2017年11月15日(水) 19:00
メイツ凡矢理、すぐ近くの庭園
楽 「さーて………。
今晩、犯人の野生の星獣は現れるかな………。」
ザザッ
楽達は、万里花の庭園の花の影から、
野生の星獣を待ち伏せしていた。
蒼也 「楽、お嬢、誠士郎、
全員、星匣に消の札(ショウノフダ)を刺しましたか?」
楽 「ああ、バッチリだぜ!」
千棘 「私もよ。」
鶫 「無論だ。」
蒼也 「よし。
野生の星獣程度なら、消の札(ショウノフダ)で星の光の気配に気付かれずに済むだろう。」
楽 「よーし………。
ところで千棘、この花のハリボテはなんだ?」
楽と千棘は、
母のハリボテを両手に持っていた。
千棘 「何って………。
隠れて見張るんなら、星の光を消すだけじゃ無くて、見た目もカモフラージュしなきゃ!」
楽 「こんなの、バレバレだろ!」
蒼也 「2人とも、ふざけ合いはその辺にして、
そろそろ見張りを真面目にやりましょう。」
楽 「ん?あ、ああ………。
そうだな………。」
千棘 「私も………。
ゴメン、蒼也君………。」
蒼也 「………さて、橘さんの話では、
花を切られるのは、大体この辺の左端の花らしいが………。
ん?」
ガサッ
楽達が見張っていた花壇の中で、
何か、小さい物が動いた。
蒼也 「……………。
楽、お嬢、誠士郎、今の見えましたか?」
楽 「ああ、見えたぜ。」
千棘 「私も………一瞬だけど、見えたは。」
鶫 「何なのだ?アレは?」
ガサッ
ガサッ
ブーン
楽 「わわっ!?」
先程楽たちが聞いた音が、
花壇のあちこちにし出した。
しかし、楽たちがその音と一緒に見た姿は、
微かにしか見えない。
千棘 「な、なんなのアレ?」
鶫 「一瞬だが………緑色の光が見えた。
木星属性の星獣か?」
ズバァッ
楽 「あっ!」
楽達が音と姿の正体を考えてる内に、
花壇の花が一本切られた。
楽 「ど、どうすんだよ?
このままじゃあ、橘の大事な花がまたどんどん切られちまう!」
千棘 「でも、姿を見る事すら出来ないし………。」
蒼也 「……………。
なら、俺たちの出番だな。」
スッ
蒼也は、ポケットから星匣を取り出した。
蒼也 「海王霧梟(かいおうむきょう) ブウロ」
ヒュンッ
バサッ バサッ
蒼也は、ブウロを召喚した。
ブウロ 「私を呼びましたか?蒼也。」
蒼也 「ああ、頼むぞブウロ。」
スッ
カシャンッ
蒼也の星匣 「獣の札(ケモノノフダ)」
ブウロ 「はい。了解しました。」
ピカーーッ
ブウロは、両目に海王星の光を集めて、
紫色に光らせた。
楽 「そ、蒼也………。
ブウロは何をしてるんだ?」
蒼也 「海王星の光を目に集めて視力を強化してるんだよ。
ブウロはもともと、闇夜が狩場の梟(ふくろう)の星獣、
更に自身の霧の中でも視界を失わないブウロは、抜群に視力がいい。」
楽 「そんな事も出来たのか………。」
ブウロ 「……………。
見えました、そこですね。」
バサッ
ブウロ 「ホーー!」
ガッ
ブウロは自分の目で捉えた音の正体に、爪で攻撃した。
? 「キィーーッ!」
楽 「あっ!」
音の正体は、姿を現した。
? 「キイィィ………。」
それは、緑色の木星の光をまとったクワガタの姿をした星獣だった。
楽 「あっ!やっぱり星獣だ。」
蒼也 「なるほど………。
「木星クワガタ」か。」
楽 「木星クワガタ?」
蒼也 「ああ。
小型で余り力は強くない代わりに、
とても素早い星獣だ。
「快楽」の感情が集まりやすい、花をよく狙う。」
楽 (こいつが、橘の花を………。)
第1巻 第353話 完