2017年11月12日(日) 10:00
凡矢理大学裏山、正式名称:凡矢理山(ぼんやりやま)
頂上付近、ハチノス
千棘 「よーし。
次はいよいよ、キッチンの準備に行くわよ!」
千棘が描いた看板を屋根の上に設置した楽たちは、
次はいよいよ、ハチノスの中の部屋の準備に入ろうとしていた。
ガチャ
千棘 「えーっと………。
確かパパから貰った地図によると、右の1番前の部屋よね、キッチンは。」
スタスタ………
ガチャ
千棘は、ハチノスの玄関から入ってすぐの1番広い部屋の扉の先にある廊下の、
右側の一番手前の扉を開いた。
千棘 「あら〜〜………。」
楽 「うわ〜〜。
ゴチャゴチャだな………。」
キッチンになっているその部屋は、
昨日の掃除でほこりは落とせたとはいえ、
ダンボール箱が何箱も積んであり散らかり、
冷蔵庫も何年も変えてないのか、大分古くなっていた。
鶫 「これは………片付け甲斐がありますね。」
蒼也 「こりゃ、まずはいらないものを部屋の外に出さないとダメだな。」
千棘 「よーし………頑張るわよ、みんな!」
そして、キッチンの片付け・掃除は始まり………。
鶫 「では、この古い冷蔵庫は私が庭に出しておきます。」
グイッ
鶫は、怪力で冷蔵庫を持ち上げて運んだ。
千棘 「頼んだわよ、つぐみ!
楽、ここのダンボール箱も外に出していい?」
楽 「ああ。
お前の親父さんが、新しいフライパンとかの調理器具も用意してくれたからな、
その中の古いのはもういらないはずだ。」
千棘 「分かったわーー。
じゃあ、このダンボール箱は私が外に運んでおくわね!」
ガチャガチャ
そして、まずは古いいらない物の整理が終わり………。
千棘 「さーて、
いらない物は大体片付いたから、次は新しいお料理の道具を中に入れるわよ!」
鶫 「そうだと思って、外から運んで来ました。」
ガコッ
鶫は、
外に古い冷蔵庫を出しに行ったついでに、
アーデルトが用意してくれた新しい冷蔵庫も外から運んで来た。
千棘 「わーー、ありがとうつぐみ!」
楽 「お前、流石だな………。
こんな大きい冷蔵庫を、星体技(せいたいぎ)も使わずに1人で軽々と………。」
鶫 「このくらい、簡単だ。」
鶫が運んで来たその新しい冷蔵庫は、
銀色で大型、外見も良かった。
蒼也 「お嬢、フライパンとボウルは、
この下の用具入れに入れておきますね。」
ガチャ
千棘 「あ、うん!」
蒼也が用具入れに入れたフライパンは持ち手が赤色で、どこか可愛らしいイメージだった。
楽 「中々、いい道具が揃ってんじゃねーか。」
蒼也 「ああ。そう言えばお嬢、
こんなのもありますよ。」
スッ
蒼也は、
千棘に茶色いクマのフライパン持ちを差し出した。
千棘 「わーー!
これ、かっわいいーー!」
蒼也 「ボスが、これはお嬢が喜びそうだと用意してくれました。」
千棘 「え?パパが?
パパったら、やっぱり優しいな〜〜。」
そして………
千棘 「かんせーい!
私たちのキッチン!」
ハチノスの101号室のその部屋は、
銀色の冷蔵庫に3〜4本の包丁、
その他幾つもの調理器具があるキッチンになった。
楽 「なかなか、いいキッチンになったな。」
千棘 「ふふふ………楽、
ここに皆んなで集まる時、
あんたやつぐみや蒼也君に、
私がとびきり美味しい料理をこのキッチンで作ってあげるからね。
待ってなさい!」
楽 「楽しみに待ってるぜ!」
第1巻 第342話 完