女性恐怖症の一夏君   作:のんびり日和

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53話

一夏達がキャンプを楽しんでいる中、とある場所ではどんよりとした雰囲気が醸し出されていた。

その場所とはIS学園の片隅にある、問題のある生徒を隔離しておくために建てられた隔離校舎である。

現在其処にはこの小説で数多くの規則違反や問題行動を起こした問題児5人が収容されている。

そんな彼女たちの現在はというと

 

「なによこれ、野菜を作るだけにこんだけやらないとけないの?」

 

「そうだよ。店で並んでいる野菜だってこれだけの工程を踏んで漸くできるんだよ」

 

「うぅ~、貴族である私がなぜこんなことをぉ」

 

「仕方ないだろ、生きていくには必要なことだ」

 

「……」

 

それぞれ『初心者でも簡単にできる畑づくり』と書かれた書籍を読んでいた。

 

隔離校舎に移設後、彼女たちは当初千冬から伝えられた事が信用できずにいた。

きっと何かの間違いだ。政府が私達を見捨てるはずが無い。そう思い何度も学園に政府と話をさせてほしいと願った。

学園はそれは無理だと言ったが、それでも何度も話をさせてくれと懇願してきた。

何度も懇願してくる4人に学園側も流石に苛立ちが募った結果、上層部は学園長と会議しそれぞれの政府役員に彼女達に面と向かって言ってもらうということで決まった。

 

それから2日後、隔離校舎の教室にそれぞれ4人の政府の役員、そして鈴達元代表候補性。そして武装した教師たちが集まった。

そして鈴達は自分たちの政府役員に資格剝奪は嘘ですよね?と聞こうとした。

 

だが、その前に政府役員たちは鈴達を軽蔑するような目で見ながら処分内容に間違いはない。むしろ国家反逆罪にならないだけましだと思え。と伝えさっさと帰っていった。

役員たちの言葉に鈴達はそこで漸く本当に自分達は政府たちから見捨てられたと理解し、後悔の念に包まれるのであった。

ちなみにだが、箒も隔離校舎から出たいと要求していたが学園上層部に束からビデオメッセージが届いた。

その内容だが

 

『愚妹だけど、卒業するまでは隔離校舎から出すなよ? 出そうとしたら束さん、何しでかすかわかんないよぉ?』

 

と脅迫?してきたため学園側も身柄の保護という名目で隔離校舎から出さないことで決定された。

その決定はすぐに箒にも伝えられ、箒はふざけるなと叫びながら暴れ、物に当たり散らかすも無視されるのであった。

 

ちなみに箒が壊したものは借金として加算され、ポイント支払日になっても借金返済に充てられるためポイントの支給はしばらくなしとなった。

 

 

それから5人は仕方なく隔離校舎で過ごしていくために必要な食料を確保すべく畑の作り方などの勉強を始めていたのだった。

無論彼女たちがやらなければいけないことはそれだけではない。

自分たちの寝床になっている宿直室から自分たちの荷物を少しでも減らすべく隣の部屋の倉庫を片付けたりしなければならない。

他にも掃除に洗濯、さらにはその日の食事も自分たちで用意しなければならないため彼女達に休息はほとんどなかった。

 

~お昼時間~

 

午前中を畑に関する勉強に費やした5人は釣竿をもって外へと出てきた。

そして壁の一部が開けられている箇所に赴き釣り糸を垂らす。

暫くして鈴の竿に魚がかかり釣り上げるも、

 

「……またフグ」

 

「リリースだね」

 

「まったく食べられる魚が釣れませんわ」

 

鈴の竿にかかったのはフグだった。

ちなみに知っていると思うがフグにはテトロドトキシンと呼ばれる毒をもっている。

体に入れてしまうと数時間後には手足の痙攣に呼吸困難を引き起こし、最悪死亡してしまうという恐ろしいものである。

しかもその毒はフグのあらゆる部位に含まれており、肝臓だったり、皮膚などにも含まれているのだ。

そのためフグを調理するにはフグ調理師免許が必要なのである。

 

この5人がそんなすごい免許を持っているはずもなく、5人は仕方なくフグをリリースしている。

しかし釣り糸を垂らすも、かかるのはほとんどがフグで、食べられる魚は手で数えられる程度しか釣れなかった。

 

その後5人はわずかに釣れた魚を持って帰り調理する。

ちなみに調理するのは鈴と箒、そしてデュノアの3人が担当することになっている。

その訳はオルコットとボーデヴィッヒは料理ができないからである。

この小説の最初でも登場した通り、オルコットは見た目は良いが、中身がひどい料理を作成してしまう。

そしてボーデヴィッヒだが、普段から食事はレーションや軍用携帯食だけで済ませておりまともな料理をしたことが無い。できたとしてもサバイバル術で身に着けた切って焼くとか煮込むことしか出来ない。

そうなったら残りの3人が調理するしかなかった。

 

暫くして5人分の料理が完成するもほぼ簡素な料理となっており、焼いた魚と少量の野菜と肉のサラダだけだった。

 

「はぁ~、毎回思うけどもっといっぱい食べたいわねぇ」

 

「仕方がありませんわ。肉と野菜は一週間ごとに配給ですもの。初日で食いつぶしては残りの日が本当に質素になりますわよ」

 

「うぅ~」

 

唸りながらも鈴は我慢して食事を続ける。

 

そして午後は学校から出された課題を片付ける。

出されたものは一般常識から道徳などだった。

無論夏休みの宿題も出されており、夏休みが終わるまでに宿題を終えておかなければ配給されるポイントにも大きく響くのだ。

数時間勉強後は昼に釣った残りの魚を使って夕食を作成。

夕食後はシャワー室を交代で使用して、その後宿直室に行き床に就く。

 

 

 

「―――はぁ、今日も無事に終わりそうね」

 

そう零すのはIS学園の警備室にいた教師部隊の一人だった。するとその背後の扉から同じく教師部隊所属の教師が入ってきた。

 

「お疲れぇ。今日はどうだった?」

 

「いつもと変わらずよ。いがみ合いながらも協力して生活してたわ」

 

彼女達の目の前にあるのは5人が眠る宿直室の映像だった。他にも隔離校舎の教室から廊下、さらには外の様子などあらゆる個所の監視映像が流れていた。

そう、IS学園は5人を隔離校舎に放り込んだだけではなく、監視カメラで監視も行っていたのだ。無論トイレやシャワー室にはカメラは仕掛けられていないが、集音マイクは仕掛けられていた。

当初は仕掛ける必要はあるのか?と疑問視されたが、これまで数多くの問題事を引き起こした連中の為隔離校舎に入れてもまた問題を引き起こす恐れがある。と千冬から力説され、また問題事を引き起こされると堪ったもんじゃないと感じた学園上層部は了承し仕掛けられた。

 

「そう。このまま何事も起こさずに卒業してくれたらいいんだけど」

 

「それが一番いいけど、織斑先生から見せられたレポートを見たでしょ? 何をしでかすかわからない子たちなんだからどっかでまた問題を起こすかもしれないわよ」

 

「そうなったら今度こそ彼女達は終わりね」

 

そういいながら最初に警備していた教師は固まった筋肉をほぐしながら座っていた椅子から立ち上がる。

 

「それじゃあ私はあがるわね」

 

「えぇ。あとは任せて」

 

そういい最初の教師に労いの言葉をかけながら、あとから来た教師は席に着く。




これにて今年最後の投稿を終えます。それでは皆様、次の2023年でお会いしましょう!

次回予告
キャンプ3日目の一夏達。
楽しい思い出が出来たことに笑顔を浮かべあっていた。

次回
キャンプ3日目
「連絡先交換しませんか?」

「は、はい、喜んで!」

次回投稿してほしい小説(詳細は活動報告の「次回作一覧」を見てください)

  • ①IS×ウォーシップガンナー2
  • ②IS×メタルギア
  • ③IS×オリジナルストーリー①
  • ④IS×オリジナルストーリー②
  • ⑤IS×クロスアンジュ
  • ⑥IS×タイムクライシス
  • ⑦IS×オリジナルストーリー③
  • ⑧IS×人狼 JIN-ROH
  • ⑨IS×東方project
  • ⑩IS×オリストーリー④
  • ⑪IS×R-type
  • ⑫俺ガイル×IS
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