ポケットモンスター the master road 作:海苔巻000
マップで示してあった場所に向かう途中、ポケモンセンターのような回復施設を見つけた。後で使うこともあるのだろうか、と思いながら受付に向かうと1人の少女が受付を行っているのがリオの目に見えた。
「あ、シア。」
正直こんなに早く再開するとは思わなかったリオは嬉しく思う反面、気まずくもあった。
ビニルタウンでのあの出来事が頭に浮かぶ。
声をかけるべきかどうか手をこまねいているとシアからリオの方に気づき、歩いてきた。
「リオも大会に出るの?」
「ああ、こいつらと
シアは少し驚いた顔をしてから表情を和らげて
「……そっか。カインも出場するらしいし、3人全員揃うことになるね。お互い頑張ろう。」
「ああ。」
シアは頷いてリオの元を去っていく。
リオ、シア、カインの3人が揃うのは旅立つ前日以来だ。
リオの心はこの大会を前にして昂っていた。
大会の開会式までは残り3時間。
出場者60人によるトーナメント方式で4人をシード枠に加えて試合を行う、という形だ。
ジムリーダーのカイトもシード枠にいる。
あとはロイ、タケシ、クリードというトレーナーがシード枠にいる。
皆強いトレーナーなのだろう。顔も見たことの無いトレーナー達に闘志を燃やしていると後ろから声をかけられた。
「おい、我を待たせすぎだ。早く来い。」
バンだ。そういえばそれなりに時間も経っている。
「悪い。で、待機室は?」
「貴様にそんなものは無い。その辺で待っていろ。」
「え?」
一瞬バンのタチの悪い冗談だと思っていたが、どうやらそうでもないらしい。
実際出場者らしきトレーナー達は皆ここで特訓をしているようだ。
「ではわれは戻る。3時間後の我が演舞を肴に待っていろ。」
そう言いながらバンは高笑いをして控え室に戻っていった。
リオは仕方なく、ここで訓練がてら練習試合を何人ものトレーナーに申し込んだ。
ここのトレーナーは手強く、何人かには負けたが、それでもここでのバトルはかなり経験を積むことが出来た。
そして何度目か分からないポケモンセンターでの回復を済ますとシアとカインが呼びに来た。
「よー、リオ!マジで来てたのか。」
「リオ!四天王同士のエキシビジョンマッチが始まっちゃうよ!」
「そうだな。」
バトルによる手応えを噛み締めながらバンの出るエキシビジョンマッチを走って見に行った。
会場内の観戦席に向かうと何人ものトレーナーがそこにいて試合を待ちわびている。
「すっげえ数。」
「そりゃあ四天王にあう機会なんかこの辺じゃ大会のエキシビジョンマッチ以外でまずないからな。」
カインの言葉を聞きながら自分は割と幸運だったんだな。ということを考えながらリオはエキシビジョンマッチの始まりを待っていた。
「レディースエンドジェントルマン!今宵の熱い大会の前に、四天王同士のエキシビジョンマッチを行います。地方最強のポケモンバトルをその目に焼き付けよ!」
司会が興奮気味に話すとバトルフィールドの端にある2つの扉が開き男が2人入ってきた。
片方はバン。もう片方の男は黒いフード服を来ていて、手をポケットに突っ込んでいるオッドアイの男だ。
「バン様ー!」「ジャック様ー!」
という歓声が半々になって聞こえてくる。
ジャンはもう1人の四天王の名前だろうか。
「フッフッフ。
「相変わらずうるせえ奴だな……。」
2人はそれだけ交わすとモンスターボールを構えた。
「バトルは1対1!制限時間10分で片方がやられれば戦闘不能!制限時間内にバトルが終わらなければ引き分けとなります!それではバトルはじめぇー!」
その声を聞いた2人が同時にモンスターボールを開く。
「行け、悪魔の力を得し爆炎の魔獣ヘルガー!」
「来い、ウィンディ。」
ヘルガーとウィンディ。どちらも大型肉食獣型のポケモンでとても強そうだ。
「かっけぇ!俺もあんなポケモン欲しいなー。」
「そうだな。」
カインが珍しく客席から身を乗り出してはしゃぎ出す。
なんとなくそれが面白くてリオは笑い続けていた。
「ウィンディ、一撃で沈めるぞ。"インファイト"。」
ジャックの指令とほぼ同時にウィンディは動き出し、ヘルガーに向かって前足で無数の連撃を放つ。
すざましい威力のパワーとスピードだ。
とても目で追い切れない。だがバンのヘルガーはそれを紙一重で交わし続けていた。
「ふっ、そう焦るな。ここの奴らを我が狂宴の虜にしてしんぜよう!ヘルガーよ!全てを燃やし尽くす爆炎の一打を当てよ!"オーバーヒート"!」
「……でた!」
リオはその指示に反応したがヘルガーはすぐには技を出さずニヤリと笑ってからウィンディに一撃をぶつけた。
こちらもかなりの威力だがウィンディは倒しきれない。
だがかなりのダメージを負っている様子ではあった。
「はっはっは!どうしたジャックよ!指示が鈍っているのではないか?」
バンの煽りも無視してジャックはウィンディに再び指示を出す。
「"かみなりのキバ"」
"オーバーヒート"の反動で一瞬動きが止まっているヘルガーを捉えたウィンディは電気を纏った牙でヘルガーを貫く。
ヘルガーは一瞬だけよろめいたが、すぐに立て直してバンの方に戻ろうとした。
「追撃。」
技名も指示せずにジャックはウィンディに攻撃の指示をする。しかしウィンディは完全に理解したように頷くと信じられないほどのスピードで移動を始めた。
ヘルガーにあっという間に追いつくと攻撃の姿勢を見せる。
「"オーバーヒート"!」
前置きの言葉もなくバンが指示をする。だがこの攻撃はウィンディに防がれ、倒すことは叶わなかった。
そしてそれもそこそこにウィンディの一撃がヘルガーに突き刺さる。
「ふん、私の慢心だな。だが勝利という称号は譲らぬ!ヘルガー、"かえんほうしゃ"!」
ヘルガーが直線上に範囲の広い火を放つ。
ウィンディは再び先程の高速移動でヘルガーに近づくが今度はヘルガーが反撃の動きを見せた。
「甘いな。貴様の"しんそく"ごときにそう何度も翻弄される我ではない!」
そう言うとヘルガーはウィンディの目の前で"しんそく"の動きに追随して攻撃しようとする。
紙一重でウィンディが逃げたが今ので勝負が終わってもおかしくない動きだった。
一進一退の攻防をハラハラしながら見守っていると隣に1人の男が座った。細い目の少し日焼けしている男だ。
「隣、いいかな。」
「あ、ああ。」
どこかで見覚えがあるその男を見ているとこちらをそれとなく見たシアが大きな声で叫んだ。
「あー!あなた、タケシさん?」
「タケシ?」
「今回のシードの人よ!カントーのジムリーダーやってる人。」
「へえ、俺はこんな遠い地方の少年少女にまで知られているのか。ちょっと嬉しいな。」
そう言うと細目の男、タケシはニッコリと笑い、
「君たちも大会に出場するのかい?」
と聞いてきた。試合から目を離してタケシの方を見たカインが「そうだぜ!」と言うとタケシはニッコリ笑ってから
「大会でバトルするのが楽しみだ。」
と呟いた。
するとその時、大きな歓声が上がった。
バトルフィールドを見ると2匹が互角の攻防を続けていた。タイマーは残り30秒を切っている。
「爆炎よ、三度あの獣を焼き払う力となれ!"オーバーヒート"!」
「これで最後だ……"インファイト"!」
ウィンディの方が早く攻撃に移ったが当たる直前に"オーバーヒート"が発動したため2つの技は相殺され、爆風が起きた。
煙が収まっても、フィールドには2匹のポケモンは健在だった。
その時、試合終了を知らせるタイマーが鳴った。
タケシ、好きなキャラなんですよね…w
カイトって覚えてます?ジムリーダーのキャラ達の影薄すぎますよね。でも基本使い捨てなのがなー
ゲームでグリーンも使ってたけどウィンディってカッコよくないですか?むっちゃ好き
にしても文字数が多いな今回は。大会編なのだからやむを得ないのか…