安心しきったら、どろっと疲れが出てきた。
ここまで気を張ってたのが緩んで、心がふわふわしてる。とっても眠い。
「ちょっと眠っても良い?」
「仕事は終わっている。甘えても良いと言ったが」
ぶっきらぼうな言葉なのに、背中を優しく叩いてくれてる。
リズムが良い。暖かな刺激が眠気を誘って、とろとろと意識を融かしてくれる。
提督に包まれてる。とても心地が良い。
「ん。ありがと」
静かに目を瞑る。もう闇は怖くない。暖かく全てを受けいれてもらってるんだ。
このまま寝てしまおう。時間をくれた提督へ眠りの挨拶を。
「おやすみなさい」「おやすみ」
意識が緩やかにとけて、眠りに落ちていった。
……意識が波打ってる。たゆたう感覚。海の上で寝転がった時と似てる。ふわふわしてて。重みを預けてるんだ。
軽い。疲れが全部出てるみたい。
ぼ~っと波打つ感覚を楽しんでると。
毛布に包まれていく。誰だろう? 白露かな。いつもありがとう。
言葉が出たか分からないけど。何故かすごく眠たい。
薄らと目を開けたら、提督がじ~っと僕を見てた。
――何で!? い、いや。そうだった。僕はソファで寝たんだ。
気を利かせて寝かせてくれたのだろう。自室のベッドに運ばなかったのは、まあ当然だよね。響とかに見られたら、とっても悪い事になるだろうし。
いや。どうだろう。僕的にはそんなつもりはない。
でも彼女は傷つくのかな。分からないや。
というか、起きるに起きられない。なんでじっと見てるんだろう。
「おおっ」提督の声。
っ!? ほ、ほっぺをつつかれてる。なんで!?
いやいや。意味が分からないよ。ちょっと楽しいけど、どうしてつつくの?
起こそうとしてるのかな。それなら普通にゆさぶったり。方法は色々とあるよね。
お次は両頬をひっぱってきた。痛くないように加減してるけど、困る。
どう反応すれば良いんだろう。適当に夕立を示して、起きてないアピールをしたけども。
「寝てて良いぞ」
あ、うん。寝ててほしいんだ。なるほど。意味が分からないね。
でも遊んでるみたいで楽しい。ふふふ。安心だね。…まだまだ眠いし。このまま寝ちゃおうかな。
いや。もしかして。
彼はスケベな気持ちになってる!? し、白露が言ってた。
提督は少しえっちな所があるって。ここまでのやり取りでないと思うけど。
む、胸とか触られたり。そんなのやだ! 恩はあるけど、提督のそういうのは受け止められないよ。
響に悪いし、素直な気持ちとして異性の感情はない。多分。
それは好きな人とする事だよ。駄目だよ。絶対に駄目。
掌が頭を撫でる。愛おしそうに撫でてる。
……すごく恥ずかしい。馬鹿な勘違いをしてた。良かった。
提督も、僕を妹みたく愛してくれてるんだ。ふふふ。本当に良かった。
もう少しだけ寝ていようかな。きっと、優しく起こしてくれるから。