それでも武道家はヒーローになりたい。   作:ラッコ21号

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どうもラッコ21号です!

感想もらえたのが嬉しくて急いで書いてしまいましたw

それではどうぞ!


会場に向かう道中

 

 

物心ついた頃にはすでに武道は身近にあるものだった。何故なら親父はいわゆる師範というものをしていて、家に武道場があり武道教室やらクラブなんかをしていたからだ。それもほぼ毎日違うものを順番にしていた。何でそんなに教室を開くのかを幼いながら疑問に思い親父に聞いてみると

 

「だってそっちの方が、がっぽりだろ!」

 

キラーンっといい笑顔でそんなゲスな発言をした事を今でも覚えている。ま、そんなわけで俺が武道を手を出し始めるのは必然的な事で3歳くらいにはすでに始めていた。始めてみてわかった事だが意外にも親父は練習の最中は真剣に指導するという事だ。特に肉親の俺に対しては他の人達よりも厳しく指導してきた。そのおかげと言うべきか何というか、5歳になる頃には地区大会では負けなしぐらいの腕前にはなった。だが負けた相手が口を揃えて言うのは「個性が使えれば」というものだ。5歳にもなるとほとんどの子どもは個性を得ていたし、大会などでは個性の使用が認められていないのでそう思うのもわかる。実際普通の喧嘩なんかじゃあ個性を使うのが当たり前になってたからな。まぁそんな感じでいくら大会で勝とうが下に見られ続け早11年今に至るわけだ。

 

そう考えると俺はパチッと目を覚ました。

「・・・俺は夢の中で何してるんだ?はぁ〜緊張してんのかな〜。」

解説のような事をしながら昔の映像が流れるよく分からない夢から覚め、俺は朝の支度をし始めた。

「まぁそれは置いておいてっと。今日は試験だからちゃんとしたもの食うか。」

そう思うとキッチンに向かい料理を始めた。

「さてさて今日は何を作るかな〜」

冷蔵庫を開けると卵と玉ネギと鶏肉があった。

「うーん、親子丼でいいか。」

そう思うとその3つを取り出し調理を始めた。ジューっとフライパンから肉が焼ける音がする。

「・・・何だかいつもと変わらない朝だな〜今日は試験当日だってのに。もしや俺は緊張感がないアホなのか?」

確かに大会なんかじゃあ緊張という緊張はしなかったが、流石に人生を左右する今日に緊張しないのは何だかやばい気がした。

「よし緊張しよう。緊張緊張・・・どうすればいいんだ?」

学校の通信表に「緊張感が足りない」なんて書かれていたがまさかここまでとは。

「ま、ヒーローとしてはいいのかもな。さてと丼を用意してっと。」

そう結論を出すと意識を料理に戻し親子丼を完成させ書き込んだ。出汁のきいた半熟卵が米と絡んで絶品だった。

その後歯磨きや支度を済ませていよいよ出発する時が来た。

「さて行くか!・・・っとその前に。」

チーン。親父の仏壇に線香を供えた。

「・・・それじゃあ行ってくる親父。」

じゃあ行くか。俺の夢を掴む為に!

そう思うとガチャっとドアを開けた。

———————————————————

家を出ると駅まで走り、雄英まで電車で揺られていた。いつもこの時間はそんなに混んでないはずなのだが今日はぎゅうぎゅうと言っていいほど満員だ。そのほとんどが同級生ぐらいの見た目なので多分受験生だろう。ほんと倍率300倍は会場に行くだけでも大変だな。それにみんな殺気だってるから怖いったらありゃしない。

そんな事を思いながらゆらゆら揺られていると「きゃ!」という声が聞こえてきた。

何だ?そう思いあたりを見回すと角の方に女子の服が浮かんでいた。・・・何で?そう思いながらよく見ると手袋も浮かんでおりもぞもぞ動いていた。

「・・・もしかして個性か?」

俺の周りにはいなかったが所謂透明人間のような個性を持つ人がいるのは知っている。いつもなら周りもそんな人がいるか気にかけているんだろうが、今は殺気立ちすぎて周りが見えておらずその女の子?を押しつぶしてしまっているようだ。

「・・・はぁ〜仕方ないか。はいはいごめんよ。」

そう言うと俺は人の波を掻き分けその子のいるところまで向かった。その途中に「おい」だの「チッ!」とか聞こえたが気にしたら負けだと思うので無視しておく。そして辿り着くと人とその子との隙間に入った。

「わっ!」

「あーごめんごめん。困ってるように見えたから来たけど迷惑だった?」

「え、あの、う、うんうんそんな事ないよ。いや無いですよ?」

「多分同級生だよ。雄英の受験生でしょ?」

「えっ!君もそうなの!」

そう言うとその子は手袋を縦に小さく動かした。

「そ、そうそう。あ、俺は武藤舞也。君は?」

「私は葉隠透だよ!よろしくね舞也くん!」

顔が見え無いのだが何故かニコッと擬音が聞こえてくるようだ。・・・ふむ、この子の性格のおかげで普通に話せているが、実は心臓バクバクである!だって!俺女の子と話すの久しぶりだし!幼馴染なんかいなかったし!まさか入試よりも女の子と話す方が緊張するとは・・・

「?どうしたの?まさか!どこか体調悪いの!?」

どうやら反応しなかったので心配してくれたようだ。

「あーごめんごめん。大丈夫大丈夫葉隠さん。あっ、そろそろ着くみたいだぞ。」

「え、あっ本当だ!えへへさっきまで大変だったから気がつかなかったよ!でもありがとうね舞也くん!おかげで助かったよ!」

「・・・助かったなら助けた甲斐があるよ。」

緊張もしたがそれ以上に喜んでくれてるようで何よりだ。

そう思っていると駅に着き人が水のように流れていった。

「わ、わ、わ、」

「おっと。」

人が動き出すと俺も葉隠さんも流されそうになったのでとっさに抱き寄せた。

「・・・嫌かも知らなけどちょっと我慢してて。」

「えへへ、ありがとう舞也くん!」

うっ、その笑顔?は反則だろ。そう思いながらしばらくすると人ができり落ち着いたので葉隠さんと一緒に電車を降りて試験のことなどについて話しながら緊張して歩いていると雄英の前に着いた。

「い、いよいよだね舞也くん!」

「・・・あぁそうだな。」

さっきまでの緊張は吹き飛び、気持ちが高ぶってきた。ここが雄英、俺の夢を追いかける場所・・・

「舞也くんもヒーロー目指してるんだよね?」

「・・・まぁ、な」

そうヒーローにはなりたい。なりたいが・・・

「じゃあ一緒に合格できるといいね!」

「あぁ俺も葉隠さんが合格できると嬉しいよ。」

危ない危ない、暗い気持ちになるところだった。葉隠さんには感謝だな。

「じゃあ行こうか!」

俺はそう言われると頷いて試験会場に向かった。

「うわぁー!」

その途中で緑髪の人が転んでゆるい雰囲気の女の子に助けられてのを見て、少し微笑ましい気持ちになった。いや、有り難いことだね。

 

 




次回はついに試験だぁー!
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