いちゃいちゃ大好き提督日常   作:ぶちぶち

140 / 322
謙遜からの大頑張りです

「結局、提督はどうしてほしいの?」

 なんだかちょっとだけ偉そうな言葉。提督がからかってくるから、不安な感じ。

 むう。信じてないわけじゃないけどね。ふわふわしてる。

 

「子守歌を聴かせておくれ」

 意外な提案は、眩しそうに空を見上げながら続く。

「こんなにも天気が良いから、ゆっくり眠りたいんだ」

 よくよく見てみると、疲れきってるように見えた。

 

 そうだよね。これまで激務だったんだ。そもそもここに来る前だって、かなりの激務だったはず。後遺症とかないのが不思議な位。

 いや、私達には見せてないだけで、響とかは知ってるのかな。

 

 う~ん。嫉妬…とまではならなくても。うん。もっと信頼されたい。

『いっちば~ん!』

 なあんて笑いもしないけどね。ふふふ。頼りがいのある姉の姿が思い浮かぶ。

 

 よっし。それならもうちょっと勇気を出して、からかうように彼へ問いかける。

「膝枕もつける? 提督は甘えん坊だもんね」

 意識的にからかう笑みを見せてみれば。

「したいのか?」

 

 堂々と真っ直ぐに見つめ返された。格好良い顔立ち。

「…しないもん!」

 ずるいよね。そうやって微笑んでると、こっちまで嬉しくなっちゃう。

 

 怒りがないとは言わないけどね! あんまりからかってると、こっちからも容赦しないんだから。覚えてるから。

「くくく」

 でも、楽しそうに笑ってる姿は好き。ふふ。

 

「また笑った! お願いしてるのそっちなのに、もう」

「すまんすまん」

 尚も楽しそうに笑ってる。うん。良かった。こうやってふざけあってるのは、良い感じかな。

 

「…正直、プロ並とかじゃ全然ないけど」

 素直な話。趣味のレベルは超えてない。提督と違って、私は極めたりとかはしてない。遠征や訓練、演習とかで忙しかったからね。

 

 そう考えるとさ。アレだけのお菓子を作れる提督は、すごいよね。日常を大切にしつつも、ちゃんと仕事も疎かにしてない。

 からかってる時の微笑みと見てると忘れちゃう。ふふ。それもすごさかな。

 

「俺が聞きたいんだ。君の声で聞きたいんだ」

 どこか敬意すら乗った言葉。今度はからかいとかじゃなくて、真っ直ぐに私を見て言葉を伝えてくる。

 暖かい。今までのやり取りとは、少し種類の違う熱が灯ってる。

 

 認められてる。求められてる。真っ直ぐに誤魔化しなんてない。

 提督が横になった。結局、膝枕はなかった。ふふ。少し残念な感じ。

「草原に寝転がって日向ぼっこをするのも、悪くはない。そこに村雨の歌声があるなら尚更だ」

 

 とっても眠そうな顔を見下ろす。気が緩んでいる証拠だ。嬉しい。

「そんなので良いの?」

「そんなのが良いんだ。君の愛した日常を俺にも楽しませてくれ」

 

 自然な言葉。よし。いっぱいやる気が出てきた感じ!!

「ふふふ。なら村雨のちょっと良い歌声聞かせてあげる!」

「よろしくお願いする」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。