女性恐怖症の一夏君   作:のんびり日和

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55話

キャンプから数日が経ったある日の事、一夏は家で夏休みの宿題をしていた。すると家のチャイムが鳴り、メサが確認しに向かう。

 

【おや、こんにちは伊田様。何か御用でしょうか? (。´・ω・)?】

 

「こんにちはメサ。一夏君って今いるかな?」

 

【はい、居られます。どうぞお上がりください】

 

そうプラカードを見せられ、伊田はお邪魔しますと言い中へと上がる。そしてリビングに通され椅子に座っていると2階から降りてくる音が鳴り響きリビングと廊下を繋ぐ扉が開く。

 

「あ、伊田さんこんにちは」

 

「こんにちは一夏君。ごめんね突然お邪魔しちゃって」

 

「いえ、大丈夫ですよ。それで何か御用ですか?」

 

「うん、これを一夏君にあげようと思ってね」

 

そう言い伊田はポケットから一枚の封筒を取り出し一夏に差し出す。一夏は首を傾げなら封筒の中身を取り出す。

出てきたのは

 

「あ、これって…」

 

「そう、○○市にある動物園のチケットだよ」

 

伊田の言葉に一夏は目を輝かせる。

伊田が口にした○○市の動物園。そこは長い歴史がある動物園で、地元民からも愛されている動物園だった。その動物園の売りは、触れ合える動物が近隣にある動物園以上に種類が豊富というところだ。

無論一夏の好きなモフモフの動物も多数飼育されていた。

 

「近所のおじいちゃんが懸賞か何かで当たったらしくてね。行こうにも足腰が悪いし、孫達にあげようとしたけど動物園よりも遊園地が良いって言われたらしくてね。このままだと勿体無いから俺にくれたんだ。けど、指定されている日にちが俺も忙しいから余裕ないからね。だから一夏君に譲ってあげる」

 

「ありがとうございます! あれ、これって3人1組のチケットですか?」

 

一夏がもらったチケットに書かれていた諸注意のところに書かれていたところを伊田に見せる。其処には

 

『注意:3人一組で使用できるチケットです』

 

と書かれていた。

 

「みたいだね。一夏君とあと2人どうする?」

 

「じゃあお姉ちゃんとメサさんに「それは無理だ一夏」あ、お姉ちゃん」

 

一夏が千冬とメサを誘うと言おうとしたが千冬が廊下から入ってきて開口一番に無理と告げる。

 

「実はその日は私も忙しくてな」

 

【申し訳ございません坊ちゃま。この近辺なら私の事は認知していただけておりますが、あまり知られてない場所ですと、ちょっとした騒動が起きてしまってゆっくりと見て回れない恐れがあるので今回はご一緒できません。(ノД`)・゜・。】

 

「そ、そうですか」

 

2人から断られてしまいシュンとなる一夏。すると千冬が口を開く。

 

「だったら一夏、本音とそうだな、アイラの3人で行くのはどうだ?」

 

「本音さんとアイラの2人と?」

 

一夏がそう零すと一夏の腕輪が光を放って、一夏の傍にアイラが現れる。

 

「ちょっと。私は別にISの中でも見られるから良いわよ。束はどうしたのよ? 彼女だって喜んで行くはずよ」

 

「束だったら『残念ながら束さんも無理なんだよねぇ。データ整理サボってたからもう山ほどたまってるんだよねぇ』だそうだ」

 

千冬が言おうとする前に突如ディスプレイ越しの束が現れ、そう説明する。

 

「アンタだったらそんなの1,2日で終わるんじゃないの?」

 

『無茶言わないでよぉ。束さんだって人間だよぉ? 無理したら束さんだってバタンキューしちゃうもん』

 

「はぁ? そんな訳『それに折角ISから出られるようになったんでしょ? だったらいろんな所に行って体験してくれば?』…わかったわよ。行くわ」

 

束の言葉にうっと何とも言えない表情を浮かべ、視線を明後日の方に向けながら了承の言葉を口にする。

そして本音はというと、一夏がクラス代表になってから相談とかしたい場合連絡が取れるようにと連絡先を交換し合っていたため、メッセージアプリを使って聞くと

 

『行きたぁい!(*^▽^*)』

 

と送り返してきたため、日時と集合場所を伝えた。

 

そして動物園に行く当日。一夏とアイラは玄関でメサからお弁当を受け取っていた。

 

【それではお気をつけて行って来てください。ハンカチ、ティッシュ、タオル等はお忘れないですか?(´・ω・)】

 

「うん、大丈夫です」

 

「一応私も確認しておいたから大丈夫よ」

 

【そうですか。行ってらっしゃいませ(*'▽')】

 

「行ってきます」

 

「行ってくるわ」

 

そう言い一夏とアイラは家を出た。見送るメサ。その背後の階段からスタスタとその日は忙しいと言っていた千冬が降りてきた。

 

「行ったか?」

 

【はい、無事に行かれました(゜_゜>)】

 

「そうか」

 

そう言いながらメサと共にリビングへと向かう千冬。そう、今回動物園に行く計画は千冬、束2人が立案し、一夏の主治医である伊田が最近の一夏の容態などから許可されてできたものだった。

 

「1学期ではあいつは色々と巻き込まれたりと大変だったからな。ここいらでリフレッシュさせてやらんとまたひどいことになってしまうといけん」

 

【はい。ところで例の5人、本当に脱走とか大丈夫なのですか?】

 

「そいつは問題ない。奴らが放り込まれている隔離校舎にはいたるところに監視カメラ等が仕掛けられている。それに奴らにはGPS付きの足枷をつけられているからな。それよりも例のあれは?」

 

【こちらに】

 

メサは千冬に問われた例の物とやらを棚に設けられている隠し棚から取り出し、千冬の前に出す。

千冬の前に置かれたものはアタッシュケースで千冬はロックを解除してケースを開ける。

 

「ほぉ、これは…」

 

そう声を漏らす千冬。中に入っていたのは千冬がレゾナンスのカメラ屋で購入した一眼レフカメラだった。

 

【千冬様から依頼されておりました画素数の向上、連写速度向上など他のカメラではないほど最高性能に向上させております】

 

「バッテリーは?」

 

【容量2500mAhの充電式リチウムイオン電池と登録済みの予備の2500mAhのリチウムイオン電池を2つ】

 

「メモリーは?」

 

【1TBのメモリーカードを挿入済みです。更に予備用に3枚ほどご用意いたしました】

 

「取り付けられているレンズの構成は? 11群13枚入りか? 12群16枚入りか?」

 

【12群16枚入りの高性能レンズでございます】

 

「ふふふ、パーフェクトだメサ」

 

【感謝の極み】

 

某吸血鬼アニメのようなコントをする二人。すると

 

「ちーちゃんお待たせぇ!」

 

と束が首からカメラをぶら下げてやってきた。その隣にはクロエもおり、小さくお辞儀をする。

 

 

「来たか。それじゃあメサ、私たちも行ってくる」

 

【はい、行ってらっしゃいませ】

 

そう告げると千冬と束はあらかじめ用意しておいた変装用の服装に着替え、かつらを被り、別人になると一夏達の後を追いかけていった。

一人家に残ったメサは見送った後、リビングに戻った後ガックシと膝をついて崩れ落ちていた。

 

【わ、私も坊ちゃまと動物園に行きたかった…。今この時ほど私のボディが恨めしいと思ったことはない(T_T)】

 

【はっ(゚д゚)! そうだ、私もフモッフ殿達のようにモフモフの何かになればいいんだ! ならば早速私が着れる着ぐるみを探さなければ!Σ≡≡≡((っ`・Å・)っ ドピューン】

 

しかし、着ぐるみを見つけたはいいものの、メサが着た所、角ばったボディーの為着ぐるみを着ても可愛げはなくむしろ角ばった謎の生物になっていることに気付き、再び膝をつくことになるのは別のお話。

 

 

その頃一夏達はバスなどを乗り継ぎ目的地である動物園へと来ていた。

 

「わぁ~、着いたぁ!」

 

「へぇ、此処が動物園なのね」

 

「僕も久しぶりに来るから楽しみだなぁ」

 

そう話しながら3人は動物園の受付に行きチケットを差し出す。

 

「はい、3人1組チケットですね。こちら当園のMAPです」

 

そう言い受付のスタッフはアイラにマップを差し出す。

 

「どうも」

 

そう言い受け取ると一夏と本音に手渡して3人は中へと入る。

園内に入り3人はまず大型動物がいるエリアに向かう。

キリンや像など大きな動物に3人は楽しそうに見て回って行きました。

そして3人が次についたのは

 

「わぁ~°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°」

 

「一夏の奴、キラキラしてるわね」

 

「だねぇ」

 

そう、3人が到着したエリアそれは

 

「モフモフ、エリア!」

 

そう一夏が大好きなモフモフとした動物が多くおり、触れ合うことができるエリアであった。

 

「は、はやく! 早く行こ!」

 

一夏は目をキラキラさせながら2人にせっつく。

 

「本当モフモフ動物の事になると忙しくなるわね」

 

「そうなんだぁ」

 

「えぇ。はぁ、行きましょ」

 

アイラがそう言い本音はほぉ~い。と言いながらその後に続き一夏と共にモフモフエリアへと入っていく。

その後姿を変装した千冬と束が見ていた。

 

「うむ、ついに一夏達はモフモフエリアに入ったか」

 

「だね。このエリアに来るまでにいっぱいいっくんたちの写真撮ったけど、ここからが本番だね」

 

そう言い千冬と束は気合を入れるべくカメラに入っていたメモリーを外し新しいメモリー(1TB)を入れ、更に新しいバッテリーに入れ替えた。

 

「よし、行くぞ」

 

「あらほらさっさー!」

 

「私は端の方で動物と触れ合ってますね」

 

そう言い一夏達の後を追う3人

 

 

先にモフモフエリアに入っていた3人はというと

 

「もふもふぅ(*'ω'*)」

 

と、一夏はモフモフとしたジャイアントラビットを撫でていた。撫でられていたウサギも満足そうに眼を閉じ、耳をペタンとしながら受けていた。

 

「意外と柔らかい毛並みね」

 

アイラはそう零しながら初めて触れる動物に関心を寄せていた。

 

「へへへ、此処がいいのぉ?」

 

そう言いながら本音は近寄ってきた子犬の顎あたりをカイカイとかいてあげていた。子犬はにっこりと笑っているような表情を浮かべながらじっと受けていた。

すると一夏のもとに他のモフモフとした動物がぞろぞろと近寄ってきた。

 

「わ、わぁ~。いっぱい近寄ってきたぁ」

 

「アンタ人気者ね」

 

「わぁ、モルモットに猫、ヤギにチンチラ、ミーアキャットとかいっぱい来てるね」

 

それなりにモフモフとした動物たちは一夏の下に集まってきて、自分も構えと言わんばかりにツンツンと口先や手などでアピールをしてきた。

一夏が動物たちに囲まれている光景に遠くにいた千冬と束はというと

 

((シャッターチャンスだぁ!!!!!!))

 

と内心狂乱しながらカメラで撮りまくっていた。

 

それからしばらくして

 

『まもなく閉園のお時間となります。本日のご来園誠にありがとうございました』

 

そう案内放送が流れ一夏達はお土産屋で購入した動物の耳のついた帽子を被りながら入ってきた門へと出てきた。

 

「今日は楽しかったね」

 

「うん! イッチー、アイちゃん今日は誘ってくれてありがとうねぇ」

 

「別に良いわよ。さて帰りましょうか」

 

そう言い3人は家路へと着くのであった。

 

因みに一夏達が家路についたのを確認した千冬たちはというと

 

「うむ、今日は良い写真がたくさん撮れたな」

 

「だね。ぐふぇふぇふぇ、これでまたいっくんの可愛い写真アルバムがまた出来たぜ」

 

「だな。それじゃあ帰るぞ」

 

そう言い千冬たちも家路についた。

 

 

 

 

 

 

それから数日後、布仏家に一つの小包が届いた。

 

「虚、あなた宛ての荷物が来てるわよぉ!」

 

玄関から母親が大声でそう呼ばれ虚は母親のもとに向かう。

 

「私宛の荷物?」

 

「えぇ。送り主は織斑千冬って書いてるわよ」

 

「えっ? 織斑先生から?」

 

思わぬ相手からの荷物に虚は驚いた表情を浮かべつつ荷物を受け取り封を開ける。

中には手紙と

 

「これは、アルバムでしょうか?」

 

一冊のアルバムが入れられていた。虚はまずは手紙から読もうと封を開け、中の手紙を読み始める。

 

『虚へ

以前来てもらったキャンプの時の写真、それと一夏達と本音が動物園に行った時の写真をアルバムに入れて送らせてもらった。記念にしてくれ

千冬より』

 

「なるほど。それじゃあ後で本音にも写真を渡さないといけません」

 

そう言いながら手紙を置き、アルバムを開く。

アルバムにはキャンプを楽しんでいた時の写真が幾つも挿まれており、更に先日一夏と本音、そしてアイラが行った動物園の様子を撮った写真も幾つも挿まれていた。

 

「色々撮っておいてくださるんでっ!?」

 

色々写真を撮っていてくれたことに嬉しく思っていたところ、虚と真司との2人が写った写真も貼られていた。

 

「うぇぇ、い、いつの間に撮っていたんですか、織斑先生」

 

そう零し顔を真っ赤にする虚。

 

「あら、どうしたのそんな顔を真っ赤にさせて?」

 

「お、おおおおおお母さん!? な、何でもない!」

 

そう言いアルバムを隠そうとする虚。が、アルバムに何かあると読んだ母親は手早く虚からアルバムをかっさらうい、アルバムを開く。

 

「あら、これってこの前に貴女と本音が行ったキャンプの時の写真ね。それに本音がお友達と行った動物園の写真もあるのね」

 

そう言いながら写真を見ていく母親。そして虚が赤くなった訳を発見し、あらあらと笑顔を浮かべる。

 

「もしかしてここ最近スマホを見ながら料理の練習をしてるみたいだけど、この人のおかげなのかしら?」

 

「そ、それは、その、あの…」

 

「あらあら、虚にもついに春が来たのかしらねぇ」

 

と笑顔で言いながら再度アルバムをみる母親。そして

 

「あらあら、この動物園に行った友達って男の子なの?」

 

「え? あぁ、織斑君ですね」

 

「織斑君? もしかして世界初のあの子?」

 

「はい。学園で本音と仲良くしているようで、学園でもよく一緒にいるようです」

 

「あらそうなの。もしかしてこの子から『虚お姉ちゃん』って呼ばれてるの?」

 

「そ、そんな訳ないじゃない! そんな恐れ多いこと…」

 

顔を真っ赤にさせながら虚は大きく否定し、これ以上母親にいじられるのを阻止するべくアルバムを奪い取り部屋に駆け込む。

部屋に逃げ込んだ虚はアルバムを机の上に置き、大きく息を吐く。

 

「まったくお母さんは…」

 

そう零しながら虚はふと母親の言葉を思い出す。

 

(うちは妹からお姉ちゃんと呼ばれているため、もう慣れていますが男の子からお姉ちゃんと呼ばれたらどうなんでしょう?)

 

そう思った瞬間、頭の中で一夏の照れた表情が現れ

 

『虚お姉ちゃん』

 

と呼ばれる。

 

「っ~~~~~!!???!!?!?」

 

今まで感じたことないほどの全身が熱くなるのを感じそれを忘れるべく顔を勢いよく振るう虚。

その後姿を

 

「お姉ちゃんどうしたんだろ?」 

 

扉の裏から覗き見ていた本音は首をかしげていた。




次回予告
長い夏休みも終わり2学期が始まった。
イベントの多い2学期の多くの生徒が楽しみにしており、1組の生徒達も大いににぎわっていた。
が、この2学期色々とトラブルに見舞われることになろうとは誰も思わなかった。

次回
2学期はっじまるよぉ~!

次回投稿してほしい小説(詳細は活動報告の「次回作一覧」を見てください)

  • ①IS×ウォーシップガンナー2
  • ②IS×メタルギア
  • ③IS×オリジナルストーリー①
  • ④IS×オリジナルストーリー②
  • ⑤IS×クロスアンジュ
  • ⑥IS×タイムクライシス
  • ⑦IS×オリジナルストーリー③
  • ⑧IS×人狼 JIN-ROH
  • ⑨IS×東方project
  • ⑩IS×オリストーリー④
  • ⑪IS×R-type
  • ⑫俺ガイル×IS
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