魔法少女の幼馴染 R   作:竜智

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記憶の残滓

 聖王教会の本部に呼び出され部屋に入ると、騎士カリムとクロノが待っていた。部屋をノックするまでは何かシリアスな会話をしていた気がしたが、二人の顔を見てその考えが気のせいだったみたいだ。

 

「要人警護ですか?」

 

「はい、そうです。何か疑問がありますか?」

 

「・・・いえ、ないです」

 

「そうですか。では、先にシャッハが向かいましたので、現地に向かってください」

 

「わかりました」

 

 疑問が無いと言うのは嘘だ。まだ下っ端の自分が、要人警護なんて仕事は回されるわけがない。しかもシスターシャッハと一緒になんて・・・・・。そんなことを考えながら、視線をずらしてクロノを見ると何か頷いていた。それが何の暗示か。現地について直ぐに気が付くことになるのだった。

 

 

・・・・・

 

 

「・・・どういうことですか?」

 

「あははははっ・・・」

 

「めんぼくないです」

 

 病院の中庭で、高町とシスターシャッハそして少女の三人が居た。高町に抱えられている少女は、何故か泣いていて、どういう状況なのか理解できないでいた。

 

「・・・あの少女が警護対象ですか?」

 

「そうです。先ほども病室を抜け出しましたので気を付けてください」

 

「わかりました。・・・・って、どこに行くんですか?」

 

「・・・私は彼女に嫌われてしまったので、本部の本来の仕事に戻ります」

 

 少し影のかかった顔で、寂しげに肩を落として廊下を歩いていくシスターシャッハ。子供好きなのに嫌われたとなると、精神的に何かきたのだろう。そんな様子で、声もかけられず。去ってしまった。

 

「じゃあ、ちょっと外すね。ヴィヴィオお願いね!」

 

「わかった・・・」

 

「・・・・・」

 

 それから数分後、高町が何処かに連絡すると少女の居る病室から出て行ったきり戻ってこない。少女、ヴィヴィオは、のろいウサギではないウサギを抱えて大人しくしている。

 

『うわ、要人ってそういうことか・・・』

 

 どういう意味で要人か考えていると、ヴィヴィオの容姿から聖王オリヴィエのことを思い出し、連鎖するように色々とまずい単語が考えられたので察してしまった。

 

「・・・おじさん、ママは?」

 

「ママ? 高町・・・って、言ってもわからないか。さっきの優しそうな人が探してくれていると思うぞ」

 

「おじさんは探してくれないの?」

 

「おじさんは、さっきの人達みたいに強くないからさ。お仕事の邪魔しちゃ悪いし、君と一緒に居ろってさ」

 

「ふーん」

 

 見知らない人と居る為か。警戒しているようなので、やさしい口調で簡単な言葉を選んでヴィヴィオとお話をする。

 

 

「ごめん。報告が長引いちゃって・・・・。寝てるの?」

 

「今さっきな。しかしまた面倒くさい仕事を押し付けられたよ」

 

「子ども嫌いなの?」

 

「どちらか言うとな。まぁ、何かの縁だし頑張るよ」

 

「・・・そういえば、エイミィさんのお子さんのお世話したことがあったんだっけ?」

 

「ああ、カレルとリエラのことか。あのときはハラオウン家の一大事だったし仕方なしだ」

 

「なんだか。今日はいつもより優しいんじゃない?」

 

「・・・はぁ、自己犠牲をしてまで他人を守る友人が守った子どもの前で、お前と喧嘩するわけにもいかないだろ」

 

 ヴィヴィオが寝れないと服を引っ張るのでベットに腰かけ隣に座り、昔話風にした友人の物語を聞かせていると、第一章のなかばで寝てしまった。

 

「そっか。でも今のほうが私はもっと仲良くできると思うなー」

 

「棒読みで言われてもなー。おまえとのオハナシは怖くて身がすくむよ」

 

 ヴィヴィオを横に寝かして、高町と軽く世間話して、それが終わると何回かヴィヴィオの頭を撫でて高町は仕事に戻るって言い、帰っていった。

 

 

・・・・・

 

 

 それから数日経ったが、ヴィヴィオの両親を捜したが何処にもいなかった。まぁ予想した通りで驚くことは無かったが、それから高町に一度会い、顔を見て高町がこれから何をするか。なんとなくわかってしまった

 

「・・・おい」

 

「・・・業務中やでぇ。ブラザー八坂」

 

「いくらなんでも、この対応はおかしんじゃないのか?」

 

 それから高町が養母で、フェイトが後見人って言うことになるらしいが、いくらなんでも業務内容をヴィヴィオのお世話係に任命するのはおかしいと思う。この後、八神にも言ったが笑ってごまかされ、今までの業務がガラリと変わり、日本からアメリカに行ったぐらい変わったのだった。

 

「おじさん、なのはママは~?」

 

「お仕事中だな」

 

「フェイトママは?」

 

「お仕事中だ」

 

「おじさんは?」

 

「音読中だ。しかし、この絵本つまらないな」

 

 元居た保母さんは病気の為休んでいて、子ども部屋でヴィヴィオと二人きりなのだが用意されていた絵本がつまらないのかヴィヴィオは高町とフェイトについて聞いてくる。

 

「おじさんなにか面白いお話してー」

 

「面白いお話かー、それじゃ高町とフェイトの昔話でもする・・・」

 

「ひかる。それ以上は怒るよ?」

 

「なんのことですか?」

 

「なのは隊長とフェイトさんの昔のことかな?」

 

 朝のトレーニングの時間が終わり、何か察したフェイトが俺の肩に手を置いて昔話を止める。その後に入ってきた、ちびっこ二人が何か言っていてどうやら昔のことは教えていないらしい。

 

「フェイトママ!」

 

「ヴィヴィオ、元気にしてた?」

 

 さっきまでつまらなそうにしていたヴィヴィオは、フェイトを見てすぐに抱きつき喜んでいる。

 

「・・・しかし、地球のしかも現代版の昔話の絵本じゃつまらないんじゃないのか?」

 

「昔のは描写が子供には、刺激的すぎだから丁度良いんだよ」

 

「・・・ブラザー八坂、昔のはどんな感じだったですか?」

 

「・・・気になるか?」

 

「・・・はい」

 

「カチカチ山とさるカニ合戦、どっちが好みかな?」

 

「エリオこの話はおしまいだ。いまから楽しいベルカ諸王期の王さまのお話をしようじゃないか」

 

 そして何か勘違いしているエリオに、昔話を聞かせようとするが直ぐにフェイトに止められ、エリオは言うとフリードに噛みつかれていた。このあとベルカ時代の王さまについてエリオに話、そのあと休憩時間が被ったキャロに昔話について聞かれたので、ツルの恩返しというお話をすると涙目になったとかならなかったとか。

 

「・・・フリードはどこかに行っちゃヤダよ」

 

「キュー―」

 

 

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