「四ヶ月。此処まで、四ヶ月も掛かった……………………さーせんッ!」
時刻は、もう
場所は、《トールバーナ》の
今此の場には、続々とプレイヤー達が集まって来ている。
目的は、十中八九
「……
其の様子を見て、アスナが
ざっと見た感じ、現状此の場に居るのは四十人前後といった所。俺達九人を加えても
此のSAOでは、一パーティーの定員が六人であり、其れを八つまで束ねて、合計四十八人の《
俺はベータテスト時にフロアボス戦に参戦した事が有るのだが、其の時の経験からすると、フロアボスを
其れを考えると、現状の人数であれば一レイド作る事が出来る為に少なくはないだろうが、安全を考えるのであれば少々
「欲を言えば、もう後一レイド分集まってくれると
「……確かに人数が多い方が良いとは思うけど、あんまり望み過ぎるのも良くないよ。だって、此れがデスゲームになってから初めてのボス攻略なんでしょ?
「…………そう、だよな……。悪い、ちょい欲張り過ぎた……」
其の思いが有るが故に、彼女の
何度も言うが、今のSAOは《ゲームオーバー = 現実の死》のデスゲーム。HPがゼロになれば本当に死んでしまうのだ。
そんな状況下に
恐怖心に打ち勝つ事はそう容易な事ではない。……けれども、そうと解っていた筈なのに俺は、男性プレイヤーであれば女性よりはまだ、などと男性プレイヤーに対して過度な期待を寄せてしまった。男性であっても怖いものは怖い筈なのに、だ。
其の
「でも、もっと人が集まってくれれば、それだけ安全にボス攻略が出来る、って思ったんだよね?」
「……まあ、な」
「もう少し集まってくれるといいね」
「……だな」
そう思い反省していたら、今度は
「う゛お゛ぉぉぉおおおおおい! 首はまだ
そうして一段落ついたかと思えば、一息つく間もなく新たな物事が降って
とは言え、其れは決して面倒な事ではない。
「お久振りです、スクアーロさん。タケシとクロームも久し振り」
フレンドリストの名前の有無で彼の生存を確認する事は出来るが、それでもやはり、こうして実際に顔を合わせて無事を確認出来た方がより安心するというものだ。
此方へと近付いて来る彼の後ろには、彼のパーティーメンバーであるタケシとクロームの姿も在り、俺は彼らにも声を掛ける。
「オッス、リョウヤ!」
「……元気だった?」
「おう。今此の場には居ないリズとサチも
久し振りに再会した事、お互いに無事である事を喜ぶ俺達。
「……おい……あの銀髪って……」
「あんな馬鹿デカい声の奴を間違える筈がねえって。ゲーム初日の
「やっぱりそうだよな……」
「じゃあ、あいつに声掛けられたダークブラウンの髪の奴って……」
「名前を聴く限り多分そうだ……初心者講習を開いて沢山の
「《救済の
「あいつが……」
そんな俺達の周りに居るプレイヤー達の反応はと言うと──。
当然というべきか、彼らは突然大きな声を上げて現れたスクアーロに注意を向けており、更には其の彼に声を掛けられた俺にも注意を向けている様子。
そんな俺達二人は救済演説の件で有名であるらしく、俺達二人の事を話す声が聴こえて来る。
で、其の中には俺の事を例の《救済の英雄》の二つ名で呼ぶ声も在り、加えて俺の事を英雄視する様な視線まで突き
「はーい! それじゃ、そろそろ始めさせて
そんな俺の願いが届いた為に助けてくれた…………という訳ではないだろうが、パン、パン、と手を叩く音と共に良く通る叫び声──勿論、スクアーロのもの程馬鹿デカくはない──が流れる。それにより、
意図せずとは言え助けてくれた事を
視線の先──ステージの中央に立っている、今回の攻略会議の
プレイヤー全員が、デスゲーム開始直後のチュートリアルにて現実の姿にそっくりなアバターへと強制的に変更させられた筈なのだが、それなのに其の顔なのか、と思いたくなる程に彼の顔の造りは
そんな彼の
「今日は、オレの呼び掛けに応じてくれてありがとう! オレは《ディアベル》、元ベータテスターだ!
青髪の片手剣使い──改め《ディアベル》の言葉に、集まったプレイヤー達がどっと
胸と肩、腕と
元ベータテスターであるのならば
「さて、こうして最前線で活動している、言わばトッププレイヤーの
さて、ディアベルが開始早々から冗談をかましてくれたお蔭で
再三言うが、今のSAOは文字通りの命
「……今日、オレ達のパーティーが、あの
そうした緊迫した空気の中でディアベルから告げられた言葉に、プレイヤー達が
そりゃそうだ。果てしなく遠い
「一ヶ月。此処まで、一ヶ月も掛かったけど……それでも、オレ達は、示さなきゃならない。ボスを倒し、第二層に到達して、此のデスゲームそのものも
集まったプレイヤー達へ向けて、己が考えるトッププレイヤーとしての
彼の言葉は素直に
そんな
「ちょお待ってんか、ナイトはん」
突然低い声が流れ、プレイヤー達の歓声がぴたりと止まる。
何事かと思っていると、静まり返ったステージの中、一人のプレイヤーが観客席から立ち上がった。小柄ながらもがっちりとした体格の男性であり、背中にはやや大型の片手剣を装備し、サボテンの様に
彼はゆっくりと観客席を下りて行き、ステージ中央に立つと、観客席の方へと振り向いてから口を開いた。
「わいは《キバオウ》ってもんや。此の場を借りて、どうしても言わせて貰いたい事が有る」
中々に
はて、ならば彼の言いたい事とは何なのだろうか、と思っていると、彼は何故か観客席を上って来るではないか。と言うか、また上って来る
……などと少しずれた事を考えている間も、彼はどんどん上って来る…のだけれども……………………アレ? 気の所為だろうか、真っ直ぐ俺達の居る方に向かって来ている様な気がするのだが?
「ジブンがリョウヤはんで間違い無いやろか?」
……気の所為ではなかった。と言うか、目的地は俺達の
彼は俺達の前までやって来ると、大阪方言で俺に名前の確認をして来た。何で俺の顔と名前を知っているんだ、という
さて。やはり彼の声音からは敵意は全く感じられないので、正直に答えても険悪な事態になる事は恐らく無いだろう。であるのならば、
「ほんなら、スマンけど一緒に来てくれへんやろか」
そうすると、楽観的な予想は当たって険悪な事態にはならずに
彼の様子を
かと言って、高が個人的な感情
やはり浴びせられる周囲からの視線に気恥ずかしさを覚えながらも下りて行き、彼と並んでステージ中央に立った所で、彼はいよいよ其の思いの
「ベータ上がりの連中に礼を言わせて貰いたい──わいら
──其れは、感謝だった。
彼は、
感謝の念を伝える為に、一個人の意思でこうして行動を起こし、
「特に、こんクソゲームが始まった其の日に初心者講習を開いてくれたリョウヤはん……ジブンには、ごっつう感謝しとる。ホンマにありがとう!」
だからだろうか……
「い、いえ……自分は、その……ゲーム攻略の為の人手欲しさに行動を起こしただけで、其処まで感謝される筋合いは……」
「君はそう思うかも知れないけれども……それでも、君が行動を起こしてくれたお蔭で、オレを含めた他の元ベータテスター達も動く事が出来た。……正直、君が動いてくれなかったら、オレは元ベータテスターである事を名乗り出る事は出来なかったと思う」
そんな思いから、行動を起こした理由を素直に告白し、
「それに、君が動いた結果沢山の人達が救われたのは事実だ。だからこそ、全プレイヤーを代表してお礼を言わせて欲しい──リョウヤ君、本当にありがとう!」
そして、彼もまた頭を下げて俺に謝辞を述べる。そんな彼に
……やはりむず痒い感じはするものの、自分のした事が
……けど、やっぱり言わせて欲しい──
──めっちゃ恥っずい!!
という訳で、年の瀬に投稿となりました。
キリのいい所まで、という事で、思い付く限りの内容を詰め込んだものの、今回も文字数は6,000字台と少なめ(?)となりました。
内容の方は──
・参加プレイヤーの人数が増えていたり
・ディアベルが元ベータテスターである事を名乗っていたり
・キレイなキバオウさんだったり
……と、初心者講習の
(『可能性』と言う程の変更でもないので、さらっと紹介しました)
さて、長らくお待たせ致しましたが、此の辺りでいよいよ大分前から
自分の
それでは皆さま、また次回!