「ふふっ」
楽しそうにクッキーを食べてる姿。子供みたいに無邪気な、喜びを示す笑顔。
どことなく。白露姉さんの言ってた事が分かる気がする。幼さを宿してる。素直な心が見える反応。
胸をくすぐる。心地良い感じです。はい。…不敬かもしれませんが、無邪気に笑う司令官の頭を、優しく撫でてみたい。
妹はいても、弟はいない。艦娘の在り方から考えれば仕方ないけど。
ああ。そうだ。そういう意味では、お兄さんとしても。なんて。不敬すぎますね。
「よく分かりませんが、楽しそうで何よりです。はい」
ニコニコ笑顔の司令官とお茶会を楽しんでると、唐突に。
「素敵なプレゼントを頂いたお返しがしたい」
真っ直ぐ目を見ながら、暖かい声で言葉が続く。
「何か望みはあるか?」
「あの、えっと」
ちょっと唐突すぎました。望み。望み…う~ん。
姉妹艦がいなかったら、建造を望んでいたかもしれないけど。ありがたいことに、大切な姉妹達は全員揃ってる。川内さん達もいるし。
何を望んでいるんだろう。いえ、私なんかが何を望んで良いのだろう。
「大丈夫だ」
不安に落ちそうな私の心を、優しい言葉で解してくれました。
いくら司令官でも、さすがに内心までは読んでないだろうけどね。でも、司令官の大丈夫はとっても暖かい。
少しだけだけど。欲張りたがる私を許せそうです。
「俺を不義理な男にさせないでくれ。格好つけてさせておくれ」
妙にきりっとした顔で、なんとも格好良い事を言ってくれた。
最近、目元などが柔らかくなってるから。これまた妙に似合っていて。
ふふふ。何でしょうね。ちょっと面白かったり。失礼かもですけど。
ああ、そうだ。それならば。
「――健康に生きてください」
柔らかな貴方のままでいてほしい。不敬かもしれません。軍神としては、認められないかもしれない。
でも、それでもね。私は優しい微笑みが好きです。うさぎ型のクッキーを、楽しそうに食べてる貴方が好ましい。
「ふむ?」
首をかしげる姿も微笑ましい。初めて見た時とは、本当に変わってます。
やっぱり今の方が良い。接しやすいです。はい。
「姉さん達から話を聞いて、表情を見て」
特に白露姉さんが一番。なんというか、わかり合ってると言いますか。
『いっちば~ん!』
脳内の姉さんが暴走してます。はい。いっつも元気で大好きな感じです。
「皆、司令官を慕っています。私も、その」
今日出会って、こうして受け入れてもらって。
健やかに過ごしてほしいと願ってる。…私程度だけど。願ってるよ。
「ありがとう。春雨は優しい子だ。司令官として誇りに思うよ」
「えへへ」