やはりこの聖杯戦争はどこかおかしい。   作:島田ミカ

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…fate系は出さないと言ったな、アレはウソだ!!
…いや、正確にはサーヴァントは出ないです。(fgo判定ではない)
だって…そうしないとあの世界と魔術の関係作れないし…
と、言う訳でサーヴァント以外の型月キャラは少し出ます。(少し?)
しかし、一応最低保険を述べさせて貰うなら。
現段階で出す鯖は大体全て決まっていますが、その中に型月キャラはいません。

八幡の鯖が出るのは次くらいには召喚まで漕ぎ着けたいですね(願望)




やはりこの聖杯戦争はどこかおかしい。1

 

ーー聴け、万物の霊長ーー

 

ーー示すーーー

 

ーー混沌を覆す本物において示すーー

 

ーー全ては虚構、真贋はなくーー

 

ーー故に、本物は、ここに崩れ落ちたーー

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

…気がつけば、そこは辺り一面の白い花畑だった。

雪よりも真っ白い野花の群れは、さざ波のように世界を侵食している。

一体どうしたことだろう。

確か、あの日は土日祝の連休で比企谷家にしては珍しく家族が揃って家にいた。

隣にいた妹の小町も普段より幾分かテンションが高く変に舞い上がっていたのを今でも覚えている。

その日はあまりにも月が綺麗だったいう理由で家族揃って月を見ていた。

隣にいた母ちゃんも''今日は絶好のお月見日和ねー"とかなんとか、季節感もまるでなく2月の寒空を見ながら話していた気がする。

ビュウ…と冷たい風が吹く。

2月も始まったばかりな時期の夜、流石に寒くなり そろそろ帰ろうかと皆に打診しようとしたその時。

ドサッ

と母ちゃん、父ちゃん、そして妹の小町までが倒れた。

"こんな所で寝たら風邪ひくぞ"とかなんとか、そんな軽い気持ちで起こそうと母ちゃんや小町の背中を叩く。

ドロッとした嫌な感触が手によぎる。

母ちゃんや小町の背中は2月も始まったばかりの冬の気温だというのに濡れていて、叩いたその手にはその体液がべったりとへばりついていた。

どうしたことか、と自分の手を見つめと…そこには激しく転んだ時に位しか見ない真っ赤な液体。

辺りを見渡すと、そこには今までなかった、うようよとしている変な物体と影のような暗い暗い闇。

そこから先はあまり詳しくは覚えていない。

訳も分からないまま走り出していたのだろう。

幼ごころに、いつまでもここにいては危ないと、理解していたのだろうか、ショックより先に逃げ出していた。

それでも、その闇は止まることを知らずに俺に向かって伸びてくる。

運動は得意な方で、学校の体力テストでは表彰されるくらいには体力もあるし、足もそれなりには速いほうだ。

それでも、その闇はそんなこと知ったことかと次々と俺の足に突き刺さっていく。

後少し、後少しで人通りの多い所へ出られる…助けを求められる。

そんな所まで走って来ていてなお、それでも希望なんて持てなかった。

ここまで生きていた事が不思議だったのだから、このまま助かるなんて思えなかった。

まず、助からない。

何をしたって、この黒い世界からは出られない。

幼い子供が理解出来る程、それは絶望的な状況だったのだ。

そして倒れた。

足が動かなかったのか、動けなかったのか。

とにかく倒れて、ただ月を見つめていた。

周りにはただ影のような闇がふよふよと浮いているだけで、他には何もない。

そんな時でも月はただキレイに輝いていて、迷い人に対する道標になる、ということを教えてくれる。

月のクレーターは見る者によって形を変えるらしい。

それならば、あの月のクレーターは翼だ。

…それならいい、翼があればきっと誰でも逃げることができる。

最後に、深く息を吐いて、星空を見上げた。

手も足も身体にもいたるところにワケも分からない物が刺され、血が辺りに飛び散っている。

もう息もできない、そのくせ、ただ苦しいなぁ…と、

そんな言葉を口にしていた。

 

 

…懐かしい話だ。

もう、あれから11年か。

その後、俺は奇跡的に助けられた。

ある女性が瀕死の俺を病院まで運んできたのだという。

その女性の話は少し置いておこう、後でまた話す機会もある。

とにかく、そうして体は生き残った。

が、両親とか、妹とか、その辺りが無くなってしまえば、小さな子供には何もない。

だから体以外はゼロになった。

まあ、要するに、

体が生き残った代わりに心が壊れたのだ。

 

…夢を見ている。

「………っ」

初めての白い光に目を細めた。

まぶしい、と思った。

目をさまして光が目に入ってきただけだったが、そんな状況に慣れていなかった。

きっとまぶしいという事がなんなのか、そもそも解っていなかったのだ。

「……え?」

目が慣れてびっくりした。

見たこともない部屋で、見たこともないベットに寝かされていた。

それには心底びっくらこいたし、逆に最近びっくらこくって言葉あんまり聞かねえな…と自分で自分にツッコミを入れつつも、その部屋は白くて、清浄な感じがして安心できた。

「………………」

ぼんやりと辺りを見渡す。

部屋は広く、ベットがいくつも並んでいる。

どのベットにも人がいて、病気の人や怪我の人もいるようだった。

ただ、この部屋には不吉な影はいない。

あの闇はもう襲ってはこない、助かったのだ。

「……………………」

気が抜けて、ぼんやりと視線を外の景色に向ける。

……窓の外。

晴れ渡った青空が、たまらなくキレイで、あの夜がウソのようだった。

それから何日か経って、ようやく物事が飲み込めた。

ここ数ヶ月で何が起こったのか問題無く思い出せた。

それでも、この時の俺は生まれたての赤ん坊と変わらなかった。

それは比喩ではなく、割と真実に近い。

状況は分からなかったが、自分が1人になったんだなぁ…と、いうことだけは漠然と分かった。

納得するのは早かったと思う。

…ただ、そうするしかないと、自分に言い聞かせていただけなのだが…

で、その後。

子供ごころにこれからどうなるのかな、なんて不安に思っていた時に、その人はやってきた。

包帯が取れて自分でご飯が食べられるようになった日、やって来たその人は

ショートカットの濃い赤い髪の毛にスラットした長身。

めがねをかけたその人は例えるならどこぞのトップモデルか何かか、という出で立ちだった。

「はぁい、元気?」

軽い挨拶。

白い陽日に溶け込むような笑顔。

それはたまらなく胡散臭くて、とても優しそうな声だったと思う。

「はじめまして、医者兼貴方の身受け人になる…かもしれない者です。さて、率直に聞くけど、君、孤児院に入れられるのと、初めて会った私に引き取られるの、どっちがいい?」

その人は俺を引き取ってもいいと言う。

”親戚なのか”と聞いてみれば、''紛れもなく他人だよ''なんて返答する。

…どうも胡散臭くて、ウソ臭い人だ。

だが、孤児院と彼女、どっちも知らないコトには変わりはない。

なら、彼女のところに行こうと決めた。

「そう、よかった。なら早く身支度を済ませちゃおう。新しい場所に1日でも早く慣れなくちゃね」

彼女は慌ただしく荷物をまとめだす。

その手法は慌ただしくも見事なモノで、キッチリと荷物を纏める。

いきなり医者と言いつつ俺の身受け人になる…なんて言うこの人、その言動などが、あまりにも医者っぽくなくて、つい聞いてしまった。

「…アンタ、本当に医者なのか?」

「いいえ?本業は魔法使いなの」

ホントに本気で、気軽に彼女はそう言った。

一瞬のことである。

今にして思うと自分も子供だったのだ。確実に黒歴史モノである。

俺はその、冗談とも本気とも取れない言葉を当たり前のように信じて

「…それはすごいな」

普段は濁ったその目をその時は輝かせて、そんな言葉を返したらしい。

以来、俺は彼女の元で育てられることになった。

その時のやり取りなんて、実はよく覚えていない。

家族を無くした今回の事は世間では事件というよりは事故、ということになっていたし、それで両親を失った子供に、自分は魔法使いだ、なんて言葉をかけた彼女も彼女だけど、それが羨ましくて目を輝かせた俺も俺だ。

だから彼女…蒼崎橙子という人間の養子になっても、''蒼崎”の名字はなんとなく貰い辛かった。

それに対し彼女も''まあ、名乗りたくなったら名乗ればいいし、名乗りたくないのなら名乗らなくてもいいよ''と大して気にするでもなかった。

 

…夢を見ている。

ちょっとしたことが原因で彼女の…橙子さんの裏の事情や人の死を見る女性、度外視のお人好しにそれを敬愛するブラコン、痛みを感じない捻り屋など、色んな人と色々な事件を渡っていた(いや、渡らされていた)頃だから、今から10年くらい前だろう。

俺に対し橙子さんは魔術の鍛錬をつけてくれるという。

理由はちょっと分からないが、多分あの人の事だ、気まぐれだろう。

とにかく、その日を境に魔術というモノに触れるようになった。

それからは日に一度、週に一度、月に一度、と橙子さんが暇な時には頻繁に魔術を教わった。

出来はと言うと、橙子さん曰く、''スジは悪くないが、お前を見ているとムカつく奴を思い出すから嫌いだ''らしい。

…それ評価じゃねえし、俺関係ねえ…とんだとばっちりである。

なんでも、俺の魔術回路の回転速度は異常な程通常の魔術師より速いらしく、魔術効率がいいらしい。

加えて橙子さん的には俺自身の属性が風だったことも癪に触るようだ。

それでも、なんだかんだ言いながらも面倒は見てくれたし、実際、魔術の練習は楽しかった。

きっと彼女なりのコミュニケーションの取り方の1つだったのかもしれないな、と今は思う。

後は…そうだな、橙子さんはデザイン設計会社も経営していて、俺がそこの手伝いをしているってところだな。

ちなみに儲かってはいない。

…まあ、儲かってないついでにもう1つ言うと。

橙子さんは凄腕の魔術師である反面、浪費癖があるために、こりゃあ自分でなんとかやっていかないといけないな、なんて、子供心に思っていたわけだが…

…いい加減、黒桐さんに給料払わないといけないんだよなぁ…。

そもそもあの人(とうこさん)最近じゃ事務所どころかこの街にいること自体あまりないんだけどね。




特に今回解説することはありませんが、まあ、強いて言えば、橙子さんが八幡を引き取ったのは善意100%…などではなく、彼女なりの理由があります。橙子さんは魔術師だからね!!魔術師は一見して無駄に見えても無駄なことはしないって冬木市に住む某うっかり系魔術師が言ってた!!

はい、そしておそらく今後も型月キャラは何人か出るでしょう(鯖以外)
あ、でも今後出る型月系キャラは殆ど決まっていないので割と募集してます。
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