ポケットモンスター the master road   作:海苔巻000

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よろしくお願いします


二回戦

一回戦の試合は何事もなく進み、カインとシアはそこまで苦戦することなく二回戦に進出した。

一番苦戦したのはリオだ。そこは少し劣等感があったが、実際バトルすればそこまで差はないはず。リオはそう感じていた。

 

そして二回戦、第一試合。

シードであるタケシの試合が始まる。

 

『さあ、二回戦がついに始まるぞ!第一試合は新進気鋭の短パン小僧。ルイとカントー地方から来たいわタイプ使いのジムリーダータケシだァ!』

運営のその声と同時に会場は大いに湧き始める。

やはりジムリーダーの本気のバトルを生で見られる機会は中々ない。

会場全体がこのバトルに釘づけだった。

リオ自身も過去に何度かテレビでジムリーダーのバトルを見たことがある。ジム戦での腕試しとは桁違いの素晴らしいバトル。

それが見れると言うのでリオはとてもワクワクしていた。

 

フィールドに2人がつき、睨み合う。

「言っとくけど!ジムリーダー相手だからってかませ犬になっちまうつもりはないんだからな!俺がぶっ潰して大番狂わせ起こしてやるよ!」

「そうか。楽しみにしている。いいバトルにしよう。」

そう言うとタケシはニッコリと笑う。先程の観戦の時も感じていたが穏やかな性格なのだろう。

 

『それでは!バトル開始ィ!』

歓声とともに2人が同時にモンスターボールを構える。

「行け、イワーク!」

「出てこいカメール!」

タケシが繰り出したのは前評判どおり、いわタイプのイワーク。短パン小僧が繰り出したのは甲羅を背中に乗せた亀のようなポケモンだった。

「水タイプか。」

「当然!お前のポケモンはいわタイプばっかりだからな!弱点さえつけば怖くなんかねえんだよ!」

「それはどうかな?イワーク"ステルスロック"だ。」

イワークが先手を取り、周囲に岩がばら撒かれる。トラップのようなものだろうか。

「なんだこれ?カメール、迂闊に動くなよ。"みずのはどう"!」

選択したのは遠距離攻撃だった。水の輪が連鎖してイワークを襲う。

「避けろ、イワーク!」

その指示をイワークは的確に受け取り、あっさりと避ける。

「まだまだ!連打しろ!」

何度も何度も続けるがカメールの攻撃は一向にイワークには当たらない。

次第にカメールの顔色に疲れが見えてきた。

 

「くそ、いい加減当たれよ!」

それでも"みずのはどう"を打ち続ける。ヤケになっているのだ。

しかしカメールは"みずのはどう"を撃たない。いや、撃てない(・・・・)のだろう。

水切れだ。ポケモンの打てる技の数には限界がある。休憩を挟まないと回復しないがバトル中はそうはいかない。

「くそ、"あわ"!」

病むなく短パン小僧は指示を切り替え、威力を下げた別の技に変える。

これも避けるのかと思ったが、違った。

「突っ込め、イワーク!」

なんとタケシは回避せず、突っ込むことを指示した。

しかしイワークは躊躇せずにカメールの作った"あわ"に飛び込んでいく。ダメージは入ったように見えるが、倒れない。

「イワーク、"すてみタックル"。」

タケシの冷静な声が入る。

穏やかな声とは裏腹に恐ろしい威力でイワークの重い一撃が入る。

カメールはたまらず吹き飛び、何度か転がってようやく壁にぶつかる頃には戦闘不能となっていた。

「強いな。まさかここまでだとは。次はこいつだ。スワンナ!こいつはな……。」

説明を始めようとした瞬間スワンナの身体にビシビシと岩が突き刺さる。"ステルスロック"だ。

「何!?」

「ステルスロックは相手のポケモンが変わると自動的に襲いかかる岩だ。」

出てきた瞬間スワンナはかなりダメージを受けた。かなり強力な技だ。やはりジムリーダーのバトルは参考になる。

リオがそう考えていると隣の空席にシアが座ってきた。

「強いね、タケシさん。」

「そうだな。遠い存在だ。」

『スワンナ戦闘不能!』

リオが話を始めた瞬間、スワンナはやられていた。あのイワークだけで全部倒してしまいそうだ。

「ならば、俺の切り札!ニョロボン!」

ニョロボンはイワークの方を見るとやる気満々でファイティングポーズをとる。

「リオ。」

「ん?」

「リオさ。ちょっと前にヤバかったじゃん。」

「……。」

思い出したくもない記憶だ。まさしく中二病と言うやつだろう。

あのバンよりはましだが「俺は強さを求める(キリッ)」とかやっていた。今思えばとても恥ずかしい。

「あれ、何が原因なの?」

「あるトレーナーだ。ポケモンを厳選していらないポケモンは捨てていた。あいつとは違う形で追い抜きたい。」

「そっか。」

話題がなくなるとどちらもすぐに黙る。カインがいれば違ったのだろうが生憎いないのでどうすることも出来ない。

 

「ニョロボン、"きあいパンチ"!!」

フィールドから大きな声が聞こえてくる。バトルは終盤に差し掛かっているように見える。

ニョロボンの気合を込めたパンチはイワークに軽くいなされる。

「イワーク、"すてみタックル"!」

お返しの一撃でニョロボンは倒れる。1度起き上がろうとしたがすぐに力尽きた。

『ニョロボン戦闘不能!』

見事なバトルだった。イワークでの三連勝だ。

会場では大きな拍手が起こる。いつかこんなトレーナーになりたい。

対戦相手に敬意を込めて誠心誠意握手をするタケシを見てリオは切にそう願った。




ありがとうございました
今回はバトルかなり端折りましたね
明日から受験最後の追い込みかけるので投稿は休みます。
戻ってくるのは3/6くらいですかね
ではまた

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