女性恐怖症の一夏君   作:のんびり日和

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長らくお待たせして申し訳ありません。



44話

突如現れた本音に指揮所では千冬以外驚きで満ちていた。

 

「ど、どうして布仏さんがあそこに!?」

 

「それにあのIS、データがありません!」

 

モニターを監視していた教師達に動揺が走っている中、千冬は

 

パァッン!!

 

と両手を思いっきり叩き大きな音を立てる。その音にその場にいた教師達全員が千冬の方に顔を向ける。

 

「落ち着かんか! 布仏がISを所持している件については後で私が説明する。今は銀の福音のパイロット救出に集中しろ!」

 

その言葉に先程まで広がっていた動揺が鳴りを潜め、教師達はそれぞれ自分の仕事に集中し始めた。

 

 

現場でも本音の登場に動揺が走っていたが、今はそれどころではない。と瞬時に頭を切り替え銀の福音撃墜に動く。

本音も一夏と簪と共に銀の福音に攻撃を行いつつ現在の状況を聞く。

 

「今どういう状況なのぉ?」

 

「僕の、ワンオフアビリティーで動きを止めてSEを削り取ろうとしたんです。そしたらセカンドシフトに強制移行してしまって…。それでもう一度ワンオフを使って止めようと回復パックを使おうとしたんですが、銀の福音の攻撃を避けた際に落して消失させてしまったんです」

 

『だから私や教師部隊の人達とで織斑君に回復パックを届けようとしているんだけど、見ての通り銀の福音の激しい攻撃の所為で織斑君に近付けないの』

 

「なるほどぉ。よぉし」

 

そう言い本音は銀の福音の攻撃をかわしながら、紅椿に語り掛ける。

 

(ねぇ紅椿。お願い力を貸して。私は、銀の福音に乗っている人や、先生やかんちゃん、そしてイッチー。無事に皆と一緒に私たちの帰りを待っているところに帰りたいの。だからお願い!)

 

本音の願いに紅椿は何も返してこなかった。だが、展開していた装甲から突如金色の粒子が展開された。

 

「紅椿…。ありがとう。一緒に銀の福音を助けよう!」

 

返事ではなく、紅椿のワンオフアビリティー『絢爛舞踏』を展開させた紅椿に本音はそう言いながら空裂を振るい、ビームの刃を飛ばす。

複数の刃を飛ばした後、本音はすぐさま一夏の傍まで行き一夏の肩に触れる。

 

「はい、イッチー!」

 

その声と共に一夏の機体、バレットホークのSEが一気に回復し直ぐに満タンとなった。

 

[嘘でしょ!? 机上の空論では無いかと言われてきたSEの接触譲渡!?]

 

「す、すごい。もう満タンまで回復したよ!」

 

「イッチー、SE回復したぁ?」

 

「はい、これなら行けます!」

 

その言葉に本音は良かったぁ。と呟きつつ、銀の福音に向けマシンガンの弾幕と空裂のビーム刃を飛ばす。

 

「織斑君のSEは回復したのね。良かったわ」

 

「でも、机上の空論と言われてきたSEの接触譲渡をどうやって?」

 

「今は気にしている余裕は無いわ。今は銀の福音をどうやって動きを止めるかよ」

 

「その通りよ。朝田先生、残りの残弾は?」

 

「もうこのマガジンが最後で、しかも半分しかないわ」

 

「そう。アリシア先生は?」

 

「私はもう弾切れです」

 

「こっちもです」

 

教師達からの報告に新山は顔をしかめる。暫くの沈黙の後、新山は覚悟を決めた様な顔を浮かべ教師部隊全員に通信を繋げる。その内容に新山以外の教師達は驚いた表情を浮かべるも、それしか方法が無いかと思いそれぞれ覚悟を決めた表情に変わっていく。

 

「それしか手が無いですね」

 

「えぇ、やってやりましょう」

 

「ありがとう、皆。織斑君達聞こえる?」

 

『は、はい。聞こえます』

 

「私達教師部隊が銀の福音の動きを止めるから、織斑君は動きが止まった隙に攻撃して。更識さんと布仏さんは織斑君の直掩について」

 

『分かりました!』

 

『はい!』

 

「頼んだわ、3人共」

 

通信を切り新山は、拡張領域に仕舞っているSE回復パックを取り出し、それを自身のISに取り付けSEを回復させる。回復パックを持っている他の教師達も自身のISに取り付けSEを回復させる。そして

 

「全機、アタック!」

 

その掛け声と共に朝田先生以外の教師達が近接武器『葵』を構えながら突貫していく。朝田先生は教師部隊の残りのマガジン等を掻き集め遠距離から援護射撃する。

突貫した教師達は散開して葵を構えながら銀の福音へと向かう。

迫りくるビームの翼もSEを可能な限り消費を抑えながら避けて行き銀の福音に近付く。

教師部隊の一人が銀の福音に近付くと、銀の福音の動きを抑えるべく腕を掴む。

 

「このぉ!」

 

掴む教師を引き離そうとする銀の福音に、他の教師達も一斉に掴みかかり動きを封じに掛かる。

教師達の決死の行動に一夏も自分のすべきことをしないと思いワンオフを使おうとしたところである事を思いつく。

 

[ねぇアイラ、コアをワンオフで凍結させる事って出来る?]

 

[コアを? …なるほど、コアを凍結させてSEを遮断させるのね。そりゃあ凍結させる事は出来るけど、凍結対策が施されてるはずだから時間がかかるわ。時間を掛ければパイロットも危険だし、教師達も危険よ]

 

[じゃ、じゃあ接近してならば、どう?]

 

[接近って。…そりゃあ接近してワンオフを使えばそれだけ照射する時間は短く済むわ。でもアンタの身が危険にさらされることになるのよ]

 

[それでも、パイロットの人を救うためにやらないと]

 

[…分かったわ。けど無理するんじゃないわよ]

 

アイラの言葉に一夏はうん。と返事を返し、通信を開く。

 

「本音さん、更識さん。銀の福音に接近してワンオフを使う為援護してください」

 

『分かった』

 

『うん。イッチー、無理しないでね』

 

2人の返事を聞いた一夏は深呼吸をした後、教師達に翻弄されている銀の福音に向かう。

そんな中銀の福音の動きを封じようと決死に動く教師部隊。新山や他の教師達は何とか動きを抑えようと腕や脚などにしがみつく。

必死にしがみ付いていると、一夏のバレットホークが接近してくる事に気付き何故と動揺が走る。

 

「お、織斑君! 何故こっちに!?」

 

その問いに本音が答える。

 

『イッチーが接近してワンオフを使用するみたいですぅ!』

 

「接近して!? また無茶な事を。皆何とか抑え続けるのよ!」

 

「「「了解!」」」

 

「朝田先生! 何とかこの背中のパーツを壊せないっ?」

 

『やろうとしてるけど、動きが激しすぎて狙いがつけられないの。このまま撃ったら誤射するわ!』

 

「クッ、わかったわ」

 

そう言い新山は今できる事だけの事をしようと銀の福音の動きを抑えようとする。

 

一夏に攻撃が行かない様出来るだけ銀の福音の意識を自分達へと向けようとする教師部隊。

何とか動きを封じようと腕などにしがみ付くが、左腕を抑えていた教師が振り下ろされた。再度抑えようと接近するも飛来したビームに撃ち落とされてしまう。

 

「きゃぁああ!!?」

 

「横山先生!」

 

銀の福音は自由になった左手で他の教師達も引き剥がそうと腕を伸ばそうとした瞬間

 

「させない!」

 

そう叫びながら現れたのは簪だった。簪は横山が抑えていた左腕を再び使えない様にと抑えにかかる。

 

「更識さん、危険よ! 下がり「やらないと織斑君や先生達が危ないです! 乗っている人を助けるためなら危険は承知です!」」

 

簪はそう叫びながら精一杯腕にしがみ付き動かせまいとする。

動きを封じられている銀の福音に、一夏はそのチャンスを逃すまいとワンオフを使うべく接近する。

 

[一夏、チャンスは一度だけよ!]

 

「うん!」

 

一夏はそう言ってワンオフを使うべくブースターを吹かす。そして抑えられている銀の福音の懐に潜り込む。

 

[一夏、此処を狙いなさい!]

 

アイラの提示した箇所は首元付近の光る箇所であった。

一夏はその指示に従い、手を首元の光る箇所に当てワンオフを起動する。ワンオフが起動し、氷結のレーザーが照射される。

ピシピシと凍る音が鳴り響く中でも銀の福音は暴れ続けていた。そしてビームの羽を展開し自身もろとも巻き添えで一夏達を引き剥がそうとするも

 

「させないよぉ!」

 

本音が空裂のビーム刃を飛ばしビームの羽を撃ち落としていく。

そうこうしている内に銀の福音の首元の光る箇所は徐々に凍っていく。

そして遂に完全に凍ろうとした時

 

[あ……りが…とう]

 

そう声が聞こえてきた後、銀の福音のバイザーから光が消え機体はぐったりとなる。力を失った銀の福音を教師部隊と簪は支え持つ。

新山は何とかなったと安堵のため息を吐く。そして通信を開き報告を始めた。

 

「こちら新山、銀の福音の活動停止。作戦完了です」

 

『こちら作戦本部、了解』

 

新山は作戦完了を報告していると、数隻のゴムボートが現れた。其処に乗っていたのは

 

「あれ、接近してくるボートってモッフ達じゃない?」

 

「本当ね。それに、横山先生?!」

 

教師部隊の一人がゴムボートの一隻に包帯や湿布で治療された横山が寝かされているのを見つける。

 

「本部、撃墜された横山先生を発見。モッフ達によって救助されていた模様」

 

『本部、了解。……織斑先生から通達です。教師部隊及び専用機持ち達の状態を考え、脱走した専用機持ち達の捜索は寮にて補給と整備等を受けてから行うとのことです』

 

「しかし、それでは『織斑だ。先ほど束に頼んで奴らのISの状態を調べてもらったが、SEがほぼ無い状態らしい。それに死ぬようなケガもしていない為、暫く放置しても大丈夫だ』りょ、了解しました」

 

そう言い新山は他の教師部隊や一夏達と共にモッフ達が乗っているボートに降り立ち、旅館へと戻って行った。




次回予告
無事に銀の福音のパイロットの救出に成功した一夏達。
旅館へと帰って来た一夏達は健診を受けた後、それぞれ部屋で寛いでいた。

次回
任務完了!
~「あら、何をそんなに驚いてるのよ一夏?」~

次回投稿してほしい小説(詳細は活動報告の「次回作一覧」を見てください)

  • ①IS×ウォーシップガンナー2
  • ②IS×メタルギア
  • ③IS×オリジナルストーリー①
  • ④IS×オリジナルストーリー②
  • ⑤IS×クロスアンジュ
  • ⑥IS×タイムクライシス
  • ⑦IS×オリジナルストーリー③
  • ⑧IS×人狼 JIN-ROH
  • ⑨IS×東方project
  • ⑩IS×オリストーリー④
  • ⑪IS×R-type
  • ⑫俺ガイル×IS
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