提督用の椅子に座って、本日の業務が開始されるのだが。
「何をすればよろしいでしょうか?」
「大まかな仕事はすませてある。前日提出された報告書を打ち込んでくれ」
今更だけど、パソコンとかはあるんだよな。不思議なもんだ。
それこそ時代設定だって、色々と幅がある艦これ世界。便利だから良いけどね。
「はい!」
元気いっぱい。これは仕事に期待が出来そうだ。
…それでも大した仕事はない。例に漏れず、今日も俺が事前に仕事を片付けてある。
だから、ゆっくりと教えながら進めるとしようか。
「この鎮守府の目的は分かるか?」
「はい。資材の回収ですよね」
「よく勉強している。偉いじゃないか」
「えへへ」
照れる春雨可愛い。目の前で麻婆春雨を啜り食べて、涙目にしたい。
落ち着け。さて。
改めて、この鎮守府の任務は資材管理だ。大本営へ資材を供給し、最前線を支え続ける役目。時には最前線へ直接補給する役目もあるが、今の戦力では難しかろう。
それこそ、響が単独で突っ込むか。最前線側から取りに来てもらうしかない。
「任務の消化と、その報告も仕事ですよね」
「うむ」
所謂デイリーミッションとかも、他の鎮守府とは感じが変わってくる。
例えば、そうだな。
燃料を200納品しなさい。だとか。その報酬で大発を得られたり。大雑把な話し方だがね。大体そんな感じだ。
もちろん。艦これ世界と違う艦装。或いは違う運用をしている艦装もある。
ドラム缶改二だったり。まあ、この鎮守府の目的があるから、俺が見られるのは資材系統の艦装しかないけど。
やはり、新しい物を見られるのは良い気分だ。
反面、それらのデータがないのも困っている。厳密な数字管理こそ、艦これの醍醐味の一つなのかもしれないが、乱数とでも言えば良かろうか。安定しない。
感覚と経験から出来た勘での運用が、主になっているのだ。
ぶっちゃけて言うならば、遠征での数字すらも安定しない。
「おお、昨日の成果は良いですね」
「皆の頑張りのおかげだよ」
こういったように、上方に変化していれば何よりだがね。当然だけど、下方へ落ち込む事だってある。それがモチベーションが落ちる理由にもなろう。
戦えない。正確に言えば、戦うリスクが多い駆逐艦達。せめて資材管理をと思って、成果が出なければな。辛かろうよ。
しかしまあ、ここまで安定させるのも苦労した。
なんなら遠征の設定すらない。これまでに確認されたスポットへ、艦隊を組んで行ってもらう。敵が出る可能性もある。普通に失敗する事だってある。
かといって常時指揮も、な。ちょっと特殊と言うか。面倒であった。
「えっと。この字は…暁ちゃんですね。はい」
それはそれとして、一生懸命事務仕事をする春雨は可愛い。しょうがないね。