第2話、漸く更新出来ました。
読んでいて違和感が無い様に、おかしくない様にと文脈を考え、拘るとどうしても時間が掛かってしまいます……。
[3/10]加筆・修正しました。
[3/17]加筆・修正しました。
[3/21]修正しました。
[4/10]脱字を修正しました。
[12/29]修正しました。
[8/27]段落付けを行いました。
さて置き。
妹と思しき
その他身体的特徴も含めて、当然ながら現実の珪子の外見とは髪色以外は全くもって異なっている。故に、彼女が本当に我が妹であるとは言い切れない訳だ。
……だがまあ、其の様な状況に
「…………後ろの二人の事が非常に気になるが、先に本人確認を済ませるとしようか」
「はーい!」
「そういう訳だから、そっちの二人は終わるまで少し待っててくれ」
「うん。解ったよ」
「いえ。此方こそお二人の邪魔をしてしまってすみません」
当然ながら打開策はきちんと講じてある。とは言っても其の内容は、幾つか質問をして本人であるかどうかを確認する、というだけの単純なものなのだが。
二人の事はとても気にはなる。気にはなるが、優先するべきなのは先約者である妹であり、そうと思しき件の女性プレイヤーが妹であるのかどうかの確認だ。
そういう訳なので、二人には後回しにする断りを入れてから、早速彼女に対して質問を投げ掛ける。
「それじゃあ先ず、あんたの名前は?」
「《シリカ》だよ!」
先ずはプレイヤーネームから
此れだけでも、彼女が妹である、と判断するには充分な材料であると言えるかも知れない。
だがしかし、万が一という事だって有り得る──
まあ、そんな訳で、たった其れだけで判断するのは時期尚早かも知れないので、もっと判断材料を増やすべく、彼女──シリカへの質問を続ける事にする。
「
「ピナ!」
「俺がよく選ぶ色は?」
「黒!」
「俺の本棚のラインナップは?」
「『
「RPGに
「区切り
周りには不特定多数の第三者が居る。其れ故に、彼らに聴かれたとしても特に差し
其れに対して、彼女は答えに悩む様な素振りなど一切見せずに、
此処まで来ると、彼女が妹であるという可能性は非常に高くなったと言える。
確信はほぼ得た。……ただ、俺自身は『石橋を叩いて渡る』様な性格の人間……其の様に自覚をしていたりする。なので俺は、最後の確認として最も確実だと思われる質問を彼女へと投げ掛ける。
「それじゃあ最後に…………ブラコンは?」
「最高の
「……OK、Alright、理解把握。お前は間違い無く俺の妹だわ」
──確信した。
『ブラコン』を『最高の褒め言葉』などと、満面の笑みを浮かべて
彼女が妹であると判り、無事に合流する事が出来た事にほっとした。……だが其の一方で、改めて彼女がおかしい程にブラコンなのであると解ってしまい、本当にどうすれば良いのだろうか、と本気で頭を抱えたくなってしまった。
だからと言って、何時
「さて……」
という訳で、
「…………言いたい事は色々と有ると思うけど、取り
彼女達の気持ちはよく解る。もしも俺が何も知らない彼女達の立場だったとしたら、俺だって彼女達と同様にシリカに対してドン引きしていた事だろう。
因みに、俺への精神的ダメージが彼女達よりも少ない(と思われる)のは…………単純に、妹の言動に慣れてしまった(悪)影響だろう。……慣れとは恐ろしいものである。
……と、またも思考が暗い方向に
「という訳で、俺の名前はリョウヤだ。宜しくな」
因みに、俺のプレイヤーネームである《リョウヤ》というのは、俺の本名である《綾野 和也》の最初の文字である《綾》と、最後の文字である《也》を組み合わせて《
「改めて、あたしはシリカ! リョウヤお兄ちゃんの妹です! 宜しくね、二人共!」
俺の自己紹介に続くのはシリカ。
彼女の口振りから察するに、三人は俺と合流する前に一度自己紹介を行なっている模様である。
「えーと……それじゃあ今度はボク達の番だね。ボクの名前は《ユウキ》だよ! 宜しくね、リョウヤ!」
さて、自己紹介は二人の女性プレイヤー達へと順番が回る。
先に応えたのは、ユウキと名乗るボクっ娘だ。
腰の辺りまで伸ばされた長いストレートの髪は、
総じて美少女と言えるであろう
「えっと……私で最後ですね。私は此の子の姉──と言っても、私達双子の姉妹なんですけどね。──で、名前は《ラン》って言います。宜しくお願いしますね」
そして最後を締めるのは、双子の姉妹の姉だと名乗る女性プレイヤー ─ラン。
短い会話の節々に見られた丁寧な言葉遣いから、真面目そうな性格であろう事は予想していたが、まさかMMOに於いて、
まあ……どちらにしても、『現実の性別』も『互いの関係性』もまだギリギリセーフの範囲内だろう。……そう思いたい。シリカも先程から俺達のリアル情報を口外している事だし。
さて置き。
そんな真面目そうなランだが、腰辺りまで伸ばされた長いストレートの髪はユウキと同じくパープルブラックをしており、
彼女もまた美少女と言うに相応しい容貌をしてはいるが、ユウキとはまた違ったベクトルの美少女っぽさを感じさせる。ユウキが明るくて活発そうな感じの可愛らしい美少女であるのに対して、ランは暖かく穏やかな雰囲気を
「うん、宜しく。……それで、二人は俺達に何の用なのかな?」
そんな美少女二人が何の用が有って俺達──正確に言えば妹に声を掛けて、俺の
恐らくは、俺と合流する前に一度妹にも
そう思って尋ねた俺の問い掛けに、ユウキは嫌そうな顔をせずに応えてくれた。
「その前に一つ訊きたいんだけどさぁ……リョウヤ達ってベータテスターなんだよね」
「ん? ああ、うん。そう…だけど……」
帰って来た応えは、此方の問い掛けに対する答えではなく、前置きなのであろう問い掛けの言葉だった。
ベータテスター ──。
簡単に説明すれば其れは、此の正式サービスが開始される前に二ヶ月に
世界初のVRMMOのベータテストだ、ゲーム好きは勿論のこと、事前情報によってSAOに魅了された者達の多くが参加したいと思った事だろう。しかも、ベータテスターには其の後の正式版パッケージの優先購入権がプレゼントされるというオマケまで付いていたのだ。其の結果、僅か千人に限定して募集されたベータテストには、なんと倍率百倍の約十万人もの応募が殺到したと聞く。
勿論、俺達兄妹も駄目で元々の覚悟で応募を試みた。くじ運はあまり強いとはとは言えない俺達の事だし、何よりも倍率百倍もの応募だ。当選する確率は非常に低いだろうなと思っていたのだ。
……ところがどうだろうか、
──たった千人限定の参加者の
一枠──そう、一枠だ。詰まり当選したのはたったの一人だけだったのだ。因みに、名義は俺宛てであった。
しかし、俺はユウキの言葉──「リョウヤ
当選したベータテスターの枠は一つであるのに対して、俺達兄妹は二人共がベータテスターである──此の矛盾は一体どう言う事なのかと思うだろう。其の矛盾を解決した方法というのが──
──ズバリ、一つのプレイヤーIDを二人で共用するという方法だ。
当然ながら、当選から外れてしまった事に妹はとても残念がっていた。俺はそんな彼女を差し置いて、一人でテストをプレイする気にはとてもなれなかった。なので俺は、年長者としての
……しかし、変な所で我慢強く頑固な妹は、俺の名義で当選したものだからと、俺からの申し出を
はてさてどうしたものか、と悩んだ末に思い付いたのが、先に述べた裏技的な方法である。
此れならば二人で一緒にプレイする事は不可能であっても、何方か片方がプレイ出来ずに悲しい思いをする事は無い。そう考えて妹に提案してみたところ、其れならばと彼女も了承してくれたのだ。
そして結果として、此の方法によって二人共がテストをプレイする事が出来た。
其れこそが、『二人共がベータテスター』という事実の
其れこそが、俺がSAOの事情に少し明るい理由だ。──何せ、ベータテスターとして一度ゲームをプレイしているのだから。
其れこそが、俺があまり時間を要する事無くログインする事が出来た理由だ。──二人で話し合った結果、俺が正規版でも使用可能なベータテスト時のプレイヤーIDを使う事になり、ベータテスト時に使用していたアバターを引き継ぎ使用する事になった。結果、アバターを新規作成する手間が
其れこそが、妹が直ぐに現実とは全く異なる容姿の俺を見付ける事が出来た理由だ。──ベータテスト時に、幾度となくアバターにカスタマイズを
──閑話休題。
ユウキの前置きの質問に対して首を縦に振った俺だったが、肯いた直後に彼女の口振りに対して違和感を
と言うのも、彼女の言葉は妙に確信を持っているかの様な口振りなのだ。『質問』していると言うよりも、寧ろ『確認』していると言った方が近いだろうか。
其れは詰まり、彼女が俺達がベータテスターであるという事に気付いている、という事になる。
そうであるとすれば、彼女はどの様にして知ったのか? と言うのも、現時点までで確認した限りでは、ベータテスターである事を確認出来る様な分かり易い表示は見付かっていないのだ。
一瞬疑問に思った俺だったが、ふととある考えに思い至り、妹の方にへと視線を向けて
「……お前、俺がベータテスターだって事をバラしたな」
「…………ご、ごめんなさい……。ユウキ達にレクチャーをして欲しいって頼まれた時に、話の流れでつい……」
「……まったく」
別に俺がベータテスターであるという事をバラされた所で、特に大きな支障を
だとしても、俺の許可も無く、見ず知らずの相手に軽々しく人の情報をバラして欲しくはなかった。此れは常識や倫理の問題というよりも、俺の気持ちの問題だ。
とは言っても、シリカだって悪気が有ってやってしまった訳ではないだろう。十年以上も彼女の兄をやっているのだ、そのくらいの事は容易に想像が出来る。それに、折角の楽しいゲームの最中に暗い気持ちのままでいさせるというのは可哀相である。
そう言う訳なので、俺に怒られてしまったと思ったのだろう、実に申し訳無さそうな表情を浮かべている彼女に対して、俺は「次からは気を付ける様にな」と一言だけ釘を刺しておく程度に
「さて……」
話を本筋へと戻すべく、ユウキ達の方にへと視線を戻す。
……とは言っても、彼女達の目的に関しては先程シリカが謝罪をしている最中に言ってしまった事により、意図せぬ形にて知ってしまった。なので『本人達の口から直接聞く』という当初の思惑からは外れ、此方から彼女達に目的の確認を取る形になった。
「確認させて
「そうだよ!」
「リョウヤさん達がご迷惑でなければ……」
此方からの確認の問い掛けに、期待の
それと、先程「『さん』付けで名前を呼ぶのは滑稽」だと言ったが…………丁寧口調のランだからこそだろうか、あまり滑稽だとは思わない。寧ろ彼女が人を呼び捨てにする事の方が違和感が有りそうだ。
さて置き。
彼女達の期待に応える事に対し、俺自身はあまり異存は無い。断る様な理由も特に無いし、折角頼りにしようとしてくれているのを断ってしまうのも気が引ける、というのもある。……まあ、俺が人にものを教えるのはあまり得意ではない、という問題は有るが、そんなのは此の際些細な事だ。
詰まる所、レクチャーを引き受けても構わない、という事だ。
「俺は構わないよ。シリカは大丈夫か?」
「あたしも良いよ! だって、元々その積もりで二人を連れて来たんだもん」
妹がどの様に答えた上でユウキ達を連れて来たのかを知らない為、彼女にも確認の声を掛けてみる。其れに対して返って来た答えは『
「そう言う事だ。改めて宜しくな、二人共」
「うん! 宜しくね!」
「此方こそ、宜しくお願いしますね」
まあ、何はともあれ、だ。
そう言う訳で、俺と妹は
【今回の
・ユウキ /
・ラン /
・紺野姉妹がSAOに参加していたら。
・シリカが擬似的な1,001人目のベータテスターだったら。
という訳で、自分の作品ではお馴染みの《紺野姉妹生存》設定です。
ランちゃんは原作では断片的な情報しかなく、詳しい事までは語られていないので、性格などはほぼ自分の想像になってしまいます。何卒ご理解のほど宜しくお願い致します。
あ、本文では恐らく語る事は無いと思いますが、二人の壮健・生存に伴って、二人の両親もきちんと生きている設定です。……でないと二人がSAOに参加出来なくなってしまうかもしれませんからね。
それから、ユウキ達が登場した為、ユウキ達に関連するタグを追加させて頂きます。
そしてこれからも、話が進んで行くに連れて其れに関連するタグを追加させて頂きます。