「それはそれとして、そこまで言ってくれた村雨にはどうしてもらおうか」
両手をわきわきと卑猥に動かして、彼女の羞恥を煽りまくる。めっちゃ煽る。
ねえどんな気持ち!? どんな気持ち!? ちゅーとか言って俺を挑発して、羞恥にかられる今はどんな気持ち!?
最高にうざい煽りを脳内に留めつつ、彼女の反応を見た。
「す、スケベなのは駄目なんだから!」
顔が真っ赤。声が震えている。涙目だ。ぷるぷると体も震えている。
ごちそうさまです!! もうその反応がスケベなんだよなあ。
「くくく」
思わず笑みが零れてしまった。照れやらなにやら怒りに変換されて、拗ねた様にくちびるを尖らせている。ちゅーしたい。ふふふ。相手が乗れば逃げるのに、俺も我儘な野郎であった。でもしょうがないね。可愛いから。
「もうっ! やっぱり悪い感じ。提督の変態!」
そっぽを向いて怒っている。少し怒らせすぎたかもしれない。
ちょっと無言で待ってみれば。
「「……」」
村雨も無言のまま。そうしつつ、ちらちらと俺の様子を窺っている。
謝罪を待っているんだ。そうしないと許せないから。心情とかじゃなくて。やりとりとして楽しみ合いながら、じゃれ合っている。
ああ。良いね。出会い頭の緊張はもう感じない。打ち解けてきた。
もっと粘ってみよう。無言で彼女を眺めている。
徐々に村雨の額が汗をかいていく。暑くはない。無言の威圧に耐えきれていない。
「…う、ううっ。あ、謝るなら今の内だよ」
震える声で譲歩してくれた。ちょう可愛い。本当に可愛い子だ。
「この機を逃せばどうなる?」
意地悪に問いかける俺はゲス野郎である。思っていたように、彼女は涙目を深めて言葉を続ける。
「嫌いになっちゃうから。私、もう提督を嫌いになっちゃうからね」
「それは困った。この通りだ。許しておくれ」
手を合わせて謝罪した。満足したように微笑んでくれた。むふ~とでも言いたげな顔。くくく。またからかいたくなるだろう。
ああ愛おしい。村雨はからかわれ上手でもあるのか。萌える。
「本当に反省してる?」
今度は彼女がいじわるに笑う。俺をいじめようと心をうきうき。
ここで俺がガチで泣いたら、かなり良い姿が見られる気もする。愉悦な気がする。
でも傷つけたくはないんだよなあ。加減が難しいぜ。
「すまなかった。申し訳ない。金輪際、君に舐めた事は言わない。敬意を払おう」
額に土触れる位深く頭を下げた。ほぼほぼ土下座であった。
「それも駄目! また意地悪を言ってるでしょ!!」
大慌ての反応。からかい甲斐のある子だ。楽しいね。
「ふふふ」
「う~!」
ああだめ。これ以上からかうと本気で泣きかねない。
さすがにソレは駄目だろう。泣き顔も可愛らしいだろうけど、からかい過ぎて泣かすとか。人としてどうだ。俺は変態だが、超えてはならない一線を知っているぞ。
「この通りだ。からかいすぎたよ。ごめんな」
真っ直ぐに彼女の潤んだ目を見つめて、真剣に謝った。
「…良いよ。許すから、変に気遣ったりしたら嫌いになるからね」
機嫌を直し笑ってくれた。やり取りが心地良い。堪らなく愛おしい。
「了解した」