………
金田!……助けて!!
「ハッ…何だよ…そんな顔して…」
「………。」
怖い。何か、違う。これまで見てきたサーヴァントと何もかも違う。まるで……
「そ、そうだ…真名を……。」
「それは…まぁ、言ってもいいさ…。でも、そうだな…」
「今は“帝国のキャスター”と呼んでくれ。」
帝国のキャスター。そう呼べと言われた。彼はほくそ笑みながら、私とマシュを見る。その目は、野心に溢れているかのような目をしており、ヘラクレスやアルトリアオルタとも違う威圧感を感じさせる。
そして、ふとドアの開く音は唐突に響く。
「!!」
「え、どうしたんだい?」
「ど、ドクター…。」
ドクターと呼ばれたクソリプ投げられそうなポニテオッサンこと彼はドクターロマン。相変わらずの胡散臭い顔して、ネットアイドルに頼りまくりなハゲである。
「彼が召喚した今回召喚サーヴァントかい?」
「は、はい…」
「真名は?」
「教えてくれません…」
「ええ……」
ドクターは困惑する。頭を抱えている。しかしそこは切り替えが早い。帝国のキャスターに話しかける。
「あの~……」
「あ?」
帝国のキャスターはどことなく威圧感のある顔をする。足も貧乏ゆすりのようにトントンしており、場の空気も考えぬように、怒りを見せつけるように。
「言っても“意味が無ェ”よ。」
と、返した。
「……え?」
ドクターが言う前に、“答え”は既に言われていた。ドクターは心の底を覗かれたかのような気味の悪い気分になった。そのためか、ドクターの表情はどこか青ざめている。
「なんで…。」
「クックっ…知らない方がイイかもなァ……?」
「“戻れなく”なるぜ…?」
戻れなくなる。──その言葉にはとてつもないほどの“重み”があった。それと同時にあのサーヴァントの正体を知りたい。そんな好奇心が頭を駆け巡る。だが、その事を考えると、止めろ。と本能が訴えかける。だが、立香は
「じゃあ、せめて出身地とか、年代は教えてくれませんかね? それ位は良いんじゃないですか?」
「……“2020年”の“ネオ東京”…つっても、この世界には存在しないがな。」
どことなく、そんな気がしていた。と言うよりも“初めから分かっていた”気がした。ドクターは驚いて一人で何か慌てながら喚いている。それはマシュも同じだ。そんな中、一人私は考える。
“彼は、何を遠慮しているのだ?”と。
「………。」
そんな事を考えていると、そのサーヴァントは笑顔になり、立香にこう言う。
「俺が遠慮してるってか?」
「…!」
やっぱりだ。間違いない。このサーヴァントは“人の心を読んでいる”。恐らく、魔術の類いでは無い。読詠もしていない。これは…“超能力”と言うやつだ。
「フフフ…面白いなぁ? お前。」
「ッ!…。」
「流石に肝は据わってるって事か…。」
そのサーヴァントは、興味心を剥き出しにしながら彼女にそう言う。
「そうとなりゃ、もう特異点に行こうぜ?」
「え?!」
特異点に行こうぜ。そんな事を言われても、まだ準備が出来ていない。レイシフト先を決めたり、そこの状況を知ったり……私やマシュはどうにか待ってほしい。そう言おうと思った矢先に…
最後に、どこか、寂しく…
「“ダチ”が一人…どこかにいる気がするんだ…。」
「ハァっ…ハァっ…!」
森林の中、大量の龍は“一人の聖女”を追いかけている。その聖女は息を切らし、顔には疲れが伺える。聖女は大量の龍を撒いた事に気づき、また、森林の中を歩き始めた。
「やっと…ハァっ…いなくなりましたか…!」
だが──
「グシャアアア!」
「なっ!!」
食われる。そう思った途端。
「うりゃァァァァァ!!」
“機械のモーター音”と共に龍を吹き飛ばした。その機械……バイクに乗った少年は鋭い目つきで
「大丈夫ゥ〜……。」
「あ、あなたは?」
「俺は……」
「“帝国のライダー”…いや、やっぱ“金田”で!」
キャスターと違い、彼はすぐにネタをばらす。