『やってきました。本日の二試合目! 今回初出場で期待の目が向けられます! 東のゲートより、あのステラ・ヴァーミリオンに勝利した『神峰優』選手です! そして、対戦するのは西ゲートより『クロノ・メイザース』選手です! この試合どうなりますか西京先生!』
『ま、神峰が相当なヘマがなければ神峰じゃね。』
『おっと、西京先生も推してます! さて、試合を始めましょう!』
放送ウザ!!
「さっきの試合、Fランクでも勝てたんだ! Dランクの俺でも勝てる!」
『そうだ! やれ!!』
『Fランクに出来て、俺たちに出来ないわけがない!!』
あー、ウゼェ。
あれば黒鉄が努力して勝ったんだよ。
それをランクなんかあてにならないってか?
「………なんかさ、盛り上がってるとこ悪いんだけどさ、アレは黒鉄の努力の成果な訳、そうそうお前らが勝てるわけねぇだろ?」
『そんなことねぇ!!』
『どうせ、金なんだろ!!』
『八百長だろうが!!』
虫酸が走る。
勘違いにも程がある。
『宣戦布告です! さて、この試合はどうなるか! 早速始めましょう!』
もういい。
伐刀絶技は使わねぇ。
俺の本当の霊装で相手してやる。
『let's go ahead!!』
「行くぞ!!」
「散れ『千本桜』」
『あれ? 神峰選手の霊装はこのあいだのじゃないんですか?』
『あん? アレが霊装なワケあるか。アレは伐刀絶技だ。アイツの霊装はこれが本物だ。』
『なんですと!! 神峰選手の霊装は今使っているものとの事です!』
うるさい。
「蒼火墜」
「こんなの効くか!!」
あっさりと弾かれる。
「こんなものかBランクは!!」
「うるせぇ。」
もう知らねぇ。
あったまきた。
手の内晒してやるよ。
「お前はどう履き違えている? さっきのは只の足止めだよ。これを使うためのな。」
俺は千本桜を逆さにし、地面に落とす。
「『卍解 千本桜景厳』」
俺の後ろに刀が浮かび上がる。
そしてその刀は全て花びらに変わる。
「そんな虚仮威し効くかよ!」
俺は手を振るう。
「ギャアァァァァァァ!!!」
それだけで相手は切り裂かれ地面に倒れた。
『あ〜あ、クロノはアイツを怒らせたのが間違いだったな。』
『どういうことですか?』
『黒鉄のように努力もせず、高いランクに勝てると思っていただろ? それがアイツの怒りを引き起こした。ちなみにアイツの霊装は、名前を聞いた通り『千本桜』で、最初の段階だと、数千の刃が飛び、相手を切り裂く。そして、さっき使った『卍解』だと、その刃の数が幾千から幾万になる。ちなみにアイツはその上の形も後三段階持ってる。』
『えげつないですね。』
まあ手の内晒すって思ったから晒したよ。
「会場の努力もせずにランクが上のやつに勝てると思ってる馬鹿どもよく聞け! 黒鉄の試合はアイツの努力の結晶だ。それを馬鹿にすんじゃねぇ! そして、俺がBランクだと誰が言った?」
俺は一呼吸置く。
「俺はAランクの更に上、Sランクだ! 次、馬鹿な発言してみろ。速攻で殲滅してやる。」
俺はそれだけ言うと会場を出た。
それに遅れて
『勝者 神峰優!!!』
会場は拍手も起こらず、唖然としていた。