東雲友奈は勇者である   作:うみうどん

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三話『観察』

 勇者達がバーテックスを倒し、樹海化が解け、街の全容が明らかになる。

 

「ここは?」

「愛媛だよ、これから彼女達はここを奪いに来るんだ」

 

 今の造反神の解放地域は三県、愛媛、徳島、高知。

 これから二人はバーテックスを駆使して攻め入ったり、防衛しなければならない。

 しかし、東雲が思うに勝てる見込みは限りなく薄かった。

 

「あれ?」

「どうしたの?」

「いや、あそこ…」

 

 東雲が指を指す方向には、五人の勇者の姿があった。

 赤嶺は勇者達を見て答える。

 

「あれは西暦からやってきた勇者達だよ」

「旧世紀の…勇者」

 

 そこには先ほど見たもう一人の友奈がいた。

 

「高嶋友奈…彼女が居なければ私…いや、私たちは生まれなかった」

「そっか…大先輩だね」

 

 友奈という名前の起源を見つめながら、五人の様子を伺う。

 全員楽しそうに笑っていたり照れたりしていた。

 

「あの子達とこれから戦うのかー」

「うん、そうだね」

 

 東雲はやりにくいだろうと赤嶺は思う。

 彼は別段、対人戦を得意としている訳でもない。

 それに相手は女の子だ、女の子は戦う上で東雲にとって一番苦手な部類に入る。

 

「!」

 

 すると突然、五人の中の一人がこちらを向いた。

 赤嶺と東雲は条件反射で建物の陰に隠れる。

 

「あっぶなー」

「あはは、まさか気配を察知されるなんてね」

 

 ☆

 

 東雲は端末を操作して、勇者服から私服に着替える。

 変身前の東雲は髪は薄い桃色で、シンプルなパーカーにジーンズだ。

 赤嶺はそれを見て、何か驚いた表情をする。

 

「え?着替えれるの?」

「え?着替えちゃダメだった?」

「いや…ダメって事はないけど、私はその端末貰ってないからさ」

「あ、だから勇者服のままなんだ」

 

 うーんと東雲は考える。

 勇者服で街中を歩けば目立つ、それに赤嶺の勇者服はかなり目立つ色をしている。

 いくら赤嶺は隠密行動が得意だからと言ってこのままではマズイだろう。

 

「一か八か…僕の端末でやってみる?」

「……できるの?」

「…一応、天津神の力も宿ってるから…なんとなく?」

「…しょうがないなぁ、やってみよっか」

 

 赤嶺は東雲の端末に触れる。

 すると、赤嶺の服が変化して東雲と似たような服になる。

 ホットパンツに胸が強調されたパーカーだ。

 

「わーかわいいね、赤嶺ちゃん!」

「へぇ、やってみるもんだね」

 

 赤嶺は自分の好みの服を着れて嬉しそうな表情を浮かべる。

 ここに来て以来勇者服で生活していたので赤嶺は有難いと同時に思った。

 

 ☆

 

「…!樹海化来るよ」

「攻め込むの?」

「…いやぁ、今日も様子見だけにしようか」

 

 東雲がこの世界に来て、1日目が経とうとしていた矢先の事だった。

 赤嶺は樹海化を感じ取れる力が備わっており、いち早く準備に移る。

 ちなみに、東雲の端末は樹海化警報は装備されていない。

 理由は神世紀800年では、樹海化はしないからだ。

 

 東雲は手早く、赤嶺の前に端末を差し出す。

 赤嶺は端末に触れ、勇者に変身した。

 

「よーし、僕も勇者になーる!」

 

 東雲も端末に触れる。

 薄い桃色だった髪は赤々しく燃えるような髪色になり、筋肉質な体に勇者服を纏っていく。

 最後に白装束を腰に巻き、東雲も勇者になった。

 

 二人は変身した直後、素早く戦闘区域へ急ぐ。

 そして前回みたいに遠くから観察するように見ることにした。

 

 今回の戦いは愛媛防衛戦。神樹側は愛媛奪還作戦だ。

 造反神はバーテックスを配置して、勇者達に攻め込んだ。

 

 ☆

 

「はぁん、全部見ーちゃった。なるほどねー。香川を解放したのはまぐれじゃないね」

 

 結果は造反神側の惨敗。

 新型のバーテックスで虚を突いたのは良かったが、有能な指揮官がいるようで、すぐに対策を練られ、たちまちバーテックス達を撃滅していった。

 

 最後の切り札である、巨大なバーテックスもたちまち勇者達はやっつけてしまった。

 

「うん、凄いや。これが前の時代の勇者」

「……。次は私たちが相手をしよ…あはは。胸が高鳴るなぁ」

「……」

 

 東雲も密かに高揚感を覚える。

 それは伝説に会えた嬉しさだろうか、強敵と戦える喜びだろうか。

 戦いは始まったばっかりだ。




早く東雲くんと高嶋ちゃんか結城ちゃん戦わせたいです。(戦闘狂)
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