騒然となった臨海学校が終わり、一年生達はIS学園へと戻って来た。
到着したバスからぞろぞろと生徒達が降りて行き、メサカーかからは一夏と伊田が降りて行く。
降りた生徒達はそれぞれ整列し、教師達も端の方で生徒達の前に立つ。
全員が並び終えた後生徒達の前に千冬が立ち口を開く。
「ではこれにて解散となるが、一つ報告がある。2週間後に期末テストが実施される。テスト範囲は一学期中に習った範囲で出る。全員しっかりとテスト勉強を行いテストに臨む様に。因みに赤点を取った場合は夏休み中に補習に強制参加させられるため取らない様に頑張れよ」
そう言われ生徒達は、はい!と気合を入れた声で返事をする。
「よろしい。では解散!」
そう言われ生徒達は荷物を持ってぞろぞろと寮へと入って行き、一夏も本音や相川達と共に寮へと帰って行った。
生徒達が寮へと帰っていく中、バスから一人の金髪女性が降りてきた。
「よく眠れたか、ファイルス」
「えぇ、ぐっすりとね」
そう言いながらナターシャ・ファイルスは固まった筋肉を解す様に体を伸ばす。
何故彼女がIS学園のバスに乗っていたのか、それはまだバスが旅館から出発する前までの時間に遡る。
~数時間前・旅館前~
千冬は荷物を纏め引き上げようとしていた時に携帯が鳴り響く。千冬は携帯の画面を見ると、表示には『学園長』と記されていた。
千冬は今回の事件に関する事かと思いつつその電話に出る。
「もしもし、織斑です」
『轡木です。今大丈夫ですか?』
「えぇ、引き揚げ準備を今しがた終えた所なので問題ありませんが、何か?」
『まずは、今回の事件ご苦労様でした』
「いえ、生徒と教師部隊のお陰です。私は後方でサポートしただけにすぎません」
『それでも、生徒達や教師部隊の方々が無事に戻って来られるよう指示を出されたのです。お礼を言わせてください』
「分かりました。それで、わざわざそのお言葉を贈る為だけに電話をされたのですか?」
『いえ、もう一つあります』
そう言うと轡木の雰囲気が若干変わり、真剣な雰囲気を電話越しで醸し出す。
『そちらに保護されているナターシャ・ファイルスさんの事です』
「ファイルスの事で?」
『えぇ。彼女の母国アメリカから要請がありましてね』
「身柄とISの引き渡しですか?」
『いえ、彼女の身柄とISをIS学園にて保護してほしいとのことです』
轡木から出た言葉に千冬は驚きの余り目を見開く。そしてすぐに鋭いまなざしへと変える。
「それはまたどう言う事です?」
『暴走事件の原因が女性権利団体の過激派グループによるものだと判明したらしく、アメリカではその過激派グループ逮捕の為動くそうです。それで今回被害に遭われたナターシャさんを証人として裁判の証言台に立って欲しいらしく、アメリカに戻って来て貰った場合命を狙われる恐れがあると考え、学園にて保護していて欲しいとのことです』
「なるほど、面倒ごとを此方に押し付けたという事ですが」
『見方を変えればそうですね。勿論ただで引き受けるつもりもありませんから此方も条件を出しました』
「と言いますと?」
『彼女のIS、銀の福音の稼働データ採取を学園で行う事。それと彼女を学園の教師になってもらう事です』
「……。流石に2つも無理ではありませんか?」
『えぇ、最初は渋られましたが色々交渉して納得させました』
そう言う轡木に千冬は頬を引きつらせる。恐らく色々と脅したな、と。
「分かりました。ではファイルスはこのまま我々と共に学園に連れてくればいいのですね」
『えぇ、それでお願いします』
では、失礼します。と言い轡木が電話を切ると、千冬ははぁ。とため息を吐きながら携帯をポケットに仕舞いナターシャのいる部屋へと向かって行った。
~現在に戻る~
「それじゃあ学園長室に行くか」
「えぇ、行きましょう」
そう言い歩き出す2人。
~次の日~
臨海学校から戻ってきた1年生達は、テストに向けて猛勉強をするべく図書館や部屋に籠っていた。
そんな中には本音もいたが……。
「うぅ~~~」
机に伏して頭を抱えながら唸っていた。その訳は
「勉強難しぃいよぉ~」
だった。
授業で教えてもらった所は全てノートにとっている為、テスト範囲の勉強をするのは問題無かった。だが、それを憶えようと思うとなかなかに大変で、どれから手を付ければいいのか全く分からなかった。
同室の相川は図書館で使えそうな本を借りに言って来ると言い部屋には居なかった。
暫し唸り続ける本音。するとある事を思いつき顔を上げる。
「そうだ。イッチーの所で勉強しよう!」
そう呟くと鞄にノートから教科書など色々と詰め込み本音は部屋から出て行く。そして隣の一夏の部屋に行くと、インターホンが取り付けられていた。
本音はまたイッチーの扉が改良されてるや。と思いながらインターホンの呼び出しボタンを押す。ピンポーンと鳴り響くと
『はい、本音さん何か?』
とインターホン越し一夏が出てきた。
「イッチー、勉強教えてぇ」
と懇願したような声でお願いする本音。
『あ、はい。ちょっと待って下さい』
そう言い通話が切れる。暫くして扉の鍵が開く音が鳴り扉が開く。
「どうぞ」
「うぅ、イッチーありがとうぅ。お邪魔しまぁす」
そう言い本音は一夏の部屋へと上がらせてもらう。部屋に上がり奥へと案内され一夏が勉強していたであろう机に到着する。
「どうぞ、好きな所に座って下さい」
そう言い一夏はお茶を用意しようとキッチンの方へと向かい、本音は一夏が座っていただろう席の向かい側に座り勉強道具を出す。
キッチンから一夏はお茶を持ってそれを本音の前に置く。
「どうぞ」
「ありがとうイッチー」
そう言いながら本音は一夏が出したお茶を飲み始める。
「それで勉強を教えて欲しいって、もしかしてテストの事でですか?」
「うん。全然勉強できなくてさぁ」
「それじゃあ一緒にやりますか?」
「うん! ありがとう」
一夏の言葉に本音はホッとした表情置浮かべる。すると
『それじゃあ私も手を貸しましょうかね』
と部屋に声が響く。すると、一夏の腕に付いているバレットホークの待機形態の腕輪が光り、光の球が現れ一人の少女が現れた。
「え? アイラ出て来ても良いの?」
「別に問題無いわ」
そう言いながら本音の方に顔を向ける。とうの本音は( ゚д゚)ポカーンと表情を浮かべ、固まっていた。
「一夏、彼女固まってるわよ」
「そ、そりゃあアイラが突然現れたら固まるよ」
「…それもそうね」
そう言いアイラは本音のデコに向かってデコピンをかます。
「ふみゃぁ!? うえぇ!? 痛い、現実ぅ!?」
「当たり前でしょ、現実なんだから」
そう言い呆れた様な顔を浮かべるアイラと、苦笑いを浮かべる一夏。
「えっと、誰なのぉ?」
「私はアイラ。一夏のIS、バレットホークのコア人格よ」
「うえぇ、コア人格ぅ!?」
「えぇ。あ、一応言うけど、他の人達にはばらさないでよ」
「う、うん」
本音はまだ驚いた表情を浮かべながら頷く。
そして2人が席に着くとアイラは二人の前に空間ディスプレイを展開する。
「それじゃあまずは苦手な科目を知る為に、私が作成したテストを解いて。基礎教科5科目と専門教科3科目、それぞれ制限時間30分よ。それじゃあ、始め!」
そう言われ一夏と本音は勉強を始める。
数時間後、テストを終えた二人はふぅ。と息を吐く。
テストの回答が記された二人のノートをアイラが回収すると、ものすごいスピードで答え合わせをしていく。
そして答え合わせを終えたアイラがそれぞれ紙を差し出す。
其処にはそれぞれ科目と点数が書かれており、一夏の方はそれぞれ70点越えをしていた。対して本音の方は50点台だったり40点台とバラバラで、特に低かったのは20点となっていた。
「本音、貴女かなり勉強しないと不味いわよ」
「うぅ~、補習はやだよぉ~(T_T)」
嘆く本音にアイラはため息を吐きながら口を開く。
「だったら勉強するしかないでしょ。明日から本格的に勉強を教えて行くから来なさいよ」
「うん。ありがとうねぇ、アラちゃん」
そう言い涙目でお礼を言う本音。
それから本音はアイラのスパルタの様な勉強に半泣きになりながらも、夏休みに一夏と遊びたい為に必死になった。
そしてスパルタ勉強から数日が経ち、期末テスト当日。
「では、始め!」
千冬の号令と共に生徒達は裏向きに置かれた紙を表に向け答案用紙に答えを書いて行く。
カリカリとシャーペンの走る音が鳴り響く中、本音も何とか赤点回避と心の中で必死に問題を解く。
それから数日後、テスト結果発表日。
それぞれ緊張した面持ちでテストの結果が書かれた紙を受け取る。
「次、織斑」
そう呼ばれ一夏は席を立ち千冬から紙を受け取る。受け取った後席に戻った後確認する。用紙には各教科の点数が書かれている。
一夏の用紙にはそれぞれ80点代や90点代と高得点であった。
[あら、赤点は余裕で回避できた様ね]
[うん、アイラのお陰で何とか出来たよ]
[ふっ。私じゃなくてアンタの努力でしょ]
「次、布仏」
「は、はい!」
呼ばれた本音はカチコチと緊張した様子を醸し出しながら千冬から用紙を受け取る。
席に戻った後用紙を開けると
「お、おおぉぉおおぉ」
と用紙に書かれていた点数に驚きの表情を浮かべる。
その訳はそのほとんどが今まで取った事ない程の高得点で、余裕で赤点回避だった。
全ての用紙を渡し終えた千冬が教壇から口を開く。
「えぇ、今回の期末テストでは赤点を取った者は一人もいなかった。他のクラスでは赤点を取った者が数人ほど出ているが、一人も出なかったクラスはうちだけだ。誇っても良いが、油断せず次のテストでも同じよう赤点を取らぬ様勉学を励む様に」
「「「「はい」」」」
「よし、ではこの後は自由時間とする。以上、解散」
そう言い千冬と真耶は教室から出て行き、生徒達は夏休みどうするか談笑を始める。
そんな中本音は一夏に礼を言うべく体を向ける。
「イッチー、勉強ありがとうねぇ。お陰で赤点回避できたよぉ」
「い、いえ。僕はただ少しお手伝いしただけで、後は本音さんの実力ですよ」
「うぇへへ」
照れた表情を浮かべながら頭を掻く本音。
こうして無事期末テストを乗り越えたのだった。
因みに例の5人は監房の中でテストを受けたが、全員全教科赤点となったのは言うまでもない。
次回予告
放課後、一夏は家庭科室へと向かう。
その中では以前計画されていた、お疲れ様パーティーが行われていた。
一夏や一年生達はそのパーティーを楽しむ。
次回
お疲れ様パーティー
次回投稿してほしい小説(詳細は活動報告の「次回作一覧」を見てください)
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①IS×ウォーシップガンナー2
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②IS×メタルギア
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③IS×オリジナルストーリー①
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④IS×オリジナルストーリー②
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⑤IS×クロスアンジュ
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⑥IS×タイムクライシス
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⑦IS×オリジナルストーリー③
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⑧IS×人狼 JIN-ROH
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⑨IS×東方project
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⑩IS×オリストーリー④
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⑪IS×R-type
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⑫俺ガイル×IS