女性恐怖症の一夏君   作:のんびり日和

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50話

「――ほら、脚を止めないで歩きなさい!」

 

武装した教師達に睨まれながら歩く問題児達。彼女達は再テストを終え部屋(独居房)で休んでいた所武装した教師部隊に部屋から出てついてくるようにと言われ出てきたのだ。更に片方の足首には謎の枷を着けられて。

 

「ど、何処に連れて行く「喋らない!」…」

 

口を開いたセシリアに教師は一切取り合おうとはせず、黙って歩けと命令する。そして暫くして5人はレンガの壁がそりたち、重苦しそうな鉄の門前へと連れて来られた。

その門の前には

 

「来たか」

 

と鋭い眼光で5人を見つめる千冬が立っていた。

 

「それじゃあついて来い」

 

そう言い千冬は重苦しい鉄の門を開けて中へと入る。5人は入るのを躊躇うも

 

「ほら、早く歩きなさい!」

 

教師部隊にせっつかれ、諦めて中へと入っていく。

中へと入ると少し広めの運動場と奥には古めかしい木造の建物が立っていた。

 

「あの、千冬さ「織斑先生だ、鳳」織斑先生。此処って、一体何なんですか?」

 

「此処か? 此処はお前達が卒業まで生活する場所だ」

 

「「「「「えっ!?」」」」」

 

千冬の言葉に5人は驚愕の声を上げる。

 

「目の前に見えるあの木造の建物。あれがお前達の生活をする為の家でもあり、勉強をする為の校舎だ」

 

「あ、あんなボロイ木造建物がですか?」

 

「昔教科書で見た山間にある村の学校みたいだ…」

 

シャルや箒は建物の外観に驚愕している中、セシリアは千冬のある言葉が気になり恐る恐る手を挙げる。

 

「あ、あの、織斑先生」

 

「なんだオルコット?」

 

「先程の説明に私達の生活する家と聞こえたのですが?」

 

「言ったぞ」

 

「え? ま、待って下さい! 私達、この校舎で寝泊まりするというのですか!?」

 

「寝泊まりだけじゃないぞ。食事等もこの校舎だ」

 

「「「「えぇーーー!!?!?」」」」

 

「そ、そんなこんな埃っぽい場所で暮らすなんて…」

 

「こ、これは流石に…」

 

茫然と言った表情を浮かべる5人。

 

「ほら校舎内に入るぞ」

 

そう言われ重い足取りで千冬の後に続く5人。校舎内に入ると一応修繕はされたのか建物内部の廊下や壁は綺麗で埃等は無かった。

そして5人を連れて千冬は校舎内を案内していく。

 

「此処が教室だ」

 

そう言い中を見せられる5人。中はまさに昔の学校そのもので木製の床に壁。さらに木製の机といすが5人分置かれていた。

 

「な、なんかTHE昔って感じね」

 

「え、えぇ…」

 

日本人の箒や一時期日本に居た鈴はその光景に思わずそう声を漏らす。

 

 

「――此処が食堂だ」

 

そう言って案内された場所は

 

「あの、織斑先生」

 

「なんだ?」

 

「此処って、家庭科室ですよね?」

 

「そうだな」

 

そう、千冬が言った食堂とは家庭科室であった。中には簡易の机にシンク。それとコンロが置かれていた。

 

「あの、食堂って言うなら料理を作ってくれるおばちゃんも「いる訳無いだろ」え? じゃあご飯は?」

 

「自炊に決まっているだろうが」

 

「「「「「Σ(゚д゚lll)ガーン」」」」」

 

千冬の言葉に信じられないと言った表情を浮かべる5人。

 

「当たり前だろう。此処はお前等問題児を更生させる意味合いを兼ねている校舎だ。料理も洗濯も此処では全て自分でやるんだ。サボればそれだけ苦しむのは自分自身だという事を分からせるのにこれほど良いカリキュラムなど無いだろ」

 

「じ、自炊は分かりました。でも、食材は?」

 

「今年は配給してやる」

 

「え? 今年は?」

 

千冬の言葉にシャルが思わず聞き返す。他の4人もどういう事だと言った表情を浮かべていた。

 

「言ったはずだ。此処はお前達の更生も兼ねていると。つまり、来年からはお前達が自分達の手で食材を確保しなければいけない」

 

「「「「「はいぃ!!?!」」」」」

 

驚愕の声を上げる5人。

 

「そ、そんなの流石にあんまりですわ!」

 

「そうですよ! 野菜の作り方なんて知りませんよ! それに肉とか、魚とかは!?」

 

セシリアや鈴はそう声を荒げる。

 

「だから来年からと言っている。今年中に野菜の作り方について勉強して来年から行えばいい。それと肉は流石に難しいから配給してやる。魚は釣りが出来る箇所があるから其処で釣れ。それとデュノア、お前は確か山間育ちだろ」

 

「えっと、はい」

 

「野菜の作り方とかの知識は?」

 

「た、多少は…」

 

「ほら、多少とはいえ野菜の作り方を知っているやつが居るなら問題無いだろ。」

 

「で、ですがそんなうまくいくはずが…」

 

「そうだな。だから失敗しない様努力するしかない。が、其処まで私も鬼じゃないから救済措置を用意してある」

 

「救済措置ですか? それって一体?」

 

「後で説明してやる。次に行くぞ」

 

そう言い次の場所に案内し始める千冬。次に案内された場所は宿直室と表札が掲げられた部屋だった。

 

「此処がお前達の部屋だ」

 

そう言い中を見せられる5人。中には畳の敷かれた部屋で教室と同じ木製の机といすが5セット置かれており、部屋の隅には布団が5組置かれていた。

 

「あの、もしかしてアタシたち……」

 

「5人全員、相部屋ですか?」

 

「そうだ」

 

千冬の即答に5人は顔を見合わせて嫌そうな顔を浮かべる。

 

「あの、個室にする事は「無理に決まっているだろ」そ、そんなぁ…」

 

「あの、もしかして僕達が学校に持ってきた荷物もこの部屋に?」

 

「あぁ。お前達の部屋にある荷物を今教員達がせっせとまとめているはずだ。終わったら此処に持ってくる」

 

「ま、待って下さいよ! そうなったら確実にこの部屋…」

 

「狭くなるだろうな。まぁ安心しろ、隣が倉庫になっている。其処にでも放り込んでおけば問題ないはずだ」

 

そう言われ少し安堵した表情を浮かべる。が

 

「但し中は物で溢れかえっているから、入れられないがな」

 

そう言い倉庫と表札が掲げられた部屋の扉を開ける千冬。部屋の中には色々な物が積み重なって置かれており、ぎゅうぎゅう詰め状態であった。

 

「入れたければ 自分達で掃除して入れるしかない」

 

「「「「「……」」」」」

 

「次行くぞ」

 

次の場所へと案内を始める千冬。5人はどんよりとした暗い気持ちを引き摺りながら千冬の後に続く。

 

「――此処が畑だ。そしてあそこだけレンガの壁が無いだろ? あそこが釣り場だ」

 

そう言い千冬は次に案内した場所、其処は校舎の外に設けられている畑と海釣りのできる場所であった。

 

「一応言っておくが、あの壁の無い場所から脱走なんて考えるなよ。監視カメラで監視されているし、お前達の足首に着いている枷はGPS内蔵の追跡装置だ。この壁から出た瞬間大音量のアラームが鳴り響いて位置を知らせる。それと無理にとろうとするなよ。外そうとした場合でもアラームが鳴り響くからな」

 

そう言われ自分達の足首に巻かれた物に驚く5人。

 

「汚れとかは大丈夫だぞ。足から抜けない様になっているが、多少は動く様になっている。が、足から抜き取ろうとしてもアラームが鳴るからな」

 

千冬の忠告にうっ!と肩を跳ね上げる鈴とボーデヴィッヒと箒。

 

そして全ての場所を案内し終えた千冬達は校舎前へと移動した。

 

「では以上で案内は終わりだ。何か質問は?」

 

「はい」

 

「なんだオルコット」

 

「その、食堂で話されておりました救済措置とは何ですか?」

 

「救済措置とは言葉の通り、お前達がもうどうにもできないと言った場合の為の物だ」

 

そう言いながら千冬は教師部隊の一人に合図を送ると、その教員は校舎から一つのフリップを持ってきた。

其処には

『救済物品』

と書かれており、そこには様々な物の名が書かれておりその隣には何かの数字が書かれていた。

救済物品には野菜の盛り合わせセットや海鮮セット、肉セットなど食材関連。更にはゲームや音楽再生機、更にはDVDなどと言った娯楽用品から寝具を布団からベッドに変更するなどと言った物が書かれていた。

 

「これが救済措置の内容だ」

 

「……あの、織斑教官。この数字は何ですか?」

 

ボーデヴィッヒは隣に書かれていた数字が気になり聞く。

 

「これか? これは救済措置を利用する場合の値段だ」

 

「ゆ、有料なんですね」

 

「当たり前だ。それとこの救済措置を利用する為には専用のポイントでなければならない」

 

そう言われ、えっ!?と驚いた表情を浮かべる5人。

するとオルコットが口を開く。

 

「そのポイントって、どうやって貯めるんですか?」

 

「ポイントはお前達の勉強に対する態度や素業によって支払われる額は代わる。態度が悪ければポイントは殆んどない。逆にしっかりと真面目にしていればポイントは高く支払われる。それとは別に学園が用意した内職をするかだ」

 

「な、なるほど」

 

そうしていると一人の教師部隊の教員がスマホに掛かって来た電話に出る。暫し会話をした後、電話を切り千冬の傍に行き耳打ちで何かを話す。

 

「そうか、わかった」

 

そう言うと教員は離れて再び5人の監視に着く。

 

「喜べ、お前達の再テストの結果だが、ギリギリ赤点は回避されていたらしい」

 

千冬の言葉に5人は安堵した表情を浮かべる。

 

「よ、良かったぁ」

 

「本当に一時はどうなるかと思いましたわ」

 

「そうだね」

 

「全くだ」

 

「ふぅ、これで私たちの退学は無いですよね織斑先生」

 

箒がそう聞くと、千冬は

 

「退学? 一体何の話だ?」

 

と呆れた表情で返した。

 

「え? だって赤点回避出来たんですから、退学は無くなるんですよね?」

 

「誰も赤点を取ったら退学なんて言ってないぞ」

 

「そ、そうだったのですね。えっと、それじゃあこの校舎行きは無くなるという事ですか?」

 

「いや、この校舎行きは確定だ」

 

「「「「「えぇぇええぇ!??!!?」」」」」

 

千冬の言葉に5人は声を荒げ千冬に問う。

 

「ど、どういう事ですか!? 何故こんな隔離された校舎にこいつらと一緒に異動させられるんですか!」

 

「こいつらってどういう意味よ!」

 

「ちょっと静かにしてくださいまし!」

 

「そうだよ!」

 

「えぇい教官の前で騒ぐなお前等!」

 

ギャーギャーと騒ぐ5人。千冬はその光景に対し、スゥーと息を吸い、そして

 

「ギャーギャーと喚くな、小娘共ぉ!」

 

そう叫ぶと5人はヒッ!?と小さく悲鳴を上げガタガタと震えながら気を付けの姿勢を取る。因みに教師部隊も千冬の怒鳴り声に悲鳴こそ上げなかったものの、ビクッと肩を跳ね上げた。

 

「貴様等がこの隔離校舎行きなのは確定だ。本当は退学にする予定だったがお前等の政府が頭を下げて退学だけは勘弁してほしいと頼み込んできたために、学園長がお決めになられた事だ」

 

「え? 政府が!」

 

「そ、それじゃあまだ私たちはまだ見捨てられてない「そんな訳ないだろ」へ?」

 

「お前達は代表候補生の地位剥奪、そして専用機の取り上げが決定している。それとこれはそれぞれの政府の決定だが、まずはオルコット」

 

「は、はい」

 

「お前の爵位剥奪、そしてお前の資産から今回の事件の慰謝料支払いが決まった」

 

「そ、そんな…」

 

千冬の言葉にオルコットは膝から崩れ落ちる。

 

「そして次にボーデヴィッヒ」

 

「わ、私ですか?」

 

「お前は階級を中尉から訓練兵に降格、更にお前の部隊も解散が決定した」

 

「なっ!?」

 

ボーデヴィッヒは目を見開き、千冬の言葉を信じられずにいた。

 

「一応言うが、地位剥奪と専用機取り上げはお前達の政府が決定したことだ。それと退学免除を願い出た理由は、お前達が退学になったという情報が国内外に広まり政府の信用が無くなるのを恐れてだ」

 

「そ、それじゃあ僕達、もうあっちの方の校舎には…」

 

「戻れるわけが無いだろ。お前達があっちの校舎に戻ったらまた問題事を引き起こすからな。卒業までこの校舎で過ごしてもらう。退学にならなかっただけでもありがたいと思え」

 

そう言い千冬は説明は以上だ。と言い歩き出す。

 

「ま、待って下さい!」

 

箒はそう叫び千冬を呼び止める。

 

「なんだ、篠ノ之?」

 

「ど、どうして私もこいつらと同じ隔離校舎なんですか!?」

 

「お前も問題事を引き起こし続けていたし、それにお前は束の妹だ。警備の厳重な所に身柄を置いておけば誘拐される心配も無いからな。それが理由だ」

 

「そ、それだけの理由で、ですか?」

 

「それだけと言うが、十分すぎる理由だ」

 

そう言い千冬と教師部隊は今度こそ隔離校舎の敷地から出て行く。敷地から出たと同時に鉄の門がギギギギと音を立てながら閉まった。

残された5人は千冬から告げられた事にショックを受け、暫しその場から動けずにいた。




次回予告
夏休みに突入したIS学園。
一夏は伊田と千冬、そして伊田の弟と集合場所に居た。
其処に料理研究部の部員、そして本音とその姉である虚がやって来た。
そしてそれぞれ用意した車に乗り込んで出発し、目的のキャンプ場に到着するとそれぞれキャンプを始めた。

次回
夏休み編~キャンプpart1~
「肉、肉、肉!」

「本音、野菜も食べなさぁい!」

次回投稿してほしい小説(詳細は活動報告の「次回作一覧」を見てください)

  • ①IS×ウォーシップガンナー2
  • ②IS×メタルギア
  • ③IS×オリジナルストーリー①
  • ④IS×オリジナルストーリー②
  • ⑤IS×クロスアンジュ
  • ⑥IS×タイムクライシス
  • ⑦IS×オリジナルストーリー③
  • ⑧IS×人狼 JIN-ROH
  • ⑨IS×東方project
  • ⑩IS×オリストーリー④
  • ⑪IS×R-type
  • ⑫俺ガイル×IS
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