2017年11月16日(木) 13:00
ハチノス
万里花 「へぇ〜〜………。
ここが、楽様たちのアジト、「ハチノス」ですか。」
その日、凡矢理大とLAB(ラボ)の講義を午前中だけで終えた楽たちは、
万里花をハチノスに案内していた。
楽 「な、いいアジトだろ?橘。」
万里花 「はい!
こんな、見晴らしが良くていい場所にアジトを作るとは、流石は楽様!」
蒼也 「この建物を用意したのは俺たちビーハイブで、楽では無いんだがな………。」
万里花 「……………。
ところで楽様、ここに来た時からずっと気になっていた事があるのですが………。」
楽 「ん?何だ?」
万里花 「ここでは、具体的にどのような活動をするのですか?」
楽 「は?活動?」
千棘 「ちょっと万里花、あんた何言ってるのよ、
言ったでしょ?ここは私たちの星神のアジトなの、星神としての活動をするに決まってるじゃ無い。」
万里花 「でも、それだけでここの建物で暮らしていけるのですか?」
楽 「え?」
蒼也 「それについてなんだが、俺も考えていた所だ。」
蒼也が話に割り込んで来た。
楽 「あっ、蒼也。」
千棘 「どういう事なの、蒼也君?」
蒼也 「それが………。
ここにも、特別金が掛かる事をする訳では無いとは言え、電気代や水道代にガス代、
それに当然、俺たちの食費も掛かるんです。」
楽 「でもそんなの、星神の仕事の野生の星獣退治で稼げば………。」
蒼也 「星神の仕事が沢山あるならそれでいいんだが、
お前、橘さんの庭園の仕事の時も、
友達だからって、お金を貰わなかったろ?」
楽 「うぐっ………。」
蒼也 「それに、日本はアメリカなどに比べて遥かに平和なだけでは無くて、
野生の星獣も外国に比べて少ない。
この凡矢理市だって、そんなに頻繁に野生の星獣が出ないだろ?
楽、この町が平和なのは、幼い頃からずっとこの町に住んでいるお前自身が分かってる筈だ。」
楽 「うぐっ………!」
楽 (確かに、この町は昔から平和そのものだったしな………。)
蒼也 「それに、星獣や星神の事を知ってる者も、日本は外国に比べて遥かに少ない。
星神の仕事をして貰える依頼料も、外国より少ないだろう。」
楽 「じゃあ、どうするんだよ?」
蒼也 「1番いいのは、ここで何か商売をして、電気代や食費程度を稼ぐ事だが………。」
楽 「商売?でもどうするんだよ?
売る物も必要だし………。」
千棘 「それじゃあ、パパに頼んでここで生活出来るだけのお金を送って貰ったら?」
蒼也 「お嬢、確かにそれは可能でしょうが、それでは俺たちでやって行く俺たちのアジトなのに、
俺たちで自立出来ている事になりません。」
千棘 「そっか……………。
そうだよね、パパに頼ってばっかじゃダメだよね。」
万里花 「……………。
あの〜〜。
みなさん、私(わたくし)に1つ考えがあるのですが。」
楽 「え?」
万里花 「お花屋さんというのはどうです?」
楽・千棘・鶫・蒼也 「お花屋さん?」
万里花 「はい。
私(わたくし)の庭園で育てたお花を、ここで売るのですわ。」
楽 「え?いいのか橘?大事な花なんだろ?」
万里花 「よろしいのですわよ。
お花を大事にしてくれる人たちに買って頂けるなら、私(わたくし)も本望ですわ。
それに、最近は庭園に沢山お花が増えすぎていて困っていた所ですわ。」
蒼也 「なるほど………。
花屋か、いいかもしれないな。
橘さんが作ったり、自分たちで育てた花なら、入荷料はゼロだし、効率もいい………。」
楽 「なるほど、確かにいいかもしれないな………。」
千棘 「それなら、決まりね。」
楽 「おう!」
楽・千棘・鶫・蒼也・万里花 「ハチノスでやる店は、「花屋」だ!」
第1巻 第356話 完