日から、
俺たちのアジト、「ハチノス」だ!」
第1巻 第340話 完
第1巻 第341話 カンバン
2017年11月12日(日) 9:00
凡矢理大学裏山、正式名称:凡矢理山(ぼんやりやま)
頂上付近、ハチノス
楽 「よーし、2日目だ。
今日も張り切って行くぞーー!」
楽たちは、昨日に続いてアーデルトが用意してくれた自分たちの星神のアジト、
「ハチノス」に来ていた。
今日は家具の用意や庭の手入れの為に。
千棘 「ねー楽、今日は何をやるの?」
楽 「そうだな………。
まずはキッチンの手入れでもするか。」
千棘 「あ!いいわねそれ。
私、かわいいキッチンであんたや鶫や蒼也君とご飯食べたい!」
楽 「そうだな………よーし、キッチンに行こうぜ!」
千棘 「ええ!………あら?」
千棘は、ハチノスの外に置いてある家具や道具に目をやった。
千棘 「ねえ蒼也君、あの沢山の物はなに?」
蒼也 「ああ、アレはボスが用意してくれた、このハチノスの家具や使う道具です。
昨日、俺たちが掃除を終えた後に、
夜の内に若い連中に運ばせておいたらしいです。」
千棘 「へぇ〜〜………そうなんだ。
やっぱりパパは優しいなぁ。
あら?」
千棘は、その家具や道具などの中にある木の板に目をやった。
千棘 「蒼也君、あの木の板はなに?」
蒼也 「ああ。あれは終了の木の板です。
この建物は随分と使われていなかったので、
どこか壊れているところがあればとボスが用意してくれたんです。」
千棘 「なるほどね………。
蒼也君、あの板って使うの?」
蒼也 「え?
いえ、昨日掃除した時に汚れはたくさんありましたが、
大きく壊れてるところは特に無かったので、
結局は使いませんよ。」
千棘 「そっかぁ………。
よーし!」
ダダッ
蒼也 「あっ、お嬢?」
千棘は、置いてある物の方に走って行った。
ヒョイッ
千棘 「これと、後はえーっと………。」
ガサッ ゴソッ………
木の板を手に取った千棘は、更に物の中から何かを探し出した。
千棘 「あったわ!」
ガサッ
千棘は、物の山の中からペンキの入ったバケツを見つけた。
楽 「ペンキ?
千棘、そんなものどうする気だ?」
千棘 「後はね………えーっと………。」
ガサッ
千棘は、今度は自分のバッグからLAB(ラボ)のスケッチブックとペンを取り出した。
千棘 「えーっと、「ハチノス」ってくらいだから………。」
カキカキ………
千棘は、スケッチブックに何かを書き出した。
楽 「?」
鶫 「お嬢、何を書いてるんですか?」
千棘 「えーっと、それはね………。
あ!出来た!」
ジャーン
千棘がスケッチブックに描いたのは、
黄色いハチのマスコットキャラが、ハチミツの入った壺(ツボ)に止まってる絵だった。
楽 「何だよそれ?」
千棘 「このハチノスの、看板の絵よ。」
鶫 「看板ですか?」
千棘 「うん。
昨日、蒼也君も言ってたでしょ?
「名前は大事」だって。
だったら、このハチノスにふさわしいデザインの看板も描いて用意しなきゃ!」
蒼也 「なるほど………。
確かに、それはいいかもしれませんね。」
楽 「流石(さすが)、ファッションの専門の生徒だな。」
千棘 「よーし後は、この板にこの絵を塗って………。」
ヌリヌリ
ベタベタ
千棘は、ペンキで自分がスケッチブックに描いたのと同じ蜂(ハチ)の絵を、
看板にも描き出した。
千棘 「かんせーい!」
ジャーン
千棘は、スケッチブックに描いたのと同じ絵を、物の一時間足らずで看板にペンキで描き上げた。
楽 「おっ、上手いな千棘!」
蒼也 「お見事です、お嬢。
誠士郎、後は頼むよ。」
鶫 「ああ。」
スッ
鶫は、千棘が描いた看板を片手で持ち上げた。
鶫 「たあっ!」
ヒョイッ ヒョイッ
そのまま鶫は、屋根の上に看板を持ってジャンプして乗った。
楽 「おお、流石………。」
カンカンッ
カンカンッ
鶫は屋根の上に、看板を釘で打ち付けた。
鶫 「お嬢、出来ました。」
千棘 「ありがとう、つぐみ!」
楽 「まあ、まずはこれで、
俺たちのハチノスの、看板が完成だな。」
楽たちのアジトの「ハチノス」、
まずは看板が完成。
第1巻 第341話 完