神世紀300年ーー、樹海。
東雲友奈は、戦闘態勢を解き赤嶺友奈と名乗った女と向き合う。
(赤嶺って……あの赤嶺だよね)
「へー、東雲くんって結構顔に出やすいんだね、そうだよ、私があの赤嶺だよ」
東雲は心を読まれ、少し不服そうな表情をするが、東雲自体感情が表に出やすいと思っているので、何も言わない事にした。
(でも、赤嶺友奈か…)
東雲は赤嶺友奈の名前を知っていた。
神世紀72年、天津神の圧倒的に力に魅せられた人間達によって大規模なテロが発生した、その時に四国を救ったのは赤嶺家と、弥勒家である。
弥勒家の方は長い間没落していたが、徐々に名家としての地位を獲得し、神世紀800年頃には大赦の最高地位に最も近い家だという。
そして赤嶺家の方は盟友、弥勒家と共に最高地位に最も近い家になった。
しかし、赤嶺家の特筆する部分は対人に特化した御役目をこなす…。
言わば、暗殺者である。
そして、赤嶺友奈という名前ともなると。
テロから四国を守った勇者の一人だ。
「はいはい、品定めするような目はやめてくれるかな?」
「あっ、ごめんなさい」
「さて、そろそろ東雲くんのお話も聞いておこうかな、これから一緒に戦う勇者だし」
「一緒に戦う…勇者…?」
「あ、そっか…そういえば何も聞かされてなかったんだっけ」
「…はい」
「うーん、説明は下手だからうまく伝わらないかもだけど、そこは勘弁してね」
そして赤嶺は語り出す。
☆
ここは神世紀300年に人間たちと一緒に戦った神樹の中だと言うこと、その神樹の集
合した国津神たちの中に一人、人間に味方する天津神がいること。
その天津神は、今はまだ言えないが端的に言うと国津神と神樹内部で喧嘩したこと。
そして、東雲と赤嶺は天津神側の勇者としての呼び出されたこと。
そして、神樹側の勇者と戦うということ。
「今は、造反神と呼ばれているけどね」
「へぇーそうなんだ」
「そうなんだって…髄分とお気楽な…いや『友奈』だからか」
赤嶺は困ったような顔を浮かべて東雲を見る。
(やっぱり男でも友奈は友奈か)
今はすっかり警戒も解き、赤嶺に柔和は笑顔を浮かべて話をする東雲。
そこには彼の人柄の良さがあふれ出ていた。
「そして、ここが一番重要だからね…『火色舞うよーー』」
赤嶺は目を閉じ、一拍置いてからまた話し出す。
「これから私たちは造反神に味方して、勇者達を守らなきゃいけない」
「守る?」
「そこはまだ言えないかも…ごめんね」
「そっか、いいよ」
「とにかく、この世界は平和なんだ、神樹の中で暮らし、造反神をやられないようにして生きていくのが私たちの御役目」
東雲は頭の中で、一種の答えを出したような気がした。
もしや、この世界が終われば、その勇者たちはまた過酷な現実に戻ってしまうのではないかと。
あるものは重傷を負い、またあるものは死ぬ。
それは神世紀800年からやってきた東雲には信じられない事だった。
神世紀800年では、犠牲者は出さないという方針で生きている。それは神世紀300年頃から続く、一種の確約みたいなものだ。
犠牲者出さず、全員生きて帰る。
日本の復興に携わっていた者たちは全員その心で作業をしていた。
現に、長野での襲撃時でも犠牲者は0人だった。
これは奇跡と言っていい。
とにかく東雲友奈には、年端もいかない女の子達が死ぬ事はありえない事だった。
「どう?やってくれるかな?」
「…うん、いいよ」
「よっし、ありがとう東雲くん!」
「よろしく、赤嶺ちゃん」
「こちらこそ、東雲くん。さて、東雲くんの時代はどんな感じなの?未来は興味あるから知りたいな」
「うん、いいよ。僕もそこまで説明は上手くないけどお話しするね」
☆………
今日の文化祭行けれません( ; ; )