「サモン、メドゥーサ!カプソ!クー・フーリン!タイミング合わせて横槍入れるぞ!」
「あの戦いに、ですか?」
たしかに、恐ろしい剣戟である。芸術的と言っても過言ではない。
だが、だからこそ絶対的な出力の差が勝敗を決めてしまう。
デオンの剣が力場を抜くまでのタイムラグ。それが、絶対的な壁として立ちはだかっているのだ。
「援護入れるぞ!指示通りの軌道で頼む!」
「応よ!」
「わかりました」
「わかったよー」
デオンがマサカド公の剛撃を躱し、崩れた体勢を立て直そうとしたその時に、力場の網がデオンを捉える。
物理的干渉による、見えない手だ。
そして、返す太刀が放たれようとしたその時に、こちらの援護が着弾する。
「デオン、流されろ!」
力場破壊にのみ特化させた広範囲の
援護に気付いたマサカド公は、すぐさま残りの力場を操作して防御を固めるが、それはこちらの見せ札が誘導した結果だ。
本命はカプソ。前のサマナーによる合体でさまざまな術を会得しているカプソの
これにより、こちらの致命傷はなんとか回避された。
そして、アナライズの完了の通知音が鳴り響く。
斬撃以外全属性耐性以上の化け物力場である。火炎属性など反射してくる。やめてくれ、全滅の可能性を考えて温存していた真里亞が不発弾になってしまう。
現状、こちらの手札でマサカドにダメージを与えうるのはデオンの斬撃、アテルイの紫鬼モード、ベル・デルの万能属性攻撃の3つ。
あとは自分のメギドもそうではあるのだが、これは焼け石に水だろう。魔法陣で適性のない魔法を使っているが故に、そう威力は出ないのだ。
つまり、3手で殺し切らなければならないと言うこと。
そして、力場の関係上こちらの手札をほとんど封殺できる向こうは、位置のコントロールや攻撃の妨害などの手を全て力尽くで無視できてしまうのだ。
うん、どう考えても手札が足りない。今すぐ殺さなくてはならないわけではないのだし、ここで取る選択肢は一択だろう。
「真里亞!ド派手に頼む!」
「...ええ、お任せを!」
「
マサカドの視界を覆い尽くす超広域火炎魔法。
この時点で指示を出されるまでもなく動き出すデオン。
マサカドは炎を意に介する事なく、デオンは真っ直ぐにこちらに向けて走っていった。
足止めに、クー・フーリンとメドゥーサを残して。
「随分、珍い悪魔だな」
「まぁな、この側面を引っ張ってくれるのは、良いサマナーって事さ」
「ええ、そう言う事です。なので、お覚悟を」
「貴様ら、捨て石にされたというのに見上げた忠義よ」
「まぁな。サマナーとの暮らしは結構気に入ってんだ」
「右に同じく、という事で」
「良かろう、儂を止めてみろ!」
おそらく、力場の関係上持たせて5分...は希望的観測だ。
3分で崩れると見て動くべきだろう。
「さて、何処に逃げる?」
「神田明神はどうでしょう。マサカド公はあそこに封じられていたはず。何かあるかもしれません」
「まぁ、藁をも掴むって事だな。幸いここからそう遠くない。ついでだし、デオンを乗せて休ませよう」
そうしてストレージから取り出すは鎖。かつて自分を引き回したアレである。実はこれMAG伝導性の高いものなので、術を使える人が扱うとちょっと面白いことができるのだ
「デオン、掴まれ」
「感謝するよ、正直息が上がってきた頃だったんだ」
そうして、デオンが鎖を掴んだことを確認すると、重力魔法でデオンを軽くして引っ張り上げる。
神田明神は、もうすぐだった。
「うん、これは予想しておくべきだったな」
「すいません、千尋さん。素人考えだったようです」
「なに、ここ以外に逃げたとしても結果は変わらないさ。サマナー、ここでケリをつけよう」
「ああ。全力でぶちかます。正面突破は趣味じゃないんだが...それしかないならやるしかない、か」
神田明神のあった場所にあったのは、かつて木造の建物があったという痕跡だけ。
マサカド公をどうにかできる結界や封印の類はあったのかもしれないが、全て破壊された後だった。
思えば、だからこそキョウジさんは単純戦闘力において世界最強のライドウさんに救援を求めたのだろう。
そんな事を考えていると、空からマサカド公が降ってくる。
クー・フーリンとメドゥーサを殺したのは感じていたのですぐに来るとは思っていたが、正直あと2分くらいのんびりしていて欲しかった。
「では死ぬがよい。邪悪の手の者よ」
「...自分が邪悪じゃないって言い張れるほど、やってる事を理解してないわけじゃない。けどさ」
「俺は、明日があって欲しいから。だから、戦わせて貰う」
ストレージから取り出したショートソードを突きつけて、胸を張って言い放つ。心からの、ただの言葉を。
「...顔無しにしておくには惜しいな。貴様、名は?」
「花咲千尋、ただのサマナーだよ」
「覚えておこう。さらばだ、デビルサマナーよ!」
向けられる殺気、それに反応して集中する意識。
足りない手を補う手段はまだ見つかってはいない。だからこそ思考を加速させるのだ。
考えをやめた先に
瞬間、何かが現れたのを感じた。
「そこです、自爆なさい」
「イーヤッハァ!」
背後から、バイクに乗った首なしライダーが突然現れマサカド公に信じられない速度で突撃していき、そして自爆した。
瞬間、走る閃き。
「デオン!真里亞!ライダーの来た方に撤退!マサカドは気にしなくていい!」
「判断が早いですね、やりやすい。次弾行きましょう」
「ヒャッハァ!」
再び放たれる首なしライダーの弾丸。どうやら、何かの強化器具を取り付ける事によってあの速度と破壊力を作り出しているようだ。
あの情け容赦のない戦法、葛葉キョウジの仲魔と見て間違いはないだろう。
「逃走ルートは?」
「転移します、私の近くに。サマナー!」
そうして、転移魔法の光が自分たちを包む。かなり高精度に絞られたいい術式だ。
そうして、三体目の首なしライダーが爆散するのと同時に自分たちは狂将マサカドから逃げ延びた。
何のためらいもなく悪魔を犠牲にするその強かさ、彼は葛葉キョウジの弟子か何かなのだろうか?
そんな疑問を持ちながら、転移の終わりの浮遊感を感じると
そこには、ほぼ全身を義肢で誤魔化している傷だらけの顔無しの姿があった。
「キョウジ、叔父様...」
真里亞のその言葉でなんとなくわかってしまった。何故、葛葉キョウジが葛葉ライドウに助けを求めたのかが。
彼は、もう負けてしまっていたのだ。
「真里亞か。ライドウを呼んだ筈だが、どうしてお前がここにいる?」
「ライドウ様は遡月にはいらっしゃいませんでした。ですので、私は信頼できる仲間と共にターミナルで舞い戻ってきたのです」
「...って事は、遡月の結界の術者についてはわかったのか?」
「はい。それは俺、花咲千尋です。遡月の魔術師である海馬の技術を使って結界を再構築しました」
「そうか、じゃあお前が元凶か?」
向けられる機械の左腕。その指先からは高密度のMAGが感じられる。魔法収束機構を義肢につけているのだろう。神経を通すだけでも魂に結構痛みがあるというのに、大したものだ。
「サマナー」
「デオン、大丈夫だ」
「...なんの元凶かはわかりませんが、この令和結界を敷いたのは俺です。ですが、俺の描いた結界の効果と現実の効果が異なっているのは確かです。顔無しの発現や各種ネットワークの崩壊、これらは予想もしていませんでした。帝都の現状もそうです。マサカド公の荒魂と和魂の分離ですか?アレは」
「ああ、そうだ。...真里亞が騙されてるって訳でもなさそうだな、頭がキレやがる」
「それで、こちらのアウタースピリッツはあなたの仲魔ですか?」
「はい。成り行きで仲魔となりました、姓名を陳宮、字を公大と申します」
「コイツはいずれ殺さなきゃならないが、ロクに戦える体じゃあねぇからコイツを手足にしてる。コイツもそれを理解して従ってる訳だ」
「ええ、まぁ腰掛けですがね」
「裏切るつもり満々なのはどうなんですか、キョウジさん」
「大丈夫だ、利害は一致してる」
「それに、コイツは軍師であって英雄ではない。今の俺でも手段を選ばなければ殺れるさ」
「おやおや、怖いですねぇ」
冷える空気。だが、それに反してこの二人は随分と楽しそうだ。
「それじゃあ、確認なんですがここの拠点は安全なんですか?」
「ああ、ここは帝都唯一の死角だ。神田明神の地下にある緊急用のシェルターだよ。マサカドの帝都結界は神田明神を中心に発しているが、だからこそ内側にあるこのシェルターには目が向かねぇ」
「なるほど」
「じゃあ、こっちから質問だ。お前はマサカドを殺せるか?」
「手が足りないですね。こっちの有効火力はデオンと仲魔の斬撃、それと万能属性使いの万魔の一撃くらいしかないですから」
「真里亞、草薙のチャージはどうなってる?」
「1発なら、なんとか放てます」
「...足りねぇか。陳宮の
「念のため良いですか?」
「どうした?顔無し」
「狂将の方のマサカド、仲魔にできませんか?」
「...難しいな。あっちのマサカドは義理人情で殺しをしてる。アイツから見たら俺たち顔無しは邪悪の手先でしかないんだよ。...実際外れてないしな」
「しんどいですね...でも、それなら護国神の方に助力を願うのは?ファントムの長をやってるってトコでもう怪しさマックスですけど」
「その通りだよ花咲千尋。...俺がこうなったのは、あっちのマサカドとの戦闘の結果だ。護国神とか名乗っているが、奴は間違いなく別物だ。アウタースピリッツじゃない、別のマサカドが悪魔として顕現しているのが奴だ」
「つまり、帝都結界の崩壊の原因は核となるマサカド公が二人になってしまったことによる誤作動ですか」
「そして、帝都結界がなければこの地に満ちている龍脈を各地に流すシステムは停止し、令和結界は形を保てずに消失する。つまりは世界の終わりだ」
現状の認識を統一させる。そうだ、引く道などないのだ。
「現実的な話をしましょう。ライドウさんならやれるというだけの草案はあったんですよね?」
「ああ、俺のことは帝都結界でどっちのマサカドも見てる。狂将の方は殺しに突っ込んで来るな。ファントムの方も、刺客を差し向けて来るだろうよ」
「なら、俺もそうですね。となると狂将を誘導してマサカドを殺し合わせるってのは難しいですか」
「ああ。それにどっちか一匹は生かしておかなきゃならねぇ。それも、結界の安定性を考えるなら狂将の方を。だが、それはほぼ不可能だからファントムの方を残す。それでとりあえず世界の終わりは先延ばしにできるだろうな。だから、単身で狂将を殺せるライドウが欲しかったんだが...あの野郎、何やってやがんだ」
「...やはり、道は一つしかありませんか」
「ああ、俺を囮にしての狂将の暗殺。それだけだ」
「...うん、なら理想論の話をしましょう」
「...は?」
現実的に考えるなら、護国神を結界の核に据えるのが正解だ。
だが、きっとそれではいけないのだ。
ファントムのマサカドを立てれば、きっと未来はない。そんな声が聞こえるような気がする。幻聴だろうが、けどどちらにしても俺の選ぶべき道は変わらない。
「狂将マサカドを、打ち負かして仲魔にする。そして、マサカドとともに護国神を討伐する。それが、理想の結末です」
「...お前、無理があるだろうがそれは」
「いえ、それがそうでもないんですよ。現状の戦力で不可能だとしても、未来の戦力で見ると確率は変わってきます」
「千尋さん?」
「あぁ、何が言いたいかはわかったよサマナー。だが、確信はあるのかい?」
「ああ、聖杯の欠片にはアウタースピリッツを引きつける力がある。だから、この帝都には確実にいるはずなんだ」
「正義を信じて、未来を願って共に戦ってくれる異世界からの英雄が」
「だとよ、陳宮」
「こそばゆいですね。ですが、私のように直接戦闘が不慣れな者もいるのでは?」
「その時はその時です。何にせよ、動かないと始まらない」
「だから、ちょっと行ってきます」
「千尋さん、私も行きます。今のマサカド公と対話できるのは皇室の秘術により生まれた私だけ。使えないということはないでしょう」
「助かる」
「...ならば、これを使え」
「...このシェルターへの転移パス?良いんですか?どこの馬の骨とも言えない顔無しにこんなものを渡してしまって」
「ああ、どちらにせよ俺は敗者だ。生きてるのが不思議なほどにな。だから、どこかで負けを受け入れていた。だが、国防はそうじゃねぇよな」
「何をしてでもこの国を守る。それがキョウジだ。だから、お前の夢のような可能性に賭けてみることにする。なに、どうせ負けていた命だ、たまには大穴狙いも悪くないだろうよ」
どうやら、キョウジさんも受け入れてくれたようだ。
アウタースピリッツ捜索作戦、ここに開始である。
「お前かぁ!狂将から生き残った奴ってのは!」
「そうですよー。ちゃんとアナライズしたんで、データ売りますぜ」
俺とデオン、真里亞とキョウジさんは別行動とした。理由は単純、俺は顔無しであり、ファントムの内側に入る事ができるからだ。
そして、キョウジさんと真里亞には、ある種の迷彩を施して行動してもらっている。マサカドの探知方法が結界によるものならば、結界の反応を誤魔化す術式を常に流し続ければ隠れる事は可能だ。
幸いにも結界の反応のサンプルは身近から得ることができた。なにせあのシェルターは結界の内側であり、帝都結界の基点すぐ近く。
こっそり結界の術式を盗み取り解析することなど容易い事なのだ。最新の機器を使えれば。
アップデートを重ねていても、結局のところ根元は300年前の結界。古き良きという言葉もあるが、結局古いものには何かしらの欠陥があるものなのだ。だから次の世代ではそれらをアップグレードしていく。それが人の営みだ。
今は無政府状態で混乱だらけだが、いつかはそういう人の巡りの中に戻っていけたら良いなと思う。
「さて、質問があるんだが良いですか?」
「なんだ?」
「実は、またマサカドに襲われる可能性が実は結構あるんです。だから戦力強化をしたいんですよ。結構纏めて」
「なるほど、どっかの悪魔の巣の連中をそのまま仲魔にしちまおうって腹か!大胆な事を考えるなぁお前さん!」
「なんで、出来るだけ面白そうな悪魔の群れを探してんですよ。例えば、大将張ってる悪魔が見たことない奴だったり」
「それなら、浅草のあたりに妙な一団があるって噂だぜ。なんでも、毎日宴会を開いてる悪魔の群れらしくてな。しかも人を襲わないで宴会に招いたりしたんだとさ」
「へぇ...浅草周りじゃウカノミタマプラントはない。ってことはなんかの異能か」
「そうよ。んで、そう思ったサマナーが何人もそいつを仲魔にしようと向かったんだが、帰ってきた奴は居なかった。つまり、めっぽう腕が立つって事よ」
「そいつは楽しみですね。じゃあ早速行ってきます。情報ありがとうございました」
「おいおい、もうちょっとゆっくりしてても良いんじゃねぇか?」
「...虎穴に入らずんば虎子を得ずって言うが、虎穴で手間取って虎に殺されるのはごめんなんだよ、刺客さん!」
「チッ!」
今までの人好きのする笑みが消え、獰猛な悪魔の顔が浮かび出る。
これは、妖鬼オニで括られるオニシリーズだろう。マイナーな所まで探っていくと沼にハマる奴。
耐性は、物理に強いのが通例だ。
つまり、魔法にはさほど強くないという事でもある。
「死ねや!金剛ぉお!」
「遅い!」
オニが力を込める寸前に、ジオストーンを抜き打ちで起動させる。
そうして痺れたところに、デオンの斬撃がモロに入る。
オニの力場は物理に強いはずだったが、それをうまく切り裂いて首を一撃で切り落として見せた。
力ではなく、技による貫通現象。斬鉄の類なのだろうか。
「うん、やってみるものだ。この程度の力場なら私は意に介さないで切れるようになったよ」
「へぇ、インスパイアの元はなんだったんだ?」
「マサカドの剣理だよ。彼の剣には対人剣には見られない奇妙な力の流れがあった。それを少し真似てみたのさ」
「それで一発成功とか、おっかないなマジに」
「それでサマナー、情報端末からデータを抜き取るのかい?」
「いや、いい。時間かかるし。だから、ひとまずは浅草に行ってみても良いだろうよ。このオニさんは俺たちを足止めするために動いていたが、その話ぶりからは嘘は感じられなかった。だから、この与太話は信じて良いと思う」
「根拠はあるのかい?」
「じゃあ逆に聞くが、ファントムのデータベースに強力なアウタースピリッツの情報があると思うか?」
「ああ、なるほど。護国神やシェムハザに伝われば討伐部隊が出されてしまうか」
「そして、そんな奴の情報は危険だから隠匿される。そういう意味ではオニさんの与太話はこっちの望んでるものだったんだよな。ほどほどに噂で、信憑性がない」
「しかし、当たりならばそのアウタースピリッツは相当の実力者か、兵站を生む能力者」
「補給ができない身としては、相当に有難い力だ。...なんでファントムには5.7×28ミリ置いてないんだよ。取り回し良くて便利だろうが」
そんなわけで、ささっと退散。地図データにより浅草までのルートはわかっている。バイクを取り出し、迷彩術式をかけて逃亡を図る。
電動バイクなので、騒音はないのだ。バイオ燃料型も浪漫なのはわかっているのだが、やはりコスパを考えると電動なのだ。いざとなればジオで充電できるのだし。
そうして、追っ手を巻いた俺たちは道路が割と整っていたこともあって簡単に浅草まで到達した。
さて、ここからどう探したものか。どこかに拠点を持っているという話は聞けなかった以上、広範囲に探してみるべきなのだろうが...
「うん、宴といえば酒だよな。...補充できねぇから使いたくはないが、背に腹は変えられん」
そうして、そこらへんにいた一般野良悪魔に手元の酒を見せびらかす。すると、案の定釣れた。
「おいコラ手前!人間の癖に良いもん持ってんじゃねぇか!」
「ああ、ちょっと宴に混ざりたくてな。案内頼めないか?」
「ァア⁉︎なにナマ聞いてんだコラァ!」
そうして激昂する足の裏のような形の悪魔。
そう強くはないが、珍しい悪魔ではあるのだろう。人間のデータベースといえなくもないアンリマユの泥を取り込んでから、少しずつ参照できる記憶が増えているが、このような姿の悪魔は記憶の中に見当たらない。
これは、少し交渉(物理)の出番かと思ったその時、誠実な印象を受ける声の持ち主が、この悪魔を止めた。
「カンバリ、藤太殿との約定でしょう。人間は襲わぬと」
「...いや、そいつはそうなんだが!」
「いや、大丈夫ですよ。こちらから釣ったみたいなものですから。俺はサマナーの花咲千尋、こっちは相棒のデオン。見ての通りのものを、賑やかに楽しみたくて宴を探しに来ました」
「これはどうもご丁寧に。私は秘神アメノフトタマ。宴に参加したいというのなら止めはしません。ですが、我らを害するというのなら、お覚悟を」
「それは少し難しいですね。俺は、あなたのいう藤太殿に助力を願いたいと思ってやってきた訳ですから」
「藤太殿に、なにをさせようと?」
「この世界を、ちょっとの間延命させる手伝いですかね?」
「この終わった世界の延命を望むのですか?貴方は?全く、妄言も大概に...ッ⁉︎」
「どうしました?」
「失礼、少し占わさせて頂きます」
「唐突に⁉︎」
「諦めな兄ちゃん、こうなったアメノフトタマ様はテコでも動かねぇ」
そうして、どこからか取り出した骨に焼印を入れ、その様子を見ていた。
「...貴方は、なにが目的なのですか?」
「とりあえず、黒点をなんとかして明日を確かなものにする事。それから先は、...旅行とかしてみたいですね」
「その言葉に偽りはないようですね...奇妙な方だ」
「すまない、占いには何が出たんだい?」
「いずれこの世界の分岐点に立つ人物であると、そんな漠然としたことしかわかりませんでした。顔がきちんと見れればもう少し詳しく見れる自信はあったのですが...」
「いえ、構いませんよ。...まぁ、スケールが大きくて想像はつきませんけどね」
「サマナー、まだその認識なのかい」
「いいだろ別に、世界背負ってても背負ってなくてもやる事は変わらないんだから」
そんな会話をしつつアメノフトタマの導くままに進む。
すると、和服を着崩した一人の武者が笑顔で出迎えてくれた。
「どうも、宴があると聞いて良いもの持参してきました」
「ほう!この時代の酒か!いやー、美味い美味いと聞いてはいたが飲めずにいたのでな!」
そうして、自然と握手の手が出る。これは、まさに英雄の器だろう。笑顔が、心を暖かくしてくれる。
「俵藤太だ。成り行きでここいらの連中のまとめ役をしておる。まぁ、共に飯を食ろうておるだけだがな!」
「俺は花咲千尋、
「私はデオン。今は千尋の仲魔をしているよ」
そうして、今宵開かれる宴会に俺とデオンは参加することになった。
「護国を任せられておきながらこの失態、合わせる顔もございません」
「構いません毘沙門天。生き残った四天王として、今は傷を治す事に集中して下さい。マサカドは、私たちがなんとかします」
巣鴨にある毘沙門天の館、そこで私たちは唯一生き残った四天王の毘沙門天と会うことができた。
...霊核すら傷だらけで、もはや生きている事の方が不思議でならないほどの重傷であったが。
「皇族の結界の奥にいるのはこれで最後だな。...どいつもこいつも死んだりしてやがって。俺より真面目に護国って奴をやってたんだろうが」
「仕方がありません。それほどの事態なのですから」
「ふむ、ですがあの程度の傷なら私の兵器で戦力に仕立て上げる事はできます」
「それやったら死ぬだろうが。四天王全員死亡とかゲートパワーどうなると思ってやがる。あと2年保たねえぞ」
そんな会話をしながら四天王の館を出ると、そこには
雅、そんな空気が相応しいような青年のような悪魔がいた。
「...陳宮、毘沙門天呼んで兵器をつけろ。それなら手傷くらいは負わせられるかもしれん」
「という事は、この悪魔が!」
「我こそは、護国の神。マサカドである」
圧倒的な、神の気配を纏いながら。
週一ペースでなんとか続けられていますが、書きたい話が増えてきて頭の中がヤバイです。
これも全部風花雪月が面白すぎるのが悪い。シナリオもキャラもゲーム性も良いとか最強かよ。
そして魔導砲台リシテア様可愛すぎですぜ、まだ2周目青ルートですが、三周目の赤ルートでも多分使うと思います。
調整平均8.9とかいう作者的にはヤバイ数字出しているこの作品の評価について、評価機能がどれほど使われているのかの個人的興味からのアンケート。暇な時にでもどうぞ。
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