女性恐怖症の一夏君   作:のんびり日和

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17話

GWが終わりに近付くにつれぞろぞろと生徒達が戻ってくるIS学園。

皆GWに何処に行ったのか話し合ったり、日帰りか一泊旅行にでも行ったのかお土産を持って教室で友達と食べ合ったりする生徒達もいた。

そんな中、一夏も隣の席に座っている本音、そして相川と鷹月と談笑し合っていた。

 

「へぇ、これが今までイッチーが勉強してきた料理なんだぁ」

 

「う、うん。といってもチラシとかテレビでやってたものだけど」

 

「でも、凄いと思うよ。これだけ集めるのも大変だと思うし、それに自分なりのアレンジも一緒に書き加えてるんだから」

 

「本当本当。それにしても、読んでるとお腹空いてくるなぁ」

 

3人が見ているのは一夏が家から持ってきた料理ノートであった。中身にはデザートやらカレーなど色々な料理が書かれており、中には郷土料理の物まで書かれていた。

そうしていると、チャイムの音が鳴り響きそれぞれ席へと付いて行く。

生徒達が席に着いたと同時に千冬を先頭に真耶と転入生だろうか金髪の男装をした生徒と、銀髪で眼帯をした生徒が入って来た。

 

「皆、おはよう」

 

「皆さん、おはようございます」

 

「「「「おはようございます!」」」」

 

「お、おはようございます」

 

生徒達の挨拶に紛れる様に小さく挨拶する一夏。だがその顔色は少し青く、怯えた表情を浮かべていた。無論千冬はその姿には気付いている。そしてその原因も。

 

(やはり、そうなるよな。さて、彼等を何時紹介しようか)

 

そう思いながら千冬は窓際へと行き凭れる様に立ち、真耶が教卓へと立つ。

 

「はい、それでは本日は皆さんと同じクラスメイトになる生徒達をご紹介させていただきます。ではデュノア君からお願いします」

 

「はい」

 

真耶にデュノアと呼ばれた金髪の生徒は一歩前へと出る。

 

「シャルル・デュノアと言います。フランスにあります、デュノア社の企業代表です。二人目の男性操縦者として此方のクラスに本日から通うことになりましたので、どうかよろしくお願いします」

 

そう言って一礼するデュノアに生徒達は拍手で出迎えた。

皆の拍手に再度一礼した後一歩下がるデュノア。

 

「はい、ありがとうございます。それではボーデヴィッヒさんお願いします」

 

真耶は笑顔でもう一人いた生徒にそう声を掛けるが

 

「……」

 

何も言わずただずっと仁王立ちのままでいた。

 

「あ、あのぉ?」

 

真耶は聞こえていなかったと思い再度声を掛けるも、無視を続けるボーデヴィッヒ。何度声を掛けても無視をするボーデヴィッヒに遂に千冬が動いた。その手には何時もの出席簿を携えながら。

 

「教師から呼ばれているのに、無視をするなッ!」

 

「痛っ!?」

 

そう怒鳴って出席簿の背表紙を何の躊躇いもなくボーデヴィッヒの頭部目掛け振り下ろした。

ガンッ‼と鈍い音が教室内に鳴り響き、全員あぁ~あ。と言いたげな表情を浮かべていた。

 

「し、しかし教官。私は「此処は軍学校ではない。ISの知識、技術を学ぶ学校だ。軍学校とはき違えているなら、今すぐにでも国に帰れ」……も、申し訳、ありません」

 

「謝罪など聞く気など無い。さっさと自己紹介をやれ」

 

今まで生徒達に見せた事が無いような辛辣な態度でボーデヴィッヒに説教をする千冬に生徒達は首を傾げながらもボーデヴィッヒの挨拶へと耳を傾ける。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

そう言うとそれ以降黙るボーデヴィッヒ。

 

「えっと、以上ですか?」

 

「以上だ」

 

真耶の問いに対し淡々と言った口調で終わりと告げるボーデヴィッヒにガックシと肩を落とす真耶。

そんなボーデヴィッヒに対し千冬は

 

(やはり引き受けるべきではなかった)

 

と心の中で苛立ちと後悔を浮かべていた。

 

「はぁ。自己紹介を終えたならさっさと席に着け」

 

そう言われデュノアとボーデヴィッヒは空いている席へと向かう。するとボーデヴィッヒは顔を下に向けながら本を読んでいる生徒に気付く。その顔を見て顔を険しくさせボーデヴィッヒはその生徒に近付く。

 

「おい、何で貴様が此処に居る?」

 

声を掛けられた生徒、一夏はビクッと跳ね上げ恐る恐る顔を上げる。

 

「な、なんでって、その「貴様の様な弱虫がこんなところに居るな!」……うぅ」

 

そう怒鳴るボーデヴィッヒに一夏は怖がって縮こまる。周りの生徒は流石にこれ以上は不味いと思い止めに入ろうとした瞬間、一夏の席からすぐ横にある扉が突然開く。扉の先に居たのは黒と灰色のまだら模様の生物の様な着ぐるみが数体おり、その手にはショットガンが握られボーデヴィッヒに狙いを定めていた。

 

「なっ!?」

 

驚くラウラは突然の事でその場で固まっていると、着ぐるみたちは躊躇いも無くボーデヴィッヒに向かってショットガンの引き金を引いた。放たれた弾丸はボーデヴィッヒの頭と胴体に命中し、着弾した衝撃でボーデヴィッヒは本音の机の上に倒れ込んでしまう。ラウラの体に命中したのは訓練用の模擬弾頭であった。

倒れ込んだボーデヴィッヒに対し、着ぐるみの一体がスタンバトンを装備してボーデヴィッヒに目掛け振りかざした。

 

「き、貴様なにぉぎゃあぁぁああぁぁぁあ!??!!」

 

スタンバトンの電撃を受けたボーデヴィッヒは悲鳴を上げた後、気を失ってしまった。気を失ったボーデヴィッヒに着ぐるみ達は顔に麻袋を被せ、手足には拘束用のバンドをする。

突然の事に全員茫然と言った表情を浮かべていると、扉から同じ姿だが色が違う着ぐるみが入って来た。

すると教卓に居た千冬が口を開いた。

 

「えぇ、皆に紹介する。織斑の護衛として本日から着任した『フモッフくん』とその部下達である『モッフくん』達だ」

 

そう言うと黄色い着ぐるみ、フモッフ君やモッフ君達は一斉に一夏に向かって敬礼した。

 

『ふもっふ!』

 

するとフモッフが何処からともなくプラカードを取り出し一夏へと見せる。

 

【本日より君の護衛をすることになった、フモッフだ。よろしく頼む】

 

「えっと、よ、よろしくお願いします」

 

「ふもっふ」

 

一夏との会話を終えたフモッフは次に千冬の方に顔を向けプラカードを見せた。

 

【所で彼女は一体どうする?】

 

「あぁ、ボーデヴィッヒか。次の授業はアリーナで授業を行うから、済まんが第1アリーナに放り捨てといてくれ」

 

「ふもっふ!」

 

千冬の指示にフモッフは敬礼で返し、後ろに振り向くと何体かに指示を出す。指示を受けたモッフ数体がラウラを担ぎ上げそのまま教室から出て行った。

 

「よぉし、SHRの続きをするぞ。さっきも言ったが、次の授業はアリーナで行う。2組との合同でISを使った歩行訓練などを行う。訓練の際、専用機を持っている者は補助にまわって貰うからしっかりと教える様に。あぁ、それと布仏は織斑と同じ班になる。理由は言わなくても分かっているな?」

 

「「「はい!」」」

 

「よろしい。ではSHRは以上だ。全員服を着替えて第1アリーナに集合するように。あぁ、それとフモッフ」

 

「ふもぉ?」

 

「済まないが、2体ほど織斑の護衛に付けてやってくれ」

 

「ふも! ふもふもふも、ふもっふ!(お前とお前、行け!)

 

「「ふもっふ!」」

 

フモッフの指示を受けたヘルメットに4と5が書かれたモッフが敬礼し一夏の傍に行き護衛に着く。

 

「えっと、よろしく、お願いします」

 

「ふも!」

 

護衛に着くモッフ達に言葉をかけた後、一夏はモッフ達の護衛と共にアリーナの更衣室へと向かって行った。それに続いて残ったフモッフとモッフ達も出て行く。

一夏が出て行ったのを確認した千冬は真耶と共に教室から出て行こうとすると

 

「あ、あの織斑先生」

 

「ん? デュノアか、何だ?」

 

出て行こうとする千冬を呼び止めたデュノア。その表情は少し困惑した表情を浮かべていた。

 

「えっと、更衣室ってどう行けばいいんですか?」

 

「学園手帳に書かれているだろ。それを見ながら行けば行ける」

 

「そ、そう言われましても」

 

千冬ははぁ。とため息を吐き隣にいた真耶に顔を向ける。

 

「山田先生、デュノアを更衣室へ案内してやってください」

 

「分かりました。それじゃあデュノア君、離れず付いて来てくださいね」

 

「は、はい!」

 

真耶に付いてくるよう言われデュノアは真耶の後に付いて行く。遠ざかっていくデュノア達に千冬は反対方向に歩きだし階段の踊り場まで来ると誰もいないにも拘らず千冬は口を開く。

 

「デュノアから目を離すな。他の奴らも同様だ。おかしな行動をすれば直ぐに一夏を守れ」

 

「ふも!」

 

千冬の背後からそう声が聞こえると、ぼひゅぼひゅと言う音が聞こえ次第に遠くなっていく。その音を確認した千冬はそのまま階段から降りていき、職員用の更衣室へと向かって行った。

 

 

 

 

フモッフ

姿 フルメタル・パニック ふもっふ!のボン太くん(タクティカル装備タイプ)

束が作成した一夏専用の護衛ロボット。

着ぐるみの様になったのは、メサがほぼロボットという姿の為もっとキュートな姿にしようとしてこうなった。

統率、指揮力等に優れ、部下であるモッフ達を手先の様に動かす。

装備は非殺傷用の模擬弾を装填したライフルとショットガン

但し、千冬の許可が下りれば、実弾に変更し敵対対象を負傷させる。

 

モッフ

姿 フルメタルパニック ふもっふ!の量産型ボン太くん

束が作成した一夏専用の護衛ロボット。

着ぐるみの様になったのはフモッフ同様の理由。

フモッフよりも能力的に若干劣っているが、チームプレーでその差を補っている。

ヘルメットにナンバーが書かれており、現在までに2から12まで居る。

装備はフモッフと同様ではあるが、模擬弾を装填したバズーカを持っている。

此方も千冬及び、フモッフからの許可があれば実弾を使用する。




次回予告
モッフ達の護衛を受けながら一夏は更衣室で着替え、アリーナへと出る。
1組と2組の合同授業が始まるが、初っ端から色々トラブルが起きる。
無事に授業が終わり暫くしてお昼の時間になるも、一夏はトラブルに巻き込まれるのであった。

次回
合同授業とお昼ご飯~お弁当の中身、どうしよ?~

次回投稿してほしい小説(詳細は活動報告の「次回作一覧」を見てください)

  • ①IS×ウォーシップガンナー2
  • ②IS×メタルギア
  • ③IS×オリジナルストーリー①
  • ④IS×オリジナルストーリー②
  • ⑤IS×クロスアンジュ
  • ⑥IS×タイムクライシス
  • ⑦IS×オリジナルストーリー③
  • ⑧IS×人狼 JIN-ROH
  • ⑨IS×東方project
  • ⑩IS×オリストーリー④
  • ⑪IS×R-type
  • ⑫俺ガイル×IS
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