なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか? with Decade   作:通りすがりの天才物理ゲーマー

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第9話 淫魔と帝王と破壊者

ウルザ政府宮殿、20階。

 

今にも全体が崩れそうなフロアに、生暖かい気流が渦巻いていく。

 

キバとダークキバは戦闘中に20階から飛び降り、別の場所で戦闘している中、カイとディケイド、ヴェネッサは20階に残って戦っている。

 

リンネと戦った後にも関わらず、まだまだ法力を使えるヴェネッサに対し、体力がほとんど無くなっているカイとディケイドは、苦戦している。

 

「あんな大法術を使ったリンネと戦った後なのにまだ法力を使えるなんてな...さすが悪魔族の英雄だ。」

 

「感心している場合じゃないだろ!」

 

「無駄よ無駄。余には勝てない。」

 

カイとディケイドの攻撃を避けながら、ヴェネッサは法術を発動した。

 

「降魔の里よ」

 

空に渦巻く悪魔の法術円環。

 

そこから召喚されたのは隕石。蒼と赤に輝く鬼火に包まれた塊が、轟音とともに落下する。

 

ぼろぼろになった政府宮殿を自分の手で壊し、宮殿から逃げている人間を巻き添えにするようだ。

 

「あの隕石を消し去れ!コードホルダー!」

 

煌めく剣閃が、蒼と赤に燃える悪魔の星を断ち切った。コードホルダーに切断された星は砕け、流星群となって落ちていく。

 

「ほう。余の法術を破るか。その剣、コードホルダーと言ったな...コードホルダー?」

 

「あぁそうだ。これはお前らが負けた世界にある剣。人間の英雄、預言者シドが使っていた剣だ。」

 

預言者シド。世界輪廻が起きる前の世界で四種族の英雄を倒し、墓所に封印した人間の英雄。

 

だがそれは世界輪廻が起きる前の世界のことであって、この世界には存在しない人物だ。

 

 

しかしこの世界には存在しない預言者シドの名前を聞いたヴェネッサは、先程までの余裕そうな笑みを消し、戦闘中にも関わらず突然宙を見上げ、なにかを思い出すかのように頭を抱えた。

 

 

 

「シド。シド?...人間...剣」

 

「おいカイ、どうしたんだあいつ。突然ぶつぶつ言い出したぞ。」

 

「俺にもわからない。だが預言者シドという言葉を聞いたとたんに、あんなふうになったから、何かしら関係あるとは思うが。」

 

今までのヴェネッサの態度とは明らかに違う。

 

それはまるで

 

記憶を失った者が、必死に記憶を思い出そうと抗っている姿のようで。

 

「...シド...墓所...世界座標の鍵(コードホルダー)、封印...『()()()()』...」

 

「え?」

 

この世界のヴェネッサから出ることがないはずのワードを聞き、思わず聞き返すカイ。

 

「いまがチャンスだな。」

 

-FINAL ATTACK RAIDE D D D DECADE-

 

様子が変わったヴェネッサを攻撃できるチャンスだと思い、ファイナルアタックライドを発動するディケイド。

 

黄色のカードがディケイドの前に現れ、ジャンプする。

 

そのままカードを潜り抜けてヴェネッサにキックした。

 

ヴェネッサは法力に守られており物理的な攻撃は通さないが、ディケイドの前には意味を成さず、もろに受けてしまった。

 

「カイ!追撃だ!」

 

「え、え?あぁ。」

 

ディケイドのキックを受け、弱っているヴェネッサにカイは世界輪廻が起きる前の世界で所得した技、徒手空拳を放つ。徒手空拳は対四種族を想定した格闘技だ。

 

カイの攻撃は法力によって守られた。しかし、衝撃までは無効化できなかったようで、一瞬だけだが意識を刈り取った。

 

「ぐはぁ!そ...ん...な...」

 

「決着だ、ヴェネッサ。」

 

命をかけた悪魔族の英雄との対決は、呆気ない幕切れだった。


 

「ヴェネッサ。お前に聞きたいことがある。預言者シドを知っているのか?」

 

この世界には存在しないはずの預言者シドを、この世界のヴェネッサの口から出たことを疑問に思ったカイは、降伏したヴェネッサに問う。

 

「預言者シド...そうだ。余としたことが何というザマか。」

 

「ということは知っているとことでいいんだな?」

 

「そうだ。世界輪廻、世界は書き換えられる...思い出した。シドめ、あの男が言っていたことはコレか。」

 

「ヴェネッサ!?どういうことだ!?」

 

ヴェネッサが『あの男が言ったことはコレか』という言葉を聞き思わず声を荒げる。

 

だがヴェネッサはシドから言われた言葉を言うことはなかった。

 

いや出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴェネッサの頭を貫いた、光の銃弾によって。

 

「ヴェネッサ!?おいヴェネッサ!」

 

「おそらくこいつの口封じに来たやつだろうな。っ!?」

 

ディケイドが銃弾が飛んできた方向を見ると、そこには

 

 

 

 

 

 

 

灰色のディケイドが立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだお前は?俺と似たような姿をしやがって。」

 

『俺はディケイドシャドウ。仮面ライダーディケイドの影の存在さ。』

 

「俺の影の存在だと?」

 

『そうだよ。影の存在。あっ、そこのサキュパスさんを撃ったのは口封じのためだね。』

 

その会話を聞いていたカイが怒鳴る。

 

「口封じだと!?お前が世界輪廻を起こしたのか!?」

 

『おい待て待て。俺は世界輪廻は起こしていない。ただ暇潰しにお手伝いしているだけさ。俺は世界輪廻とは何も関係無い。おっと余計なことまでしゃべりすぎたかな。』

 

「暇潰しにだと....?こいつ!」

 

暇潰しにヴェネッサを殺した。そのことが許せず、ディケイドシャドウに殴りこもうとする。

 

しかしそれはディケイドに止められた。

 

「よせ。今の状態じゃあいつは倒せない。この悪魔に勝ったのはこいつが隙を見せたからだ。それがなかったら負けていたかもしれないのに、それ以上に強いやつに勝てるわけないだろ。」

 

 

「それもそうか...すまない士。熱くなりすぎた。」

 

 

『お話は終わったかい?じゃあ俺はここら辺で退散するよ。最後に一つ。ディケイド、君がこの世界でやるべきことはまだ終わっちゃいないよ。じゃあねー』

 

そう言うとディケイドシャドウは灰色のカーテンを出し、その中に入っていった。

 

 

 

「俺のやるべきことはまだ終わっていないだと?」

 

「士!ここはもう危ないから一旦離れよう。建物が崩れそうだ。」

 

「ん?あぁわかった。」

 

ディケイドは灰色のカーテンを出し、カイと一緒に潜り抜けた。

 

 

 


時は少し遡り、政府宮殿の下でも戦っていた。

 

ガルルフィーバー!

 

キバがガルルセイバーと手に上空からダークキバに向かっていく。

 

ダークキバも負けじとザンバットソードIIを振り上げる。

 

お互いの剣がぶつかり合い、その反動で吹き飛ばされる。

 

 

スペック的にはダークキバのほうが上だ。両者が政府宮殿から飛び降りた後、ダークキバが優勢だった。

 

しかしキバは様々なフィーバー技を放ち、ダークキバの体力を徐々に削っていき、今ではお互い一歩も引かない状態になっていた。

 

 

 

「前と俺と戦ったときは真のキバの姿には慣れなかったが、なにがあったんだ?」

 

 

「それをあなたに教える必要はありません。」

 

 

「俺も嫌われているものだな。」

 

 

 

ドッガフィーバー!

 

 

キバはタツロットから放出した紫色のエネルギーをドッガハンマーで打つ。

 

 

 

ダークキバはザンバットソードIIで切り裂く。

 

 

その瞬間、キバは紅く輝くザンバットソードをダークキバに向けて降った。

 

 

ダークキバは防御が間に合わず、キバのファイナルザンバット・斬を食らってしまう。

 

 

「ドッガはフェイントか...ならば!」

 

 

ウェイクアップ1!

 

 

ダークキバはキバットバットII世にウェイクアップフエッスルを吹かせる。

 

 

ダークキバは右手にエネルギーを溜め、全速力で走る。

 

 

キバは防御の構えをとる。

 

 

そしてダークキバはストレートパンチを繰り出す。

 

 

キバは威力を押さえきれずに吹き飛ばされる。

 

 

「おい!クレナイ!さっさ決めないとこっちがやられるぞ!」

 

 

「わかってるキバット!」

 

 

ウェイクアップフィーバー!

 

 

「ならば俺も終わらせにいこうか」

 

 

ウェイクアップII

 

 

キバとダークキバはお互いに手を交差した後、ジャンプする。

 

「やぁぁっっぁ」

 

「はぁぁぁぁあ!」

 

キバとダークキバのキックが空中でぶつかり、爆発した。

 

 


 

「はぁはぁはぁ...」

 

「やったな。クレナイ。」

 

キバとダークキバの戦いはキバの勝利に終わった。

 

「とてつもないエネルギーを感じたから来てみたけど...イタタ…」

 

猛烈なエネルギー波を感じたリンネがクレナイの元にやってきた。

 

 

「リンネさん...でしたっけ?なぜここに?と聞きたいですが、一回ジャンヌさんたちのもとに帰りましょう。」

 

そう言うと、クレナイとリンネはぼろぼろの体で政府宮殿の入り口に向かっていった。




いつもより長めになっております。この話の中で決着つけたかったからです。
ないに等しい文才で長文書いたので、読みにくい部分があると思います。お許しください...
ついに決着!そしてディケイドシャドウとは一体..?

第2章へ続いていきます!

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