2017年11月15日(水) 16:00
メイツ凡矢理最上階
橘の部屋
楽 「邪魔するぞ、橘。」
ガチャ
万里花 「あら、いらっしゃいませ楽様♪」
楽、千棘、蒼也、鶫の4人は、
その日の凡矢理大学とLAB(ラボ)が終わった後に、万里花のマンションを訪れていた。
万里花 「ありがとうございますわ、楽様〜〜。私(わたくし)を心配して、訪ねて来て下さって。」
蒼也 「前置きはいい。
橘さん、あんたの庭園ってやつを早く見せてくれ。」
万里花 「ああ。
そうでしたわね………。」
ウィーン………
そして、楽達はエレベーターで再びマンションの1階に移動して………
メイツ凡矢理のすぐ近く、橘家の庭園
楽 「おお〜〜………。
広い庭園だな………。」
千棘 「万里花、あんたも中々いいお花畑持ってるわね〜〜。」
メイツ凡矢理のすぐ近くに作られた万里花の庭園は、
温室のビニールハウスの中に、
様々な種類の花が育てられていた。
万里花 「ガーデニングやお花の世話は、
立派な女の子らしい趣味の1つですわ。
桐崎さん、あなたも楽様の彼女なら、
お花の世話くらい出来るようになった方がいいですわよ。」
千棘 「わ、私だって、お花の世話くらい出来るわよ!」
楽 「ん?この花………。」
楽は、万里花の庭園の花の中に1つ、「マリーゴールド」がある事に気が付いた。
楽 「なあ橘、この花ってマリーゴールドだよな?」
万里花 「まあ、流石楽様、よくお気づきになられましたね。」
楽 「俺が子供の頃に贈った髪飾りを、お前が今でもそうやって付けててくれてるんだ。
そりゃ分かるよ。」
万里花 「ありがとうございますわ、楽様。
マリーゴールドの花言葉は健康、
病弱だった私(わたくし)をいつも元気付けてくれる花ですわ。」
スッ
万里花は、マリーゴールドの花の1つを両手で触りながら、穏やかな表情で幼少期の楽との思い出を思い出していた。
万里花 「……………。
まあ、この子に限らずとも、この庭園のお花はみんな、私(わたくし)に力を与えてくれますがね。」
楽 「え?」
スッ
万里花は、
後ろで腕を組みながら、庭園の花たちを見渡しながら話し出した。
万里花 「こうやって、植えられて水を貰って、大地から栄養を貰うしかなくて、
動けないのにそれでも綺麗な花を咲かせようとしているお花たちを見ると、
私(わたくし)が幼少の頃より楽様の為に花嫁修行に勤しんで、女を磨いて来た思い出と重なりますの、
お花ですらこんなに頑張っているんですから、
私(わたくし)ももっと頑張らなければと………。」
楽 「橘………。」
千棘 「万里花………。」
蒼也 「……………。」
鶫 「……………。
それで、橘 万里花、お前の花に対する思い入れは分かったが、
切られている花というのはどこなんだ?」
万里花 「!ああ、そうでしたわね。
こちらですわ。」
タタタッ
万里花は、切られていた花の場所に楽達を案内した。
万里花 「こちらですわ。」
蒼也 「これか………。」
万里花が案内した庭園の左端にある花は、
7〜8本が綺麗な切り口で刃物で切断したように切られ、
その切り口の高さも、全てが全く同じ高さに並んでいた。
楽 「うわ〜〜………。
綺麗に切られてんなぁ………。」
千棘 「それに、
切り口が綺麗に同じ高さに並んでる………。」
万里花 「楽様〜〜、私(わたくし)、怖いですわ〜〜!」
ダキッ
万里花は、楽の腕に抱きついて来た。
楽 「わわっ!?」
千棘 「コラーー!
万里花、どさくさに紛れて楽に抱きつくなーー!」
蒼也 (……………。
確かに、ここまで綺麗に同じ様に切るなんて、野生の鳥なんかには無理だ。
いや、人間が鋏(ハサミ)で切ったにしても、
ここまで綺麗に切り口を全く同じに出来るものなのか………?」
スッ
蒼也は、花の切り口の1つに手で触れた。
蒼也 「!これは………。」
楽 「ん?どうしたんだ、蒼也。」
蒼也 「……………。
楽、この花の切り口から、微かだけど星の光を感じる。」
千棘 「え?そーなの?」
楽 「切り口からの星の光?
お前、そんなの分かるのか?」
蒼也 「ああ。
星神に覚醒してまだ1年も経ってないお前らの探査感覚(たんさかんかく)ではまだ分からないだろうが、
俺は10歳の時からずっと星神の鍛錬を積んできたからな。
探査感覚(たんさかんかく)も鍛え続けて来た。
この属性は………木星属性か?」
楽 「流石だな………。」
蒼也 「とにかく、
これはおそらく、星獣の仕業(しわざ)で間違い無いだろう。」
楽 「やっぱりか………。
よし、千棘、鶫、蒼也、
橘の大事な花が、これ以上切られない様に、俺たちで守ろうぜ!」
第1巻 第352話 完