ポケットモンスター the master road 作:海苔巻000
ここはリルドタウン。始まりの風が吹く街──。
今日この街で1人のポケモントレーナーが誕生しようとしていた。
「リオ!早く起きなさい!」
そういう母の声が下の階から聞こえてくる。時計を見ると既に9時を回っていた。
この街でポケモンの研究をしているブリーク博士から新しいポケモンを貰う約束の時間は8時だったはずだ。
「やべぇ!」
そこまで考えた所で事の重大さに気づき、すぐに飛び起きて着替え始める。
青いジャケットとジーパンに四天王である父親に買ってもらったマスターボールが刺繍されてある帽子。
いつも外に出かける時の格好だ。
急いで下にかけ降りると母親がエプロン姿で少し怒った顔をしながらこっちを見つめる。
「やっと降りてきた。朝ごはんを食べて早く行きなさい。カインとシアはもうポケモン貰って出発しちゃったわよ。」
「嘘!?じゃあ行ってきます!」
これからライバルとなる幼馴染に先を越されたと聞くとリオは朝食も途中にしてショルダーバッグを持って家を出た。
「ちょっと!ご飯は!?」
後ろから母親の声が聞こえるが「帰ってから食うよ!」と叫びながらリオは研究所に走っていった。
研究所の前に着いてから息を整えてドアを開けると博士がニコニコしながら出迎えてくれた。
「おお、リオくん。遅かったな。さあ君のポケモンはこっちだよ。」
そう言いながら研究所の裏庭に行くとそこにはたくさんのポケモンがいた。
「うわぁ!」
「ゆっくり決めなさい。こんなにたくさんいるんだからね。」
たくさんのポケモンを見ながら目を輝かせるリオを見て博士は嬉しそうに微笑みながら笑った。
──フカマル、ヒトカゲ、ロコン、コイキング。
たくさんのポケモンがここにはいる。
この中から1匹、相棒となるポケモンを決めれば夢にまで見たポケモントレーナーになれる。
その感動と喜びに浸りながらポケモンを選ぶ。
ポケモン達を見回しているとリオの目に1匹のヒトカゲが入ってきた。
他のポケモン達が楽しく遊んでるのにも関わらずこのヒトカゲはそれを退屈そうに見ていた。
「なあヒトカゲ。お前俺と一緒に旅に出ないか?」
それを聞くとヒトカゲは一瞬こちらを睨んだがすぐにそっぽを向いた。
「……博士。俺こいつにする。」
それを聞いた博士は驚いたようにこちらを見た。
「本当かい?…このポケモンはかなり強いし珍しい技も持っているんだけど、少し人が苦手らしくてね。餌も滅多に食べないしトレーナーにも全く懐かない上に言うことを聞かないからみんな返しに来てしまうんだけど……。」
大丈夫かい?と言いたげな顔をしてブリーク博士がこちらを見つめる。
リオはそれを真っ直ぐと見つめ返して「この子にします!」と言った。
それを聞いたブリーク博士は笑顔になって「分かった。」と呟き、
「君ならこのヒトカゲの真のパートナーになってやれる気がするよ。」
と言った。
「これが君のトレーナーカードとジムバッジケース。あとはポケモン図鑑と、ヒトカゲのモンスターボールだ。無くさないように気をつけてね。」
博士はそう説明しながらカードとケースを渡してモンスターボールにヒトカゲを戻してからリオに渡してくれた。
「よろしくな、ヒトカゲ。」
リオはモンスターボールからヒトカゲを出してそう言うが、ヒトカゲは興味なしと言うようにそっぽを向いた。
苦笑いしながらヒトカゲをモンスターボールに戻すとブリーク博士がリオのことを見つめながら
「これから君の旅に幸があらんことを願うよ。」
と言ってから笑いかけてくれた。
家に帰り、食べ忘れていた朝食を食べるとリオは懐からモンスターボールを取り出し、ヒトカゲを出した。
ヒトカゲは母親の方を見ると
「お母さん、僕のポケモンだよ!」
「あら、可愛いポケモンじゃない!やっぱりヒトカゲね。リオも旅に出るんでしょ?頑張りなさい。途中で諦めるなんてダメよ?」
そう言うとお母さんは少し寂しそうに笑った。
それを見てリオも寂しくなったが「うん。」と一言だけ返した。
街の門に行くと母が見送りに来てくれた。
門から一番道路に出て、後ろを振り向くと母は大きく頷いた。
僕も大きく頷いて走り出した。もう振り向かなかった。
稚拙な文章と作品ですが、これからもお付き合い頂ければ幸いです
読んでいただきありがとうございました。