お待たせ致しました。第3話の更新です。
……とは言え、かなり時間を掛けた割に、内容自体はあんまり進んでいません。……申し訳ない。
そんな訳で、ほぼ確実に『平成』最後となる更新です。どうぞ。
[8/27]段落付けを行いました。
妹が連れて来た
先ずは、此のゲームをプレイするに当たって必要不可欠な、モンスターと闘う為の装備──特に武器を手に入れるべく、武器屋へと足を運ぶ事に。
時間を掛けて納得のいくアバターを作り上げ、無事に此の
広場へと降り立った彼女は、時計を見て存外にもアバター作りに時間を
其の一方で。手間取りながらも何とか無事にログインする事が出来たユウキ達。俺達同様にログインする前に
詰まる所、今の二人の
──閑話休題。
そうして無事に合流する事が出来た其の直ぐ後、さて、此の後はどうすれば良いのだろうか、と悩んでいた──其の時だった、ユウキ達の視線の先を、妹が足早に駆けて行ったそうだ。
まるで行動に迷いが無いかの如く走って行く妹の姿を見て、二人は妹がベータテスターなのではないかと当たりを付けたのだそうだ。
そうしてベータテスターであると当たりを付けた妹に、二人はレクチャーを
がっかりする二人であったが、話は其処で終わりではなかった。気落ちする二人に妹は、俺に頼んでみて許可が下りればやっても良い、と言葉を続けて、二人に一緒に俺の
後は知っての通り、妹と共に俺の
さて。武器屋へと辿り着いた俺達四人は、各々思い思いの武器を購入した。
因みに、各々が購入した装備は、俺とユウキが《片手剣》、妹が《
分かれていても尚、こうも全体の装備が剣──近接武器に
ズバリ言うと──此の《ソードアート・オンライン》というゲームには《魔法》という要素が無いのだ。
ファンタジーMMOに於いてはどが付く程の定番であり、必須であると思われる《魔法》の要素。其れを排除する、などという何とも大胆で斬新過ぎる此のゲームの仕様には、情報が発表された当初は
勿論、此の様な仕様になっているのには其れ相応の理由が存在する。即ち、己の身体、己の武器を実際に動かして闘うというフルダイブ環境を最大限に体感させる為、だそうだ。至極納得の行く理由である。
何はともあれ、モンスターと闘う為の装備を整えた俺達。
今現在は《はじまりの街》を後にして、街の外に広がるフィールドへとやって来ており、二手に分かれてレクチャーを行っている真っ最中である。
俺としては別に二人
因みに組分けは、武器が同じ《片手剣》である俺とユウキ、そして残った妹とランという風に分かれている。
「──とまあ、大体そんな感じかな」
さて。レクチャーの最中とは言っても、俺の方は先ずは口頭による説明からだ。
人にものを教えるのはあまり得意とは言えない俺は、それでも下手くそなりにも、大まかにではあるが基本的な技術をユウキに教える。
「まあ、『百聞は一見に
ただ、言葉であれこれ説明するだけでは限界が有る。という訳で、此処で
足下の草むらを見回し、見付けた手頃な小石を右手で拾い上げてから、今度は視線を上げて標的となるモンスターを探す。
そうして視界に映った一頭の青いイノシシ型のモンスター ──正式名称を《フレンジーボア》という──に狙いを定めて、小石を持った右手を上げて肩の上で構える。すると、視界の
後は、己の右腕が前方へと引っ張られるかの様な感覚に逆らわずに、身を
真っ直ぐに飛んで行く小石は、やがて青イノシシの胴体へと命中。「ブギーッ!」と怒りの叫び声と
鋭い目付きで此方を──正確に言えば、ターゲットを取った俺を
右肩に
直後、右上から左下へと
「おおーー!」
「今のが《
今の一連の動作を見て興奮したかの様に声を上げるユウキの方にへと振り向き、指南役っぽい言葉を掛ける。
《
《魔法》の要素が大胆にも排除されたSAOに於いて、その代わりにと設定されている、言うなれば必殺技の様なシステムだ。
所定の
ソードスキルの数は
さて。
ソードスキルの一撃を受けて吹っ飛んだ青イノシシだが、其のHPは半分近く残っており、まだ倒れてはいない。
レベル1のステータスと初期装備のスペックは当然の事ながら貧弱極まりない。それでも、ソードスキルの動きに逆らわない様にと留意しながら、システムアシストによって勝手に動く身体を意図的に動かして技の速度と威力をブーストし、更には其れを相手の弱点にクリティカルで命中させる事が出来れば、HPが満タン状態の青イノシシを一撃で倒す事は出来ない事もない。
しかし、今現在俺はユウキに対してレクチャーを行っている訳だからして、俺一人で倒してしまっては彼女の為にはならないだろう。……まあ、倒してしまったら倒してしまったで、また新たに獲物を探せば良いだけの話なのだが。
そんな訳だからして、今回は
「さて、それじゃあ今度はユウキの番だ。今俺がやって見せた様にやってみそ」
「よっしゃー! やったるぞー!」
ではと、残り半分程のHPを削り切って青イノシシを倒す役目をユウキにへと
彼女にとっては此れが初の戦闘になる訳だが、当の本人には
「攻撃するなら首の後ろ──
「オッケー!」
俺と立ち替わりで前に出たユウキに、最後のアドバイスとして青イノシシの弱点である場所を伝える。其れに頷いた彼女は、先程の俺を真似るかの様に《スラント》の構えを取る。
「──でりゃあぁぁぁあああああ!」
構えたスモールソードの刀身が仄かな水色に光り輝き、スキルが立ち上がった直後、威勢の良い掛け声と共に彼女は地面を蹴り、
そして距離を詰めた所で、気合一閃、スモールソードを袈裟懸けに振るう。
振るわれたスモールソードの刀身は、見事に弱点であると教えた鬣の辺りへと命中し、青イノシシの残っていたHPを全て削り切ってみせた。
「ブギィィイイイ……」という哀れな断末魔を上げて再び吹っ飛んだ青イノシシは、だがしかし、今度は空中にて不自然に停止し、バシャアッ! という激しいサウンド・エフェクトと共に其の巨体を無数のポリゴンの欠片にへと変え、爆散した。
直後に、俺の視界中央に紫色のフォントで加算経験値の数字が浮かび上がり、戦闘が勝利によって無事に終了した事を示す。
「わはー! やったーー! 勝ったーー!」
当然ながら、其れは青イノシシと闘って倒したユウキの前にも表示される訳で、其れを見て自分がモンスターとの戦闘に勝てたのだと理解した彼女は、喜びの声を上げ、其の手に剣を握ったまま両腕を上げて万歳のポーズ。身体全体を使って初勝利の喜びを表現する。
「初勝利おめでとさん。ナイスアタックだったぞ」
「えっへへ♪ リョウヤの教え方が良かったから、上手く出来たよ」
賞賛の言葉を送れば、ユウキから返って来たのは俺の
さておき。
此方の指南が一段落付いたので、では妹とランの方は大丈夫だろうかと、彼女達が居る方にへと視線を向けて見る。
そうして向けた視線の先には、俺とユウキ同様にハイタッチを交わしている二人の姿。そして俺の視線に気付くと、笑顔を浮かべで手を振ってくれる。其の様子から察するに、どうやら向こうも上手くやれている様だ。
其の様子を見て一安心した俺は、彼女達に手を振り返してから視線をユウキの方にへと戻し、レクチャーの続きを
「う゛お゛ぉぉぉぉぉおおおおおおおい!!!」
「……ッ!!?」
「ッ!? ……な、なななな何!? 今の一体何ーッ!?」
──行おうかと、ユウキに声を掛けようとした寸前に、突如としていやに馬鹿デカい声が辺りに
突然の大声に俺もユウキも
其の状態のまま、俺は今の大声の主を探すべく、辺りを見渡してみる事に。
先ず最初に視界に映ったのは、お互いの身体を抱き合いながら怯えている様子の妹とランの姿。怯えるあまりに其の場にへたり込んでしまい、此方に助けを求めるかの様な視線を向けている。……今直ぐにでも助けに行って安心させてやりたいのは山々なのだが、此方も此方でユウキがしがみ付いていてどうにも動けそうにない。申し訳ないが彼女達は後回しだ。
心の中で彼女達に謝りつつ、更に視線を動かして見る。周囲では少なからぬ数のプレイヤーが俺達同様にモンスターとの戦闘を繰り広げている──今は大声の所為で中断しているかもしれないが──筈なのだが、空間の恐るべき広さ故か、見渡せる限りの視界内に妹達以外の他の人影は映らない。
詰まる所、今の大声は視認出来る範囲の外から届いたという事になる。だとすれば、大声の主と俺達との距離はそれなりに離れている筈だ。普通であれば、距離が離れていれば其の分だけ聴こえる声量は小さくなり聴こえ
詰まる所、大声の主は相当に地声がデカいという事になるのだろう。…………いや、どんだけデカいんだよ……。
「何だ此のゲームはぁぁぁあああああ!!?」
導き出された衝撃の真実に内心で呆れながらツッコミを入れていると、再び上がる馬鹿デカい声。
どうやら大声の主は此のゲームに対して何かしら物申したい事が有る様だが、果たして何を叫ぼうとしているのだろうか。此れ程の大声で酷評を叫ぼうと言うのであれば、マナーのなっていない悪質なプレイヤーと断じて制裁を加えなくてはなるまいが──
「クッソおもしれぇじゃねえかぁぁぁあああああ!!!」
……どうやら其れは杞憂であったらしい。大声の主は此のゲームが大層気に入った様である。大分
そんな訳だからか、俺の中の此の大声の主に対する印象が多少良くなり、恐怖心や警戒心などといった感情が幾分か氷解した。どうやら其れはユウキもらしく、俺にしがみ付く力が大分緩くなった。
「飛ばすぜぇぇぇえええええ!!!」
此の後、幾分か落ち着いたユウキを伴って妹達の
という訳で、『パラレル・レコード』に於いてどの様にしてリョウヤ達に異変に気付かせるべきか、と考えた結果登場して頂いた、大声の主こと《鮫様》に今作にも登場して頂きました。
設定としては、本人ではあっても原作の本人ではない──
そんな訳で、此れから先の更新に於いても、彼の様に本人ではあっても原作の本人ではないキャラ──所謂《パロキャラ》が登場する事になる予定となっています。
それでは、次回は『令和』にてお会い致しましょう。